「看護師の配属希望はどこで出したら良いんだろう?」とお悩みですね。
自分の思う配属希望を出しても、病院側の意向が大きく影響します。
そのため、希望通りの配属に決定する人は6割程度です。
今回は、新人看護師に人気の配属先や配属が決定される要素について解説!
もし、希望通りにならなかった場合の対処法も説明しているので参考にして下さい。
どんな配属になったとしても、前向きにスキルアップに努めましょう。
目次
1.配属希望はどこに出す?新人看護師に人気の配属先をチェックしよう
念願の看護師になっても、どこに配属の希望を出すか悩みますよね。
「どうしても小児科で働きたい!」といった強い思いがない限り、配属先を決めることは難しいでしょう。
そこで、新人看護師に人気の配属先を知っておくことをおすすめします。
人気の配属先TOP5は、以下の通りです。
- 内科
- 消化器外科
- 整形外科
- 小児科
- 産婦人科
なぜ人気なのかを知ることによって、配属希望を決める参考になるはずです。
人気の理由を探っていきましょう。
人気1.内科
内科は、患者とじっくり向き合いながら看護ケアが行えるため、人気のある配属先です。
患者数や症例数が多いため、初めての配属先として学ぶことは多いでしょう。
内科で独り立ちできるようになれば、安心してキャリアを積み重ねられます。
また、緊急対応や生死に係る事態になることが少ないことから、働きやすい病棟です。
一方で、看護師にも高度な医療知識が求められます。
なぜなら、以下のような説明を患者や家族に求められることが多いからです。
- 薬
- 診療
- 処置
- 検査結果
常に最新の医療知識を持っていなければならず、勉強し続ける根気強さが求められます。
人気2.消化器外科
消化器外科は、回復が目に見えやすいことで人気のある配属先です。
以下の疾病などを対応します。
- 各消化器のがん
- 急性虫垂炎
- 鼠径ヘルニア
消化器外科というと、手術サポートをするイメージを抱く人がいます。
しかし、手術前後のケアを任されることがほとんどです。
たとえば、手術に向けて食事・生活指導や、バイタルチェックを行います。
消化器外科は患者の回転が早く、入院期間は短いです。
そのため、短期間で患者の信頼を得て、看護ケアを行わなければなりません。
消化器外科で学んだことを生かして、整形外科やオペナースへ転身する看護師が多いです。
人気3.整形外科
整形外科は、治療の過程や回復度が分かりやすいことから人気がある配属先です。
多くの患者が元気になって退院できるので、明るい気持ちで見送れます。
イメージとして、骨折治療をイメージする人が多いからでしょう。
しかし、実際は骨・関節だけでなく、筋肉や神経系の治療にも多く対応しています。
リハビリをスムーズに進められるよう、他職種との連携や日々の回復度合いの観察が欠かせません。
というのも、要介護認定者が患者になることも多く、ソーシャルワーカーとの連携が必須だからです。
外来担当になると、レントゲン検査も多く、放射線技師との連携も多くなります。
人気4.小児科
小児科は、子ども好きの人に人気の配属先です。
一般病棟と同じように、色んな症例を学べることから小児科を選ぶ人はたくさんいます。
というのも、小児科は子どものあらゆる疾患に対応する診療科だからです。
また、「子どもの頃小児科に入院して、看護師に憧れた」という人も一定数います。
看護師になるきっかけになったことで、自分も同じように働きたいと感じる人が多いのでしょう。
しかし、子どもに対して治療を行うことは簡単なことではありません。
本人の意志と同時に、家族の意志も汲み取る必要があるからです。
家族の理解を得るためにコミュニケーションをしっかり取り、子どもに治療や検査を受けさせる必要があります。
人気5.産婦人科
産婦人科は、「命の誕生に立ち会いたい」「産後の母親や新生児のサポートをしたい」という思いから、人気のある配属先です。
将来的に助産師になりたいという夢を持って、看護師になる人も一定数います。
新しい命の誕生に立ち会うと、前向きな仕事に感じます。
一方で、以下の対応もしなければなりません。
- 不妊
- 一人相談
- 流産
- 死産
妊婦や不妊治療を行う人は精神的に不安になりやすく、心のケアも看護師の仕事です。
また、お産のタイミングは誰にも分からないので、緊急対応が多くなります。
学生時代に助産師の資格を取得していれば、産婦人科に配属されやすいです。
逆に、助産師の資格を持っていない人は優先度が低くなるので、気をつけなければなりません。
2.60%以上の看護師が希望通り配属されている!
