介護師

言語聴覚士になるには?介護士からのキャリアアップを徹底解説

「介護士からのキャリアアップに、言語聴覚士があるって本当?」

「言語聴覚士ってどんな仕事か分からないな…」

本記事は、こんな悩みをお持ちの人に向けて書いています。

介護士からのキャリアアップの選択肢に、言語聴覚士があることをご存知でしょうか?

本記事では、言語聴覚士の仕事内容に加えて、介護士から言語聴覚士になることのメリットや、なる方法までを徹底解説します!

この記事を最後まで読めば、介護士から言語聴覚士になるまでの道筋を具体的にイメージできるようになるでしょう。

1.言語聴覚士の仕事内容

言語聴覚士とは

初めに、言語聴覚士はどんな仕事なのかを見ていきましょう。

言語聴覚士は別名ST(Speech Therapist)ともいい、「話す」「聞く」「食べる」が不自由な人をサポートする仕事です。

  • 不自由の原因としては、周りの音や声が聞こえづらい「難聴」
  • 会話や読み書きに障がいが生まれる「失語症」
  • 食べ物を上手く飲み込めない「接触嚥下(せっしょくえんげ)」

などの障がいがあげられます。

いずれにしても、会話や飲食に不自由な人のリハビリを支援するのが言語聴覚士です。

会話の不自由な人には、絵や文字の書かれたカードを用いて音読をします。

他には、文字の意味を読解したりと、会話や読み書きの訓練を行うことも支援の一つです。

飲食の不自由な人には、口や舌の動かし方の訓練を行います。

食べたり飲み込むのに必要な機能を鍛え、万一気管に入ってしまった時の吐き出し方や、食べる時の姿勢訓練などその一つです。

言語聴覚士は、患者一人一人に合わせた適切な訓練を用いて患者ができる限り不自由のない生活を送れるようサポートします。

会話や食事をサポートする点からも、言語聴覚士の仕事は介護の知識・技術を活かせるため、介護士からのキャリアアップを目指しやすい仕事といえます。

ただし、介護職の仕事と違うのは、無資格で仕事ができない点です。

言語聴覚士の仕事をするには、資格を取得しなければなりません

次は言語聴覚士の資格面について説明していきますね。

2.実は言語聴覚士は国家資格

言語聴覚士は厚生労働省の公式サイトにもある通り、法律によって規定された国家資格にです。

そのため、言語聴覚士の仕事をするには資格を取得しなければいけません。

資格を取らないといけないというと、「大変そうだな…」と思う人もいるでしょう。

しかし、国家資格を取得すれば、職場の待遇や転職を有利に進められる可能性があります。

その理由は、国家資格の持つ社会的信用度の高さです。

一般的に国家資格は民間資格に比べ、社会的信用度が高いといわれます。

前述の通り国の法律に基づいた資格であり、加えて民間資格よりも取得が難しいことも理由にあげられるでしょう。

国に定められた社会的信用度の高さや難関試験を突破した知識を評価されるため、好待遇を勝ち取りやすくなるんですね。

以上のような理由から、国家資格は民間資格よりも資格保有のメリットが多いといえます。

介護士から言語聴覚士になることのメリットとは一体何か?

その点を次で具体的にお話します。

3.介護士から言語聴覚士になるメリット3つ

言語聴覚士になるメリット

ここでは介護士から言語聴覚士になるメリットを紹介します。

前述のように、単に国家資格だから良いというわけではありません。

以下の3つに分けて、言語聴覚士になるメリットをお話します。

  1. より深いケアを提供できる
  2. 転職時の選択肢が増える
  3. 身体的負担が軽くなる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)より深いケアを提供できる

1つ目のメリットはより深いケアを提供できる点です。

「もっと利用者に良いケアを提供したい」

「より専門的なサポートをしたい」

介護の仕事をしながら、そう思ったことはありませんか?

