「デイサービスの業務がどうも好きになれない。」
「給料が上がらず、安月給で困っている。」
「人間関係に悩んでいて、辞めたい気持ちが高まっている。」
こんな気持ちを抱えながらも毎日、仕事に励まれている看護師の皆さんお疲れ様です。
この記事は、デイサービスを辞めたいと思う看護師の抱える悩みにフォーカスしました。
それぞれの悩みから本当に辞めるべきなのか、はたまた辞めないほうが良いのかを検証します。
仕事は星の数ほどありますが、あなたの人生は一つだけです。
一度しかない人生の、転職という大きなジャッジを決める手助けになれればと思います。
目次
1.デイサービスの看護師を辞めたい理由とは?
デイサービス看護師が仕事を辞めたいと思う、その理由とはどういったものなのでしょうか?
理由として考えられるのは、下記の3つです。
- 業務内容が合わない
- 職場の人間関係が苦しい
- 給料が安い
それぞれの理由から考えうる今後のキャリアプランが違ってくるので、細かく検証していきます。
理由1.業務内容が合わない
想定していた業務内容と、実際の業務に違いがあるのはストレスです。
職場次第ですが、デイサービスにはレクリエーションや送迎といった、看護以外の業務が含まれます。
想定外の苦手な業務に携わり続けることで、仕事におけるモチベーションが下がるものです。
シンプルに嫌な仕事は長く続けたくないのは、誰しも同じ気持ちではないでしょうか。
理由2.職場の人間関係が苦しい
プライベートも仕事も、人間関係が上手くいかないことほど辛いものはないでしょう。
仕事は職場の仲間と手を取り、協力しあって遂行してくものです。
デイサービスの現場では勤務形態が固定化されている職場が多く、毎日同じメンバーで仕事をすることなります。
しかし、人間関係の上手くいっていない職場は協力しあいながら仕事を遂行することが困難です。
業務以外に神経をすり減らし、大きなストレスを感じることはメンタル的にもよくありません。
さらに向上心を持って仕事に取り組むには程遠い環境です。
何を目標に頑張ればいいのか、仕事以外に耐えることに我慢ならないというのは全員が一致して抱く本音でしょう。
理由3.給料が安い
業務内容のわりに給料が低いと、辞めたい気持ちはいよいよ高まります。
デイサービスは利用者が日帰りで施設を往来しサービスを受けるので夜勤がありません。
高給取りと言われている看護師ですが、その給料を引き上げているのはまぎれもなく夜勤です。
つまり「看護師になったのに実際に働いてみると思ったほど稼げない…。」
と感じる可能性が非常に高くなります。
さらに業務内容は入浴介助やレクリエーションなど、多岐に渡るため非常にハードです。
思ったよりも給料が低い過酷な仕事は、誰だって辞めたいと思うでしょう。
2.デイサービスの看護師を辞められない人が抱える悩みとは?
デイサービス看護師として働きながら、転職が頭をよぎる人の気持ちは非常に納得のいくものです。
次にこの章ではデイサービス看護師の悩みにフォーカスします。
辞めたいけど辞められない人は何に迷っているかをみていきましょう。
- 転職活動に対する不安
- 本心では辞めたくない
- 転職してどんな仕事に就けばいいのかわからない
- 辞めたい気持ちと辞めたくない気持ちがある
これら4つの悩みを抱える人の気持ちについても考えます。
悩み1.転職活動をしたことがない・転職活動が億劫
誰しもやったことのないことを始めるのには勇気が必要です。
生活に直結する仕事を選び直す転職活動ならなおさらでしょう。
たしかに転職活動には履歴書の作成や自己分析など、面接に向けてやるべきことがたくさんあります。
しかし、それらが面倒で転職を思いとどまるうちは、まだデイサービス看護師の仕事と向き合える余地があるでしょう。
辞めた後のキャリアプランが定まっていないことも、二の足を踏む大きな要因となっているはずです。
目の前にある嫌なことから逃げたい、場当たり的な気持ちで辞めたいと考えている可能性もあります。
