看護師の転職には、悩みがつきものですよね。
「年収が下がったらどうしよう」「もっと家族との時間を作りたい」と悩みながらも、日々の勤めている人もいるかもしれません。
確かに、看護師は精神的にも体力的にも負担が多い仕事なのでさまざまな悩みがあります。
しかし、転職先でも悩みが解決しなかったら転職の意味がありません。
今回は、転職前・転職中・転職後とフェーズごとに分けて看護師によくある悩みの解決策を提示します。
転職に関する看護師の悩みを解決し、新しい職場で生き生きと働きましょう。
1.そもそも看護師は悩みの尽きない仕事!
そもそも、他の一般職と比べると看護師は悩みの尽きない仕事と言えます。
なぜなら、命を預かる仕事のため深刻な悩みに発展しやすいからです。
患者の命を預かる責任ある仕事なゆえに、以下のような悩みを抱えてしまいます。
- 医療ミスや事故が怖い
- 生死を目の当たりにすることが辛い
- 緊急対応が多く残業も多い
- 夜勤が辛い
このように、常に精神的にも体力的にも負担をかけながら働く看護師が多いです。
そのため、転職を考える看護師は少なくありません。
次の章からは、看護師の転職に関する悩みと対処法について見ていきましょう。
「今の職場で頑張るべき?それとも転職?」といった転職前の悩みから「転職したら収入が下がってしまった」といった転職後の悩みまでをご紹介します。
詳しく確認していきましょう。
2.看護師が抱える転職前の悩み
看護師が抱えやすい転職前の悩みは、以下の6つです。
- 転職すべきか今の職場で頑張るべきか判断できない
- 仕事をやめて次の仕事が見つかるのか不安
- 家族やプライベートを大切にしたい
- 命に関わる医療ケアをすることにプレッシャーを感じる
- スキルアップができない
- 自分が辞めると上司や同僚に恨まれそう
これらの悩みは、転職活動に一歩踏み出してみることで解決することが多いです。
順番に確認していきましょう。
悩み1.転職すべきか今の職場で頑張るべきか判断できない
激務な日々の中、転職が頭をよぎっても「本当に転職すべき?」と悩む人は多いでしょう。
今の仕事に不満がありながらも、転職活動を行うまでのことなのかと天秤にかけている状態と言えます。
まずは、今どんな不満を抱えているのかを紙に書き出してみましょう。
- 夜勤や残業が体力的に辛い
- 仕事と家庭の両立が難しい
- 毎日同じ業務でスキルアップができない
このように、なぜ転職したいと思っているのかを書き出してみるのです。
さらに、書き出した不満を解決できそうな求人情報を探してみましょう。
一度求人情報を見てみることで、客観的に今の職場と他の職場の比較ができます。
「不満はあるけど、比べると今の職場が良い!」と感じるのであれば、無理に転職活動をする必要はありません。
逆に「魅力的な求人情報がたくさんある」のであれば、転職を検討してみましょう。
悩み2.仕事をやめて次の仕事が見つかるのか不安
仕事を辞めてしまっても次の仕事が見つかるのか不安で、転職に踏み出せない人もいるでしょう。
結論から言うと、高齢化が進んでいるので看護師の需要はかなり高く、看護師の転職先は見つかりやすいです。
ただし、今より良い職場が見つかるとは限りません。
先に仕事を辞めてしまうと無収入の期間が発生してしまい、不安が出てくるでしょう。
おすすめは、今の職場で働きながら転職活動を行うことです。
多くの看護師が働きながら転職活動をし、転職に成功しています。
まずは、求人情報を見ることから始めてみましょう。
悩み3.家族やプライベートを大切にしたい
今の仕事内容には満足しているものの、家族やプライベートの時間も確保したいと悩みを抱える人もいます。
病院によっては残業が多かったり、休日が少なかったりするからです。
また、夜勤のある働き方だと家族と生活リズムが合わず、悩んでしまうかもしれません。
このような悩みを抱えているなら、今の病院内で以下のようなことを相談してみましょう。
- 夜勤なしの勤務ができないか
- 緊急対応の少ない病棟へ移れないか
もし、叶わなかったのであれば、定時で帰れる職場に転職することを検討しましょう。
たとえば、病床のないクリニック・診療所なら夜勤はありません。
