「介護施設の施設長になるにはどうすればいいか分からない!」
本記事は、こんな疑問をお持ちの人に向けて書いています。
介護士のキャリアの1つに、施設長の道があることをご存知ですか?
施設長になれば、自分の理想とするケアを提供できたり、給与やスキルの面でも大きくキャリアアップを図れます。
とはいえ、施設長になろうと思っても具体的に何をすればいいのか、そもそも一介護士からなれるものなのか、イメージがわきませんよね。
この記事では、介護施設の施設長とはどのような仕事なのか、具体的にどのような流れでなれるのかを解説します。
施設長はとてもやりがいのある仕事であり、同時に自分自身の成長にもつながる仕事です。
本記事を読めば、どうやったら施設長になれるのか具体的にイメージできるでしょう。
目次
1.施設長とはどんな仕事?
まずは施設長の仕事内容から見ていきましょう。
施設長の主な仕事内容は、施設全体のマネジメントです。
管理業務全般のことを指します。
施設によっては施設長ではなく、ホーム長や管理者とも呼ばれるようです。
また、訪問介護事務所などでは所長と呼ばれる場合もあります。
呼び名は様々ですが、全て施設の責任者であることに変わりはありません。
ちなみに、施設長の仕事は介護保険法第22条で定められており、それだけ重要な業務であることが分かります。
しかし、施設のマネジメントといってもイメージがわきづらいですよね?
そこで5つの項目に分けて、具体的に説明していきます。
具体的な仕事は以下の5つとなります。
- 利用者管理
- 職員管理
- 運営管理
- 収支管理
- 行政管理
1つずつ詳しく見ていきましょう。
(1)利用者管理
施設長の仕事の1つ目は利用者の管理です。
利用者の管理というと、現場の介護士の仕事だと思われますよね?
実は施設長の立場でも、利用者の管理はとても大切な業務の1つです。
ただし、現場の介護職員とは内容が少し違います。
利用者の状態や、利用者がどのように生活したいのかを理解し、利用者の要望に沿った提供ができているかの確認です。
また、入居時と退去時にはご家族の方と面談を行います。
面談では、何日まで施設を利用するのか、利用者の要望確認などを行うのです。
そのうえで、面談内容に沿った介護方針(ケアプラン)の作成も、施設長の仕事の1つになります。
現場の介護士とは接し方こそ違いますが、施設長にとっても利用者の管理は大切な仕事の1つといえるでしょう。
(2)職員管理
施設長は職員の管理も行います。
現場で人間関係の問題はないか、適切な人員配置はできているかなどの確認をします。
また、現場で指示を出すのはフロアリーダーの役目になりますので、そのフロアリーダーへの周知や指示出しも必須です。
その他にも、職員の新規採用の面接や採用の手続きも施設長の仕事になります。
施設を円滑に営業するには、職員のモチベーション維持は欠かせません。
職員一人一人のモチベーションで、施設全体に影響を与える可能性もあるからです。
職員の質は、サービスの質に関わります。
より良いサービスを提供するためにも、施設長は適切な職員管理を行わなければなりません。
(3)運営管理
施設長は施設全体の運営を管理します。
なぜなら、施設を経営する上では運営管理は重要だからです。
施設長自身が運営について試行錯誤をします。
運営方針の決定、サービスレベルの確認なども行うのです。
また、施設内だけではなく、地域や外部に向けた活動も必要になります。
他には、施設内活動が法的に違反していないかなど、法令等も把握する必要がありますね。
そのため、施設長は運営の管理をしなければいけません。
(4)収支管理
施設長は施設の収支管理を行います。
なぜなら、収支が赤字だと施設の経営ができなくなってしまうからです。
利用者との契約費用、人件費、外部費用、などお金に関わる収支を計算し、支出のコントロールをします。
施設を経営し続けるには、儲けを出さなければいけないので、経営者視点で物事を考えていくことが必要です。
