ハワイで看護師として働きたい!という夢をお持ちですね。
確かに、南の島のハワイで自分のスキルを生かしながら永住できたらと思う人は少なくありません。
しかし、ハワイには病院が少ないため競争率が激しいです。
今回は、それでもハワイで看護師として働きたいと強く思う人向けにハワイで働くために必要なスキルや準備について解説します。
永住権の取得方法についても紹介しているので、参考にしてください。
ハワイで看護師として働きたいという夢を着実に叶えましょう。
目次
1.ハワイで看護師として働くことは難しい!その理由とは?
いきなり夢をくじくようですが、ハッキリ言うとハワイで看護師として働くことは難しいです。
ハワイで看護師として働くことが難しいと言われている理由は、3つあります。
- ハワイには病院が少ない
- ハワイに看護学校が多い
- 日系クリニックで働くことも難しい
もちろん、「絶対に無理!」と言い切るわけではありませんが、難しいことを理解した上で挑戦をして下さい。
2つの理由を確認していきましょう。
理由1.ハワイには病院が少ない
ハワイには病院が少なく、そもそも求人があまりありません。
海外の病院数を検索できる「PRESTIGE INTERNATIONAL」でハワイ州の病院の数を調べてみると、28件しかありませんでした。
というのも、ハワイ島単体だと10,432k平方メートルととても小さな島だからです。
広さだけを比較すると岐阜県の方が大きい面積となっています。
1つの県の大きさだと考えると、病院もそこまで多くないことは理解できるでしょう。
このようにハワイは小さな島であることから病院が少なく、求人もほとんどないのが現状となっています。
理由2.ハワイに看護学校が多い
ハワイには、看護学校が多くハワイで就職したいと考えているナースの卵がたくさんいます。
実際に『NURSINGEXPLORER』でハワイにある看護学校の数を調べると、小さい列島の中に10の看護学校が見つかりました。
病院数が少ない上にハワイで看護を学ぶ学生がたくさんいるのです。
そのため、ハワイの病院の就職競争率はかなり高いと言えるでしょう。
理由3.日系クリニックで働くことも難しい
「日系クリニックだったら雇ってもらえそう!」と思う人もいるかもしれません。
日系クリニックとは、日本人向けに医療サービスを行う病院です。
確かに、経営者も日本人であることが多く、アメリカ式の病院と比べて採用されやすいでしょう。
ただし、日系クリニックもたくさんあるわけではありません。
働きたいタイミングで採用募集している可能性が低く、募集があっても条件の良い求人であるかは別です。
このように、ハワイで看護師として働くことのハードルは非常に高いと言えます。
次の章からは「それでも夢を諦めたくない!」という人向けに、ハワイの看護師に必要なスキルや準備について解説していきます。
強い気持ちがある人は見ていきましょう。
2.それでも挑戦したい人向け!ハワイの看護師になるために不可欠なスキル
ハワイで看護師として働くことは難しいです。
しかし、それでも頑張って挑戦したいと思うのであれば、以下の2つのスキルが最低限必要です。
- NCLEX
- 語学力
それぞれ確認していきましょう。
スキル1.NCLEX
アメリカで看護師になるためには、アメリカで必要とされている看護師の資格「NCLEX」を取得しなければなりません。
NCLEXは、National Council Licensing Examination for Registered Nurseの略です。
つまり、看護師のための国家試験を指します。
以下の2つの種類がありますが、日本の看護師免許を持っているのであればNCLEX-RNを目指すことが一般的です。
- NCLEX-RN(正看護師):レジスタード・ナース
- NCLEX-PN(准看護師):プラクティカル・ナース
なぜなら、NCLEX-RN(正看護師)の方が看護実習なし・独学で免許を取れるからです。
NCLEX-RNの受験方法については、次の章で確認しましょう。
スキル2.語学力
ハワイで働くためには、高い英語力が必要です。
特にNCLEXを受けるための条件にTOEFLのスコアなどの記載はありませんが、すべての手続きは英語で行います。
書類の提出や試験の問題も、当然英語です。
たまたま合格したとしても、医療現場で患者や医師と十分なコミュニケーションができないと仕事になりません。