ここまで、新人看護師に人気の配属先について見てきました。
しかし、「実際に希望通りの配属先になるの?」と疑問に思う人もいると思います。
PRTIMESによると、新人看護師の約60%は希望した診療科へ配属されているようです。
この結果は、看護師人材紹介サービス「ナースではたらこ」の調査によるものです。
多くの人が希望通り配属されている一方で、希望していない診療科へ配属された人もいます。
なぜ、希望通りに配属されないのかについて、次の章で確認して行きましょう。
3.看護師の配属が決定される3つの要素
「看護師の配属ってどうやって決まるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
看護師の配属が決定される要素は、以下の3つです。
- 病院側の配置人数と空き状況
- 本人の適性
- 本人の希望
配属が決定される要素を知れば、なぜ希望通りに配属されない人が出てくるのか納得できるはずです。
順番に確認していきましょう。
要素1.病院側の配置人数と空き状況
病院側の配置人数と空き状況は、大きく配属に影響を与えます。
なぜなら、病院は診療に対する報酬によって経営が成り立っているからです。
病床数や病院規模によって、看護師を配置しなければいけない人数が決まってます。
配置人数を下回れば、施設が整っていても受け入れる患者数を少なくしなければなりません。
病院は、それぞれの診療科に属する看護師の年齢やスキルを見ながら、バランスよく看護師を配置していく必要があります。
今後、看護師が不足すると予測される診療科には、新人看護師を配置したいと考えて当然です。
逆に、指導できる看護師がいて、教育するために人員が割けるという診療科に配属させたいと考える病院もあります。
このように、病院側の意向が新人看護師の配属に大きな影響を与えるのです。
要素2.本人の適性
病院側の意向だけでなく、本人の適性も反映されます。
なぜなら、適性がない診療科に配属してしまうと、離職されてしまう恐れがあるからです。
履歴書の内容や今までの実習・研修先、人柄を見た上で、どこの配属が良いかを考えます。
とはいえ、新人看護師のスキルにそこまで差はありません。
そのため、すでに配属されている診療科の先輩との相性を重視されることが多いです。
要素3.本人の希望
本人の希望も考慮してもらえます。
なぜなら、希望通りの配属であることで本人のやる気につながるからです。
しかし、本人の希望を考慮されるのは、強い思いや志望動機がある場合に限られます。
たとえば、以下のような志望理由であれば、配属先に配慮してもらえる可能性が高いです。
「子どもの頃、手術前気持ちを落ち着かせてくれた看護師に憧れて看護師になりました。憧れの看護師のようになりたいから小児科を希望します」
「母のような助産師になりたくて、学生時代頑張って助産師の資格を取得しました。どうしても産婦人科で働きたいです!」
このように、看護師になるきっかけや理想の看護師に近づくための志望動機であれば、配慮してもらえるかもしれません。
とはいえ、病院の意向が新人看護師の配属に大きな影響を与えることは確かです。
そのため、希望通りの配属にならない看護師が一定数出てきてしまいます。
4.もし希望の配属が通らななかったらどうすべき?
もし、希望の配属にならなかったとしても、気落ちしないでください。
「もうやる気が起きない」と思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、配属が嫌だからと言ってすぐに退職することはできないでしょう。
そこで、以下の2つの対処法を知っておきましょう。
- 前向きに知識・スキルを学ぶ
- 再度病院側と交渉する
2つの対処法について、確認していきましょう。
(1)前向きに知識・スキルを学ぶ
まずは、配属された診療科にて前向きに知識・スキルを学びましょう。
もしかすると、あなたは「絶対自分には内科が合ってる」と実習で感じたかもしれません。
しかし、内科が1番合っているかどうかは、全ての診療科を数年ずつ経験しなければ分からないはずです。
今、目の前にいる患者に対していかに看護ケアしていくかに真摯に向き合うことで、看護師としての基礎知識・スキルを学べます。
配属先で学べることを全て学び、看護師として一人前になった時に初めて、自分の考える看護ケアにじっくり向き合いましょう。
配属前は「じっくり患者と向き合う内科が自分に合う」と思っていても、「患者の回復を実感できる整形外科にやりがいを感じる」と価値観が変化しているかもしれません。
今はスキルアップのための期間だと思って、前向きに頑張りましょう。
(2)再度病院側と交渉する
中には、「一人前になるまで待てない」という人もいるでしょう。
その場合は、再度病院側と交渉してみることをおすすめします。
たとえば、「助産師の資格まで持っているのに病院側の都合で内科に配属された」というケースもあるでしょう。
もちろん、別の診療科であっても学ぶことは多いです。
助産師になる上で、別職種と連携することは欠かせません。
しかし、「どうしても産婦人科で働いてスキルアップをしたい!」ということであれば、面接の機会に上司に訴えてみましょう。
5.どうしても配属先が嫌という人は転職をしよう
どうしても配属された診療科で働くことが嫌な人は、転職を検討しましょう。
同じ病院内の希望の診療科に空きがない場合、転職することで希望の配属が叶うからです。
確実に希望の配属を叶えるためには、応募する時点でどの診療科の看護師の募集がかかっているかを確認しておきましょう。
せっかく転職したのに、結局違う配属であれば転職を後悔することになります。
転職は最終手段
転職を検討するようにお伝えしましたが、転職は最終手段として考えておきましょう。
なぜなら、転職求人には「臨床経験3年以上」と書かれていることが多いからです。
そのため、新卒であれば3年は今の配属で最低限のスキルを習得するために頑張るべき、と言えます。
安易に転職してしまうと、給料や福利厚生の充実度が下がりかねません。
新卒で入った大きな病院で、看護師として最低限のスキルを身につけてから転職する方が、転職先の選択肢は広がるはずです。
すぐに転職を決めてしまうことはやめましょう。
まとめ
希望の配属を提出しても、希望通りに決まる人は全体の6割程度です。
万が一、希望が通らなかったとしても看護の基礎スキルを身につけるために、3年は頑張りましょう。
3年の臨床経験があれば、転職の幅が広がります。
まずは、配属された病棟で一生懸命スキルアップし、その後自分の希望する専門分野に進みましょう!