介護士の給料は年々高くなっているのをご存じでしょうか?
この記事では「介護士の平均年収」について解説します。
結論、介護士の平均年収は、そこまで高くありません。
しかし、今後介護士の平均年収は上がると予想できるでしょう。
その他にも「介護士の年収を上げる方法」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、介護士として年収アップを目指してください。
また「介護士で年収500万以上稼ぐ方法」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
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目次
介護士とは?
介護士とは、介護に従事するすべての人を指します。
「介護士」と「介護福祉士」は別物です。
同じ職業として考えてしまう人もいますが、介護福祉士は、介護業界唯一の国家資格であり、資格がなければ介護福祉士を名乗ることはできません。
今回「介護士の平均年収」を紹介しますが、ここで指す「介護士」とは介護職全般です。
介護福祉士だけではなく、介護職全般の年収について解説します。
ケース別介護士の平均年収
介護士の平均年収紹介を、ケース別で紹介します。
今回は、以下5つの分類に分けました。
- 介護施設別平均年収
- 介護職種別平均年収
- 介護職勤続年数別平均年収
- 介護資格別平均年収
- 都道府県別平均年収
それぞれは「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」の平均月収を基に年収を計算しています。
介護施設別平均年収
介護士の年収は、施設によって大きく異なります。
基本的に、仕事量の多い施設は年収が高いです。
具体的には、以下のようになります。
施設 | 平均月収 | 平均年収 |
特別養護老人ホーム | 361,890円 | 4,342,680円 |
介護老人保健施設 | 350,380円 | 4,204,560円 |
介護付有料老人ホーム | 339,510円 | 4,074,120円 |
訪問介護事業所 | 314,110円 | 3,773,280円 |
グループホーム | 303,800円 | 3,645,600円 |
通所介護事業所 | 294,980円 | 3,539,760円 |
通所リハビリテーション事業所 | 315,020円 | 3,780,240円 |
小規模多機能型居宅介護 | 303,760円 | 3,681,120円 |
介護療養型医療施設 | 329,850円 | 3,958,200円 |
介護医療院 | 323,950円 | 3,887,400円 |
施設別にみると、年収が一番高いのは特別養護老人ホームで、一番低いのは通所介護事業所です。
介護職種別平均年収
介護職種は、一番年収の高い職種と低い職種では、月収で約10万円の差がありました。
なぜなら、それぞれ必須資格が異なるためです。
具体的な年収は以下になります。
職種 | 平均月収 | 平均年収 |
介護職員 | 325,550円 | 3,870,600円 |
看護職員 | 383,560円 | 4,602,720円 |
生活相談員・支援相談員 | 355,150円 | 4,261,800円 |
理学療法士・作業療法士 | 364,040円 | 4,368,480円 |
介護支援専門員 | 362,510円 | 4,350,120円 |
事務職員 | 312,470円 | 3,749,640円 |
調理員 | 272,400円 | 3,268,800円 |
管理栄養士 | 322,010円 | 3,864,120円 |
介護職種別で一番年収が高いのは看護職員で、一番低いのは調理員です。
介護職勤続年数別平均年収
介護士の年収は、勤続年数によっても異なります。
勤続年数が長いと、その分年収も高いです。
具体的には、以下になります。
勤続年数 | 平均月収 | 平均年収 |
1年~4年 | 310,780円 | 3,729,360円 |
5年~9年 | 326,550円 | 3,918,600円 |
10年以上 | 366,900円 | 4,402,800円 |
1年~4年と10年以上では、約700万円も異なります。
勤続年数が長ければ長いほど、年収があがると考えてよいでしょう。
介護資格別平均年収
介護資格を所有しているかどうかによっても、年収は異なります。
基本的な介護資格3つと無資格の年収を比較すると、差は歴然です。
資格 | 平均月収 | 平均年収 |
介護福祉士 | 329,250円 | 3,951,000円 |
実務者研修所得 | 303,230円 | 3,638,760円 |
介護職員初任者研修取得 | 301,210円 | 3,614,520円 |
無資格 | 275,920円 | 3,311,040円 |
介護福祉士は国家資格なので、年収は400万円近くになります。
一方で、無資格の場合は300万円ほどと低いです。