また、無駄な出費はないかの確認を行い、試行錯誤をして儲けを増やしていきます。
そのため、施設長は施設の収支管理をしなければいけません。
(5)行政管理
施設長は行政の管理も行います。
なぜなら、行政からの届け出や報告書の提出は超重要だからです。
介護保険事業について届出の確認や、介護保険事業者事故報告書、消防計画の作成や立案をします。
行政からの指示に従わないと、施設にペナルティが課せられる場合もあるのです。
そのため、施設長は行政管理をしなければいけません。
行政に関しての知識も必要ですね。
(6)施設形態によって異なる仕事
また、施設形態や施設規模によって仕事内容が異なる場合もあります。
例えば、特別養護老人ホームと有料老人ホームのような営利法人の施設では、仕事内容が若干異なるのです。
営利法人の方が、仕事内容は少し多くなります。
収支バランスを考えながら施設全体の利益を追求しなければ、経営が立ちゆかなくなってしまうためです。
営利法人の場合は、より収支管理を重要視しなければいけませんね。
特別養護老人ホーム |
|
---|---|
営利法人の施設 |
|
大規模な施設 | 各種管理を他の管理者と割り振る |
小規模な施設 | 各種管理+ケアマネや現場などを兼務 |
※上記はほんの一例です。
このように、「施設長」の仕事内容は、施設によって異なる場合があります。
施設長の仕事内容については以上です。
施設長の具体的な仕事内容、施設によって異なること、これらをまとめました。
次の項目では、施設長になるメリットをまとめていきます。
施設長になっても良いことが何もなければ、なる意味なんてありませんよね。
次は施設長になるメリットを解説します。
2.施設長になるメリットとは?
施設長はどんな仕事をしているのか、ざっくりと理解できたかと思います。
では続いて、施設長になるメリットを見ていきましょう!
メリットを知ることで、施設長になる意味が明確に見えてくるはずです。
それでは、施設長になるメリットを2つ紹介します。
- できる仕事の幅が広がる
- 給与が上がる
2つをそれぞれ詳しくまとめます。
(1)できる仕事の幅が広がる
施設長になるメリットの1つ目は、できる仕事の幅が広がることでしょう。
なぜなら、施設長でしか経験できないことがたくさんあるからです。
施設全体のマネジメントは施設長や管理者にしかできない業務になります。
現場の介護職員では、現場のマネジメントはできるものの、経営や施設全体のマネジメントは絶対にできません。
それはとても貴重な体験になり、施設長でしか味わえないやりがいが多数存在します。
例えば、施設の職員が不足するという大きな問題が起こるとします。
その際に自分と周りの全職員が一丸となり、人手不足の問題を解決させる。
そのために試行錯誤し、意見を出しあい、職場環境を変えていく。
施設長になると自分が中心になり、そのような挑戦や解決に取り組んでいきます。
そのような大きな壁を乗り越えることで、自分の成長へとつながり、大きなやりがいにもなるはずです。
また、経営学や収支マネジメントなど、あらゆる分野を経験し学ぶこともできます。
そのため、施設長になると貴重な経験ができるというメリットがあるのです。
(2)給与が上がる
施設長になるメリットの2つ目は、給与が上がることでしょう。
なぜなら、施設長になると給与面の大幅な上昇を見込めるからです。
施設長の給与は、仕事内容が多岐にわたるため高水準となっています。
加えて、責任も非常に大きいため、高年収となっているのです。
その高給で、以前の介護職員よりも贅沢な暮らしを送ることができるかもしれませんね。
そのため、施設長になると給与アップのメリットがあるのです。
介護長になるメリットの紹介は以上です。
「できる仕事の幅が広がる」「給与が上がる」この2つを紹介しました。
また、介護長の良さはこの2つだけでなく、やっていくうちにもっと見つけられるはずです。
自分なりの良さを見つけていきましょう。
しかし、メリットがあれば当然デメリットもあります。
3.施設長になるデメリットとは?
