介護師

働きながら介護資格を取得しよう!有利な資格と勉強のコツを徹底解説!

「介護の勉強をしたいけど、どうやって勉強しようかな」とお悩みですね。

介護職員向けの資格はたくさんありますが、経験が少なくてもしっかり勉強すれば資格取得できます

しかし、資格によって要件や勉強の仕方も変わるので知っておかなければ効率的に勉強できません。

今回は、介護の資格の種類や勉強方法について分かりやすく解説!

働きながら合格を目指すときの勉強のコツも紹介しているので、参考にしてください。

1つでも上位の資格を取得して、介護の現場で役立つ人材になりましょう。

1.現場で役立つ!介護職が持っていると有利な資格

介護現場で有利な資格

介護の現場でキャリアアップするために、勉強をするのであれば資格を取りましょう。

なぜなら、資格を取得することで仕事で任せてもらえることが増えるからです。

介護職にはたくさんの資格があり、正社員であれば上位資格を取っていくことを推奨されています。

介護職が持っていると有利な資格は、以下の通りです。

介護職員初任者研修 介護スタッフの入門資格。
身体介護をするために欠かせない資格です。
介護福祉士実務者研修 より専門的で実践的な知識と技術を身に付けられる資格。
介護福祉士を受験するためには、この資格の保有が必須です。
介護福祉士 介護士の国家資格です。
介護職員実務者研修取得の上、3年以上の実務経験がなければ受験することができません。
現場では、リーダーとして運営面も任される存在となります。
介護支援専門員
(ケアマネージャー)
適切な介護サービスを利用してもらうために、介護を必要とする本人や家族のサポートをすることができます。
ケアプランを作ったり、施設・業者と利用者の間に入って調整を行います。