言語聴覚士の中心となる仕事は、前述の通り会話や飲食の不自由な人のリハビリサポートが主といえます。

こうしたサポートは、介護現場での利用者とのコミュニケーションや食事介助と密接に関わる部分ですよね。

もちろん介護士は利用者とのコミュニケーションや食事介助のプロといえますが、専門家ではありません。

そこに言語聴覚士の知識・技術を身につけることで、利用者がより快適な日常生活を送れるよう深いケアを提供できるでしょう。

介護ケアよりさらに踏み込んで、専門的なサポートをしたいと思っている人には、言語聴覚士の知識は強い味方になります。

(2)転職先の選択肢が増える

2つ目のメリットは転職先の選択肢が増える点になります。

その理由は、介護士と言語聴覚士の知識を持つ人間の需要は、今後高まることが予想されるからです。

現在の日本は高齢化社会で、この先ますます高齢者の数は増えていきます。

高齢者の増加により介護職の需要も高まりますが、同時に言語聴覚士の需要も高まるでしょう。

なぜなら、高齢化によって会話や飲食に不自由な人も増加するからです。

つまり、高齢に加えて会話や飲食に不自由な人が増加することは、介護士と言語聴覚士の従事者もより必要とされます。

また、日本言語聴覚士協会の資料にある通り、言語聴覚士の主な勤務先は病院です。

介護施設に在籍する言語聴覚士はまだまだ少なく、介護業界における言語聴覚士の存在は重宝されるでしょう。

そして、転職における需要の高さは、転職先の選択肢を増やすことに直結します。

介護士と言語聴覚士の知識を組み合わせることで、給与水準の高い病院や今よりも待遇の良い介護施設への転職が可能になるでしょう。

(3)身体的負担が軽くなる

3つ目のメリットは身体的負担が軽くなる点です。

「介護の仕事は好きだけど、体力的にきつい」

「高齢者や障がい者のサポートはしたいけど、働き方を見直したい

介護の仕事をしている人の中には、こう思っている人もいるのではないでしょうか?

言語聴覚士であれば、介護施設だけでなく別の形で高齢者や障がい者に関わることも可能でしょう。

その理由は言語聴覚士の就職先には、介護施設以外にも病院や教育機関といった選択があるからです。

病院であれば、リハビリテーションセンターや口腔外科で患者のサポートを主としています。

教育機関では小中学校の特別支援学校で、障がいを持つ子供たちのサポートが中心です。

病院・学校のどちらも基本的に日中帯の勤務となるので、夜勤や体力仕事のある介護職に比べて身体的な負担は減るでしょう。

自分の働き方を見直しつつ、高齢者・障がい者のサポートをしたいという思いも叶えられます。

ここまでが介護士から言語聴覚士になるメリット3つでした。

言語聴覚士の専門的な知識を身につけることで、就職先の幅を広げられるのがメリットといえますね。

次は言語聴覚士になる方法を解説していきます。

4.言語聴覚士になるには?

言語聴覚士の仕事内容・メリットを把握したところで、いよいよ言語聴覚士になる方法を見ていきましょう。

言語聴覚士になるにはズバリ、国家試験に合格するだけです。

ただし、受験資格を得る方法には下記の2つがあります。

  1. 高校卒業後に養成校修了コース
  2. 四年制大学卒業後に養成校修了コース

各コースについて、それぞれ解説していきます。

(1)高校卒業後に養成校修了コース

1つ目は高校卒業後に、養成校を修了するコースです。

高校を卒業した後、文部科学大臣指定の学校または都道府県指定の言語聴覚士養成校を修了することで、国家試験の受験資格を得られます。

養成校の修了期間は3年です。

また、注意点として修了期間が3年以上の養成校を選ぶことを忘れないでください。

なぜなら、言語聴覚士の受験資格では、高校卒業者は3年以上の修了を条件としているからです。

文部科学大臣指定の養成校一覧には2年制の学校もありますが、こちらのコースで選べるのは3年制以上の学校のみとなるので注意してください。

高校卒業後に養成校を修了するコースの特徴は以上となります。

こちらのコースは高校を卒業した人間を対象としており、修了期間も長いため、介護士からのキャリアアップを狙う人には向かないコースといえるでしょう。

(2)四年制大学卒業後に養成校修了コース

2つ目は四年制大学卒業後に養成校を修了するコースです。

どの学部でも構わないので四年生大学を卒業した後、先ほどと同様に文部科学大臣または都道府県指定の言語聴覚士養成校を修了しなければいけません。

ただし、先ほどの高校卒業後コースと違うのは、修了期間は2年で良いという点です。

修了期間は2年と短いことに加えて、通信課程や夜間帯での講義を採用している養成校もあります。

実習などは通学しなければいけませんが、それでも働きながら取りやすいコースといえるでしょう。

介護士からのキャリアアップを目指す人は、こちらのコースで資格取得することをオススメします。

ここまでが言語聴覚士試験の受験資格を得る2つの方法についてのお話でした。

簡単に受験資格を得る方法を述べましたが、養成校では実際どのようなことを学べるのか、また国家試験ではどんな問題を問われるのか、細かい疑問は残りますよね?

