医療コンサルタントは、福祉施設で勤務する介護士からでもなることができる職種です。
もし、あなたがコンサルティング未経験であったとしても問題はありません。
医療業界知識や課題分析力・解決能力が高い人材であればコンサルタントとして需要があります。
本記事では、医療コンサルタントになるための方法や求められる経験・スキルについて紹介しています。
将来的に介護士から医療コンサルタントを目指している人は必見です。
それではさっそく、医療コンサルタントについて確認していきましょう。
目次
1.医療コンサルタントとは
医療コンサルタントとは、介護施設・福祉施設・病院といった医療機関や医療メーカーなどの経営で抱えている課題を解決する仕事のことです。
代表的な仕事としては、病院やクリニックの開業支援・運営支援などになります。
費用削減の見直しや患者を多く病院で受け入れるための体制・マーケティング戦略を提案するなど経営に関する問題を解消することが多いです。
医療コンサルタントは経営に関する知識はもちろんですが、最も重要視されているのは課題を解決する能力です。
そのため、医療に関する深い知見と高いスキルを保有している人は企業にとっても確保したい人材であるため、基本給はかなり高くなります。
医療コンサルタントの平均年収は働いている施設や会社によって変動しますが、およそ650万~1,000万ほどで勤続年数が長ければ長いほど額は上がっていく仕組みです。
参考:求人サイト doda
参考:求人ボックス
参考:求人サイト スタンバイ
2.医療系経営コンサルタントと医業経営コンサルタントの違い
医療業界のコンサルタントは主に2種類が存在します。
どちらも医療業界の経営に関する課題を解決し、支援を行う職です。
呼び名が異なる理由は資格保有者であるかそうでないかの違いになります。
「医療経営コンサルタント」は公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会から認定された資格保有者のみ名乗ることが可能です。
一方で「医療系経営コンサルタント」は資格を保有していない人でも名乗ることができ、決まった規定はありません。
どちらも縁の下で支えるポジションの職で、基本的に医療施設になくてはならない存在です。
2つの違いを以下のように分けて紹介していきます。
- 医療系経営コンサルタント
- 医療経営コンサルタント
それぞれの違いや概要をまとめたので、見ていきましょう。
(1)医療系経営コンサルタント
医療系経営コンサルタントとは、主に病院・介護施設・福祉施設のコンサルティングを行う経営コンサルタントのことを指します。
医療系経営コンサルタントの目的は経営課題を解決し、病院やクリニックなど医療法人を健全に運営できるように目指すことです。
医療業界に携わった経験を持ち、医療業務や福祉業務に関する知識を持つ人であれば、「医療系経営コンサルタント」と名乗ることができます。
しかし、「医療経営コンサルタント」と名乗るには資格が必須なので気をつけましょう。
(2)医業経営コンサルタント
医療経営コンサルタントとは医療経営の基礎知識はもちろん、実務経験を持つ人のことです。
また、協会から認定された医療経営コンサルティングのプロであることを指します。
正式に認められているため「医療系経営コンサルタント」より信頼度が高いのが特徴です。
業務内容も資格保有者の方が任せてもらえる仕事の幅が多くなります。
医療コンサルタントのプロとして上を目指すなら「医療経営コンサルタント」の資格取得がベストでしょう。
医療コンサルタントになるには、いくつかの経験が求められることが多いです。
どのような経験が求められるのかをまとめたので、一緒に確認していきましょう。
3.医療コンサルタントに求められやすい経験
医療コンサルタントは即戦力として活躍するために、いくつかの経験が求められることが多いです。
医療コンサルタントに求められやすい経験は、次の3つが挙げられます。
- 経営コンサルティングの経験
- 医療業界での勤務経験
- 医療機関向けの営業経験
もし、経営コンサルティングの経験がない場合でも、医療コンサルタントとして働くことは可能です。
経験が豊富であればあるほど即戦力として活躍することができるので、いずれかの経験を経て医療コンサルタントを目指すのをおすすめします。
求められやすい経験についてより詳しくまとめたので、見ていきましょう。
(1)経営コンサルティングの経験
経営コンサルティングの経験があると、就職や転職で有利になります。
なぜなら、コンサルタントとして基本スキルを保有していることをアピールできるからです。
コンサルタントの経験があると、以下6つのスキルがアピール材料になります。
- リサーチ
- 問題解決ロジカルシンキング
- プレゼンテーション
