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訪問介護(ホームヘルパー)のお給料はどのくらい?仕事内容や資格についても解説!

訪問介護の仕事のお給料はどのくらい?

訪問介護ってどんな働き方があるの?

訪問介護員(ホームヘルパー )として働こうと考えている人にとって給料や働き方は気になりますよね。
この記事では、訪問介護員(ホームヘルパー)の給料や仕事内容、資格について詳しく見ていきます。
訪問介護員としてステップアップする方法についても紹介します。

すでに訪問介護員(ホームヘルパー)として働いている人も参考にしてみてください。

この記事の要約

  • 訪問介護員(ホームヘルパー)の給料
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)のキャリアアップ

また訪問介護の仕事内容についてもっと詳しく知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事
「訪問介護」とは、訪問介護員等が、利用者(要介護者等)の居宅を訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。

訪問介護員は「ホームヘルパー」と呼ばれることが多いです。 訪問介護を行うには資格が必要です。

▼下記のような資格が必要です。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • 介護職員初任者研修修了者
  • 生活援助従事者研修修了者(生活援助中心型のみ提供可能)
  • 居宅介護又は重度訪問介護を提供している者(共生型サービスのみ提供可能)
  • 旧介護職員基礎研修修了者
  • 旧訪問介護員1級又は旧2級課程修了者

無資格の場合は介護のスタート資格の位置付けの介護職員初任者研修を終了することをおすすめします。

訪問介護のサービスは3つに分類されます。

身体介護

身体介護は利用者の身体に直接接触して行われるサービスなどを指します。 具体的には、入浴介助、排せつ介助、食事介助などです。

生活援助

生活援助は、身体介護以外で利用者が日常生活を営むことを支援するサービスです。 具体的には、調理、洗濯、掃除などです。

通院等乗降介助

通院等のための乗車又は降車の介助をするサービスです。 乗車前・降車後の移動介助等の一連のサービス行為を含みます。

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事
働き方 平均給与
正社員 245,800円/月
短時間労働者
(パート・アルバイト・登録など)
1,580円/時

それぞれ詳しく見ていきましょう。

正社員

所定内給与 245,800円/月
賞与や特別給与など 445,100円/年

所定内給与は「きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額」です。
これから訪問介護員になろうと考えている人は1年目の給与が気になることでしょう。

経験年数別の給与

経験年数 所定内給与 賞与や特別給与など
0年 205,500円/月 62,000円/年
1〜4年 222,500円/月 418,600円/年
5〜9年 247,600円/月 434,000円/年
10〜14年 251,200円/月 418,700円/年
15年〜 259,900円/月 548,900円/年

最初は賞与なども多くありませんが、1年目になるとまとまった金額が支給されています。
またこれらは平均値なので、もっと好条件で働ける職場もあります。

福祉施設に勤務する介護職員と比べてみましょう。

介護職員との比較

経験年数 訪問介護員 介護職員
0年 205,500円/月 211,100円/月
1〜4年 222,500円/月 218,700円/月
5〜9年 247,600円/月 232,400円/月

入社初年度は訪問介護員の方が給与が低いですが、経験年数が増えると訪問介護員の方が給与が高いことがわかります。

短時間労働者(パート・アルバイトなど)

所定内給与 1,580円/時
賞与や特別給与など 47,800円/年

短時間労働者は正社員以外の労働者のことなのでパート・アルバイトのみというわけではないかもしれませんが、多くがパート・アルバイトと考えて問題無いでしょう。
資格が必要な仕事なので、時給は高めです。

次に経験年数別の給与を見てみましょう。

経験年数別の給与

経験年数 所定内給与 賞与や特別給与など
0年 1,580円/時 6,000円/年
1〜4年 1,572円/時 29,800円/年
5〜9年 1,535円/時 55,300円/年
10〜14年 1,617円/時 58,800円/年
15年〜 1,588円/時 58,800円/年