施設長になるメリットがあれば、もちろんデメリットも存在します。
ですが、デメリットを事前に知ることで、様々な対策ができるはずです。
そのデメリットは大きく分けて2つ。
- ストレスが溜まりやすい
- 大きな責任がともなう
2つをそれぞれ見ていきましょう。
(1)ストレスが溜まりやすい
施設長になるデメリットの1つ目は、ストレスが溜まりやすいことでしょう。
なぜなら、不満があっても現場への口出しは直接できないからです。
施設全体のマネジメントが仕事となるので、現場は主任や介護スタッフに任せることとなります。
現場の方向性が良くないものだとしても、直接の口出しが出来ず、モヤモヤしてしまうなんてこともあるでしょう。
そのため、施設長になるとストレスが溜まりやすいというデメリットがあります。
とはいえ、主任やリーダーに適切な指示を送れるようになれば解決できる問題です。
また、同時に施設全体を動かすマネジメントスキルを学ぶことができます。
(2)大きな責任がともなう
施設長になるデメリットの2つ目は、大きな責任がともなうことでしょう。
なぜなら、施設長の仕事はどれも重大なことが多く、施設全体に関わることばかりだからです。
施設長の指示や行動は、施設全体の利益や経営方針に直接関わります。
1つのミスで施設全体が揺らぐ可能性もあるのです。
そのため、施設長になると「大きな責任がともなう」デメリットがあります。
とはいえ、施設全体をコントロールすることは、大きなやりがいになるはずです。
また、仕事をやり遂げた時の達成感は、とても大きく感じるでしょう。
施設長になるデメリットの紹介は以上です。
ストレスが溜まりやすい点、大きな責任がともなう点の2つを紹介しました。
デメリットと対策が分かることで、施設長への不安を減らすことができるはずです。
メリットとデメリットを理解できた次は、施設長になるための条件を見ていきましょう。
4.施設長になるための資格やキャリア
メリットとデメリットは大体理解できたかと思います。
それでは、施設長になるための資格やキャリアを見ていきましょう。
どの資格が必要なのかを具体的に理解することで、施設長になるための道のりが明確になるはずです。
施設長に必要な資格とキャリアは以下の通り。
施設形態によって、資格やキャリアは様々ですね。
特別養護老人ホーム | 3つの条件のうち1つを満たす必要あり
|
---|---|
介護老人保健施設 | 原則、都道府県の知事から承認を受けた医師 ただ、医師以外でも都道府県の知事から承認を受ければなれる |
介護療養型医療施設 | 臨床研修修了登録証が必要 |
小規模多機能型居宅介護事業者 | 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了していること |
グループホーム | 2つの条件を満たす必要あり
|
単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所 | 厚生労働大臣が定める研修を修了すること |
有料老人ホーム・デイサービス・訪問介護事業所など | 施設長(管理者)になるための資格は必要ない また、施設長(管理者)の経験も必要ない |
これら必要な資格やキャリアを1つずつ詳しくまとめます。
(1)特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難になった高齢者が入居できる「介護保険施設」の1つです。
民間運営の有料老人ホーム等に比べると、低料金で利用できるのが特徴ですね。
特別養護老人ホームで施設長になるためには、下記3つの条件のうち1つを満たす必要があります。
- 社会福祉主事の要件を満たす者
- 社会福祉主事に2年以上従事した者
- 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者
社会福祉主事とは、都道府県や市町村の福祉事務所に配置され、社会福祉相談やサポートをおこなう職員のことです。
他施設と比べ、比較的簡単に施設長へ就任できます。
とはいえ、資格以上に信頼関係や実績が必要になってくるはずです。
(2)介護老人保健施設
介護老人保健施設は、長期入院をしていた方が、退院して家庭に戻るまでの間に利用する介護保険施設の1つです。
介護老人保健施設で施設長になるためには、原則として都道府県の知事から承認を受けた医師でなければいけません。
ですが、医師以外でもなれる可能性があり、都道府県の知事から承認があれば施設長になることができます。
