介護師

介護士から社会福祉士になるには!?仕事内容や給料も徹底紹介!

介護士からでも社会福祉士になれる?

社会福祉士として働きたいけれど、どうしたらいい?

国家資格の一つである社会福祉士。

児童から、高齢者までの幅広い年齢層を相手にするため、さまざまな分野で資格を活かすことができます。

介護士として働く中で、社会福祉士になりたいと考えている人もいるのではないでしょうか?

実は、社会福祉士の中には介護士から転職したという方は意外に多いのです。

この記事では、社会福祉士の働き方や給料、国家試験についてお伝えしつつ、介護士から社会福祉士になるための方法をご紹介していきます。

ぜひ、最後までご一読ください。

目次

1.介護士から社会福祉士になるメリット

介護士から社会福祉士になるメリット

介護士と社会福祉士は、どちらも福祉において欠かせない職種です。

しかし、この2つは仕事内容から活躍場所まで、大きく異なっています

介護士は介護の専門家なのに対して、社会福祉士は介護業界だけでなく、幅広い分野で福祉に携わっているのです。

これらをふまえた上で、介護士から社会福祉士になるメリットを、以下の3つご紹介していきます。

  1. 相談者に合う支援を提案できる
  2. 活躍の場を広げることができる
  3. キャリアアップを目指せる

一つずつ細かくみていきましょう。

メリット1.相談者に合う支援を提案できる

社会福祉士は直接相談を受けるため、相談者一人ひとりにあった支援を提案することができます。

介護士は介護の専門家として、食事や入浴、排泄などの介護サービスを提供する機会が多くありますよね。

利用者や入居者との直接的な関わりが多く、感謝される機会も多い職種です。

介護士として働く中で「もっとこうしたらいいのに」というジレンマを感じたことはありませんか?