- 資料作成
- ミーティングマネジメント
- コーチング
どれもコンサルタントとして活躍するのに必要な基本スキルで、プロジェクト参加経験があればより有利に働きます。
経営コンサルタント経験があれば医療コンサルタントの求人も通りやすくなるので、経験を積んでおきましょう。
(2)医療業界での勤務経験
医療業界のコンサルタントとして働くには、医療業界の勤務経験が求められやすいです。
理由として医療業界の知識や課題は、医療業界で働かなければ分からない部分であることが挙げられます。
また、医療業界の勤務経験といっても、コンサルタントとして勤める働き場所によって求められる経験が異なるので気をつけましょう。
例えば、製薬会社で働くなら薬品卸会社の経験や医療部門の営業経験があると有利です。
病院やクリニックでは看護師・医者の勤務経験、医療メーカーの営業経験があると即戦力として求められやすくなります。
介護士としての経験が豊富であれば、福祉施設のコンサルタントとして活躍しやすくなるので勤務経験は重要です。
(3)医療機関向けの営業経験
医療機関向けのサービスやメーカーに対して、営業経験があると医療コンサルタントとして活躍するときの強みになります。
なぜなら、営業経験があることで以下のスキルをアピールできるからです。
- ヒアリング能力
- コミュニケーション能力
- トラブル対応力
- 提案力・PR力
- スケジュール管理力
- リサーチ力
さらに、医療機関向けの営業をしていれば、医療機関で求められるサービスを熟知していることもアピール材料になります。
医療機関向けの営業スキルが高ければ、医療コンサルタントで求められる課題解決力に活用することが可能です。
そのため、ヒアリング力やコミュニケーション力、提案力などの営業スキルを鍛えておくことをおすすめします。
また、医療コンサルタントを目指すにあたって、あると有利になるスキル・経験がいくつかあります。
どのようなスキル・経験があると有利になるのかをまとめたので、見ていきましょう。
4.あると有利な知識・スキル・資格とは
医療コンサルタントは医療業界の経営に関する課題を解決する重要なポジションです。
医療コンサルタントとして働くにあたって、あると有利になるスキル・知識は次の4つが挙げられます。
- 医療業界の知識
- 課題の分析・解決力
- 高いコミュニケーション能力
- 医療経営コンサルタントの資格
スキル・知識が豊富であればあるほど、医療コンサルタントの即戦力として活躍できます。
もし、医療業界の知識が不足している場合は、医療経営コンサルタントの資格取得を目指すのも手段の1つです。
資格を保有していると「医療経営コンサルタント」としての知識を習得することができます。
さらに、協会から認められた医療経営コンサルタントとして名乗れるので、就職や転職活動に有利です。
あると有利な知識・スキル・資格をより詳しく見ていきましょう。
(1)医療業界の知識
医療業界で勤務していた経験や医療に関する知見があると、医療コンサルタントとして有利に働きます。
なぜなら、医療コンサルタントとして働く際に、意見や情報交換がしやすくなるからです。
現場の声を知っていることで、経営面でも実際に機材や経費がどれほど必要なのか知れるので医療業界の知識があることは強みになります。
そのため、医療業界の中でも自身が経験したことのある職種に関連した医療コンサルタントとして働くことがおすすめです。
(2)課題の分析・解決力
課題の分析力や解決力はコンサルタントとして重要視されるスキルのため、身につけていると就職・転職で有利になります。
医療コンサルタントは経営面で抱える問題や課題を解決する仕事のため、課題のヒアリングから解決するための提案力が必要です。
また、ロジカルシンキングの考え方は、課題解決までの道筋を提案できる人材として求められやすい特徴があります。
ロジカルシンキングとは、合理的な考え方で物事を整理し、結論に導き出す論理思考のことです。
倫理的に課題を分析・解決できるとコンサルタントとしての強みになります。
実際に課題を解決する取り組みをした経験があれば、就職・転職でアピールポイントとして使いましょう。
(3)高いコミュニケーション能力
高いコミュニケーション能力がある人材は、人材として求められやすい特徴があります。
理由として、コミュニケーション力が高いと相手の悩みを引き出し、解決するために周囲の人を巻き込みながら率先して動くことができるからです。
意見交換を積極的に行うことや発言力が強いと、就職・転職だけでなく現場でも評価されやすくなります。
経営で抱える課題をヒアリングし、解決に必要なことを周囲と相談しながら進められるので方向性の共有もしやすいです。