都道府県別平均年収
介護士の年収は、地域によっても差があります。
やはり、年収が高いのは都心部です。
それぞれの平均年収は、以下になります。
- 北海道・東北……269万円
- 甲信越・北陸……294万円
- 関東……322万円
- 東海……310万円
- 関西……305万円
- 四国……274万円
- 中国……273万円
- 九州・沖縄……265万円
一番高いのは関東で322万円、沖縄になると265万円と、600万円ほどの差があります。
介護職の平均時給
正社員ではなく、アルバイトやパート、派遣社員として介護事業所で働く場合の平均時給を紹介します。
年収はその人によって異なりますが、平均月給と時給の調査は公開されていました。
職種 | 平均時給 | 平均月収 |
介護職員 | 1,110円 | 112,500円 |
看護職員 | 1,440円 | 126,850円 |
生活相談員・支援相談員 | 1,050円 | 132,830円 |
理学療法士・作業療法士 | 1,660円 | 92,450円 |
介護支援専門員 | 1,380円 | 143,960円 |
事務職員 | 990円 | 96,460円 |
調理員 | 930円 | 84,120円 |
管理栄養士 | 1,080円 | 104,290円 |
時給で見てみると、調理員と看護職員では大きな差が出ます。
また、平均年収が一番高いのは介護支援専門員です。
アルバイトや派遣の場合「時給の高さ=年収の高さ」ではありません。
介護職員処遇改善加算で年収は上向き
介護士は年収の低いイメージですが、年々介護士の年収は上がっています。
なぜなら「介護職員処遇改善加算」のためです。
介護職員処遇改善加算を取得していると、介護職員への賃金を増やせます。
以下で、介護職員処遇改善加算の概要や仕組みを解説するので、介護士の年収について、さらに深く知っていきましょう。
介護職員処遇改善加算とは
介護職員処遇改善加算は、介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備と賃金改善を目的に創設された加算です。
全5区分に分かれるうち、すべてを取得している事業所では、前年と比べて最大15,000円も月給が上がっています。
介護職員処遇改善加算I~Vを取得 | |||
職種 | 令和2年平均月給 | 平成31年平均月給 | 差 |
介護職員 | 315,850円 | 300,120円 | 15,730円 |
看護職員 | 379,610円 | 372,940円 | 6,670円 |
生活相談員・支援相談員 | 343,310円 | 332,980円 | 10,330円 |
理学療法士・作業療法士 | 358,560円 | 349,190円 | 9,370円 |
介護支援専門員 | 357,850円 | 347,460円 | 10,390円 |
事務職員 | 311,120円 | 303,710円 | 7,410円 |
調理員 | 267,930円 | 261,180円 | 6,750円 |
管理栄養士 | 319,680円 | 310,720円 | 8,960円 |
介護職員処遇改善加算は、年々見直されているため、今後も年収アップを見込める可能性が高いでしょう。
全5区分の要件
介護職員処遇改善加算は、全5区分に分かれています。
区分の要件を満たしていくと、最大で一人あたり月額3万7,000円の加算を受け取れる仕組みです。
それぞれの要件や加算は以下の通り。
月額加算 | 要件 | |
加算Ⅴ | 12,000円相当 | キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ 職場環境等要件 いずれも満たさない |
加算Ⅳ | 13,500円相当 |
キャリパス要件ⅠまたはⅡ |
加算Ⅲ | 15,000円相当 | キャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境等要件を満たす |
加算Ⅱ | 27,000円相当 | キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ+職場環境等要件を満たす |
加算Ⅰ | 37,000円相当 | キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのすべて+職場環境等要件を満たす |
それぞれの要件を満たさなければ、最大額は受け取れません。
要件について
キャリアパス要件は、以下のようになっています。
Ⅰ…職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
Ⅱ…資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
Ⅲ…経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を