(3)介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、重度の要介護者に対し、医療処置とリハビリを提供する施設のことです。
生活援助やレクリエーションは充実していないという特徴があります。
介護療養型医療施設で施設長になるためには、臨床研修修了の登録証が必要になります。
ただし、厚生労働省から介護療養型医療施設の廃止が決定しているのです。
※2024年3月末まで移行期間を設置
そのため、今から介護療養型医療施設での施設長を目指すのは難しいといえるでしょう。
(4)小規模多機能型居宅介護事業者
小規模多機能型居宅介護は、「訪問介護・通所介護・短期入所」この3つの機能を組み合わせた介護保険サービスのことです。
小規模多機能型居宅介護事業者で施設長になるためには、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了していることが必要となります。
また、認知症対応型サービス事業管理者研修を受けるには、認知症介護実務者研修を修了している必要です。
(5)グループホーム
グループホームは、認知症高齢者を対象に少人数で共同生活をする施設のことです。
地域密着型サービスの1つでもあります。
グループホームで施設長になるためには、下記の2つの条件を満たす必要があるのです。
- 特別養護老人ホーム等の従業者または訪問介護員として、3年以上認知症高齢者の介護に従事した経験を有すること
- 厚生労働大臣が定める認知症対応型サービス事業者管理者研修を修了していること
グループホームで施設長になるには、他施設に比べハードルが高いでしょう。
なぜなら、他施設と比べ、時間と手間がかかってしまうからです。
小規模多機能型居宅介護事業者と同じく、認知症対応型サービス事業者管理者研修を修了しなければなりません。
認知症対応型サービス事業者管理者研修は取得まで手間のかかる資格です。
なおかつ、現場での介護経験が3年必要となります。
このように他施設に比べて手間と時間を要するため、グループホームの施設長はハードルが高いといえるでしょう。
(6)単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所
認知症対応型通所介護事業所は、認知症ケアに特化した小規模な通所介護サービスのことです。
単独型は、認知症対応型デイサービスとして単独で設置されている施設のこと。
併設型は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等に併設されている施設を指します。
単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所で施設長になるためには、厚生労働大臣が定める以下の研修を修了する必要があります。
- 認知症対応型サービス事業管理者研修
- 認知症介護実践者研修または基礎課程研修
単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所で施設長になるためには、厚生労働大臣が定めるこの2つの研修が必須となります。
(7)有料老人ホーム・デイサービス・訪問介護事業所など
有料老人ホームは、高齢者が快適に暮らせるようにサービスを充実させた施設です。
デイサービスは、介護保険サービス通所介護の通称になります。
訪問介護事業所は、利用者が自宅で可能なかぎり自立した生活を送れるように支援するサービスです。
有料老人ホーム・デイサービス・訪問介護事業所などで施設長になるための資格は必要ありません。
施設長(管理者)の経験がなくとも、信頼や知識さえあれば施設長になることができます。
とはいえ、資格を持っていた方が優先される場合が多いでしょう。
資格を持っていることは、一定の知識・技術を身につけていることの証だからです。
また、介護福祉士や社会福祉士のような国家資格は、一般的に社会的信用性が高いといわれています。
こうした理由から、資格保有者の方が施設長になりやすいといわれるのです。
施設長になるための必要な資格やキャリアは以上になります。
施設形態ごとに条件の違いがあるので、自分に合った施設をチェックしてみてください。
次の項目では、施設長になるまでの具体的な流れを見ていきます。
5.施設長になるまでの基本的な流れ
必要な資格や条件がわかったとしても、実際どのように施設長になれるのかイメージしづらいですよね?