社会福祉士なら、利用者や入居者から直に相談を受け、日常生活がより良くなるよう支援することができます。

また介護サービスというのは、どうしても身体的な負担が大きいと言われています。

介護士の約9割が腰痛を抱えながら働いているという研究結果は、「労働者健康安全機構」と呼ばれる行政法人からも出ているほどです。

ですが、社会福祉士になれば、介護士のときよりも自分自身の身体への負担を減らせます

さらには、相談者に対して生活の質を高められるよう働きかけ、生活支援の根本に直接的に関わることができるのです。

メリット2.活躍の場を広げることができる

社会福祉士は幅広い年齢層を相手にするため、得た知識をさまざまな分野で活かすことができます

さらに、介護福祉士+社会福祉士、保育士+社会福祉士といった、他の資格と掛け合わせることで、さらに多種多様な働き方ができるでしょう。

他の福祉資格を持っていると、特定の分野に対して強みができるのもメリットになりますね。

実際に社会福祉士の資格を保有している方は、複数の資格を持っていることが多いです。

介護士が社会福祉士の資格を取得することで、介護士としての知識や技術だけでなく、法律系や社会福祉に関するアドバイスができます。

介護士として、サービスを提供するだけではなく、社会福祉士の資格を取得することで、介護サービスとは違う方面でも活躍することができるのです。

メリット3.キャリアアップを目指せる

社会福祉士の資格を取得することで、キャリアアップを目指していくことが可能となります。

具体的には、社会福祉士として経験を重ねていくことで、自ら事業所の立ち上げを行い、独立することができます。

独立後は仕事内容を自分で選択できるので、高齢者福祉だけでなく、児童福祉や障がい者福祉といった異なる分野でも仕事が可能なのです。

介護士としての経験を活かしつつ、取得した資格を使って仕事の幅を広げれば、どんどんキャリアアップしていけます

それでは介護士から社会福祉士にキャリアチェンジするための方法を、次章で見ていきましょう。

2.介護士から社会福祉士になるためには

介護士から社会福祉士になるメリットを3点お伝えしました。

  1. 相談者に合う支援を提案できる
  2. 活躍の場を広げることができる
  3. キャリアアップを目指せる

それでは実際に介護士から社会福祉士になるためにはどうしたら良いのでしょうか。

結論から言うと、働きながらでも国家試験に合格をすれば資格を取得することが可能です。

介護士から社会福祉士になる方法

具体的に、以下2つに分けてお話していきます。

  1. 国家試験に合格する必要がある
  2. 働きながらでも資格取得可能

細かく条件を見ていきましょう。

(1)国家試験に合格する必要がある

社会福祉士は国家資格のため、この試験に合格しないと社会福祉士になれません

社会福祉士の国家試験の合格率は、2015~2020年の平均だと28.07%です。

同年の範囲で、介護福祉士の合格率が68.88%ですから、難易度はやや高めと言えるでしょう。

また社会福祉士の試験を受験するためには、受験要件を満たさなくてはなりません。

この受験要件を満たすためには、12通りものルートがあるのです。

下記の「3.社会福祉士の受験資格を得るためには12通りの方法がある」で詳しく解説します。

(2)働きながらでも資格取得可能

社会福祉士の資格は、働きながらでも得可能です。

一般的に国家試験というと、仕事を休職したり退職したりして、勉強に専念し受験するイメージが強いと思います。

ですが社会福祉士は休職や退職する必要はありません。

学習期間は短期間なものが多く、通信制を採用している施設もあるほどです。

自分のライフスタイルに合った学習をすれば、十分に資格の取得は可能となるでしょう。

ちなみに、厚生労働省の資料より、第30回の社会福祉士の受験者を年代別に見ると以下の通りです。

受験した人の年齢 人数
~30 6,050人
31~40 2,439人
41~50 2,368人
51~60 1,269人
61~ 330人
合計受験人数 12,456人

20代が多いですが、30~50代も負けず劣らずいることがわかります。

社会福祉士は、働きながらでも資格取得できる体制が整っています。

また仕事で都合のつかない日がある場合は、後日振り返り授業を受けられる施設もあるのです。

仕事を辞める必要はなく、働きながら取得を目指していく形も視野に入れておくと良いでしょう。

ただし、社会福祉士の国家試験を受験するためには、ある一定の条件が必要になってきます。

その条件については、次の章で詳しく解説していきましょう。

3.社会福祉士の受験資格を得るためには12通りの方法がある

社会福祉士になるためには、国家試験を受験し合格する必要があるとお伝えしました。

では誰もが国家試験を受けられるのかというと、そんなことはありません。

社会福祉士の国家試験を受ける場合、受験要件を満たしていなくては試験を受けることすら認めてもらえないのです。

では社会福祉士の受験要件とはなんなのでしょうか。

なんと、社会福祉士の受験要件は12通りもあります。

これは、厚生労働省のホームページにある、社会福祉士の資格取得方法(ページ2)に、図面で掲載されています。

それぞれ、12通りを並べると以下のようになるのです。

見るだけでは、まったくわかりませんよね。

福祉系大学・短大等(指定科目履修)ルート

  • 福祉系大学卒(4年制)および指定科目履修
  • 福祉系短大卒(3年制)および指定科目履修の上、相談援助実務(1年以上)
  • 福祉系短大卒(2年制)および指定科目履修の上、相談援助実務(2年以上)

短期養成施設等ルート

  • 福祉系大学卒(4年制)および基礎科目履修の上、短期養成施設など
  • 福祉系短大卒(3年制)および基礎科目履修の上、相談援助実務(1年以上)+短期養成施設など
  • 福祉系短大卒(2年制)および基礎科目履修の上、相談援助実務(2年以上)+短期養成施設など
  • 社会福祉主事養成機関(2年以上)の上、相談援助実務(2年以上)+短期養成施設など
  • 児童福祉司/身体障がい者福祉司/審査指導員/知的障がい者福祉司/老人福祉指導主事の実務経験4年および短期養成施設など