緊急対応も少なく、定時で上がれることがほとんどです。
プライベートや家族との時間を確保できる職場を見つけましょう。
悩み4.命に関わる医療ケアをすることにプレッシャーを感じる
命に関わる医療ケアをすることに、強いプレッシャーを感じながら働く看護師もいます。
ある程度プレッシャーを感じながら仕事をすることは一概に悪いことではありません。
なぜなら、プレッシャーがあるからこそ気が引き締まり医療ミスを防げるからです。
しかし、以下のように自分を責めながら日々過ごすことは、精神的に良くありません。
「自分の判断ミスで医療ミスを起こしたらどうしよう」
「患者を助けることができない自分は無力だ・・」
命を助けるといったやりがいを感じているのであれば、そこまで悩む必要はないでしょう。
もし、日々辛いと感じるのであれば幼稚園や介護施設、企業などの急性患者の対応がない職場に転職することを検討しましょう。
悩み5.スキルアップができない
長年看護師として働いていてもスキルアップの実感がなければ、悩んでしまうでしょう。
少しでも患者や医師のためにスキルを身につけたいと思うのは当然のことです。
しかし、職場によっては事務作業が多かったり同じ作業ばかりでスキルアップに繋がらないことも。
このように悩んでいるのであれば、まず自分がどのようなスキルを磨きたいのかをハッキリさせましょう。
- 特定の診療科の知識を深めたい
- 介護面の知識を身につけたい
- 患者の退院後の支援までしたい
そのスキルは今の職場で伸ばせそうなら、上司に相談してみましょう。
難しいのであれば、スキルアップが臨める転職先を探すことをおすすめします。
悩み6.自分が辞めると上司や同僚に恨まれそう
「今自分が辞めてしまうと、もっと忙しくなって恨まれるのでは?」と考え、転職を決意できない看護師も一定数います。
確かに、人手不足でいつも忙しい病院で働いていると「残された人たちがますます忙しくなる」と転職へ踏み切れません。
しかし、人手不足なのは病院の責任なので割り切りましょう。
あなたは、自分のためにベストな職場探しをするべきです。
職場を辞めるときの引継ぎをしっかりすれば、上司や同僚に恨まれることはありません。
退職は1ヶ月よりも前に上司に伝え、誰にどの業務を引き継ぐのかスケジュールを立てていきましょう。
3.看護師が抱える転職活動中の悩み
転職を決意した看護師も、転職活動中に新たな悩みを抱えることがあります。
転職活動中の看護師によくある悩みは、以下の4つです。
- どんな職場が自分に合うのかが分からない
- 年収を下げたくない
- どうやって転職活動をすべきか分からない
- 今が忙しすぎて転職活動する時間がない
転職活動は1人で行うため、不安が付き纏います。
これを読めば転職活動の手順も分かるので、参考にしてください。
悩みと一緒に対処法も確認していきましょう。
悩み1.どんな職場が自分に合うのかが分からない
いざ転職活動を始めても、どんな職場が自分に合うか分からないという人は多いです。
初めての転職であれば、なおさら自分に合うかどうか分からないでしょう。
そんな人は、まず自分の理想の職場をイメージすべきです。
- 給与・年収が高い
- 人間関係が良い
- 夜勤や残業が少ない
- 福利厚生が充実してる
- 身につけたいスキルを学ぶ機会がある
- わきあいあいとした雰囲気で働ける
このように、どんな条件・どんな職場で働きたいかを書き出してみましょう。
さらに「夜勤・残業がない代わりに、年収が多少少なくなっても良い」など、優先順位を付けると転職先を絞ることができます。
悩み2.年収を下げたくない
せっかく転職をするのであれば、「今よりも年収を下げたくない」というのが本音でしょう。
看護師の基本給は、民間の会社員とあまり変わりません。
しかし、残業や夜勤が多いので手当てが付き、年収が高くなりやすいです。
そのため、年収を下げたくないのであれば、夜勤のある職場か美容クリニックへの転職がおすすめです。
美容クリニックは自由診療で売り上げが高く、看護師の給与にも反映されやすいです。
高い年収が絶対条件なのであれば、転職先として検討してみましょう。
悩み3.どうやって転職活動をすべきか分からない