そのため、ここでは特別養護老人ホームで施設長になるまでの基本的な流れをまとめます。
基本的な流れがわかることで、何をすべきかが明確になるはずです。
- 介護職員として現場で経験を積む
- 資格を取得する
- 施設全体を把握する
- 施設長になるための条件を満たす
1つずつ詳しく見ていきましょう。
(1)介護職員として現場経験を積む
施設長になるための一歩として、介護職員で現場経験を積みましょう。
なぜなら、現場の事を知らないと施設全体のマネジメントは難しいからです。
また、「現場の事を全く知らないのに…」などと、現場の職員から反感を買ってしまう恐れがあります。
現場を知ることで、職員にしかわかならい悩みや問題を把握できるため、職員管理に活かすことができます。
まずは自分自身が現場での介護職を経験し、介護現場の状況を把握しておきましょう。
そうすることで施設全体のマネジメントが行いやすく、介護職員との信頼関係も作りやすいはずです。
そのため、まずは介護職員として現場で経験を積みましょう。
(2)まずは初任者研修を取得する
現場での業務に慣れてきたら、まずは初任者研修を取得していきましょう。
なぜなら、資格を取得することで信頼につながるからです。
初任者研修を取得することで、介護の基礎知識・基本技術を習得している証になり、信頼につながります。
また、施設長を目指すなら、介護の基礎知識は絶対に必要です。
現場に慣れてきたら、まずは初任者研修を取得していきましょう。
その後に、実務者研修や介護福祉士も取得することをおすすめします。
これらの資格は必須ではありませんが、介護の応用技術と更なる信頼を得られるはずです。
(3)施設の経営方針を把握する
現場経験を積み、徐々に資格を取得したら、施設の経営方針を把握していきましょう。
なぜなら、経営方針を把握していなければ、適切なマネジメントができないからです。
自分から進んで施設内のイベントに参加したり、現在の施設長へ質問することで、施設の経営方針を把握することができます。
- この施設の目的は何なのか
- この施設の問題は何なのか
- どうやって利益を出しているのか
それらを積極的に質問していき、経営方針の理解を深めていきましょう。
そのため、施設の経営方針を把握していきましょう。
(4)施設長になるための条件を満たす
最後に、施設長になるための条件を満たす必要があります。
なぜなら、いくら信頼があっても条件を満たさないと施設長へはなれないからです。
特別養護老人ホームの施設長は、社会福祉主事に任用するための資格が必要です。
社会福祉主事任用資格のために勉強をしたり、施設長になるための目標を具体的に立て、少しずつ準備を進めていきましょう。
そのため、施設長になるためには条件を満たす必要があります。
施設長になるまでの基本的な流れは以上です。
流れはわかってきたと思いので、施設長に求められるスキルを見ていきましょう。
6.施設長に求められるスキル
施設長になるまでの流れはわかっていても、求められるスキルがわからないと不安になりますよね。
そのため、施設長に求められるスキルをまとめます。
求められるスキルを知ることで、今の自分に足りないことが明確にわかるはずです。
施設長は、施設全体を運営するマネジメントスキルが求められます。
- 介護業務のマネジメントスキル
- 人材のマネジメントスキル
- 収支のマネジメントスキル
1つずつ詳しく見ていきます。
(1)介護業務のマネジメントスキル
施設長は、施設の介護業務を適切に運営できるようマネジメントをしなければいけません。
そのための立案力や思考力、または介護業務に関する知識が圧倒的に必要となります。
常に安定して経営ができるよう、備品の管理や効率的な介助方法など。
品質を落とさないように定期的なチェックや指導を行い、改善策を話し合ったり提案する能力が求められるのです。
(2)人材のマネジメントスキル
施設長は、介護職員の教育を適切に行わなければいけません。
また、職員全体の心境を理解し、適切なアドバイスや指導を行います。
そのための人材マネジメント力や、職員との信頼を作る能力が求められるのです。
また、残業が多すぎないか、疲弊する職場環境になっていないかなど、施設全体を働きやすい職場にする労務管理能力も必要になります。
(3)収支のマネジメントスキル
施設長は、施設全体の利益を上げる収支のマネジメントをしなければいけません。
人件費の管理や入居者の確保、無駄な出費の削減などの業務です。
そのための収支に関する知識や経営学が必要となります。
また、それら収支を取りまとめる管理能力も求められるのです。
7.施設長の給与面
施設長の給与面は、介護職の中ではトップクラスに高いです。
それほど業務の難易度が高く、責任が大きいということでもあります。
では、実際に施設長の給与はいくらくらいなのでしょうか?