少し冷静になって、なぜ辞めたいのか一歩突き進んで考えてみるといいでしょう。
悩み2.本心ではデイサービス看護師を続けたいと思っている
「こんな仕事、今すぐにでも辞めてやる!」
と思っていても、心の底では仕事を続けたいと思っている人もいるでしょう。
デイサービス看護師の仕事は、利用者やその家族を通じて自分の仕事の成果が見える仕事です。
「給料は低いけど利用者さんのことが好き。」
「仕事内容はキツイけど、一緒に働くメンバーが良い。」
というように、デイサービス看護師のやりがい・良いところを知っているからこそ迷ってしまうのではないでしょうか。
自分が今の仕事にどんな気持ちを抱いているのか、気持ちを整理してみましょう。
愛情の反対が無関心であるように、不満を抱くということはどうにかして続けたい気持ちの表れなのかもしれません。
悩み3.今後どんな仕事に就けばいいかわからない
デイサービス看護師の仕事を辞めた後に、どんな仕事に就けばいいかわからず悩んでいる人もいます。
働くこと自体の目的や意義を感じられていない人が、こういった悩みを抱えるケースは少なくありません。
おそらくデイサービス看護師の仕事に対する不満が大きいというよりは、漠然と今のままでいいのか考えている状態でしょう。
今が、仕事に対するやりがいを再度見つけるいい機会なのかもしれません。
悩み4.辞めたい気持ちと辞めたくない気持ちがある
仕事に対し、常に100%のコンディションで向き合える人はいません。
誰だって気分や体調に左右されながら、仕事に対するモチベーションが日々変動します。
仕事を辞めたい・辞めたくないという気持ちも、強くなれば弱くなることもあるでしょう。
利用者やその家族から喜ばれ、達成感や充実感がある時は辞めることなど微塵も考えません。
大きな失敗をするなどして途方に暮れた時は、すぐにでも辞めたい気持ちになります。
この気持ちを判別するには、自分が仕事を通じてどんな自己実現を成し遂げたいかがポイントではないでしょうか。
辞めるか辞めないかを迷っている原因、そして気持ちを決める決定打を見つけることができます。
3.思い立ったが吉日!デイサービスの看護師を辞めたほうがいいのはこんな人
デイサービス看護師が仕事を辞めたいと感じる理由、そして抱えているであろう悩みにフォーカスしてきました。
この章では、思い切ってデイサービス看護師を辞めたほうがいい人の特徴をまとめていきます。
- 少数メンバーのなかで人間関係に悩んでいる
- 給料を上げたいが昇進先の役職がない
- 環境を変えても辞めたい気持ちがなくならない
- 体調に不調をきたしている
この4つのパターンは思い切って転職に踏み出してみてはいかがでしょうか?
それぞれの詳細について見ていきましょう。
(1)職場のメンバーが少人数で人間関係に悩んでいる
少数精鋭の職場で人間関係に悩むのであれば、思い切って転職しましょう。
職場のスタッフ数が少ないと、どうしても毎日同じメンバーで仕事を回すことになります。
関係性のこじれた人と四六時中仕事を一緒にこなさなければならないのです。
人間関係が辛い人にとってこれほど、苦しい状態はありません。
ところが部署が複数あり、大人数の職場であればどうでしょう。
たとえ苦手な人がいても、スタッフ数が多く顔を合わる必要がなければ前向きに働けそうです。
人間関係にまつわる悩みは自身の努力だけではどうにもならないことが多々あります。
つまり、転職は解決方法として有効な手段になるのです。
(2)給料を上げたいが勤務先に昇進先の役職がない
勤務先に昇進制度がない、もしくは人事考課がうまく機能していない場合も辞めたほうがいいでしょう。
個人の努力でリカバリーできない不満は、辞めることでしか解消されないのです。
給料の低さが原因で辞めたい人は、給料が上がれば辞める必要はありません。
しかし、デイサービス看護師の職場の多くは年功序列が敷かれており給料を上げるには役職アップが必要不可欠です。
つまり昇進する必要があるのですが、職場にその受け皿(=役職)がなければ意味がありません。