また、課題解決のための提案・実施のために率先して周囲の人と連携しながら立ち回れるので、コミュニケーション能力が高いことは強みになります。
(4)医療経営コンサルタントの資格
医療経営コンサルタントとして働くには、資格を取得していると有利になります。
なぜなら、日本医業経営コンサルタント協会から認められている人としてコンサルタントを任せてもらえるからです。
医療経営コンサルタントの資格では、医療・介護・福祉における経営に関する業務内容を学ぶことができます。
コンサルタント経験がない場合でも資格を取得することで、経営コンサルタントの知識を学ぶことが可能です。
資格を取得すると、実際にコンサルタントの経験がなくても医療経営コンサルタントとしての知識を持っているのは強みになります。
就職や転職の場でもアピールポイントになるので、資格取得を目指すのがおすすめです。
医療コンサルタントに転職する方法について、まとめたので確認していきましょう。
5.介護士から医療コンサルタントになるには
介護士から医療コンサルタントになる方法は、大きく分けて2種類あります。
1つ目は医療コンサルタントの求人に自分で応募する方法。
2つ目は医療コンサルタントを取り扱う転職エージェントを活用する方法です。
どちらも医療コンサルタントになるための手段になりますが、どちらもメリット・デメリットがあるので自分に合う方法を選びましょう。
医療コンサルタントの求人に応募
1つ目に紹介するのは、医療コンサルタントの求人に自分で応募する方法です。
求人サイトでは医療コンサルタントの人材を求めている求人が豊富にあり、自分で会社を選んで応募することで医療コンサルタントになることができます。
ただし、求人サイトを経由する場合、自分で企業をリサーチして選考対策・面接対策・履歴書・職務経歴書の準備など一通りこなさなければなりません。
また、企業が求める人材とかけ離れている場合や、コンサルティング経験がないと不利になりやすいので注意しましょう。
求人によっては医療業界の経験・知見があれば、コンサルティングが未経験でも問題ない会社もあるので会社選びは重要です。
過去の経験に基づいた課題解決までの流れを面接できちんと説明できれば、コンサルティング経験が少なくても採用されるので積極的にアピールすると良いでしょう。
転職エージェントを活用
2つ目に紹介するのは転職エージェントを活用する方法です。
医療コンサルタントに強い転職エージェントを使えば、企業の情報をリサーチ・共有してくれるので、自分で情報を集めるよりも有益な情報を得ることができます。
また、コンサルティング経験が少なくても比較的受かりやすい会社を提案してくれるので、求人サイト経由よりも少ない応募数で採用されやすいのが転職エージェントの強みです。
転職エージェントでは、選考対策・面接対策はもちろん履歴書・職務経歴書も準備してくれて、面接の日程調整もサポートしてくれます。
働きながら少ない負担で転職したい人は、転職エージェントを活用して医療コンサルタントを目指すのがベストです。
6.未経験でも医療コンサルタントになれる
経営コンサルティングが未経験であっても、医療コンサルタントになることは可能です。
医療コンサルタントでは、経営コンサルティング経験が求められることが多いですが、未経験でも求人応募は豊富にあります。
ただし、未経験だと人としての能力面を見られるようになるので、医療業界で働きながらスキルを磨いておきましょう。
未経験者の場合は、経営課題を解決するための論理思考・コミュニケーション能力が重要視されやすくなるので要注意です。
7.医療コンサルタントに向いている人材とは
ここからは、医療コンサルタントに向いている人材がどのような人なのかを紹介します。
医療コンサルタントに向いている人材は、以下の通りです。
- 論理的に物事を考えられる人
- コミュニケーション能力が高い人
- 医療業界の勤務経験・深い知見を持つ人
- 営業スキルを持っている人
- 行動力がある人
- 経営コンサルティング経験がある人
上記いずれかに当てはまる人は、医療コンサルタントに向いています。
経営コンサルタントが未経験であったとしても、高いスキルや行動力、課題解決までの道筋を論理的に提案できる人なら医療コンサルタントとして活躍することが可能です。
そのため、介護士から医療コンサルタントを目指している人は、自身のスキルを磨くことをおすすめします。
まとめ
介護士としての勤務経験や知識が豊富なら、経営コンサルティングの経験がなくても医療コンサルタントとして働くことができます。
経営面で抱える課題を分析し、解決できる能力を面接でアピールすることができれば未経験であったとしても問題はありません。
将来的に介護士から医療コンサルタントのプロとして活躍したいと考えている人は、まずは医療経営コンサルタントの資格取得を目指してはいかがでしょうか。