「看護師資格を活かして起業したい!」
「自分の考えた仕事でたくさんの人を助けたい!」
医療に関する知識を活かし、起業を考える看護師は少なくありません。
しかし、実際にどのような事業をするのか、どうやって起業を進めるのか良く分からないという悩みも出てきがちです。
そこでこの記事では、看護師の起業についての情報を分かりやすく解説します。
おすすめの事業や起業の注意点、手順も紹介するので、自分のやりたい仕事を起業で実現してください。
目次
1.看護師が独立して起業することは可能!
看護師資格を活かし、起業するのは年齢問わず可能です。
ある程度経験を積んでから起業する人も多いですが、看護師資格を取ってからすぐに20代で事業を始める人もいます。
自分らしく働きたい人、自分で何か新しいビジネスをしたい人は、前向きに起業を考えてみましょう。
起業には、個人事業主として個人で事業を行うものと、法人を作る方法があります。
法人は個人事業主より最初の手続きや税金の計算が複雑になりますが、社会的信用は大きいです。
自分のやりたい事業や、起業に使える時間とお金を考えた上で判断しましょう。
次は、看護師が独立・起業を目指せる事業を解説します。
看護師資格や医療知識を活かせるものとなっているので、ぜひ参考にしてください。
2.看護師が独立・起業を目指せる事業とは?

看護師資格を活かした起業がしたいと思っても、具体的に何をすべきか迷っている人は多いでしょう。
看護師は豊富な医療知識を持っているので、介護や看護、身体や心のケアに関する事業に挑戦しやすいと言えます。
起業を希望する看護師におすすめの事業は、以下の通りです。
- 看護施設の立ち上げ
- 介護施設の立ち上げ
- サロンの立ち上げ
- 医療関係法人の立ち上げ
起業のアイデアに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
(1)看護施設の立ち上げ
看護師として得た知識と経験を活かすなら、訪問看護ステーションの立ち上げがおすすめです。
訪問看護ステーションは、事務所があれば設立が可能で、院内で患者さんをケアする必要がないので設備費も少なめです。
また、看護師が一定数いれば開業できるので、人を集めるハードルも低いと言えるでしょう。
ただし、訪問看護ステーションの立ち上げ後、3ヶ月は介護報酬が得られないので収入がありません。
最低でも3ヶ月は無収入になると覚悟し、お金の準備をしてください。
(2)介護施設の立ち上げ
看護師は、デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を開業することも可能です。
訪問介護を除き、介護施設の立ち上げには設備とまとまった人員が必要なので、最初のハードルは高いと言えます。
しかし、介護施設のニーズが高いエリアは多いので、需要を調査し顧客を確保できれば収入に繋がりやすいでしょう。
介護施設を立ち上げるには、準備だけで半年ほどが必要です。
介護業界は特に人で不足でスタッフが集まりにくいので、看護師や介護士のコミュニティに参加し人脈を広げておきましょう。
(3)サロンの立ち上げ
看護師の中には、患者さんのケアをしてきた経験を活かし、個人事業主としてサロンの立ち上げをする人もいます。
サロンの内容は自由ですが、アロママッサージサロン、リラクゼーションサロン、フットケサロンなどは看護師の業務に通じるものがあるでしょう。
ただし、現在サロンの数は非常に多く、競争の激しい業界と言えます。
看護師資格を活かした個性のある施術や、これまでの経験を活かしたメニューを考えなければ、新しい顧客の確保は難しいでしょう。
(4)医療関係法人の立ち上げ
医療業界に会社として貢献したい、という場合、医療関係の法人を立ち上げるのも良いでしょう。
医療関係の事業には、予防医療に関する技術開発、健康についてのコミュニティカフェ、医療知識を伝えるメディアなど、様々なものがあります。
アイデア次第で様々な仕事に挑戦できるのが、大きな魅力と言えるでしょう。
ただし、顧客が確保できるか事前に予想するのが難しいです。
不安であれば初期投資の少ない事業に挑戦し、起動に乗ってきたら規模を拡大するという方針も良いでしょう。