一般養成施設等ルート

  • 一般大学卒(4年制)および一般養成施設など
  • 一般短大卒(3年制)および相談援助実務(1年以上)+一般養成施設など
  • 一般短大卒(2年制)および相談援助実務(2年以上)+一般養成施設など
  • 相談援助実務(4年以上)および一般養成施設など

この12通りの方法をわかりやすく説明すると、以下の3つに絞ることができます。

  1. 福祉系大学などの指定科目を学ぶ
  2. 福祉系大学などの基本科目+短期(一般)養成施設を学ぶ
  3. 相談援助業務で4年以上従事+1年以上養成施設で学ぶ

12のルートは難しく書いているだけで、極端な話「学校に通えば受験できる」ものです。

短期養成施設や一般養成施設については、少し長くなるので後述しますね。

まずは、相談援助実務というのは、具体的にどんなことを指すのかについて確認しておきましょう。

相談援助実務は、社会福祉士の仕事内容に近いことをやったことがあるかということです。

具体的に相手からの相談を受け、適切にアドバイスをしたことがあるのかを問われています。

職種によっては相談援助実務経験になるものもありますので、具体的な実務経験として認められる職種について見ていきましょう。

実務経験として認められる職種

相談援助実務経験として認められる職種は、以下の表の通りです。

あなたが働いたことのある仕事が含まれているのか、確認してみましょう。

児童福祉分野(障碍者福祉分野含む)

児童福祉司 受付相談員
相談員 電話相談員
児童心理司 心理判定員
児童指導員 保育士
母子支援員 少年指導員
家庭支援専門相談員 里親支援専門相談員
心理指導担当職員 児童発達支援管理責任者
児童生活支援員 機能訓練担当職員
スクールソーシャルワーカー 訪問支援員

 

高齢者福祉分野

計画作成担当者 保健師
生活指導員 訪問介護に携わるオペレーター
生活援助員 相談援助を行っている職員

 

意外に対応している職種は多いので、何か当てはまるものがあった人も多いかもしれませんね。

実務経験は、受験資格にも含まれているものなので、事前に確認しておくと短く済ませるルートを見つけられるはずです。

では、実際に社会福祉士の受験資格を得るための方法について、詳しく見ていきましょう。

4.社会福祉士の受験資格を得るためには

社会福祉士になるための12通りの方法についてお伝えしました。

多すぎて面倒に感じた

結局どのルートがいいの?

このように感じた人も多いはずです。

ここで代表的なルートとして下記の3つをご紹介します。

  1. 福祉系大学卒(4年制・指定科目)学習ルート
  2. 福祉系大学卒(4年制・基礎科目)+短期養成施設ルート
  3. 相談援助業務(4年以上)+一般養成施設1年ルート