上から下に向かって上位資格となります。

今後、介護の現場でキャリアを重ねていくのであれば介護福祉士の取得を目指しましょう

介護福祉士になれば、役職がついたりマネジメントを任されたりする存在となります。

仕事の幅が広がったり、資格手当が付いて給料もアップしたりするでしょう。

ここまで介護職が取るべき資格について説明しましたが、どのように勉強をすべきか分からないという人も多いと思います。

次の章からは、資格ごとにどのような勉強をしていくべきかを確認していきましょう。

2.介護職員初任者研修を取得するための勉強方法

介護職員初任者研修とは、介護職初心者向けの資格です。

なぜなら、この資格を持っていなければ食事の介助や移動の補佐など身体に触れる介護サービスを提供できません

無資格であっても掃除、洗濯などの日常生活のサポートはできます。

しかし、無資格で介護の現場で働くと、できないことが多くてもどかしい気持ちになるでしょう。

とはいえ、どのように勉強すれば良いか分からないですよね。

勉強方法について、確認していきましょう。

(1)勉強方法

まず、9科目・130時間の研修を受ける必要があります。

内容は、介護の基礎知識や認知症・障害の理解、介助技能についてです。

スクールやウェブ受講を受けながら、知識を習得していかなければなりません。

集中して勉強すれば1ヶ月程度、働きながらだと4ヶ月程度で130時間の研修が終了します。

最後に1時間30問の試験に合格すれば、資格を取得できるでしょう。

130時間の研修内容や出された課題について理解を深めていれば、試験に合格できるように問題が作成されています。

テキストを読んでいる中で分からない部分がないように、自主勉強を進めましょう。

また、研修を受けた後は実技動画を参考にすると、より理解が深まるのでおすすめです。

YouTubeで「初任者研修」と検索すると、技能動画が出てくるので参考にしましょう。

(2)受験要件

年齢・学歴・国籍の条件はありません

日本語の試験を受けるため、外国人なら設問を理解し回答できる日本語能力が必要です。

(3)持っているとできる仕事

介護職員初任者研修を持っていれば、身体介護ができるようになります。

身体介護とは、利用者の身体に触れて介護を行うことです。

たとえば、以下のような介護サービスを身体介護と呼びます。

  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 排泄介助
  • 体位変換

無資格であっても、資格保有者の補助をすることはできます。

しかし、基本的には有資格者でなければ身体に触れる介護はできません。

そのため、介護業界でキャリアを積んでいく予定なのであれば、必ず持っておくべき資格と言えます。

3.介護福祉士実務者研修を取得するための勉強方法

介護福祉士実務者研修は、初任者研修と比べてより実践的な知識や技術を身に付けられる資格です。

初任者研修を受けずに、いきなり実務者研修を取得することもできます。

介護職の国家資格である介護福祉士の国家試験を受験するためには、介護職員実務者研修の取得が必須です。

そのため、介護福祉士を目指すのであれば必ず取得しなければなりません。

しかし、どのように勉強していくべきか分からない人も多いと思います。

次の章から勉強方法や受験の要件について見ていきましょう。

(1)勉強方法

まず、取得のために研修を受ける必要があります。

初任者研修を持っている人と持っていない人とで、研修の時間が異なるので確認しましょう。

初任者研修の保持なし 20科目・450時間
初任者研修の保持あり 11科目・320時間

このように、初任者研修の資格があれば重複している研修を免除されます。

集中して勉強すれば4ヶ月程度、働きながらだと6ヶ月〜1年程度で450時間の研修が終了します。

実務者研修には、修了試験の実施は義務化されていません

しかし、受講するスクールによっては試験を行うこともあります。

試験があったとしても受講内容を理解していれば、難しいと感じることはないでしょう。

都度復習をし、テキストや課題の内容を理解できるよう自主学習をすることをおすすめします。

(2)受講要件

初任者研修と同じように、誰でも受講できます

ただし、介護における基礎知識・技術が身に付いていることを前提としたカリキュラムとなっています。

無資格・未経験の人は、まず初任者研修を受けてから受講すると、理解が深まりやすいです。

(3)持っているとできる仕事

介護福祉士実務者研修を取得すると、以下の医療行為が行えるようになります。

  • 喀痰吸引(吸引器を使って痰を排出する行為)
  • 経管栄養(チューブ・カテーテルを使って胃や腸に栄養を直接注入する行為)

基本的には医師や看護師にしかできない行為ですが、高齢者の多い介護の現場では頻繁に聞く医療行為です。

施設によっては看護師の配置が少ないため、これらの医療行為のできる介護職員は重宝されます

4.介護福祉士を取得するための勉強方法

介護福祉士とは、介護系資格で唯一の国家資格です。

社会的信用度が高く、介護のプロを名乗れるようになります。

介護施設などで正社員として働くのであれば、介護福祉士を取らないと役職がつかないことも多いです。

資格手当が付くケースも多く、給与がアップすることも大きなメリットとなります。

厚生労働省の『平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』を見ると、以下のように給料の差が分かります。

介護福祉士資格なし 平均月給:261,600円
介護福祉士資格あり 平均月給:303,460円

介護福祉士を目指そうと思っていても、どのように勉強すべきか分からないという人も多いと思います。

次の章から、勉強方法や受験要件について見ていきましょう。

(1)勉強方法

介護福祉士の勉強は、参考書を頼りに勉強しましょう。

実務者研修で受講したカリキュラムの中から出題されますが、テキストだけでは実践的ではありません

参考書や過去問を見た方が、試験の対策がしっかりできるでしょう。

ちなみに、介護福祉士の国家試験は、以下の11科目から問題が出題されます。(社会福祉振興・試験センター『出題基準・合格基準』

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  3. 社会の理解
  4. 生活支援技術
  5. 介護過程
  6. 発達と老化の理解
  7. 認知症の理解
  8. 障害の理解
  9. こころとからだのしくみ
  10. 医療的ケア
  11. 総合問題

得点60%以上を目標に合格を目指しましょう。

(2)受験要件

介護福祉士の試験を受験するためには、資格取得ルートによって要件を満たさなければなりません

資格取得ルートは、主に以下の3つに分けることができます。

  1. 実務経験ルート
  2. 福祉系高校ルート
  3. 養成施設ルート

順番に見ていきましょう。

①実務経験ルート

学校を出ずに3年の実務経験の上で受験する場合、以下の要件を満たす必要があります。

実務経験3年以上を証明する実務経験証明書
  • 従業期間:1095日(※実務経験の対象となる施設に在職した期間)
  • 従業日数:540日(※実際に介護業務に従事した日数、実際の出勤日数)
資格 介護福祉士実務者研修の修了

②福祉系高校ルート

福祉系高校の卒業証明書があれば、筆記試験を受験できます。

平成20年以前に福祉系高校に卒業した人は、実技試験も受験しなければなりません。

③養成施設ルート

養成施設の卒業証明書があれば、筆記試験を受験できます。

(3)持っているとできる仕事

介護福祉士を取得すると、身体介助・生活援助に加えて、要介護者や家族に対するアドバイスや介護器具の指導ができるようになります。

介護現場では、介護職員の指導やアドバイスをすることも介護福祉士の仕事です。

また、介護福祉士の資格を持っていなければ「主任」「リーダー」になれないといった職場も少なくありません。

将来的に施設のマネジメントを行う立場になりたいと考えているのであれば、介護福祉士の資格は必須と言えます。

5.介護支援専門員(ケアマネージャー)を取得するための勉強方法

介護支援専門員(ケアマネージャー)とは、要介護者が適切な介護サービスを使えるようアドバイスをしたりサポートしたりすることが仕事です。

実際に介護サービスを提供するのではなく、介護のプランを組み立てます。

介護施設で働く介護支援専門員もいますが、在宅介護支援事業所や地域包括支援センターで働くケースも多いです。

介護支援専門員になるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。

どのような勉強をしなければいけないのか、確認していきましょう。

(1)勉強方法

確実に合格したいのであれば、通信や通学などスクールに通うことをおすすめします。

介護支援専門員の知識がゼロであっても、1から学べるからです。

カリキュラムがしっかり組まれており、効率的に勉強を進められるでしょう。

もちろん、独学で勉強を進めることもできます。

市販のテキストや過去問、問題集を購入し、試験対策を行うのです。

しかし、介護保険制度や保険医療について詳しくないのであれば、独学は難しいかもしれません。

ちなみに、介護支援専門員実務研修受講試験は、以下の分野から出題されます。

  • 介護保険制度の基礎知識
  • 要介護認定等の基礎知識
  • 居宅・施設サービス計画の基礎知識等
  • 保健医療サービスの知識等
  • 福祉サービスの知識等

