「看護師の年収って高いの?」
「他の看護師はどれくらいの年収をもらっているの?」
看護師の年収は他の仕事より高いと言われますが、実際の給与について知る機会は少ないです。
また、今の年収がスキルに見合った額なのか知りたいという人もいるでしょう。
そこでこの記事では、気になる看護師の平均年収と年収の決まり方を解説します。
年収アップのポイントも紹介するので、給与の実態を知り納得できる職場や働き方を見つけましょう。
目次
1.看護師の年収は高い?平均年収を徹底解説
日本看護協会のデータによると、看護師の平均月収は大卒で271,381円、高卒と3年課程卒で263,551円となっています。
また、基本給だけで見ると、大卒の月収は206,608円、高卒と3年課程卒で199,894円です。
現状、看護師の年収に絞ったデータはありません。
ですが、ボーナスが年2回、月給の3ヶ月分が支給される職場では年収が大卒で486万円、高卒と3年課程卒で468万円だと考えられます。
ボーナスを含む額を考えれば、看護師の年収は贅沢な暮らしをしない限り十分暮らせる額だと言えるでしょう。
しかし、他の業種と比較して看護師の給与は高いのでしょうか。
ここからは、日本全体の平均年収のデータと、看護師の給与の内訳を解説します。
看護師の年収の実態を知りたい人は、ぜひ読んでみてください。
(1)日本全体の平均給与との比較
厚生労働省のデータでは、平成30年度の日本全体の平均年収は男性で約337万円女性で247万円となっています。
そのため、日本全体の平均と比べれば、看護師の年収は高めの傾向にあると言えるでしょう。
しかし、看護師の多くは時給の高い夜勤をこなしているため、年収が高くなるのは自然なことです。
また、命を扱う専門職という観点から見ると、もっと年収が高くても良いのではと感じる看護師は非常に多いです。
数値だけ見るのではなく、自分が納得できる給与かどうかで今の待遇を判断することを大切にしましょう。
(2)看護師の給与の内訳
看護師の給与を見る時、ついつい基本給と給与の総額だけを見てしまいがちですが、他の給与も大切です。
看護師の給与は、就業規則で定められている所定内給与と、それ以外の所定外給与に分かれます。
ここからはそれぞれの内訳を解説していくので、ぜひ読んでみてください。
所定内給与の内訳
所定内給与の内訳は、以下の通りです。
- 基本給
- 交通費(通勤手当)
- 資格手当
- 住居手当
- 特殊勤務手当
- 家族手当
- 交代勤務手当
- 役職手当
特殊勤務手当とは、夜勤や特別な看護業務に大して支払われる手当です。
また、交代勤務手当は、2交代制、3交代制で勤務する看護師に支払われる手当です。
所定内給与の中でもらえていない手当がある場合、規則違反の可能性があるので確認しましょう。
所定外給与の内訳
仕事の内容や労働時間によっては、以下のような所定外給与ももらえます。
- 時間外手当
- 夜勤手当
- 休日勤務手当
- 呼び出し手当
- 拘束手当
- 宿日直手当
どういった手当がもらえるかは、働き方や職場の規定によって変わります。
不安な人は、一度職場の決まりを確認してみましょう。
年収には、基本給だけでなくその他手当の額も大きく影響します。
他の人と給与を比較するときは、各種手当にも注目して自分の給与のどこが少ないのか考えてみましょう。
次は、看護師の年収が人によって違う理由を解説するので、ぜひ読んでみてください。
2.看護師の年収が人によって違う理由
看護師の年収は、勤め先やその人の働き方によって大きく異なります。
そのため、同じ経験年収・学歴の看護師でも年収に大きな違いが出ることは少なくないでしょう。
ここからは、看護師の年収にどのような要因が影響するかそれぞれ解説します。
- 職場の規模
- もらえる手当金の種類
- 職場の手当金・基本給の額
自分の年収を分析して、年収アップの方法を考えていきましょう。
理由1.職場の規模
職場の規模によって、看護師の平均月収は異なります。
日本看護協会のデータによると、大学病院や総合病院など病床500以上の大規模な病院では、平均月収が大卒で281,613円です。
一方、300〜399床の中堅病院では、大卒の平均月収が276,199円、99床以下の小規模な病院やクリニックでは、267,218円となっています。
高卒や3年課程でも、病床数が増えるほど年収は上がる傾向です。
さらに、勤務10年が経っても大規模な医療機関ほど年収は高くなるので、同じスキルを持った看護師でも年収に違いが生まれます。
理由2.もらえる手当金の種類
もらえる手当の内容は、職場によって異なります。
住宅手当や交通費は、職場によって出ないところも少なくありません。
また、夜勤手当や時間外手当は、個人の働き方や働く時間によって異なります。
夜勤のない働き方であれば、当然夜勤手当は付きませんし、残業なしなら時間外手当はありません。
他の看護師と給与を見比べる際は、もらっている手当金の種類を確認してみましょう。
理由3.職場の手当金・基本給の額
手当金や基本給は職場によって違うので、年収にも違いがあります。
例えば、住居手当が全く出ない職場もあれば、月数万円支給されるような職場も少なくありません。
また、管理職に渡される管理手当の額も、0円〜10万円と病院ごとにかなり差がある状況です。
さらに、職場によって基本給の額やボーナスにも違いがあるので、同じスキルや経験年数でも年収は大きく変わるでしょう。