短時間労働の場合は経験年数に応じての給与の違いはあまり無いようです。

介護職員との比較

施設で働く介護職員の給与と比較してみましょう。

経験年数 訪問介護員 介護職員
0年 1,580円/時 1,174円/時
1〜4年 1,572円/時 1,162円/時
5〜9年 1,535円/時 1,194円/時

訪問介護員の時給の方が高いことがわかります。

仕事内容を後ほど紹介しますが、訪問介護員は訪問して1人で介護を行うため、同じ介護の仕事でも1人にかかる責任が重いと言えます。

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

それでは訪問介護員がどのような仕事をするのか見ていきましょう。

具体的な仕事内容

大きく分けて3種類あることは前述しました。身体介助、生活援助、通院等乗降介助です。

身体介助

利用者の体に触れて行う介護のことを言います。食事介助、排泄介助、入浴介助、歩行介助、着替えや洗面の補助などを行います。

生活援助

利用者が自宅で生活するために必要な援助を行います。部屋の掃除、食事の支度から配膳、洗濯、ゴミ出し、布団干し、生活に必要な買い物、薬をもらってきたりといった援助を行います。

訪問介護員の1日の流れ

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事
時間 仕事内容
8:00 出勤、事業所内で訪問の準備
9:00 1件目の利用者宅へ出発(自動車または自転車)
9:30 1件目の利用者へのサービス開始
10:00 2件目の利用者宅へ移動
10:30 2件目の利用者へのサービス開始
11:30 昼食休憩、3件目の利用者宅へ移動
13:30 3件目の利用者へのサービス開始
14:30 一度事業所へ戻る
15:00 帰社、他のヘルパーやケアマネと情報交換、申し送り、報告書の作成
16:00 4件目の利用者宅へ移動
16:20 4件目の利用者へのサービス開始
17:00 勤務終了、利用者宅から直接自宅へ帰宅

正社員の場合の仕事の流れの1例ですが、1日に4件ほどの訪問介護を行います。

やりがい

実際に訪問介護の仕事をしている方のやりがいを集めました。

自分1人が1人の利用者を受け持つので、よりやりがいを感じやすいのが訪問介護といえます。

訪問介護員(ホームヘルパー)として給料アップする方法

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

訪問介護員(ホームヘルパー)がステップアップする方法は3つあります。

  • 資格を取得する
  • サービス提供責任者になる
  • 条件の良い職場に転職する

資格を取得する

持っている資格に応じて資格手当が出る職場の場合は資格を取得することをおすすめします。
また訪問介護員として既に働いており、これからも続けるのであれば職場がどうであれ資格を取得することを考えましょう。
既に1つ以上の資格を有している方は、更に上位の資格取得を目指しましょう。

訪問介護員に役立つ資格

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

訪問介護員が取得したい資格を見ていきましょう。

介護職員初任者研修

介護の仕事のスタート資格といえる資格です。
介護の仕事に必要な基礎知識を130時間かけて学びます。
スクールに通う必要がありますが、最短で1ヶ月、平均2〜3ヶ月で取得することが可能です。

もちろん費用はかかりますが、スクールのキャンペーンを利用して割引価格で受講したり職業訓練受講給付金を利用するなどすれば、負担を少なく受講できます。

何から始めていいかわからないという方は、まずは介護職員初任者研修を修了することをおすすめします。

介護福祉士実務者研修
訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

介護職員初任者研修の上位資格として位置付けられている資格です。
更に上位資格である介護福祉士試験の受験条件にもなっています。

介護職員初任者研修が9科目130時間の受講に対して、介護福祉士実務者研修は20科目450時間を受講します。医療的ケアも学ぶため、より専門的な介護知識を得ることができます。

訪問介護員としてのメリットは、
介護福祉士実務者研修を修了するとサービス提供責任者になれることです。

サービス提供責任者については後述しますが、より責任のある仕事になる分、給与にも反映されます。

介護福祉士

国家資格である介護福祉士になるには、大きく3つのルートがあります。
訪問介護員として働きながら介護福祉士を目指すことはもちろん可能です。
その場合、下記の条件を満たす必要があります。

