「介護士ってどれくらいのボーナスをもらっているの?」と気になっていますね。
平成30年の厚生労働省の調査によると、全国の介護士のボーナスの平均は50万円程度です。
中には賞与のもらえない人も含まれており、実際には0円〜70万円とかなり幅があります。
今回は、介護士のボーナスや賞与の平均額やボーナスの高い施設についてご紹介!
今の職場のままボーナス額を上げる方法も紹介しているので、参考にしてください。
介護士のボーナス・賞与事情を知って、できるだけ年収を高めましょう。
目次
1.全国の介護士のボーナス・賞与の平均は50万円程度
厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、全国の介護士のボーナス・賞与の平均額は、年間約52万円です。
企業規模計10人以上を対象に統計を取った結果がまとめられています。
もっと小さい事業所であればボーナス0円というところも少なくありません。
そのため、実際の平均額はもっと低くなるでしょう。
ちなみに、厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、同じ平成30年の全産業のボーナス・賞与の平均額は、年間約77万円です。
残念ながら、全産業の平均と比べると決して高い水準とは言えません。
ただし、これから需要の高まっていく介護業界の人材不足に懸念を示している国が、介護従事者を増やす施策を行っているのも確かです。
処遇の改善に努めているので、今後大きく改善される可能性があります。
2.施設によってボーナスに違いがある!ボーナスの高い施設3選
全国の介護士のボーナスの平均額を見ましたが、実は施設によってボーナスの額に違いがあります。
介護士の勤める施設の中でも、比較的ボーナスの高い施設は以下の3つです。
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- 老人保健施設
ボーナスを高めたいと思っているのであれば、参考にして下さいね!
施設1.有料老人ホーム
有料老人ホームは、比較的ボーナス額の高い施設です。
変動はあるものの、年間で60万円はボーナスだけでもらえます。
なぜなら、主に民間企業が運営しているので、施設によって高い入居料がかかるからです。
そのため、しっかり利益を出して経営ができます。
実際、カイゴジョブという求人サイトでは、賞与3ヶ月分+特別賞与がもらえる求人を見つけました。(カイゴジョブ│「◆常勤◆介護職【調布市/調布駅4分】賞与3ヶ月分+特別賞与が嬉しい有料老人ホーム」)
月給246,000円〜となっているため、最低でも70万以上のボーナスがもらえるのです。
複数の施設を経営しているなど大きな企業の有料老人ホームであれば、高いボーナスが見込めます。
また、富裕層向けの高級有料老人ホームも一定の利益が見込めるため、ボーナスが高めに設定されている可能性が高いです。
施設2.特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、平均より少し上のボーナスをもらえる施設です。
というのも、公的機関が運営しているためボーナスはほぼ確実に出るといっても過言ではありません。
地域や年度によって変動はあるものの、50万円以上のボーナスをもらえます。
ボーナス0円の施設も多い中、年間50万円のボーナスは大きいです。
実際、コメディカルドットコムという求人サイトでは賞与4.3ヶ月分と書かれた求人を見つけました。(コメディカルドットコム│「特別養護老人ホーム蔵前(常勤)」)
基本給は198,000円〜なので、最低節約術も60万円はボーナスとしてもらえるのです。
特別養護老人ホームは、自治体や社会福祉法人が運営しています。
社会福祉法人は国や自治体からの助成金や税金の優遇があり、介護士に還元されるためボーナスが確約されているのでしょう。
施設3.老人保健施設
老人保健施設(老健)も、他の施設と比べて高いボーナスがもらえます。
なぜなら、医療法人(病院)が経営母体だからです。
看護師や医師と同じようにボーナスがもらえるため、年間70万円程度のボーナスがもらえます。
e介護転職という転職サイトでは、賞与4ヶ月分支給の求人を見つけました。(e介護転職│「介護老人保健施設 洛和ヴィラサラサ」)
初任者研修終了者で月給が26万円〜となているので、100万円以上のボーナスが見込めます。
勤務2年目以降の人が対象であるものの、次の年から100万円もボーナスだけでもらえると思うと、仕事も頑張れそうですよね!