各分野正答率70%以上で合格を目指しましょう。

(2)受験要件

介護支援専門員実務研修受講試験を受験するには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 一定職種5年以上・900日以上の勤務実績

具体的には、以下のような職種を指します。

  • 国家資格職種(介護福祉士・医師・保健師・看護師など)
  • 生活相談員
  • 支援相談員
  • 相談支援専門員
  • 主任相談支援員

これらの職種で5年以上・900日以上の勤務実績が必要です。

(3)持っているとできる仕事

介護支援専門員は、介護保険利用者に対してケアプランを作成することが主な業務です。

直接介護サービスを提供するのではなく、要介護者本人や家族と面談をして必要な介護サービスを紹介し、プランを立てていきます。

利用できる行政サービスや施設の紹介をすることも介護支援専門員の役割です。

在宅介護をしている家族に介護指導を行えます。

そのため、介護施設以外の在宅介護支援事業所や地域包括支援センターで働く介護支援専門員も多いです。

6.働きながら資格合格を目指す!勉強するためのコツ

介護の勉強を効率的に進めて資格取得を目指すコツ

ここまで、介護職員が取得できる資格の勉強方法や受験要項について解説してきました。

しかし、勉強する内容は分かってもなかなか勉強を進めることができないと悩んでいる人も多いと思います。

そこで、働きながらでも資格取得を目指す人向けに勉強のコツをまとめました。

効率よく勉強を進めるコツは、以下の4つです。

  1. 計画を立てる
  2. 隙間時間を使う
  3. 体調管理を徹底する
  4. 息抜きの時間も意図的に作る

順番に確認していきましょう。

コツ1.計画を立てる

闇雲に勉強を始めるのではなく、まずは勉強の計画を立てましょう。

たとえば、「1週間で1科目分のテキストを読み込む」「いつまでに通信講座を受ける」など、いつまでに何をするのかを明らかにします。

そうすることで、日々の目標ができるので勉強が進みやすくなるでしょう。

逆に、勉強の計画を立てなければ、「1日にできるだけ勉強していたら、試験までに勉強が追いつかなかった」なんてことになりかねません。

勉強を始める前に、計画を立ててコツコツこなすことが大切です。

コツ2.隙間時間を使う

働きながら勉強するのであれば、隙間時間を有効活用しましょう。

なぜなら、働いているとまとめて勉強する時間を確保することは難しいからです。

たとえば、以下のような時間を活用しましょう。

  • 通勤時間
  • 人を待つ時間
  • お風呂の時間
  • 仕事の休憩中

スマホを使って過去問題を解いたり、YouTubeなどで実技動画を見たり、できることはたくさんあるはずです。

常に参考書や問題集を持ち歩き、時間ができればテキストを開ける癖を付けましょう。

コツ3.体調管理を徹底する

勉強の時間を確保しつつも、体調管理は徹底しましょう。

たしかに、眠る時間や十分な食事を削って勉強に集中したい気持ちは理解できます。

しかし、体調を崩してしまうと勉強どころではありません

仕事も休まなければならず、同僚も資格取得に対して協力的でなくなる恐れもあります。

睡眠時間と栄養のある食事をしっかり摂って、十分に勉強できるように体調管理を行いましょう。

コツ4.息抜きの時間も意図的に作る

息抜きの時間を意図的に作りましょう。

なぜなら、仕事と勉強ばかりではストレスを溜めてしまうからです。

また、長時間勉強をしてもダラダラしてしまい、メリハリがつきません。

1時間置きに休憩を取り、好きなコーヒーや紅茶を飲んだり、ドラマや映画を見る時間も作ったりしましょう。

「ここまで頑張ったら好きなケーキを食べに行こう」「過去問70%以上正解だったら好きなアーティストのライブに申し込もう」など、ご褒美を作っておくことも有効的です。

根詰めすぎず、ストレス発散をすることで一層勉強に取り組めるでしょう。

まとめ

介護職員向けの資格はたくさんありますが、験が少なくてもしっかり勉強すれば資格を取得できます

取得することで有利になる資格は以下の通りです。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護職員実務者研修
  3. 介護福祉士
  4. 介護支援専門員(ケアマネージャー)

しっかり計画を立てて勉強することで、働きながらでも資格を取得できます

1つでも上位の資格を取得して、介護の現場で役立つ人材になりましょう。