3つのルートについて、詳しく解説していきしょう。

(1)福祉系大学卒(4年制・指定科目)学習ルート

まずは、4年制福祉系大学を卒業し、指定科目を学ぶルートです。

こちらは、対応している福祉系の大学に通うだけで、受験の資格を得ることができます。

また、自分の履修した科目を確認し、不足しているようであれば大学に編入し、必要科目のみ受講することも可能です。

基本的に、大学は日中に授業が行われるケースがほとんどとなっています。

ですが、通信制のコースもありますので、介護士として働きながらでも指定科目を履修可能です。

社会福祉士を取得するルートのなかでも、指定科目のみの履修なので迷うことなく受験資格を得ることができるでしょう。

(2)福祉系大学卒(4年制・基礎科目)+短期養成施設ルート

次に、4年制の福祉系大学を卒業し、基礎科目を学んでから養成施設に通うルートです。

これは、福祉系大学で基礎科目のみしか学べなかった人が、足りない分を養成施設で補う形となります。

社会福祉士を視野に入れず、福祉系大学を卒業したという人は、基礎科目だけのケースが非常に多いです。

そのため、短期養成施設を活用し、指定科目を補うことで受験資格を得ます。

短期養成施設と言っても、どんなことをするのか、なかなか想像しにくいですよね。

簡単に説明すると、短期養成施設とは約6ヶ月以上に渡って、集中的に社会福祉士に必要な知識や技術を学んでいく施設です。

短期養成施設も大学と同様、日中に授業が行われる形となっています。

ですが、施設の中には土日祝日をメインに授業をしていたり、eラーニングを導入したりしているところも多いです。

社会福祉士を目指したいけど、基本科目しか履修していないという人は短期養成施設を活用しましょう

こちらも介護士として働きながらでも、卒業が可能となっています。

(3)相談援助業務(4年以上)+一般養成施設1年ルート

最後に紹介するのが、援助業務を4年以上経験した人が、養成施設に1年以上通って受験するルートです。

一般大学卒業後した人も、一般養成施設で1年以上の勉強をすれば受験資格を得られます。

介護士として働いているからといって、誰もが福祉系の大学を卒業したわけではないでしょう。

その場合、一般養成施設に通わなくてはなりません。

一般養成施設というのは、いわゆる福祉系の専門学校のことを指しています。

専門学校というと、日中通学するところと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし専門学校によっては、夜間通学や通信課程などのカリキュラムを用意しているところもあります。

