「児童指導員の仕事に以前から興味を持っていたものの、実際のところはどういう仕事なのかよくわからない…」と悩んでいませんか?
児童指導員の仕事は、想像しているよりもずっと奥が深く、他の職業では出会うことのない様々な経験ができる素晴らしい仕事です。
この記事では、児童指導員に関する基本的な仕事内容からバラエティ豊かな勤務先まで紹介していきます。
その他にも、就職についてや人生の糧になるであろうやりがいについてまで触れていくので、ぜひ最後までご覧ください。
児童指導員について詳しく知ることで、漠然としたイメージで立ち止まっていた状態から、はじめの一歩を踏み出すことができるでしょう。
目次
1.知っているようで知らない児童指導員の仕事
児童指導員というと、子どもたちの指導をする仕事という漠然としたイメージがありますよね。
それは、おそらく「児童」と「指導」という言葉からの印象でしょう。
実は、児童指導員は何らかの事情により両親と離れて暮らしている子や、障がいを持っている子のケアやサポートをする職業なのです。
つまり、一般的な子どもたちのために働くわけではありません。
これだけではわかりにくいですよね。
では、実際に児童指導員が行っている仕事内容を見てイメージを膨らませてみましょう。
- 身体や心のケア・サポート
- 生活指導
- 生活環境の整備
では、それぞれチェックしてみてください。
仕事内容1.身体や心のケア・サポート
子どもたちのために、親代わりになって指導をするのも大きな仕事です。
施設の子どもたちは、少なからず人には言えない心の傷を抱えていることが多いものです。
ですから、ときには兄弟の代わりになって子どもたちと全力で遊ぶのも仕事のひとつになります。
そうした子どもたちにしっかり寄り添うには、同じ目線で行動をすることが必要だからです。
遊びの時間に精神的な安定を求める子どもたちを、温かい愛情で癒してあげるように努めましょう。
さらに、子どもたちは遊びながら自然に身体も発育をしていくものなので、積極的に身体を動かすよう促すことも忘れずに。
また、子どもたち同士の喧嘩などトラブルが起こった場合は、動揺せず速やかに対応して解決に導くことも仕事のひとつです。
このように、児童指導員は指導員でありながら子供たちに寄り添いケアをする身近なパートナーのような役割を担っています。
仕事内容2.生活指導
それぞれの子どもたちに合った生活指導計画を立てて、自立をするために必要な訓練や指導を行います。
これは、将来的に子どもたちが独立をしたときに困惑することがないよう行われる大切な訓練になるのです。
例えば、以下のような指導をしていきます。
生活に必要な身近なことが子どもたちの成長にとって重要なので、丁寧に教えていく必要があることがわかりますね。
- 食事のマナーや掃除
- 片づけの方法
- 学校の勉強
- 運動に関すること
そのため、児童指導員には幅広い知識と柔軟な対応力が問われます。
子どもたちと一緒に成長をするつもりで細やかで適格な指導をするよう心がけましょう。
仕事内容3.生活環境の整備
子どもたちが通う学校や児童相談所といった関連機関との調整をするのも、児童指導員の役割のひとつになります。
障がいを持った子どもたちには、適した施設での専門的な指導や訓練が必要になるからです。
専門的な指導や訓練によって、少しずつ障がいが改善に向かったり、前向きな気持ちになったりすることもあります。
また、保護者と離れて暮らしている子どもたちの引き取りを決める面談なども行います。
このように、児童指導員は子どもたちを最も適した環境に導けるように、日々の些細な変化も見逃さない細かな気配りが求められるのです。
そして、様々な機関とのネットワークをフルに活かして、子どもたちにそれぞれ最適な環境を提案しましょう。
2.とても幅広い児童指導員の勤務先
児童指導員として働くことができる職場は数多くあります。
これは、指導をする対象の子どもたちによって施設が分かれるからです。
ここでは、2つに分けてご紹介します。
- 家庭に問題のある児童のサポート施設
- 障がいを持つ児童のサポート施設
それぞれの施設の特徴を知ることで、児童指導員への理解を深めてください。