  • 実務経験3年以上
  • 介護福祉士実務者研修の修了

サービス提供責任者になることが可能で、取得の後にはケアマネージャーを目指すことができます。
もちろん給与面でも介護福祉士を持っている方が優遇されますし、転職の場合にも有利な資格です。

生活援助従事者研修
訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

2018年4月に新設された資格で、修了すると訪問介護の中で生活援助を中心にサービス提供できます。
介護職員初任者研修と同じ科目を学びますが学習時間はおよそ半分の59時間なので、より取得しやすい資格であるといえます。

しかし新しい資格なので、まだ受講できるスクールは少ないです。
もし生活援助従事者研修を受講したいけどスクールが見つからない場合には、介護職員初任者研修の受講を検討するとよいでしょう。

また、生活援助従事者研修を修了していると介護職員初任者研修の受講の一部が免除になるため、次のステップとして介護職員初任者研修を検討することをおすすめします。

サービス提供責任者になる

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

訪問介護員の次のステップとして、サービス提供責任者があります。
ここではサービス提供責任者について見ていきましょう。

サービス提供責任者とは

略して「サ責」と呼ばれます。
介護保険法で、訪問介護事業所に必ず1人以上配置するように定められている役割です。

▼サービス提供責任者の仕事内容

 

  1. 訪問介護計画の作成
  2. 利用申込みの調整
  3. 利用者の状態変化、サービスへの意向の定期的な把握
  4. 居宅介護支援事業者との連携 (サービス担当者会議出席等)
  5. 訪問介護員に対しての具体的援助方法の指示及び情報伝達
  6. 訪問介護員の業務の実施状況の把握
  7. 訪問 介護員の業務管理
  8. 訪問介護員に対する研修、技術指導等

要するにサービス提供責任者は、ケアマネージャーの作成したケアプランに基づいて具体的な介護計画書を作成したり、訪問介護員をまとめる役割を担います。

サービス提供責任者になるには

サービス提供責任者になるには下記の資格(条件)のどれかが必要です。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了
  • 介護職員初任者研修修了していて3年以上介護等の業務に従事している
  • 旧介護職員基礎研修修了
  • 旧1級課程修了

これから目指す人は、上から3つのどれかを満たすことを考えましょう。

サービス提供責任者の給料

令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、給料の違いは下記の通りです。

職位 平均給与額
サービス提供責任者 320,510円/月
サービス提供責任者以外 283,220円/月

訪問介護員と比較すると、約4万円ほど高いことがわかります。
訪問介護員から始めてステップアップを考えるならサービス提供責任者を目指したいところです。

条件の良い職場に転職する

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

現状に満足できていない場合は転職を考えるという方法もあります。 
その場合、現状で満足できていない点について見直し、どのような職場に転職したいのか具体的にして転職活動を行うとよいでしょう。

例えば、

  • 給与面で満足していないなら「時給は○○円以上の職場に」
  • 労働時間などの待遇面で満足していないなら「残業が○時間以内の職場に」
  • 資格を持っていても資格手当が無くて不満なら「資格手当がある職場に」
  • 福利厚生面で不満なら「資格取得支援のある職場に」

などなど、人それぞれの「良い」職場の条件があるはずです。

何回も転職を重ねることは難しいため、自分の求める条件を可能な限り満たす転職ができるように取り組みましょう

転職エージェントを利用するという方法もあります。
優秀な転職エージェントは職場の雰囲気や人間関係などのリアルな情報を持っていますので、なかなかつかむことが出来ない情報を得ることができるなどのメリットがあります。

訪問介護員(ホームヘルパー)としてキャリアアップを目指す

訪問介護(ホームヘルパー)のお給料や仕事

この記事では、訪問介護員(ホームヘルパー)の給料や働き方、ステップアップする方法について見ていきました。

この記事の要約

  • 訪問介護員(ホームヘルパー)の給料
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)のキャリアアップ

訪問介護員は介護職の中でも自分らしく働きやすい仕事といえます。
訪問介護員として働く参考になれば幸いです。