会社の体制を変えようにも母体の規模が小さいといった理由で、人事制度が未熟な会社はたくさんあります。
そういった職場で働くデイサービス看護師は今すぐにでも転職することをおすすめします。
(3)働き方を変えても辞めたい気持ちがなくならない
部署移動、業務内容を変えたにもかかわらず辞めたい人は、潔く転職しましょう。
転職するのとほぼ同じレベルで、部署移動や業務内容の変更は、職場環境を大きく変えるものです。
しかし、それでも辞めたい気持ちがなくならないのは、デイサービス看護師の仕事にやりがいを感じられないからでしょう。
どんな仕事にやりがいを感じるかは人それぞれです。
実際に働いてみて、自分にはこの仕事が向いてないと思ったのであれば、それが答えではないでしょうか。
(4)気持ちがあっても体調が伴っていない
デイサービス看護師の仕事は好きだけど、体調が伴わない場合も辞め時でしょう。
デイサービス看護師の仕事はハードです。
利用者は老人で、自分の体と同じ大きさの大人を介助をするわけですから、看護師の腕や腰には大きな負担がかかります。
慢性的な腱鞘炎や腰痛など、仕事が原因で体に不調が出ている場合は転職について真剣に考えると良いでしょう。
4.今が耐え時?!デイサービスの看護師を辞めないほうがいいのはこんな人
それでは逆に、デイサービス看護師を辞めないほうがいいのはどのような人なのでしょうか。
- 人間関係が入れ替わった直後
- 先輩や上司はきちんとした額の給料を貰っている
- まだまだ仕事を始めたばかり
- 先輩の話を聞いて心が動く
無理は良くありませんが、我慢の先に明るい未来が待っている可能性は十分あります。
それぞれどのような状態であるかを見ていきましょう。
(1)人間関係が入れ替わった直後
上司が入れ替わったり、自身が今の職場に転職した当初は仕事がしんどいものです。
職場の人間関係が入れ替わった直後は、誰しも仕事に対してナーバスになります。
新しいメンバーのなかで、また一から関係性を築くのは誰だって疲れるからです。
もし、あなたが今「この仕事を辞めたい!」
と思っても、人間関係が入れ替わった直後なら少し様子を見てみましょう。
時間が経つことで上司やメンバーに慣れ、そこから仕事に対する余裕も生まれるはずです。
(2)先輩や上司はきちんとした額の給与をもらっている
勤続年数が浅い、まだ役職が付いていないうちは、まだ仕事を辞めるべきタイミングではありません。
営業職は別ですが、多くの職種では勤続年数が長くなればなるほど給料がアップします。
デイサービス看護師も同様で、勤続年数が伸びないことには給料は上がりません。
つまり、勤務して日が浅いうちは誰しも安月給で働くものなのです。
また、役職が設定されているということは、勤務先としてもきちんと従業員のキャリアアップを考えている職場と言えます。
職場の体制が整っているのであれば、辞めるよりも粘る選択をすべきなのです。
(3)人に業務を教えられるほど仕事を覚えていない
一通り仕事がこなせるようになるまでは、歯を食いしばって仕事と向き合いましょう。
まず、自分が仕事のプロフェッショナルになることを最優先事項にすべきなのです。
辞めるか辞めないかの判断はそこからでも十分、遅くはありません。
つまり、仕事のやりがいもまだ見えていない段階で転職はすべきではないのです。
(4)先輩看護師の勤務エピソードを読んで心が動く
他人のサクセスストーリーを聞きモチベーションが上がるなら、辞めるべきではありません。
仕事のやりがいが見えず、くすぶっているのであれば先輩看護師と話しをしましょう。
今、あなたからして仕事のできる先輩も最初は新人です。
きっと失敗を繰り返しながら、仕事を覚えて今の立場にいます。
そういった身近に良いお手本となる先輩がいる場合は、頼ってみるのも一つの手です。
彼らの仕事におけるエピソードを聞き、心に灯がともるようであればまだ頑張れる余地があります。
5.デイサービス看護師が仕事を辞めた後にはどんなキャリアプランがある?