そうした細かい疑問を解消するべく、大学卒業後コースをもとにより具体的な流れを次で解説していきます。

5.介護士から言語聴覚士になる流れ

介護士から言語聴覚士を目指すなら、大学卒業後の養成校修了コースをオススメとお話しました。

その理由は修了期間が2年間と高校卒業後コースに比べて短く、働きながらでも資格取得を目指しやすいからです。

ここでは資格取得までの流れを以下の3ステップに分けて、解説していきます。

  1. 四年制大学を卒業
  2. 指定の養成校を修了
  3. 国家試験を受験

ステップごとに詳しく見ていきましょう。

流れ1.四年制大学を卒業

第1のステップは四年制大学の卒業です。

「専門の学部を卒業をしていないとだめなの?」

と不安に思われるかもしれませんが、どの学部でも問題ありません

四年制大学を卒業さえしていればOKです。

ここでは介護士から言語聴覚士を目指す流れを想定しているので、4年制大学を卒業している前提でお話していきますね。

もし四年制大学を卒業していない人は、高校卒業後コースでの資格取得を目指すと良いでしょう。

流れ2.養成校の修了

第2のステップは養成校の修了です。

まずはどの養成校に入るかを指定の養成校一覧から選びましょう。

選ぶ際のポイントは、修了年限が2年であること、通信過程を採用していることの2つです。

養成校は2年制から4年制のものまであります。

大学卒業後コースで必要な修了期間は2年です。

そのため、わざわざ3年制や4年制の養成校を選ぶ必要はありません。

また、介護士から言語聴覚士を目指す人の中には、働きながら資格取得を目指す人も少なくないはずです。

通信課程の養成校であれば働きながらでも学びやすいですし、実習で通学が必要な場合もその日数は多くありません。

養成校を選ぶ際は、修了期間が2年かつ通信課程のところを選びましょう

養成校検索を使うと便利

ちなみに、ある程度候補となる養成校を絞りたい人は、日本言語聴覚士協会の養成校検索を使うと便利ですよ。

高校卒または大学卒か、希望の通学時間帯や学校のエリアなどで、候補となる養成校を絞り込めます。

入りたい養成校を絞り、無事に入学した後は言語聴覚士に必要な学問を学び、実習経験を積むことになるでしょう。

2年次は実習もあるため、実際に現場で言語聴覚士の技術を学んでいきます。

こうして言語聴覚士の知識・技術を修了すれば、次は国家試験の受験です。

流れ3.国家試験の受験

養成校の修了が終われば、残すは第3のステップ国家試験の受験です。

試験は毎年1回で、2月中旬頃に実施されています。

試験は全200問の筆記試験のみで、全てマークシート方式での回答です。

試験対策としては養成校の学習内容を復習しつつ、公式の過去問題集を活用することをオススメします。

国家試験に合格した後は、免許申請手続きを行いましょう。

受験時に渡される書類に、免許申請に必要な書類が記載されています。

必要書類をそろえたら、言語聴覚士資格の免許手続きを行っているPMETに書類を送付しましょう。

免許申請手続きを完了すると、ようやく言語聴覚士として仕事をできるようになります。

ここまでが介護士から言語聴覚士になるまでの流れでした。

ここまで読んだ人の中には「学校に行くのか。お金がかかりそうだな…」と思った人もいるでしょう。

そこで次は、言語聴覚士の資格取得にかかる費用をお話していきます。

6.言語聴覚士資格の取得費用

介護士から言語聴覚士になるまでの流れは、イメージできたかと思います。

次に言語聴覚士資格の取得にかかる費用を見ていきましょう。

主な費用項目と金額を表にまとめましたので、ご覧ください。

費用項目 費用金額
養成校の学費:1年次
※入学金+テキスト代等を含めた総費用
1,560,000円
養成校の学費:2年次
※テキスト代を含めた総費用
1,375,000円
国家試験の受験費用 34,000円
資格登録費用 9,000円
合計費用 2,978,000円