判定する仕組みを設けること。キャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みの例
「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組み
「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組み
「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組み
職場環境等要件は、賃金改善以外の処遇改善です。
これら要件を満たすと、それぞれに合った加算を受け取れます。
介護士としての年収を上げる方法
介護士で年収を上げる方法は、主に3つあります。
- 資格を取得する
- 夜勤で働く
- 転職をする
現在年収が低く悩んでいるなら、いずれかの方法がおすすめです。
確実に今よりも年収は上がるでしょう。
以下で、なぜそれぞれの方法で年収が上がるのか解説します。
資格を取得する
介護士の年収は、資格によって左右されます。
無資格では、平均月給30万円以下、年収330万円程度です。
比較的取得しやすい介護職員初任者研修を取得しているだけでも、平均月給30万円以上、平均年収360万円となり、無資格の場合と比べると役30万円の違いがあります。
さらに、国家資格である介護福祉士の資格を取得すれば、年収400万円も届く範囲です。
年収をアップさせるなら、まずは資格取得から検討してみましょう。
資格取得ならニチイがおすすめ
介護関係の資格を取得するなら、ニチイで学ぶと良いでしょう。
ニチイは、基本的な資格から国家資格まで目指せるスクールです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護事務講座
- 福祉用具専門相談員養成講座
- 介護福祉士国家試験対策講座
- ケアマネージャー受験対策パーフェクトゼミ
- 高齢者コミュニケーター講座
さまざまな資格取得を目指して学べるうえに、就職支援サポートも充実しています。
教室は全国に300か所以上あるので、お近くのスクールが見つかるでしょう。
独学での資格取得は難しいので、スクールに通って資格取得を目指しましょう。
夜勤で働く
無資格でも年収を上げたい方は、夜勤で働く方法が良いでしょう。
どんな仕事でも夜勤手当がつくため、年収は高くなります。
ただし、夜勤で働ける職場は少なく、資格を必要とする場合もあるので、事前に確認が必要です。
また、夜勤専従になると、昼夜逆転しやすいので注意しましょう。
手っ取り早く年収を上げる一つの方法として、検討してみてください。
夜勤の介護を探すなら介護ワーカーがおすすめ
夜勤専従介護を探すなら、介護ワーカーがおすすめです。
介護ワーカーは、介護に特化した求人サイトで、2021年9月現在、公開求人数だけで約8万件あります。
絞り込み検索も可能で「夜勤のみOK」で検索すると、4,155件の求人がありました(2021年9月現在)。
求人例は、以下の通りです。
施設形態:特別養護老人ホーム
応募資格:介護福祉士 / 介護職員初任者研修 / 介護職員実務者研修
雇用形態:パート
給与:日給2万円
勤務時間:17:00~10:00引用:介護ワーカー
一例ではありますが、1日で2万円にもなります。
お昼の時間に働くよりも、確実に年収はあがるでしょう。
他にも多くの求人があるので、介護ワーカーで検索してみてください。
転職をする
現在介護事業所で勤務していて年収に不満を感じているなら、転職をおすすめします。
事業所を変えるだけで、年収アップする可能性は高いです。
とくに、資格を取得していると好待遇になりやすいので、他の事業所への転職も検討してみてください。
また、転職の際には、専任アドバイザーのいる転職サイトを使うと良いでしょう。
なかには、待遇の相談までしてくれる転職エージェントサイトもあります。
転職するならきらケアがおすすめ
転職をするなら、サポートの充実しているきらケアがおすすめです。
きらケアは、未経験・無資格でも使える転職サイトで、サポートが充実しています。
サポートの内容は、以下の通りです。
- カウンセリング……キャリアアドバイスをもらえる
- 仕事紹介……具体的な情報を共有してもらえる
- 書類選考・面接……事前の面接対策から面接同行まで可能
- お仕事スタート……働く前の給与や勤務時間交渉まで可能
お仕事探しから就職まで徹底的にサポートしてくれるので、自分に合った事業所を探している方は、ぜひきらケアを利用してみてください。
介護士は今後年収アップに期待できる
介護士の平均年収は比較的低いですが、今後どんどん上がっていくでしょう。
年々処遇改善が見直されているため、今よりも下がる可能性はありません。
しかし、処遇改善を待っているだけではなく、自分から動くのも大事です。
資格取得や転職など、今できる行動をして、自ら年収をあげていきましょう。
介護士の転職なら、きらケアがおすすめです。
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