転職したいけど、どうやって転職活動をすべきか分からない人もいるかもしれません。
基本的な転職活動の流れは、以下の通りです。
- 転職先を探す
- 履歴書・職務経歴書を作成して求人に応募する
- 面接を受ける
- 雇用条件を調整し、労働契約を交わす
- 入職
多くの人は、転職先探しでつまづきます。
どうすれば良いか分からない人は、まずは求人サイトを見てみましょう。
エリアや施設などを指定すれば、対象の求人情報の詳細が確認できます。
まずは「ここで働きたい!」と思える転職先を見つけましょう。
悩み4.今が忙しすぎて転職活動する時間がない
今の仕事が忙しくて「転職したくても時間が取れない」という人もいるかもしれません。
しかし、事前にスケジュールをしっかり立てていれば確実に転職活動を進められます。
具体的に、いつから新しい職場で働きたいかを確認し、逆算していくのです。
看護師は、民間企業と違って1度の面接で採用・不採用を判断されます。
そのため、複数の職場に求人応募をしても、「面接日が被った」という従遺体も起こりにくいです。
また、看護師の転職ということで、求人を出している職場も看護師が激務であることを理解しています。
面接日も柔軟に対応してもらえるので、安心して一歩踏み出しましょう。
4.看護師が抱える転職後の悩み
看護師が転職をした後も、以下のような5つの悩みを抱えているかもしれません。
- 求人条件と入職後の内容が違う
- スキル不足を感じる
- 収入が下がった
- 人間関係がうまくいかない
- すぐに転職しても良いのか分からない
これらの悩みは、事前に対策をしていれば起きません。
順番に悩みについて見ていきましょう。
悩み1.求人条件と入職後の内容が違う
せっかく入職したのに、「求人情報に掲載されていた条件と違った!」というケースがあります。
たとえば、制度としては有給制度が整っているけど、実際には取りづらいといったこともあるでしょう。
仕事内容や条件に入職前・後でギャップがあることも珍しくありません。
こうしたギャップを生まないためには、面接時にしっかりと働き方や条件について確認をしましょう。
「子育てをしながらなので夜勤はできないです」とハッキリ伝えておくことも大切です。
さらに労働契約を結ぶときに、働き方や条件がしっかり記載されていることを確認しておくと安心です。
それでもギャップが生まれた場合は、再度採用担当者や上司に伝えて改善してもらいましょう。
悩み2.スキル不足を感じる
看護師経験があっても、新しい職場でスキル不足を感じることもあるでしょう。
同じ看護師であっても、病棟や診療科によって業務範囲は異なります。
もし、研修がないまま業務を行うと、医療ミスに繋がる恐れも否定できません。
スキル不足の状態で職務にあたることがないよう、面接時にできること・できないことをハッキリ伝えましょう。
しかし、採用担当から配属部署にうまく伝わっていないこともあります。
できないことを任されてしまった時は上司や同僚に教えてもらいましょう。
自分でどうにかしようとせず、正直にできないと伝える勇気が必要です。
悩み3.収入が下がった
転職前と比べると、収入が下がってしまうことも考えられます。
同じ仕事内容であっても、転職先の職場では新人として扱われるからです。
そのため、面接時や労働契約締結の際に給料について確認をしておきましょう。
スキルによって昇給してもらえるのか、賞与や残業手当はいくらなのか等、事前に分かった状態で入職すべきです。
悩み4.人間関係がうまくいかない
転職先で人間関係がうまくいかないと悩んでいる看護師もいます。
確かに転職先での職場では、すでに人間関係が出来上がっているので「輪に入りにくい」と感じる人もいるでしょう。
しかし、初日から積極的に話し掛けるなどの努力をすることで解消できます。
職場での挨拶時間や歓迎会では、明るく振る舞い話しかけやすい雰囲気を作ることも大切です。
ただし、上司の高圧的な態度に圧倒される人もいます。
事前に転職先の人間関係を確認したいのであれば、面接後に職場見学をお願いしましょう。
看護師長や看護主任と話す機会を設けてもらったり、実際に働いている様子を見せてもらうのです。
人間関係に心配がある人は、入職前に職場の人間関係を把握しておきましょう。
