キャリア

病児保育で看護師が働くためには資格が必要?役割や業務を解説!

共働き世帯の増加によって、子どもが病気になってしまった場合の保育施設の需要も増しています。

保護者は病気の子どもが心配な気持ちと、仕事に行かなければいけない状態で板挟み状態。

そんな保護者のためにあるのが、病児保育です。

病児保育はやりがいのある仕事である反面、子どもの体調を判断する緊張感のある仕事ともいえます。

そんな病児保育に携わる看護師の役割はどういったものでしょうか

求められるスキル、具体的な仕事内容について見ていきましょう。

1.病児保育とは

病児保育とは

病児保育とは、熱が出た乳幼児の保育をする施設や活動のことです。

興味がある人であれば、既に知っているかもしれませんね。

一般的に、病児保育に携わる人は病児保育士と呼ばれます

しかし、病児保育士という資格はないということはご存知でしょうか。

基本的に病児保育士として働く人は、看護師や保育士の資格を持っています。

これは病児保育を行う施設で配置基準として、看護師等と保育士が定められているからです。

つまり、看護師か保育士の資格を持っている人は、病児保育士になることができるということになります。

2.看護師が病児保育で求められる役割

病児保育の現場で看護師に求められる役割を見ていきましょう。

看護師が求められる役割は、大きく分けて3つです。

  1. 健康観察・医療ケア
  2. 保育・環境設備役割
  3. 保護者対応

それぞれ見ていきます。

役割1.健康観察・医療ケア

役割の1つ目は、健康観察を行うことです。

同時に子どもの体調に変化があった場合の医療ケアも行います。

看護師は子どもに異変が起こらないように傍で見守らなければいけません。

度々バイタルを取りながら、今後の変化も予測していきます。

万が一の場合は、応急処置も必要です。

子どもの危機に冷静な判断が求められます。

役割2.保育・環境設備

病児保育では、看護師も通常の保育業務に参加します。

それと同時に、看護師の視点を持って施設の環境にも気を配らなければいけません。

感染症の子どもを預かる場合には、保育士や自分にも感染のリスクがあります。

正しい知識を持った、消毒等の配慮が必要です。

子どもが使った玩具にも気を配ります。

毎日の業務を円滑にするために、リスクを管理する役割があるのです。

役割3.保護者対応

子どもを迎えに来た保護者への対応も、大事な役割の一つです。

施設運営のためには、料金の受け取りも行います。

保護者の心境としては複雑なものがあるでしょう。

看護師の知識を活かして今後のアドバイスを行うことで、安心して引き取ってもらうことができます。

看護師の業務で言うところの申し送りをイメージすると、分かりやすいのではないでしょうか。

必ずしも子どもの体調が回復するものでもありません。

帰宅した後の子どもの健康のためにも、必要な役割といえます。

3.看護師が病棟保育で働く際に必要なスキル

病児保育で働く看護師に求められるスキル

病児保育での看護師の役割を確認してきました。

より具体的に、その役割を果たすためのスキルも紹介します。

こちらも大きく分けると3つです。

  1. 病児の症状への対応
  2. 各年齢での発達心理の理解
  3. リスクマネジメント及び一時救命措置

それでは見ていきましょう。

スキル1.病児の症状への対応

病児保育では、子どもの症状に合わせて対応しなければなりません。

病児保育で主に考えれられる症状はこのようなものがあります。

  • 発熱
  • 咳嗽(咳)
  • 嘔吐
  • 下痢

成人と子どもでは、症状や身体への負担も変わります。

子どもに対して行う処置や判断について、自分がどれだけ理解しているか今一度確認してみましょう。

スキル2.各年齢での発達心理の理解

病児保育では、子どもの成長の機会についても考える必要があります。

そのためには、子どもの発達心理を十分に理解しておかなければいけません。

預けられた子どもの年齢や特徴から、どのような遊びが適しているのか判断します。

また、病児の心境に対する知識を持つことで、より円滑な保育が可能です。

病児が感じる不安を説明できるか。

また、その子どもに対して適切に病状を伝えることができるか、といった子どもに対する理解も大事なスキルといえます。

スキル3.リスクマネジメント及び一次救命措置

万が一の事態を想定して、措置を行える人が病児保育に携わる必要があります。

そのためには、子どもが突然起こす症状についても理解を深めなければなりません。

アレルギーやアナフィラキシーショックはもちろん、熱性けいれんやSIDSも網羅しましょう。

正しい知識を持って見守り、事前に察知することが大事です。

しかし、ときには最悪の展開が訪れるかもしれません。

心停止の状況もシミュレーションして、適切に措置するトレーニングも行いましょう。