ただし、医師や看護師と一緒に働くことになるため、多少の医療知識が欠かせません。
そのため、介護士が働く施設の中でもボーナスが高めに設定されてるケースが多くなっています。
3.要注意!ボーナスの低い施設の見極める2つのポイント
ボーナスが高めに設定されている施設はあるものの、施設ごとにボーナスの額は異なります。
中でも、ボーナスの低い施設を見極めるには、以下の2つのポイントを知っておくべきです。
- 賞与実績が求人票に書かれていない
- 小規模事業者である
求人票から2つのポイントを読み取れれば、ボーナス0円や低いボーナスを避けられます。
順番に確認していきましょう。
ポイント1.賞与実績が求人票に書かれていない
賞与実績が求人票に書かれていない場合、注意しましょう。
なぜなら、ボーナスの実績がなく求人票に書けないからです。
実際、「年2回ボーナスあり」と求人票に書かれていても、実際もらえなかったなんてこともあり得ます。
しかし、「ボーナス:年2回2ヶ月(実績)」という風に実績の記載がある場合、前年度の実績を書かれていることが一般的です。
そのため、実績と書かれた求人票から転職先を選ぶと、ボーナスのない施設を避けられます。
ポイント2.小規模事業者である
小規模事業者は、ボーナスが少ないかもしれません。
全業種に言えることですが、大企業であればあるほどボーナスの平均は高いからです。
従業員に還元できるほどの利益を出せていないことが原因と言えます。
「小規模事業者だからボーナスは0」と言い切ることはできませんが、可能性は大企業と比べて高いです。
気になる求人に応募する前に、必ず経営母体について検索をしてみましょう。
社員数100人以上や資本金額5,000万円以上といった、大きな規模の経営母体を選ぶことをおすすめします。
4.今の職場でボーナスをアップさせる3つの方法
できることなら、転職をせず今の職場でボーナスをアップさせたいですよね。
ボーナスをアップさせるには、以下の3つの方法があります。
- 上位資格を取得する
- 役職を上げる
- 相談員やケアマネージャーとして働く
もし、今の職場から離れるにしても、これらのことを意識していれば転職時にボーナスが高くなる可能性が高いです。
詳しく確認していきましょう。
方法1.上位資格を取得する
上位資格を取ることで、基本給に資格手当がつくようになります。
平均で月1万円〜1.5万円の手当がつき、ボーナスも高くなるのです。
ちなみに、介護士として働くためには、以下のような資格があります。
介護職員初任者研修 | 介護スタッフの入門資格です。 高齢者や障害者に対する専門的な介護サービスを行うための知識と技術を身につけられます。 |
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介護福祉士実務者研修 | より専門的な知識と技術を身につけられます。 介護福祉士になるためには、この資格を保有し、三年以上の実務経験が必須です。 |
介護福祉士 | 介護福祉士国家試験に合格すれば取得できます。 介護の現場では、リーダー的な存在となり、利用者や家族の相談を受けることができます。 |
介護福祉士が介護士として働く時の最上位資格です。
できる仕事も多くなり、経営者としても任せられることが増えるのでボーナスアップに繋がります。
方法2.役職を上げる
既に介護福祉士の資格を持っているのであれば、役職を上げる方法もあります。
具体的には、現場で主任(リーダー)や管理者を目指します。
主任の仕事は、以下のような内容です。
- 職員会議の進行
- イベントや行事の企画
- 介護スタッフの教育
- 入居者候補や家族との面談
- 新入居者の決定
- 入居者家族との連絡・クレーム対応
- 出勤簿の管理・シフトの作成
- 介護スタッフの採用面接
また、管理者の仕事内容は以下の通りです。
- 緊急時対応
- 介護スタッフの人事・採用
- 介護スタッフの教育
- 勤怠管理
- 利用者の個人情報の管理
- 病院など連携施設との連絡
- 施設内備品管理
- 地域住民とのイベント企画
現場で役職を目指すには、介護サービスの提供だけでなく、施設の運営やスタッフを束ねる力が求められます。
そのため、人柄やマネージャー力を見て人事が決められやすいです。