養成校の学費は、日本福祉教育専門学校を例に算出しています。

もっとも高い養成校の学費ですが、日本福祉教育専門学校では分納も対応しているようです。

一括での支払いが厳しい人は分納を利用しつつ、サイトにて紹介されている各種給付金や資格支援制度も活用していきましょう。

簡単に用意できる金額ではないので、前述の通り分納や各種支援制度を利用して計画的に準備しましょう。

ここでは費用についてお話しましたが、同時に言語聴覚士の給与も気になりませんか?

次では介護士と言語聴覚士の待遇の違いから、それぞれの給与や手当を比較していきます。

7.介護士と言語聴覚士の待遇の違い

ここからは介護士と言語聴覚士を比較しながら、それぞれの給与や手当など待遇の違いをお話していきます。

各給与・手当を比較するうえで、複数の求人サイトや厚生労働省に掲載の情報をもとに金額を算出しました。

の掲載情報をもとに待遇の違いを記載しています。

平均年収を見比べると、言語聴覚士の方が少し高い金額となっています。

職種 介護士 言語聴覚士
平均年収 353万円 387万円
給与幅 225~762万円 239~766万円
資格手当 平均8,237円
※介護福祉士
平均18,000円

両者にそれほど大きな金額差はなく、それよりも注目すべきはどちらも給与幅が広い点ですね。

この給与幅の広さから想定できるのは、個人のスキルや経験年数、就職先によって大きく給与が変動するであろうということです。

また、資格手当の差も比較してみました。

介護士は無資格でも従事できますが、ここでは比較しやすいよう国家資格である介護福祉士の資格手当で算出しています。

金額算出にあたっては、公益社団法人 社会福祉振興・試験センターマイナビコメディカルPT・OT・ST WORKERに掲載の情報を参考しました。

どちらも国家資格ですが、手当額では言語聴覚士の方が上のようです。

上記の比較表は、介護士と言語聴覚士を個別に見た数字です。

ですが、介護士から言語聴覚士へのキャリアアップのように、2つのスキルを組み合わせた数字ではありません。

個人のスキルによって給与幅の変動が大きい分、介護士と言語聴覚士のスキルを持つことでより好待遇を得られるでしょう。

ところで、就職先によっても給与や手当額の変わる言語聴覚士ですが、どのような就職先を選べるのでしょうか?