以上が、看護師資格を活かした事業でした。
起業する事業の内容は、自分で自由に決められます。
看護師資格とは全く関係ない事業にも挑戦できるので、自分のやりたいことを書き出してみましょう。
次は、起業する上で知っておきたい注意点を解説します。
起業を前向きに検討している人は、ぜひ読んでみてください。
3.看護師が起業する際の注意点3つ

看護師資格を活かした起業であっても、自分で新しく事業を始めるリスクは大きなものです。
起業を目指す際には、将来考えられるリスクや注意点をしっかり意識しておきましょう。
看護師の起業における注意点は、以下の通りです。
- 自分で顧客を確保しなければいけない
- 税金の基礎知識を知る必要がある
- 安定した給料がもらえなくなる
それぞれ事前にしっかりと確認しておいてください。
注意点1.自分で顧客を確保しなければいけない
起業をしても、いきなり顧客が来てくれる訳ではないので起業後は自分で顧客を確保する必要があります。
起業したは良いものの、想定より顧客が付かずすぐ赤字になってしまうという事例は少なくありません。
病院やクリニック、会社に顧客が来るのは、長い時間をかけて信頼を獲得してきたからです。
しかし、起業をすれば信頼がゼロからのスタートになるので、顧客の確保に苦労するでしょう。
起業後の失敗を防ぐには、自分で顧客を確保しておくことが大切です。
ホームページを立ち上げたり、チラシを配ったりするほか、同じ起業家のコミュニティなども活用しながら、自分の事業を広めていきましょう。
注意点2.税金の基礎知識を知る必要がある
起業をしたあとは、経費や売上についてしっかりと記録をする必要があるので税金の基礎知識は必須です。
たとえ個人事業主あっても、これまでは意識していなかった税制度について知り確定申告をしなければいけません。
もし申告漏れがあると脱税となり、事業を続けるのが難しくなるので初心者向けの本を買って勉強しましょう。
また、事業に関する税金について不安なら税理士に相談することも可能です。
無料のセミナーもあるので、参加してみましょう。
注意点3.安定した給料がもらえなくなる
起業をしたあとは、自分の働きぶりで給料が決まるため収入が不安定になります。
事業がうまく行けば高収入を得られる可能性もありますが、売上の波は大きく、赤字になる月も少なくないでしょう。
また、医療器具や設備になどで初期投資が大きい場合、最初から収入がマイナスになることもあります。
さらに、収入が不安定なことから、クレジットカードを作ったりローンを組んだり、部屋を借りたりするのが難しくなるケースもあるでしょう。
収入を安定して得るだけなら、たくさんある看護師の求人に応募するのがおすすめです。
以上が、看護師が起業する際の注意点でした。
起業には自由がある分、リスクも大きいです。
リスクもしっかりと自覚した上で、起業を目指すかどうか判断しましょう。
次は、起業に向いている看護師の特徴を紹介するので、ぜひ読んでみてください。
4.起業に向いている看護師の特徴
起業には様々なリスクがあるので、安易な気持ちで挑むのは危険です。
看護師の中には、本当は起業に向いていない人も少なくないかもしれません。
実際に起業に向けて動き出す前に、自分が本当に新しく事業を始められるのか考えてみましょう。
起業に向いている看護師の特徴は、以下の通りです。
- 貯金がある
- 時間的な余裕がある
- ビジネスについて基本的な知識を持っている
- 面倒を見なければいけない家族がいない
- しばらく働き詰めになっても問題ない
- 様々な立場の人とコミュニケーションを取れる
- 自分から勉強する積極性がある
これらに当てはまらなくても、起業したい!という強い気持ちがあれば自分で仕事を作ることは可能です。
自分が本当に起業に向いているのか、どうしても起業がしたいのか考えて、今後の計画を立てていきましょう。
次は、起業を目指す看護師向けに起業のメリットを解説していきます。
自分のやりたい仕事や理想の働き方が起業で実現できるか悩んでいる看護師は、ぜひ読んでみてください。
5.看護師が自分で起業するメリットとは?