勤務先1.家庭に問題のある児童のサポート施設
まずは、家庭に問題があって保護者と同居ができない子どもたちのためのサポート施設から見ていきましょう。
サポート施設は年齢や支援の目的によって細かく分かれています。
そこで、これだけは知っておきたい代表的な施設を5つ挙げました。
- 児童養護施設
- 児童家庭支援センター
- 母子生活支援施設
- 児童自立支援施設
- 乳児院
それぞれの施設の特徴を、早速みてみましょう。
児童養護施設
まずは、児童養護施設をご紹介します。
簡単に説明すると、子どもたち一人ひとりに合ったサポートができる入所施設です。
対象になるのは、様々な理由により保護者と一緒に生活ができない1~18歳くらいまでの子どもたちになります。
施設では、家庭のような環境の中で規則正しい生活を送り、ときには季節のイベントが行われたりもします。
こうしたことによって、子どもたちの自立心を育てていきます。
退所後にも自立支援を行う施設もあります。
一人ひとりに合ったサポートができる対応力が大切ですね。
児童家庭支援センター
次に、児童家庭支援センターについてです。
この施設は、問題のある子どもに関する相談ができる施設になります。
入所をするほどではない、ちょっとした問題を抱えた子どもが対象です。
施設では、地域や家庭からの相談に応じたり、必要な助言や援助を行います。
また、児童相談所、児童福祉施設、行政、学校、民生委員といった関連機関との調整も仕事のひとつです。
子育て問題のスペシャリストになるくらいの心構えが必要ですね。
母子生活支援施設
今度は、母子生活支援施設です。
こちらは、DV被害者などを一時的に保護する、母親と子どものための入所施設になります。
母子家庭で18歳未満の子どもを育てている女性とその子どもが対象です。
仕事や育児をはじめ、健康や経済的なことなど、母親が抱える様々な相談に対応します。
母親と子どもを、自立した生活へと導くための幅広い知識と応用力が求められますね。
児童自立支援施設
次に、児童自立支援施設についてご紹介しましょう。
この施設は、非行少年を対象に生活指導を行って、自立を支援する入所施設です。
対象は、少年院に入るより軽い罪を犯したり、発達障がいを患ったりしている子どもたちです。
施設では、規則正しい生活を行い、退所後に更生できるような指導を行います。
退所後の子どもたちの更生が課題です。
非行に走る子どもたちと正面から向き合う度量の大きさが必要になりますね。
乳児院
そして、最後は乳児院です。
こちらは、保護者がいない、または育てることができない新生児~1歳までの乳幼児のための施設です。
施設では、赤ちゃんのお世話の他、これから先の人生について、他の施設と連携をはかります。
赤ちゃんが退所すると、保護者や里親に引き取られるか、児童養護施設に移るのが一般的です。
1人の赤ちゃんの人生を背追い込むので、非常にタフな精神と健康な身体が求められますね。
勤務先2.障がいを持つ児童のサポート施設
次に、生まれ持った障がいによって、家族だけでは支えていくのが難しい子どもたちのためのサポート施設を4つご紹介します。
- 放課後等デイサービス
- 児童発達支援センター
- 児童心理治療施設
- 障がい児入所施設
早速みてみましょう。
放課後等デイサービス
1つ目は、放課後等デイサービスです。
障がいのある小学生から高校生までの子どもたちが対象になります。
ここは、放課後や長期の休暇時に利用できる施設です。
学校や家庭とは違う支援を受けることができます。
施設によって、「就労を見据えた習い事タイプ」、「自由に過ごせる学童保育タイプ」、「専門的な療育タイプ」といった異なるプログラムが用意されており、目的に応じて選ぶことができるのも特徴のひとつです。
障がいのある子どもたちの交流の機会や可能性を広げられるような、包容力が問われますね。
児童発達支援センター
2つ目は、児童発達支援センターです。
ここは、障がいによる困難を乗り越えるために必要な訓練を、通所で行う施設になります。
対象は、障がいのある小学校就学前の未就学児です。
保育園や幼稚園に通っていながら、専門的な対応が必要であると判断された場合も対象になります。