こちらも働きながら通学し、社会福祉士の受験要件を取得可能です。

ただし一般養成施設の場合、実習が必須のところも多くあります。

実習ともなると夜間に行うわけにはいきませんので、その期間だけは職場の上司に相談し、休暇や勤務の調整をしてもらうようにしてください。

ここまで、社会福祉士の受験要件を満たす3つのルートについてお話してきました。

次の章からは、そもそも社会福祉士とは何なのか、今後の展望についてお伝えしていきます。

5.介護士からなれる社会福祉士とは

社会福祉士の受験資格を得るための12の方法と、代表的な3つの方法について詳しくご紹介しました。

この章以降から、職業としての社会福祉士について解説していきます。

社会福祉士とは、ソーシャルワーカーとも呼ばれる国家資格の一つです。

詳しくは、厚生労働省のホームページに、「社会福祉士の概要について」が掲載されています。

簡単にまとめると、以下の2点が社会福祉士の概要です。

  1. 身体的・精神的・経済的な問題を抱えている方からの相談・支援
  2. 必要に応じてさまざまな施設や医療機関との連絡・調整

つまり、社会福祉士とは、相談者がスムーズに社会生活を送るための支援を行う者なのです。

児童福祉から精神福祉、障がい者福祉、高齢者福祉と、幅広い年齢層を対象にしているため、さまざまな場所で活躍しています。

現在の少子高齢社会によって、社会福祉士のニーズは高まっています

前述したようにさまざまな分野で活躍できる社会福祉士は、ある程度自分の好きな分野を選択して勤めることも可能でしょう。

また活躍の場はどんどん増えており、「司法ソーシャルワーカー」や「後見人」といった新たな職種も登場してきています。

まだまだ将来性が期待できる職業の一つとも言えますね。

では社会福祉士の働き方と就業場所に応じた仕事内容について、具体的に見ていきましょう。

6.社会福祉士の働き先と仕事内容

社会福祉士の働き先

社会福祉士について概要を解説しました。

社会福祉士は、幅広い年齢層からの相談にのり、日常生活をスムーズに送れるように支援していくことが主な仕事です。

しかし、年齢層によって働く場所や仕事内容は変化してきます。

代表的な活躍の場は、以下の通りです。

  1. 児童福祉
  2. 高齢者福祉
  3. 行政
  4. 医療機関
  5. 学校

具体的に見ていきましょう。

(1)児童福祉

児童福祉分野において、社会福祉士は「ファミリーソーシャルワーカー」や「児童相談員」として勤務します。

その対象は児童やその家族です。

児童が心身ともに自立した大人となれるよう、児童の保護者と安全な療育環境を整える支援をしていきます。

就業施設としては、以下の施設が代表的です。

  • 児童福祉施設
  • 児童養護施設
  • 母子生活支援施設
  • 児童相談所
  • 障がい児入所施設

児童には個々の事情があり、心身の成長過程を踏まえながら支援していかなくてはならないため、難しい仕事です。

その分、児童の成長を感じる場面や児童が施設を巣立っていくときには大きなやりがいを感じることでしょう。

(2)高齢者福祉

高齢者分野において、社会福祉士は「生活相談員」として勤務します。

対象は入居者や利用者、またその家族です。

生活相談員は相談対応だけでなく、入退所の手続きや医療機関、他の介護サービス機関との連絡や調整なども行います。

高齢者福祉では、以下の施設を中心に働くことになるでしょう。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 地域包括支援センター
  • デイサービスセンター
  • 有料老人ホーム