看護師が病院やクリニック、介護施設に勤務するのではなく自分で起業するメリットはたくさんあります。
しかし、起業のメリットを活かせるかは看護師次第なので、自分の性格や将来をイメージして起業すべきか考えてみましょう。
看護師が自分で起業をするメリットは、以下の通りです。
- 自分がやりたい仕事に集中できる
- 働く時間を自分で決められる
- 定年を気にせず働ける
- 自分の希望する方向で事業を決められる
- 他の起業家と知り合える
- 高収入を得られるチャンスがある
起業して働けば、事業の内容も働く時間も全て自分の裁量になります。
夜勤をするかしないかも自分で決められますし、何歳まで働くかも自由です。
看護師の先輩や上司に指示されて動くのではなく、自分で考えて様々な人に貢献したいなら、起業のメリットを最大限活かせるでしょう。
次は、前向きに起業を検討している看護師に向けて、起業までの基本的な手順を紹介します。
「起業したいけど、何から手をつければ良いの?」と迷っている人はぜひ読んでみてください。
6.看護師が起業するまでの手順を詳しく紹介!

ここからは、実際に起業を目指す看護師向けに、起業の手順を紹介していきます。
看護師資格を活かした起業であっても、基本的には一般的な起業の手順と同じです。
起業の流れは、以下のようになっています。
- 起業セミナーに参加して情報収集する
- やりたい事業とターゲットを考える
- 事業の形態を考える
- 資金を確保する
- 事業開始の手続きをする
焦らず、必要な手順を1つずつ進めていきましょう。
手順1.起業セミナーに参加して情報収集する
起業を目指すなら、まずは情報収集から始めましょう。
起業セミナーなら、同じく起業を志す人と交流することができます。
様々な人と話、これからやりたい事業のアイデアを出していきましょう。
手順2.やりたい事業とターゲットを考える
起業のついての基本が分かったら、やりたい事業と、事業のターゲットを具体的に決めましょう。
例えば訪問看護ステーションを開く場合、どんな地域でどんな患者さんをターゲットにするか考えます。
やりたい事業と一緒に、どんな人を相手にするか考えなければ利益が出ません。
安定して需要がありそうな顧客を想定して、事業の内容を深堀りしていきましょう。
手順3.事業の形態を考える
事業が固まったら、どんな形態で起業するのか考えましょう。
起業の形は、個人事業主または法人に分かれます。
どちらの形態にするかは自由ですが、小規模な事業なら個人事業として始めるのも良いでしょう。
手順4.資金を確保する
起業に必要不可欠なのが、資金です。
事業にまとまった資金が必要なら、融資を受ける、クラウドファンティングで集める、個人の貯金から出すなどして確保しましょう。
金融機関から融資を受けたり、行政から助成金をもらう場合には、事業の内容について書いた書類が必要なので準備をしてください。
手順5.事業開始の手続きをする
資金が集まり、起業できる、という状況になったら事業開始の手続きをしましょう。
個人事業主の場合は、税務署に開業届を提出することで開業が可能です。
その他必要な書類は、事業の内容や従業員の有無によって変わるので不明点は行政書士や税理士に相談してください。
法人の場合、公証人役場で会社の基本的なルールを定めた定款を認証してもらいます。
法人の場合、必要な書類が多いので、国税庁のホームページも確認しながら行政書士や税理士などの専門家とともに進めましょう。
また、起業後に医療行為を行う場合、別途許可が必要なこともあります。
不備のない手続きができるよう、十分な時間を確保しておきましょう。
まとめ
看護師が起業し、自分の考えた仕事で医療知識を様々な人に還元していくことは十分可能です。
自分のやりたい仕事を見つけて、前向きに準備を進めていきましょう。
ただし、起業にはかなりのお金と時間が必要です。
本格的に事業を始める際には、専門家のアドバイスを聞きながら実行できる計画を立ててください。