悩み5.すぐに転職しても良いのか分からない
転職後も様々な悩みが解消されず、「すぐに転職したい」と考えている人もいるかもしれません。
残念ながら、看護師に限らず短期間で転職を繰り返すと悪い印象を持たれやすいです。
そのため、極力転職した先での悩みを解決して働くことをおすすめします。
とはいえ、思っていた仕事内容をさせてもらえなかったり、募集時から条件が悪くなっていて、耐えられない人もいるでしょう。
転職をするのであれば、長く勤めやすい職場を探すべきです。
人によって長く勤めやすい職場の条件は異なります。
看護師が転職で失敗しないためのコツを次の章で確認しましょう。
5.看護師が転職で失敗しないための3つのコツ
「一大決心をした転職で失敗したらどうしよう」と考える看護師もいるかもしれません。
看護師が転職で失敗しないためには、以下の3つのコツを事前に知っておくべきです。
- 年収・福利厚生など働く条件をはっきりさせる
- 履歴書作成や面接の準備を十分にしておく
- 転職について相談できる人を作っておく
順番に確認し、長く勤められる転職先を見つけましょう。
コツ1.年収・福利厚生など働く条件をはっきりさせる
まずは、年収・福利厚生など自分が理想とする条件をはっきりさせましょう。
条件をはっきりさせた上で、譲れない条件と妥協できる条件に分けます。
たとえば、転職の理由が「家庭・育児と両立させたい」であれば、いくら年収が高くても夜勤の多い職場を選ぶことはないでしょう。
このように転職先の条件をハッキリさせておくと、ブレない転職活動ができます。
そのため、今抱えている悩みや不満を解消できる転職先と巡りあえるのです。
コツ2.履歴書作成や面接の準備を十分にしておく
履歴書作成や面接対策は、十分に時間を取って準備しましょう。
なぜなら、準備ができていないと「本気でウチで働きたいの?」と疑問に思われてしまうからです。
採用される確率を高めるために、準備は欠かせません。
これまでのキャリアを振り返り、自分をしっかりPRできるようにしておくべきです。
また、以下の質問は、看護師の転職の面接でよく聞かれます。
- 志望動機を教えてください
- 今までの仕事で培った経験を教えてください
- 転職(退職)の理由を教えてください
- 希望する配属先はありますか?
- 看護師を目指したきっかけを教えてください
- 看護師の仕事をする上でモットーにしていることは何ですか?
- 夜勤や残業はできますか
これらの質問は事前に想定し、スラスラと答えられるように準備しておきましょう。
コツ3.転職について相談できる人を作っておく
転職について相談できる人を作っておきましょう。
なぜなら、看護師の転職活動は孤独だからです。
ほとんどの人は、転職活動をしていることを職場の先輩や同僚に話しません。
上司に伝えていないのに、転職活動をしていることがバレると気まずい思いをするからです。
また、看護師は特殊な業界のため、アドバイスできる人が限られます。
そのため、すでに転職をした元同僚や転職経験のある看護学校時代の友達に相談をしましょう。
経験者の助言があると、心強いです。
もし、身近に相談できる相手がいないなら、専任のキャリアアドバイザーがついてくれる転職サポートサービスもあるので利用しましょう。
たとえば、看護のお仕事であれば、求人情報を教えてくれるのはもちろん、以下のようなサポートもしてくれます。
- 履歴書の添削
- 面接対策のアドバイス
- 労働条件の交渉
ほかにも、転職活動で不安なことがあれば気軽に相談にのってもらえます。
「どうやって転職活動を始めたら良いか分からない」
「ひとりでは転職活動を進められない」
このように思うのであれば、看護師専門の転職サポートサービスを利用してみましょう。
まとめ
看護師の転職には悩みがつきものです。
しかし、悩みを解決した転職先を選ばなければ楽しく働くことはできません。
前向きに働ける職場選びをすることで、悩みを解決することができます。
- 年収・福利厚生など働く条件をはっきりさせる
- 履歴書作成や面接の準備を十分にしておく
- 転職について相談できる人を作っておく
以上のようなポイントを押さえ、転職を成功させましょう。