以上が、看護師の年収が人によって違う理由でした。
働く場所や働き方で、看護師の年収にはかなり違いが出てきます。
少しでも給与を上げたいなら、給与のどの部分が周りと比べて低いのか考えてみましょう。
次は、看護師が今より年収を上げる方法を解説していきます。
年収を上げて仕事をもっと充実させるため、ぜひ試せるものを活用してください。
3.看護師がもっと年収を上げる方法
看護師の年収は日本の平均と比べ高めですが、ハードな仕事をこなしている分もっと給料が欲しいと感じる人も少なくありません。
看護師の年収は職場や経験によっても違いますが、働き方を変えることで年収アップが短期間で叶う可能性もあります。
今後年収を上げたい看護師が挑戦できる方法は、以下の通りです。
- 夜勤に入る回数を増やす
- 専門的な資格を取得する
- 管理職になる
年収を希望の額に近づけ、仕事へのモチベーションを上げましょう。
方法1.夜勤に入る回数を増やす
夜勤の時給は日勤より高いため、夜勤を増やせば年収は上がります。
現在日勤多めになっている人は、シフトの希望で夜勤を多めにしましょう。
また、大幅な年収アップを狙うなら、夜勤のみで勤務する夜勤専従という働き方がおすすめです。
夜勤は時給が高い分体力的にも精神的にも大変ですが、余力のある人は夜勤専従も検討してみましょう。
ただし、夜勤ができるのは、少人数で緊急対応ができるベテランの看護師のみです。
夜勤を増やすなら、まずは経験を積むことを目標にしましょう。
方法2.専門的な資格を取得する
専門看護師、認定看護師など専門的な資格を取得すれば、資格手当が付き年収アップにつながります。
細かな手当の額は職場にもよりますが、看護師の就職をサポートする「看護師になろう」の調査によると、標準的な手当額は以下の通りです。
- 認定看護師…月3,000〜10,000円
- 専門看護師…月3,000円〜10,000円
- 診察看護師…月0〜6,000円
- 助産師…月2,000円〜10,000円
看護師が取れる専門的な資格の多くは、数年の勉強を必要とします。
そのためすぐ取得できるものではありませんが、より深い看護の知識を身に付けておきたい人は資格勉強を始めても良いでしょう。
方法3.管理職になる
管理職になれば、役職別に手当が付くので年収がアップします。
看護主任になるには経験が10年、さらに看護師長、看護部長と昇進するには管理職としての経験がそれぞれ10年追加で必要です。
そのため、すぐに昇進するのは難しいですが、管理職になればできる仕事も増えるので目指してみると良いでしょう。
ただし、管理職になると夜勤に入れる回数が減る上、病院によっては残業代が支給されないこともあります。
そのため、管理職に昇進して給与が減った、という看護師も少なくありません。
管理職になるときは、給与が今後どうなるのか先輩や上司にしっかり確認しておきましょう。
以上が、看護師が年収をアップさせる方法でした。
看護師としてスキルを上げ、経験を重ねれば年収は上がります。
ただし、職場によっては手当が少ないところや、なかなか昇進ができないところも少なくありません。
今の職場での年収アップに限界を感じたら、転職も検討してみましょう。
次は、転職を考えるべき看護師の特徴を解説していくので、ぜひ参考にしてください。
4.こんな看護師は転職で年収アップを狙おう!
今の給与に不満がある人や、職場環境が悪い人は転職で年収アップを狙うのも良いでしょう。
基本給や手当の額は、勤めている職場によって違うことが多々あります。
求められるスキルが同じでも、職場を変えれば昇給のチャンスがあるので気になる人は求人を探してみましょう。
また、給与面に満足していても、職場がブラックな人は心身を守るため転職をおすすめします。
ブラック施設の特徴は、以下の通りです。
- 残業代が出ない
- 勉強会に給料が出ない
- 頻繁に休日出勤がある
- いじめや嫌がらせがある
- 上司がパワハラやセクハラをしてくる
ブラック施設の特徴や見分け方について詳しく知りたい人は、ぜひ以下の記事もチェックしてください。
自分の力を最大限発揮できる場所で、前向きに働きましょう。
次は、転職をする場合の注意点について解説します。
転職を前向きに検討している人は、ぜひ参考にしてください。
5.転職の際に年収以外で注意すべきこととは?
看護師は転職の際、年収の額だけでなく職場の環境もしっかり確認した方が良いでしょう。
高収入で条件の良い求人の中にはブラックな職場もあるので、すぐに飛びつくのは危険です。
また、良いと言われる職場でも、自分には雰囲気が合わず自分らしく働けないというケースもあります。
どれだけ好条件の求人を見つけても、即決せずま職場見学に行って実際の雰囲気を見てください。
職員の人は話しやすいか、来ている患者さんの雰囲気はどうか、など求人票では分からない点が実際に働く上では重要です。
職場とのミスマッチを防ぐため、年収だけでなく、ここで働きたい、と思える職場を選ぶようにしましょう。
まとめ
看護師の年収は高いと言われていますが、夜勤の苦労や心的な負担を考えると高額とは言えません。
毎日サービス残業をこなしている看護師の中には、仕事の割に給与が少なすぎると大きな不満を感じる人もいるはずです。
もし給与に納得できない場合は、資格を取ってスキルアップをしたり、転職したりして昇給を狙いましょう。
我慢せず前向きに年収アップを目指すことが、仕事のやりがいにもつながります。