ここからはデイサービス看護師が仕事を辞めた際、具体的なキャリアプランについて考えます。
目指せる進路は具体的に4種類です。
- ケアマネージャー/相談員/サービス提供責任者を目指す
- 認定介護福祉士/認知症ケア専門士を目指す
- 作業療法士/理学療法士/言語聴覚士を目指す
- 別業界で転職する
1~3は看護業界、4は別業界を想定しています。
いずれも給料をアップさせる、仕事におけるやりがいを育むことが目的です。
非常に有効なキャリアプランなので、ぜひ参考にしてください。
(1)ケアマネージャー/相談員/サービス提供責任者を目指す
まずは看護師として自身のレベルアップが図れる資格を取得するキャリアプランです。
一般的にケアマネージャー、相談員、サービス提供責任者になれば給料が上がります。
さらに、役職が付き責任者となれば仕事におけるやりがいも増すでしょう。
携わる業務内容を変えるのにも、こういった資格は一役買ってくれます。
給料アップや業務内容の変更を試みたい人にオススメの方法です。
同じ看護業界でより自身のレベルアップを図ることができます。
(2)認定介護福祉士/認知症ケア専門士を目指す
続いて看護業界で専門性を極めたい人におすすめの資格を取得するキャリアプランです。
認定介護福祉士は国家資格である介護福祉士での実務経験が必須なので、高い技術や知識が身に付きます。
認定介護福祉士で5年、認知症ケア専門士で3年以上の実務経験が必須となる点は注意しましょう。
試験を受けるための要件を必ず確認し、資格取得のタイミングなども逆算した転職活動の実施をおすすめします。
こちらもデイサービス看護師のランクアップ先として考えられる仕事です。
(3)作業療法士/理学療法士/言語聴覚士を目指す
学校に通わなければ取得できない、作業療法士/理学療法士/言語聴覚士の資格は現場でも非常に重宝されます。
これらの資格はいずれも高い専門知識を必要とするものなので、働きながら資格の取得は困難を極めます。
学校に通うための費用も捻出する必要もありますが、資格が得られれば生涯賃金を大幅に引き上げることが可能です。
職場における地位も一定以上のものが担保できるので、転職時に身に付けておいて損のない資格と言えます。
(4)看護業界を出てまったく違う職種にチャレンジする
前述の3つの方法とはまったく違った切り口にはなりますが、
看護業界を出て新たな業界で一からキャリアを積むのも一つです。
実際に仕事をすることで向き・不向きを再認識するケースは往々にしてあるでしょう。
その場合は、別業界への転職も視野に入れてください。
看護師の仕事から離れることで仕事のやりがいと出会い、才能が花開く可能性もあります。
6.デイサービス看護師を辞める理由から考える前向きな転職理由とは
最後に転職活動、とくに転職理由(動機)についてどう言えばいいか悩んでいる人に重要なメッセージを伝えます。
それは、どんな転職理由も必ず前向きなものに言い換えて伝えるということです。
- 業務内容
- 人間関係
- 給料の低さ
この3つを前向きな転職理由として言い換えるのはどのようにすればいいでしょうか?
例文をまじえて詳細に解説します。
転職理由1:業務内容
業務内容が嫌で仕事を辞めるのであれば、キャリアチェンジを理由にしましょう。
今の職場では職種が限られているため、職場を変えることしか方法がないというのがポイントです。
毎日同一メンバーで仕事を回している、経営者直下で働いている場合はこのケースに該当します。
「ケアマネージャーとして働きたいが、今の職場は外部のスタッフに依頼をしている。」
「認知症ケア専門士として現場に携わりたい。(※現在の職場に認知症の利用者がいない)」
自分のキャリアアップを理由におこなう転職は前向きなものなのです。
想いがあるのなら、上手く伝えましょう。
転職理由2:人間関係
人間関係の不和だけは転職理由として語ってはいけません!
人間関係に悩んだという話はどう伝えても暗いエピソードになるからです。
こんなことが嫌だった、悲しかったとマイナスな気持ちを吐露するだけになります。
誰だって苦手な人の一人や二人はいるものです。
人間関係を理由に仕事を辞める人はたくさんいるでしょう。
ただ、転職理由として伝えるには少々ネガティブな要素が強すぎるトピックなのです。
どのようなケースであっても、人間関係の悩みだけは面接の場で伝えてはいけません!
転職理由3:給料の低さ
給料など待遇面を向上させたいという気持ちは、立派な転職理由に該当します。
どれだけ仕事にやりがいがあっても、給料が少なければ生活しづらいのは紛れもない事実だからです。
しかし、面接の場で転職理由にするには少々荒っぽい理由になるので、こちらも言い換えを推奨します。
私生活の充実をキーワードに伝えてみるのはいかがでしょうか。
「家族を養っていくために給料をアップさせたい。」
「結婚など将来的なことを考えて、今のうちに転職しておきたい。」
「メリハリを持って仕事に打ち込むためにも、趣味を充実させたい。」
新卒採用の場でこの理由を語るのはまだ早すぎます。
しかし、一度社会に出て働くことの意味を体感した社会人の転職理由としては妥当なものになるのです。
まとめ
デイサービス看護師を辞めたい人の悩みを切り口に、退職後のキャリアプランを考えました。
ご自身の悩みに向き合う方法、そして転職理由を上手く言い換える方法について深く理解していただけたかと思います。
我慢は美徳ではありません。
しかし、耐えきった先に明るい未来がある可能性だってあります。
もう少し頑張りたい人はモチベーションのアップに努め、やはり転職が妥当と判断した人は速やかに準備を開始しましょう。