介護士から社会福祉士を目指すにあたって、業務内容に最も馴染みやすい分野です。

高齢社会に伴って、高齢者福祉における社会福祉士の需要は増加していることから就業しやすい特徴もあります。

(3)行政

行政分野では、各地に設置された福祉事務所または行政機関で勤務します

これらの施設では専門職員として勤務し、対象者は以下の方です。

  • 生活保護受給者
  • 身体・知的・精神障がい者
  • 母子
  • 近隣住民

最初の窓口として丁寧に相談者と向き合うことができます。

さらに必要に応じて、他の施設と連携して対応することで、問題の根本的解決にむかえるところも醍醐味とも言えるでしょう。

(4)医療機関

医療機関において、医療ソーシャルワーカーとして勤務します。

対象は入院している患者とその家族です。

社会福祉の観点で、患者とその家族の問題の解決を支援します。

具体的には、以下の相談内容が多いです。

  • 療養中の心理的・社会的な問題の解決
  • 退院支援
  • 経済的な問題の解決

他の分野と違い、患者の状況的変化や社会的変化に対応していくため、幅広い対応が必要になってきます。

しかしその分支援の機会が多く、患者の不安に寄り添うことができる点が魅力の分野です。

(5)学校

学校や教育委員会において、スクールソーシャルワーカーとして勤務します。

対象は小学生から大学生までの生徒・学生です。

スクールソーシャルワーカーとして不登校や虐待、いじめなどの問題の解決を支援します。

似た仕事としてスクールカウンセラーが挙げられますが、サポートの幅が大きく異なります。

スクールカウンセラーは児童の心に寄り添い、心の負担を減らすことが仕事です。

それに対し、スクールソーシャルワーカーは児童を取り巻く環境にも視点を向け、その児童に合った社会資源を提供するサポートができます。

場合によっては、保健所や児童相談所などとも連携して、解決の糸口を探していくことになるのです。

以上が社会福祉士の働き先と仕事内容になります。

では社会福祉士として働く上で、ほとんどの方が気になるであろう給料はどうなのでしょうか。

以下の章でご紹介していきます。

7.社会福祉士で働いたときの給与目安

社会福祉士の給与

厚生労働省が発表した「平成27年度社会福祉士及び介護福祉士就労状況調査結果概要」によりますと、社会福祉士の平均年収は377万円です。

  • 社会福祉士 377万円
  • 介護福祉士 266万円
  • ケアマネージャー 394万円
  • 介護士 378万円

また雇用形態別に見ると、社会福祉士の男性・正規職員は454万円、女性・正規職員は380万円となっています。

他の介護職と比較しても、決して低い金額ではありませんね。

勤務先によっては、社会福祉士に資格手当を支給しているところもあるようです。

また社会福祉士の働き方によっては、行政などに勤めることによって、公務員としての扱いを受けることも可能になります。

公務員ともなると基本給とは別に、各種手当がありますので安定した給料をもらえるでしょう。

民間企業に勤めた場合でも、副業などによって収入を増やすことも可能です。

さまざまな方法で収入アップに繋げられるところも社会福祉士の魅力の一つとも言えますね。

社会福祉士になるためには、国家試験に合格する必要があることはお伝えしましたね。

ですが、それだけではまだ社会福祉士にはなれないのです。

下記の章で、試験合格後の流れについて解説していきます。

8.社会福祉士の資格取得後の手続き

社会福祉士の年収についてご紹介しました。

社会福祉士の平均年収は377万円となっており、福祉職の中では比較的高い給料をもらうことが可能です。

社会福祉士の資格を取得した後、すぐに社会福祉士として働きたいと考える方も多いでしょう。

ですが、社会福祉士の試験に合格しても、すぐに働くことはできません。

社会福祉士の試験に合格した後、社会福祉士登録申請と呼ばれる公的な手続きが必要になってくるのです。

この手続きを終えることで、ようやく社会福祉士として認められ働き出せます。

結論から先に言うと、書類を用意して郵送するだけです。

【社会福祉士登録申請に必要な書類】

  • 登録申請書
  • 登録免許税「収入印紙」の原本
  • 貼付用紙
  • 登録手数料
  • 「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本
  • 戸籍抄本の原本または本籍地記載のある住民票
  • 介護福祉士養成施設等の卒業(修了)証明書(養成施設卒業者のみ)

【試験合格後の流れ】

  1. 合格証書とともに必要書類を郵送する封筒が送られてくる
  2. 必要書類を簡易書留で郵送
  3. 試験センターでの審査、登録簿へ本登録
  4. 登録証の交付
  5. 郵送

ここまですれば、後は交付を待つだけとなります。

それでは、郵送するところまでの流れを、説明しておきますね。

1.合格証書とともに必要書類を郵送する封筒が送られてくる

試験に合格すると、自宅に社会福祉振興・試験センターから合格証書の入った封筒が郵送されてきます。

封筒の中には社会福祉士『新規登録の手引き』という冊子が一緒に同封されているはずです。

これには社会福祉士登録申請に必要な書類と、その後の流れが詳しく載っています。

間違って、捨てないようにしてくださいね。

2.必要書類を簡易書留で郵送

新規登録の手引きを参考に必要書類を準備できました。

送られてきた封筒の中には、必要書類のチェックリスト所定の返信用封筒も入っているはずです。

チェック後、漏れがないか確認できたら、書類を封入し郵便局で郵送手続きしてください。 このときは必ず簡易書留で郵送するようにしましょう。

もし試験センターに届いていないということが起きた場合、簡易書留であれば発送した証拠にもなります。

郵便窓口で「簡易書留で送りたい」と伝えれば、すぐに対応してくれますので、必ずやっておきましょう。

これで申請は終了です。

あとは登録簿への登録、登録証の交付を待つだけとなります。

社会福祉士になるためには合格するだけではなく、登録の手続きまで必要なことがわかりましたね。

それでは、次の章から社会福祉士を目指すときに知っておきたいことを、3点紹介していきましょう。

9.社会福祉士を目指すときに知っておきたいこと

社会福祉士になるために知っておくこと

社会福祉士登録申請について解説しました。

この手続きを行わないと、社会福祉士の試験に合格しても社会福祉士として認められません

必要な手続きなので、行うようにしましょう。

それでは実際に、社会福祉士を目指すと決めたときは何をしたら良いのでしょうか。

この章では、社会福祉士を目指すために知っておきたいことを、3点ご紹介していきます。

  • 勉強をするときは最新のテキストを使う
  • 国家試験のスケジュールは確認しておく
  • 相談援助実務は無資格でもカウントされる

それぞれ、チェックしておきましょう!