障がいのある子どもとじっくり向き合える忍耐力と、豊富な知識や適応力が試されますね。
児童心理治療施設
3つ目は児童心理治療施設です。
軽い情緒不安定の子どもを治療し、自立のための支援を行います。
引きこもりや親への暴力など、周囲になじめない子どもたちのケアが主な目的です。
状況に応じて入所と通所を選択し、退所後も相談や援助を行うことが一般的になります。
心の病を抱えた子どもたちを優しく包み込める、経験と知識が求められてきますね。
障がい児入所施設
4つ目は、障がい児入所施設です。
ここでは、障がいのある子どもを入所させて保護します。
日常生活を円滑に送れるようにするための指導や、自立のための知識や技能を訓練が目的です。
入所が必要な子どもの状態に応じて選択できるように、医療型と福祉型が用意されています。
福祉型は、各種の訓練や食事・排泄・入浴などの介助が行われ、医療型は、これに治療や看護も行われるのが異なる点です。
障がいの度合いに応じて様々な対応を求められることが多々あるので、前向きな向上心が必要になりますね。
3.介護士から児童指導員になるための流れ
介護士として働いた経験をもとに、児童指導員として働くためには2つのステップが必要になります。
- 任用資格の条件に該当しているか確認する
- 希望する施設の採用試験に応募して採用される
どのようなものか、詳しくご紹介します。
現在までの経験によって児童指導員になることができるのか、確認してみましょう。
ステップ1.任用資格の条件に該当しているか確認する
まずは、自分が児童指導員になるための任用資格に該当しているか確認してみましょう。
該当しないと、就職試験を受ける権利がないからです。
任用資格とは、ある特定の職業で働くときに必要な資格のことをいいます。
介護士として数年以上働いてきた方ならたいていの方は条件に該当しますし、大学で学んだ方、資格を取得している方も該当します。
では、条件を確認しましょう。
介護士の経験から児童指導員の任用資格を得るための条件
介護士として何年か経験を積んだ方が該当するであろう条件としては、以下の2つがあります。
いくつかある条件の中で、この2つの条件が介護士の経験を活かして児童指導員になるために該当しやすい条件だからです。
- 高等学校卒業及び児童福祉事業での実務経験が2年以上
- 児童福祉事業に従事した経験が3年以上及び厚生労働大臣または都道府県知事からの認定あり
まずは、どちらかに該当するか確認し、満たしていない場合はもう少し介護士として働くなど、条件をクリアする必要があります。
その他の条件
実務経験がない方が任用資格を得るための条件としては、以下の4つがあります。
どれか1つ該当をしていれば問題がないので、確認しましょう。
これからの進路を迷っている学生であれば、大学の学科選びの参考にしてみてください。
- 地方厚生局長等が指定している児童福祉施設で働く職員を養成する学校・養成施設を卒業
- 社会福祉学・心理学・教育学、または社会学専修の学科・課程の大学を卒業
- 社会福祉士・精神保健福祉士のどちらかの資格取得
- 小・中・高いずれかの教諭の資格を取得及び厚生労働大臣または都道府県知事からの認定あり
実務経験がない人の条件に当てはまれば問題なく児童指導員を目指すことができますよ。
ステップ2.希望する施設の採用試験に応募して採用される
任用資格の条件を満たしていたら、次は就職を希望する施設の試験に合格しなければいけません。
任用資格はあくまでも試験を受けるための権利があるだけで、実際に児童指導員として働くためには、施設で雇用してもらう必要があるからです。
児童指導員が働く施設は様々な種類がありますが、それらは公立の施設と民間の施設の2種類に分けられます。
公立は公務員試験を、民間はそれぞれの施設の採用試験を受けましょう。
男女比は施設にもよりますが、おおよそ男性2:女性8くらいで女性の多い職場になっています。
需要に反して施設の数が少ないといわれています。
それでも、人員不足の施設も多いので諦めず求人募集を確認してみましょう。
4.民営と公立で違う児童指導員の給料