普段から自分の仕事以外のことにも目を向けて上司にアピールしましょう。
方法3.相談員やケアマネージャーとして働く
相談員やケアマネージャーとして働くことで、給与・ボーナスともにアップが狙えます。
というのも、相談員やケアマネージャーは介護従事者の中でも月給が高いからです。
ボーナスの額は月給がベースとなっているため、ボーナスアップも期待できます。
厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、以下のように月給・基本給に差があります。
介護職員 |
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---|---|
生活相談員 |
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ケアマネージャー |
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このように、同じ介護現場であっても働き方によって給料は変わります。
月給・ボーナスをアップさせたいのであれば資格取得を目指すことも検討しましょう。
5.今の職場でボーナスアップが難しいなら転職も検討しよう
もし、今の職場でボーナスアップが難しいのであれば転職も検討しましょう。
転職をするのであれば、以下の転職サイトを利用することをおすすめします。
- コメディカルドットコム
- カイゴジョブ
- e介護転職
転職サイトを使えば、簡単に求人検索ができます。
多くの施設を比較して、自分に合った転職先を見つけましょう。
サイト1.コメディカルドットコム
コメディカルドットコムは、介護・医療関係者向けの転職サイトです。
「高収入の介護福祉士の求人」といったように検索ができます。
実際に高収入の介護福祉士の求人を検索してみると、約400件の求人が出てきました。
「フローレンスケアホーム千鳥町」の求人票を見ていると、年3回のボーナスが出ると書かれています。
金額は書かれていませんが、26万円の月給分がボーナスとして年3回出るのであれば年間80万円以上受け取れることになります。
コメディカルドットコムであればボーナスアップできる転職先の検索がしやすいので、積極的に活用しましょう。
サイト2.カイゴジョブ
カイゴジョブとは、10万件もの求人が掲載されている介護専門の転職サイトです。
今までに90万人以上が転職に利用しており、転職を考えているのであれば登録しておきたいサイトと言えます。
「株式会社ベネッセスタイルケア くらら上野毛」の求人を見ていると、昇格をすれば2ヶ月分の賞与があると書かれています。
介護福祉士であれば月給29万円〜と書かれているので、年間60万円程度のボーナスは見込めるでしょう。
また、カイゴジョブでは実際に施設担当者と話せる就職イベントも開催しています。
施設の雰囲気を知りたい人は、一度利用してみましょう。
サイト3.e介護転職
e介護転職は、職場の雰囲気を知るために積極的に説明会・見学会を開催している介護専門の転職サイトです。
「地域密着型特別養護老人ホーム 文京大塚みどりの郷」の求人では、賞与4ヶ月分と記載されていました。
基本給は書かれていませんが、介護福祉士の月給が275,500円〜と書かれています。
基本給が21万円程度と考えても、年間80万円以上のボーナスが見込めるでしょう。
このように、ボーナスの高い求人情報がしっかりと掲載されているので安心して検索してみてくださいね!
ちなみに、e介護転職の「介護職年収診断」であなたの持っている資格や経験から、推定年収を診断できます。
自分の適正な年収を知って、ボーナスも今より高い職場を選びましょう。
まとめ
平成30年の厚生労働省の調査によると、全国の介護士のボーナスの平均は50万円程度です。
「平均と比べると全然もらえていない」という人は、今の職場で資格を取るなどの努力をしてみましょう。
しかし、ブラック職場でボーナスが0なのであれば、思い切って転職する勇気も必要です。
同じ介護士でも、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、老人保健施設は潤沢に資金を持っている確率が高く、比較的ボーナスは高くなります。
賞与実績が書かれた職場へ転職し、年収を上げましょう。