(1)勉強をするときは最新のテキストを使う

社会福祉士の勉強をするときは、年度に合わせた最新のテキストを使って勉強するようにしましょう。

国家試験では、社会福祉に関する法律や最新のデータなどの問題が出題され、これらは毎年変化してきます。

最新のテキストを選ばないと、間違いが増えることで合格率がグッと下がってしまうこともあるのです。

出題される法律やデータは知っていれば解ける問題が多いため、ぜひ最新のテキストを使って勉強するようにしてください。

おすすめのテキストに中央法規出版「見て覚える! 社会福祉士国試ナビ2020」があります。

どうしても法律やデータは文字での情報が多く、勉強していても頭に入ってこないことも多いです。

しかし、このテキストはカラーが図説を豊富に用いており、視覚的にもわかりやすいテキストになっています。

実際に書店に行ってみると、他の出版社からも社会福祉士のテキストが多く陳列されています。 パラパラとめくって、自分の好みに合うものを見つけてみてください。

(2)国家試験のスケジュールは確認しておく

必ず国家試験のスケジュールを確認するようにしてください。

「社会福祉振興・試験センター公式ホームページ」で確認できます。

社会福祉士の国家試験は年に1回だけです。

しかも受験するために願書の申し込みが必要で、願書を受け付けている期間も定まっています。

例えば令和元年度のスケジュールは以下のようになっていました。

願書受付期間:令和元年9月5日(木曜日)〜10月4日(金曜日)まで(消印有効)

国家試験受験日:令和2年2月2日(日)

毎年秋口にかけて願書の受付期間が設定され、年明けの2月上旬に試験が予定されています。

細かい日程は毎年異なるので、受験する年のスケジュールを確認しながら計画的に行動しましょう。

(3)相談援助実務は無資格でもカウントされる

社会福祉士国家試験の受験要件にある、相談援助実務は無資格で働いた期間もカウントされます。

あなたが働いていたところが、援助実務に当たる事業所なら実務経験書をもらうと良いでしょう。

例えば、放課後デイサービスの児童相談員です。

児童相談員の求人は無資格でも働くことができ、さらに児童福祉分野での実務を積むことで、社会福祉士の仕事に近い経験ができます。

もし、無資格で経験が積みたいなら、ぜひ求人を探してみてください

他の分野でも無資格で実務経験を積むことのできる求人は多くありますので、興味のある分野の相談援助実務を調べてみると良いですね。

最後に社会福祉士の求人が多く掲載されている、おすすめの求人サイトをご紹介していきます。

10.社会福祉士の求人を見てみよう

社会福祉士を目指すにあたって、知っておきたいことを3点ご紹介しました。

  1. 勉強をするときは最新のテキストを使う
  2. 国家試験のスケジュールを確認しよう
  3. 相談援助実務は無資格でも可能

では実際に社会福祉士の求人はどのようなものがあるのでしょうか。

社会福祉士の求人を多く紹介している求人サイトを、2つご紹介します。

  1. コメディカルドットコム
  2. ジョブメドレー

それぞれ参考にしてみてくださいね。

1.コメディカルドットコム

コメディカルドットコムは医療介護福祉分野の求人ポータルサイトで、内最大級の求人サイトとなっています。

職種の資格から選択できるだけでなく、さらに細かい条件やキーワードでの検索も可能です。

求人情報も常に最新のものになっていますので、「以前求人を見たときには、こうだったのに」ということもありません。

気になる求人を見つけた際には、ぜひ積極的にお問い合わせしてみてください。

2.ジョブメドレー

ジョブメドレーは多くのメディアでも取り上げられている、医療福祉分野で実績にある求人サイトです。

社会福祉士としての検索機能はないのですが、医療ソーシャルワーカーや生活相談員、児童指導員として求人を見ることができます。

キャリアサポートも充実していますので、どの分野が良いのか悩んでいたり、希望の条件があったりする方は相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

介護士から社会福祉士になるための方法についてご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか。

社会福祉士は毎年1万人以上もの方が資格取得に動いており、現在23万人もの方が社会福祉士に資格を保有しています。

しかし社会福祉士が活躍する機会は増え続けており、今後も需要が高まっていく職種の一つと言えるでしょう。

この記事を参考に、介護士からでも社会福祉士になれることや、社会福祉士の働き方について知っていただけますと幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。