児童指導員の給与は、勤務先によってかなり差があるので一概にいえません。
大きく分けると公立の施設と民間の施設があり、両者の間で給与額に開きがあるからです。
また、児童指導員としての経験を積むごとに給料がアップしていくこともあるので、採用の際に確認をしておくのが望ましいでしょう。
ここでは、以下のように分けて、それぞれご紹介します。
- 公立の施設の給料
- 民営の施設の給料
働く施設によって給与額に大きな違いがあることを覚えておいてください。
(1)公立の施設の給料
主に、公立の施設の場合は公務員の給与規定に換算された金額が支払われます。
公務員の給与額は議会の議決によって決められるものだからです。
公務員給与規定(一般職の職員の給与に関する法律)によると、平均年収は353万円となっています。
このように、公立の施設は公務員と同様に安定した一定額の給与支給があります。
(2)民営の施設の給料
民間の施設の場合は、地域によっても今までの経験内容によっても変わってきます。
採用試験の前にしっかり調べる必要がありますね。
これは、募集の内容によって、求められるスキルや勤務時間などもかなり異なってくるからです。
国税庁の統計では、民間の医療・福祉関連の仕事の平均年収は341万円になります。
ただし、これはあくまで統計であり、施設によっては保育士と同様の支給額の施設や、これまでの経験が認められて好待遇が受けらる施設など様々です。
納得した条件で働くことができる施設を見つけましょう。
5.児童指導員の仕事で感じられる3つのやりがい
児童指導員の仕事は、大きな充実感とやりがいを感じることができる仕事といえます。
それは、一人ひとり事情の違う何らかの問題を抱えた子どもたちと正面から向き合い、近くで成長を見守ることができる仕事だからです。
たくさんのやりがいの中で3つを挙げてご紹介していきます。
- 純粋な子どもたちの成長を感じられる
- 保護者の支えになることができる
- 心が開ける大人として頼りにしてもらえる
子どもたちが笑顔のときも落ち込んでいるときも、いつも近くで支えになれる児童指導員のやりがいとはどんなことでしょうか。
やりがい1.純粋な子どもたちの成長を感じられる
子どもの成長はとにかく早いので、短い間で見違えるような変化を感じることも多くあります。
毎日寄り添っている児童指導員だからこそ、小さな変化も見逃さず、そこに喜びを感じることができるのです。
できなかった作業が上手くできるようになったなど、ほんの些細な出来事にも敏感に幸せを感じられるでしょう。
こうした小さな幸せな気持ちを、いつも子どもたちからもらえることは、児童指導員の仕事のやりがいのひとつです。
やりがい2.保護者の支えになることができる
保護者からの子育てに関する相談に適切なアドバイスができ、さらに感謝の言葉をもらったときにも、大きなやりがいを感じます。
児童指導員は、子どもたちだけでなく保護者とも密接な関係性を築く必要があるからです。
保護者の立場から見て児童指導員は、子育ての相談ができる頼もしい専門家になります。
人知れず悩み、孤独を感じている保護者の方の心が、少しでも軽くなる手助けができれば、児童指導員冥利につきます。
経験や知識を活かしたよいアドバイスができることを目標に掲げれば、モチベーションも高まるでしょう。
やりがい3.心が開ける大人として頼りにしてもらえる
子どもとの間で強い信頼関係を築くことができたと感じたときにも、喜びと共にやりがいを感じられます。
心に傷を抱えた子どもたちの心はとても繊細なので、焦らずじっくり時間をかけて関係を築き上げた結果だからです。
例えば、トラブルが起こったとしても叱るのではなく、目をしっかり見て話を最後までゆっくり聞いてあげることが大切になるでしょう。
心を開いてくれるようになったら、その子はこれから先も人生の恩人として慕ってくれるようになるかもしれません。
退所後も頼れる大人として相談をしてくれるようになることも考えられます。
こうしたとき、他の仕事ではなかなか味わうことのない、児童指導員としてこの上ないやりがいを感じることができるのです。
6.児童指導員のキャリアアップ事例2つ