言語聴覚士の働ける職場について、次で解説していきます。

8.言語聴覚士の働ける職場

言語聴覚士が働く場所

言語聴覚士のメリットでもある職場の多さですが、選んだ職場によって利用者や患者との関わり方は違ってきます。

自分の希望に合わせて、職場を選ぶようにしましょう。

言語聴覚士の主な職場としてあげられるのは、下記の3つです。

  1. 介護施設
  2. 病院
  3. 教育機関

それぞれに患者との関わり方や特徴に違いがあるので、順番に見ていきましょう。

(1)介護施設

1つ目は介護施設です。

特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどが主な職場となりますね。

高齢者や障がい者に向けて会話や食事の訓練を実施したり、介護職員と連携してレクリエーションを行ったりして、リハビリをサポートしていきます。

介護施設における言語聴覚士の数は少なく、現在もこの先も需要の見込める職場といえるでしょう。

(2)病院

2つ目は病院です。

主な職場としては、リハビリテーションセンターや口腔外科などになります。

患者は子どもから高齢者まで、病院を訪れる幅広い年代の人たちです。

仕事は患者への対応を中心とし、一人ひとりに合わせた会話や食事の機能回復訓練を求められるでしょう。

また、言語聴覚士の数でいえば、もっとも多く在籍しているのは病院などの医療機関になります。

それだけ医療機関における言語聴覚士の職場は豊富なため、より良い職場を見つけられる可能性も高いでしょう。

(3)教育機関

3つ目は教育機関です。

小中学校の特別支援学校などを主な職場としています。

会話などに障がいを持つ子どもを相手に、リハビリを実施していきます。

ただし、学校で働くには教員免許を必要とするため、言語聴覚士になっただけでは働けません。

そのため、介護施設や病院よりも就職先とするには、少し難しくなるので要注意といえます。

また、小中学校以外では言語聴覚士の養成校も一つの選択肢です。

養成校の教員として、後進の言語聴覚士を指導する道ですね。

3つあげた職場のなかで、もっとも言語聴覚士が少ないのは教育機関です。

教員免許を必要とする点など、就職できる条件をもつ人は限られるゆえの少なさでしょう。

ここまで言語聴覚士の働ける職場3つを紹介しました。

それぞれに特徴はあるので、自分がどのように働きたいかを明確にして選びましょう。

特に介護職からのキャリアアップを考える人のなかには、「やっぱり高齢者や障がい者のそばで支援したい」という思いの人もいるはずです。

そうした強い思いを持つ人は、介護施設での就職をオススメします。

本記事も終盤ですが、次は最後に言語聴覚士の適性についてお話しますね。

9.言語聴覚士に向いている人

言語聴覚士に向いている人の特徴

最後に、言語聴覚士に向いている人について紹介します。

ここまで言語聴覚士の仕事内容・メリット、なる方法に加え、資格取得にかかる費用や給与、そして働ける職場まで解説してきました。

言語聴覚士になる方法はイメージできても、そもそも自分が言語聴覚士に向いているかは別の話ですよね。

本当に言語聴覚士を目指すかを判断するうえで、ぜひここで紹介する言語聴覚士の適性を参考にしてください。

言語聴覚士に向いている人は、以下3つのいずれかに当てはまる人です。

  1. 観察力のある人
  2. 根気強い人
  3. 協調性のある人

なぜこの3つなのか、順番にその理由をお話していきます。

(1)観察力のある人

1つ目は観察力のある人です。

言語聴覚士は失語症や難聴など、会話の不自由な人と接する仕事になります。

そのため、表情や仕草など言語に頼らない小さな変化から、相手の心情を察しなければなりません。

そうした細かいところから、相手の気持ちを読み取れる観察力のある人は、言語聴覚士に向いているといえます。

(2)根気強い人

2つ目は根気強い人です。

言語聴覚士の仕事は、今日明日で結果の出る仕事ではありません。

患者一人一人に寄り添って、長い目でサポートしていくことを求められます。

どんなリハビリが合うかは人によって違うため、粘り強く試行錯誤していかなければなりません。

長期的なサポートを通して少しずつ会話や食事機能を改善し、利用者が今よりも不自由のない生活を送れることがゴールです。

つまりは目先の成果ではなく、長い目で見た先の達成感や喜びにやりがいを見出せるかは、言語聴覚士の仕事において重要な適性の一つといえるでしょう。

(3)協調性のある人

3つ目は協調性のある人です。

言語聴覚士の仕事は、下記のような職種の人と関わります。

  • 医師
  • 臨床心理士
  • 介護士
  • 栄養士

たとえば、医師との連携では患者の診察や状態管理を医師が行い、実際のリハビリや訓練を言語聴覚士にて実施するといった形です。

栄養士との連携であれば、食事機能に障がいを持つ人に向けて、どのような食事を提供していくかなどのプランを相談します。

こうした連携を円滑にするためにも、協調性やチームを大事にできるかはとても重要な適性といえるでしょう。

言語聴覚士の適性3つを紹介しました。

いずれも言語聴覚士には大切な要素ですので、本当に目指すか判断する際の一つの判断基準としてみてください。

まとめ

ここまで介護士から言語聴覚士になる方法について、お話してきました。

「話す」「聞く」「食べる」ことに障がいを持つ人を支援する言語聴覚士は、とても介護の仕事と相性の良い資格です。

言語聴覚士の知識を身につけることで、高齢者や障がい者に向けてより最適なケアを提供できます。

また、介護施設における言語聴覚士の少なさや日本の高齢化は、言語聴覚士の需要をますます高めるでしょう。

簡単に取得できる資格ではありませんが、介護職からのキャリアアップを考えた時、十分に取得する価値のある資格といえます。

この記事を参考に、ぜひ言語聴覚士をキャリアの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。