病児・病後児保育における 保育士・看護師等のためのハンドブックが参考になるので目を通しておいても良いかもしれません。

4.病児保育に関するスキルが身につく資格

看護師が備えておくべきスキルについて見てきました。

看護師の知識だけで病児に関わることに不安を感じるのであれば、資格を通して知識を獲得することも考えましょう。

ここでは、病児保育に関する資格を簡単にご紹介します。

認定病児保育スペシャリストについて

認定病児保育スペシャリストという資格をご存知でしょうか。

認定病児保育スペシャリストは、一般財団法人日本病児保育協会が認定する資格です。

基本的に看護師から病児保育にアプローチした際、保育士の資格を持っていないことがネックになります。

なぜなら、受験資格として保育士資格が求められるケースがあるからです。

認定病児保育スペシャリストでは、その心配がありません。

この資格を取ることで、看護の知識を復習しながら、保育の知識を得ることができます

Web講座を受けながらステップアップしていく形で、講座受講料は総額65,000円です。

人の命に関わる仕事であるため、学んで損をすることは無いでしょう。

5.看護師が病児保育で働くメリット

看護師が病児保育で働くメリット

ここまで、病児保育で働くために必要な知識について見てきました。

病児保育で働くイメージが、何となく固まってきたのではないでしょうか。

そこで気になるのが、看護師が病児保育で働くメリットです。

ここではメリットを3つ挙げます。

  1. 残業が少ない
  2. 体力的に楽
  3. やりがいを感じられる

それぞれ見ていきましょう。

メリット1.残業が少ない

一般的な看護師と比べて、残業や夜勤が少なくなります。

なぜなら、基本的な病児保育は18時までの営業であるからです。

不規則な生活が苦手な人には、嬉しいメリットですね。

例外として、病児保育を行う施設では、保護者のニーズに答えて24時間経営する所もあります

求人を見る際には、意識して見ましょう。

メリット2.体力的に楽

病児保育で預かる子どもは、体調が優れない状態です。

必然的に、激しい遊びは行いません。

ゆったりと保育業務に当たれるため、体力に自信がない人でも携わりやすいです。

また、病児保育ではひとりひとりに寄り添う形になります。

短時間で様々な業務を切り替えて行う必要が無いため、精神的にもゆとりを持つことができます。

メリット3.やりがいを感じられる

病児保育を利用するのは、仕事に行かなければいけない保護者です。

保護者は子どもの心配もありながら、保育所に預けることもできずにいます。

そんなどうしようもない状況を解決してくれるのが、病児保育です。

保護者から感謝の言葉を貰う機会も多くなります。

直接感謝を伝えられる経験は、やりがいを強く感じさせてくれるのではないでしょうか。

6.看護師が病児保育で働くときに知っておきたいこと

看護師が病児保育で働くときの注意点

メリットについてお伝えしましたが、知っておかなければいけないこともあります。

病院勤務から病児保育に移行した際のギャップについて、以下の3点にまとめました。

  1. 一般的な看護師より給料が下がる場合がある
  2. 未然に防ぐ意識が必要
  3. 保護者とのコミュニケーションが必要

それぞれ説明していきます。

(1)一般的な看護師より給料が下がる場合がある

メリットでもあったように、病児保育では夜勤や残業がありません。

そのため、病院勤務時の給料と比較すると物足りないと感じる人もいます。

病児保育の給料は、病院看護師時代の基本給とイメージすると、分かりやすいのではないでしょうか。

もちろん、働く施設によって給料の変動があります。

そのため、一概に給料が下がるわけではありません

病児保育の仕事を探す際には、知っておきたい事実といえるでしょう。

(2)未然に防ぐ意識が必要

病児保育では、病院に併設していない施設もあります。

そのため、看護師に求められる役割が重く感じることもあるでしょう。

子どもの場合、突然体調が変化することも珍しくありません。

体調を確認するだけでなく、小さな変化から予測し、未然に防ぐ意識が大切です。

負担を感じることもあるかもしれませんが、正しい知識があれば問題ありません。

日々勉強を続けて、知識をアップデートしながら子どもに向き合っていきましょう。

(3)保護者とのコミュニケーションが必要

看護師の役割として、子どもの状態を保護者に伝える役割があるということをお伝えしました。

この保護者とのコミュニケーションが、大きな負担に感じる場合があります。

病状を本人に伝えることと、保護者に対して伝えること。

それぞれ違った難しさがあります。

もしあなたに子どもがいれば、保護者の視点も理解できるはずです。

そうでない場合は、保育士との情報共有を行い、連携を深めることで問題解決の糸口となるでしょう。