児童指導員から、さらに次のキャリアアップを考えてみましょう。
ここでご紹介する児童発達支援管理責任者と社会福祉士といった仕事は、児童指導員としての経験をフルに活かせる仕事です。
児童指導員の仕事で得ることができる経験値は、他の職業でも充分応用して活かすことができるからです。
福祉の仕事でキャリアアップを考えている方は、5年先・10年先の働き方も考えておきましょう。
まずは、事例として2つの仕事についてご紹介します。
- 児童発達支援管理責任者になる
- 社会福祉士になる
では見てみましょう。
事例1.児童発達支援管理責任者になる
キャリアアップのひとつに、児童発達支援管理責任者の資格を取得し、自分で事業所を立ち上げるという道があります。
児童発達支援管理責任者の資格は、放課後等デイサービスで5年間の実務を経験し、研修を受けることで取得できる資格だからです。
この資格があれば、障がい児を対象とした個別支援計画を作成する仕事もできるようになります。
働く中で、自分の理想とは違っていたりケアをする環境が整っていなかったり、もどかしい思いをした経験が少なからずあったことでしょう。
そうした経験を活かし、思いきって事業所を立ち上げてみるというのも大きなキャリアアップになります。
事例2.社会福祉士になる
もうひとつは、社会福祉士として子どもたちのみならず日常生活が難しくなった人全般にサポートをするという道です。
社会福祉士は国家資格なので、年収も少し上がります。
そして、社会福祉士を目指す際には児童指導員の経験があると取得しやすくなるのです。
資格を取得するためには、社会福祉国家試験に合格することで社会福祉士として登録される必要があります。
社会福祉士は、日常生活のサポートに加えて福祉関連のサービスや保健医療サービスなどの提案も仕事の一つになります。
ですから、より深い知識が問われるようになるでしょう。
7.児童指導員の仕事が辛い5つのとき
大きなやりがいや充足感のある児童指導員の仕事ですが、辛い側面もあります。
主な理由としては、児童指導員の場合は課題を持った子どもたちが相手なので、充実感と悲壮感が表裏一体だからです。
ただし、辛いと感じることがあっても、たいていは子どもたちの元気な笑顔に触れると消えてしまいます。
ここでは、児童指導員の仕事が辛いと感じるときを5つ挙げました。
- 労働時間が長くなる
- 両親のあたりが強い
- 子どもとの間で無力さを感じる
- 雇用条件が整っていない
- すぐに辞めてしまう同僚が多い
早速、対応策も含めて確認をしてみましょう。
辛いとき1.労働時間が長くなる
勤務のある日は時間がよめないため予定が入れられず、労働時間が規定より長引いてしまうことが続くとき、辛く過酷な仕事だと感じてしまいます。
長引いてしまうのは、子どもにありがちな想定外のトラブルが頻繁に起こるからです。
トラブルに対応する人員不足の影響も相まって、一人のスタッフにかかる負荷が大きくなり、結果として労働時間が長くなってしまいます。
こうした場合は、繰り返し上司に現場の状況を細かく伝え、増員など適切な処置をするように求め続けましょう。
辛いとき2.両親のあたりが強い
保護者がモンスターペアレントになって、ことあるごとに無理難題を言ってくるときにも、強いストレスによる辛さを感じます。
少数派ではありますが、保護者の中には児童指導員を家政婦のように扱ってくる人もいるからです。
一人で何人もの子どもたちを相手にしなければならない児童指導員に、自分の子どもを中心に面倒をみるようにと指示をしてくる保護者もいます。
あまりにも度が過ぎている場合は、即座に上司に事情を話して面談を開いてもらいましょう。
我慢をして対応するのではなく改善を試みることが必要です。
辛いとき3.子どもとの間で無力さを感じる
どんなに根気強く子どもたちに向き合っても、全く胸の内を明かしてくれないこともあります。
そんなときは、児童指導員としての行き詰まりを感じ、孤独な辛さに押しつぶされそうになります。
なぜなら、知識や経験がどれだけあったとしても、相手は一人ひとり個性の違う人間だからです。
自分では努力をしているつもりでも、最初に会ったときよりさらに状況が悪化してしまう子どももいます。