公益財団法人 介護労働安定センターの「介護労働実態調査」をもとに、給与を見ていきましょう。
2017年度の施設長(管理者)の平均月給は356,679円です。
また、平均賞与(ボーナス)は709,230円で、年収は約500万円となります。
比べて、現場の介護職員の平均月給は227,275円です。
平均給与は572,079円で、年収は約330万円となります。
このように、施設長の給与面は高額です。
介護業界は給料が安いと思われがちですが、施設長になるとあてはまらない場合が多いようですね。
介護職員に比べると仕事内容はハードですが、その分の報酬はしっかりともらうことができます。
そして、給与面が多いことで生活はより安定するはずです。
とはいえ、施設長は誰にでも務まる職種ではありません。
向き不向きがありますので、施設長に向いている人とはどんな人なのか見ていきましょう。
8.施設長に向いている人とは?
施設長は給与が高く、生活も安定します。
ですが、向いている人、向いていない人がいるのです。
そのため、施設長に向いている人をまとめます。
自分が当てはまっているかチェックすることで、本当に自分は施設長に向いているのか再確認できるはずです。
- 責任感が強い人
- 仕事にやりがいを求める人
- 向上心の高い人
1つずつ解説していきます。
(1)責任感が強い人
施設長には、責任が強い人が望ましいでしょう。
なぜなら、施設長には大きな責任がともなうからです。
施設長は経営方針や各種マネジメントなど、重要な意思決定を求められます。
責任感の強い人であれば、そうした重要な意思決定や困難な経営問題に立ち向かい、施設を運営できるでしょう。
そのため、施設長には責任感が強い人が向いています。
(2)仕事にやりがいを求める人
施設長には、仕事にやりがいを求める人が望ましいでしょう。
なぜなら、施設長の仕事内容はとてもハードだからです。
施設の経営状態などは数字に表れて、結果が可視化されます。
どうにかしてその数字を向上させ、利益を出しつつ施設の運営を続けなければいけません。
このように、施設長の仕事内容はとてもハードです。
ですが、その仕事に対して、やりがいを感じられるなら天職といえるでしょう。
(3)向上心の高い人
施設長には、向上心の高い人が望ましいでしょう。
なぜなら、施設長を通して得るものがたくさんあり、自分自身が成長できるからです。
施設長の仕事は大変な分、得られるものが多いです。
例えば、常日頃から施設の問題に向き合うため、問題解決能力を大きく向上させられるでしょう。
また、施設の経営に関わるので、税金の知識やお金の運用に長けていくはずです。
「給料面をより充実させて、人生を豊かにしたい!」
「自分自身を成長させ、キャリアアップをしていきたい!」
そのように、向上心が高い人にとっては楽しく続けられるでしょう。
以上、施設長に向いている人をまとめました。
「責任感が強い人」「仕事にやりがいを求める人」「向上心の高い人」
この項目に当てはまっているのであれば、ぜひ施設長を目指してみてください。
そして、施設長を目指すのであれば行動に移しましょう。
まとめ
介護職の施設長とは、施設全体のマネジメントが主な仕事です。
それは決して楽な仕事ではなく、時には大変だと思ってしまうかもしれません。
ですが、それは全て自分自身の成長とやりがいにつながります。
そんな重大な責任をともなう施設長は、必要資格や必須項目があるので、なろうと思っても簡単にはなれません。
今からでもできる行動を少しずつしていきましょう。
そして、自分が目指していた「充実する仕事」や「安定した生活」が手に入るはずです。
素晴らしい日々を手に入れるためにも、今から行動に移していきましょう!
施設長に興味を持ち、目指す志だけでも素晴らしいです。
その志をもとに、施設長への道を歩んで行ってください。