7.看護師が病児保育で働く際の具体的な1日の流れ

ここで、病児保育の現場での看護師の仕事を見てみましょう。

より具体的にイメージできるようになるはずです。

1日を時間の流れに沿って、以下の表で解説していきます。

時間 業務 具体的な内容
8:00~ 内容確認 預かる子どもの性格や症状を確認
8:30~ バイタルチェック 検温は1日に4~5回行い体調変化を見逃さない
9:00~ 保育 静かにできる年齢にあった遊びを心掛る
10:30~ 服薬 必要に応じて薬の投薬
11:30~ 昼食 症状やアレルギーに気を付けながら昼食を提供
13:00~ お昼寝 具合が悪く寝付けない場合は臨機応変に対応
15:00~ おやつ 昼食同様にアレルギーに気を付ける
16:00~ 保育 体温が高くなりやすい夕方には体調変化に注意
  保護者お迎え 安心して引き取ってもらえるように説明
~18:00 業務終了 全ての子どもを引き渡したら業務終了

8.看護師が病児保育で働く場合の職場

働く際には、職場選びが必要です。

病児保育の職場は、その形態によって変わってきます。

ここでは、病児保育の形態について見てみましょう。

病児保育の形態は、4つに分けられます。

  1. 病児対応型
  2. 病児後対応型
  3. 体調不良児対応型
  4. 非施設型

それぞれの概要から、自分に合ったものはどれかイメージを膨らませてみましょう。

(1)病児対応型

病児対応型は、病院や診療所、保育所に付設した施設で行われます。

2018年時点で、全国に約1,000か所。

そのうちの約7割が、病院か診療所で行われています。

病院や診療所で行われる場合、診察や指示を行うのは担当の医師です。

そのため、看護師のプレッシャーが軽くなる特徴があります。

(2)病児後対応型

病児後対応型は、回復期に入ったものの、他の子どもと同じ保育を行えない場合に利用される施設形態です。

病児保育と病児後保育の違いは、子どもの状態が急性期か回復期であるか。

それによって、子どもの活動量や意欲にも差があります。

2018年時点で実施施設数は600以上あり、そのうち約6割が保育所です。

医師から体調が安定していると診断を受けた子どもが利用することができます。

(3)体調不良児対応型

保育中に微熱などの体調不良が起こった子どもを預かるのが、体調不良時対応型の施設です。

2018年時点では全国に約1,500か所。

そのうち約7割が保育所で、残りの約3割が認定こども園で実施されています。

正社員の場合、通常の保育業務も担当することがあると覚えておきましょう。

看護師でありながら、保育士でもあるという柔軟な対応が必要です。

認定こども園とは

認定こども園について簡単に説明します。

認定こども園は、都道府県知事が認定する総合的な子育て支援を行う施設です。

未就学児が対象で、保育園と幼稚園を兼ね備えたものとイメージすると分かりやすいかもしれません。

園によって、児童福祉施設か教育施設といった位置づけも異なります。

(4)非施設型

子どもが普段暮らしている自宅で面倒を見るのが、非施設型です。

ドラマ及び原作漫画の「37.5℃の涙」で知っている人もいるかもしれません。

モデルとなったのは、認定NPO法人フローレンス。

自宅のなれた環境で保育を行うため、子どもがリラックスしやすい特徴があります。

他の形態と違い、資格の有無が問われません。

しかし、看護師の知識も活かせるので、持っていて損はないでしょう。

9.看護師が病児保育以外で子どもに関わる職場

病児保育で働くことは、厳しいかも知れない。」

そう感じた場合でも、病児保育以外で子どもと関わっていく仕事があります。

看護師の資格もしっかりと活かせるので、ぜひご覧ください。

保育園の看護師

保育園で看護師資格を持った人を募集していることがあるのは、ご存知でしょうか。

厚生労働省では、保育園や幼稚園に看護師の人員配置を求めている事実があります。

人員配置に関しては、罰則規定が無く、法的な強制力がないです。

しかし、求人で看護師を求める保育園もあります

必要とされる役割やスキルは、ここまで紹介してきた病児保育と重なるものです。

子どもと関わる仕事に興味がある人は、検討してみてもいいかもしれませんね。

まとめ

病児保育の現場で看護師に求められる役割やスキルについて見てきました。

働いた際のメリットや具体的な仕事内容から、実際に働くイメージが湧きましたか?

施設の形態や違いは、仕事を探す際の参考にしていただければ幸いです。

病児保育では、子どもを預かるだけでなく、保護者とのコミュニケーションも大切な仕事の1つです。

難しさを感じるときもあるかもしれません。

それでも、感謝されたときの喜びはひとしおです。

看護師の経験を活かして、人の役に立つことができる病児保育。

素敵な病児保育士を目指して、頑張ってください!