それでも、児童指導員ができることは決まっているので、自分の信念を曲げず、気持ちを強く持って焦らず対応することを忘れないようにしましょう。
辛いとき4.雇用条件が整っていない
長く働いていて、仕事も精一杯がんばっているのにも関わらず、正規雇用への道が開けてこないとき、経済的な面での辛さを感じざるを得ません。
それは、給与額が仕事内容に見合わないと感じるからです。
こうした職場は、シフトがギリギリまで決まらないなど、雇用条件が曖昧なことも多々あります。
自分の仕事における貢献度や職場環境の問題点などをきちんとまとめて提示した上で、直訴をするようにしましょう。
辛いとき5.すぐに辞めてしまう同僚が多い
せっかく築いてきた同僚との人間関係が、退職というかたちでゼロになってしまうことが多いと、辛い職場だと感じます。
肉体的にも精神的にもハードな面が多いので、入れ替わりの激しい仕事だと理解をしているものの、苦しいときを一緒に乗り越えてきた同僚の存在はとても大きいものだからです。
また、欠員が出ると勤続年数が長い職員に負荷がかかりやすくなることについても辛いと感じます。
退職者が多いことは、従業員にとっても子どもたちにとってもマイナスです。
給料の増額といった待遇面の改善などで退職者を引き留めるなどの策を、上司に提言してみましょう。
8.児童指導員が向いている人の傾向3つ
児童指導員についての理解が深まったところで、最後にどんな人が児童指導員に向いているかについてご紹介します。
専門性のある仕事なので、適正も見逃せないポイントになるからです。
ここでは、向いていると思われる人の3つの傾向を挙げました。
- 子どもへの深い愛情を持っている
- 比較的体力がある
- 社会貢献をしたいと考えている
自分が当てはまっているか、チェックをしてみてください。
傾向1.子どもへの深い愛情を持っている
子どもが好きというのは、基本中の基本の条件になります。
保護者に代わって、躾をしたり一緒に遊んだり笑ったりする存在の児童指導員は、何より子どもが大好きである必要があるからです。
傷ついた子どもたちの心を、深い深い愛情で包み込んであげられるような人が、児童指導員には最適でしょう。
児童指導員は、面倒見がよくて辛抱強く子どもたちと関わることができる人間性が不可欠な仕事になります。
傾向2.体力がある
子どもは、走り回ったり大きな声を出したり、とにかく自由奔放に動くため、それについていくだけの体力がある人は、児童指導員に向いています。
家庭で子育てをするのとは比較にならないほど、かなりの体力が必要になる場面が多々あるからです。
例えば、長い時間だっこをするようにおねだりされたり、スポーツの相手を頼まれたり、子どもたちの有り余るパワーが、児童指導員のもとに容赦なく集まってきます。
ですから、日頃から体力づくりに励み、少々のことには動じない体幹が鍛えられた身体であることも、適正の一つになってくるのです。
傾向3.社会貢献をしたいと考えている
社会的に弱い子どもたちを守ることで、少しでも社会の役に立ちたいという考えの人も児童指導員に向いています。
昨今の日本では、様々な事由により子どもたちが成長するための環境が悪化し、助けを求めている家庭が増加の一途をたどっているからです。
こうした求めに対し、受け皿となる施設や専門の指導員の数はまだまだ不足しています。
すべての子どもたちが悩み迷うことなく伸び伸びと成長するために、知識と経験でサポートすることができるのが児童指導員です。
社会貢献の一環として仕事に取り組むことができる人は、児童指導員に適しています。
まとめ
児童指導員の仕事は、問題を抱えた子どもたちのためにできることがすべて仕事になり、かなり多くの仕事への対応が求められます。
子どもたちの抱える課題によって違った施設が用意されているため、働く職場も変わってくるからです。
また、児童指導員として働きはじめるには、任用資格の条件を満たしてから就職試験に合格する必要があります。
就職先は公立と民間の施設があり、給与は公立の方がやや高めです。
大変で辛いことも多い反面、やりがいや充実感がとても大きい仕事といえるのが、児童指導員の仕事になります。