明確な目安はありませんが、日常会話や医療用語が分かる程度の英語スキルは必須と言えます。
3.NCLEX-RNの受験のために必要な3つの準備
ここからは、NCLEX-RNを受験するために必要なことを確認していきましょう。
多くの人はNCLEX-RNの受験をすること自体、大きな壁に感じてしまいます。
受験に必要な準備は、以下の3つです。
- 願書を作成する
- 書類を集めて英訳する
- 合格のために勉強する
順番に確認していきましょう。
準備1.願書を作成する
まずは、NCLEX-RNを受験するための願書を作成しましょう。
願書は、CGFNS(外国看護学校卒業審議会)に提出します。
願書では、どの州で看護師になりたいかを明記するため、「ハワイ州」を選びましょう。
提出した願書を基準に、NCLEX-RNを受験できるかの審査が行われます。
審査には6ヶ月以上かかり、審査の1ヶ月後に受験票が発送され、待ち時間が非常に長いです。
受験票が届いてから3ヶ月以内に試験を受ける必要があるので注意しましょう。
準備2.書類を集めて英訳する
願書と一緒に必要書類を送付しなければなりません。
必要書類は日本で集めることができますが、すべて英訳する必要があります。
たとえば、以下のような書類を英訳しなければなりません。
- 看護学校成績証明書
- 看護学校卒業証明書
- 看護師免許証(厚生労働省で取得可)
特に成績証明書に、ハワイ州が要求する学科が足りているのかをハッキリ英語で書く必要があります。
卒業年度のシラバスを正しく英訳する作業には予想以上に時間がかかります。
英語に自信がないのであれば、プロの翻訳家に頼むのも手です。
ただし、50万円〜200万円程度かかってしまうことを覚えておきましょう。
準備3.合格のために勉強する
NCLEX-RNの合格に向けて勉強をしましょう。
日本の正看護師の国家資格のレベルと同等なので、既に正看護師の資格を持っている人にとって難しいものではありません。
しかし、テストは全て英語で受けることになります。
そのため、すでに持っている知識を英語で理解できるようになる勉強をしましょう。
実際のテストは、75問〜265問の問題を4時間〜6時間ほどかけて回答していきます。
正解率80%以上で合格です。
英語での問題に英語で答えられる程度の英語スキルを身につけておきましょう。
4.ハワイの看護師免許取得のために必要な2つのこと
ハワイの看護師免許には、さらに以下の2つが必要です。
- 犯罪歴の調査結果
- ソーシャルセキュリティナンバー
これらがなければ、ハワイで看護師として働くことはできません。
しっかりと確認していきましょう。
(1)犯罪歴の調査結果
犯罪歴の調査結果を提出する必要があります。
指紋を提出し、犯罪歴がないことを証明するのです。
特に小児科などの子供と接する病棟での勤務を希望する場合は、幼児・児童虐待歴がないことも証明しなければなりませんので、犯罪歴の調査結果は必ず提出しなければなりません。
(2)ソーシャルセキュリティナンバー
看護師免許を取得するときに、ソーシャルセキュリティーナンバーを持っていなければなりません。
ソーシャルセキュリティーナンバーとは、個人番号のことです。
日本で言うマイナンバーと考えると分かりやすいでしょう。
ソーシャルセキュリティーナンバーは、アメリカ市民もしくは就労許可を持った外国人のみが取得できます。
就労許可を取得するためには、勤務先となる医療機関にビザスポンサーになってもらわなければなりません。
全くツテのない人は、ソーシャルセキュリティーナンバー取得がなかなかできず看護師として働くことを諦めてしまいます。
ビザサポートしてくれる病院を探したり永住権を取得して、ソーシャルセキュリティナンバーをどうにか取得しましょう。
ちなみに、ニューヨークではソーシャルセキュリティーナンバーがなくても免許を取得することができます。
5.ハワイで看護師になりたいなら看護師留学が1番の近道
ここまでは、日本で正看護師の資格を持っている人がハワイで免許を取得するための方法について確認してきました。
しかし、やらなければならないことが多く、応募時点で挫折する人も多いです。
時間とお金がかかりますが、看護師留学をすればこれらの問題を解決できます。
というのも、アメリカで必要な医療をしっかり学ぶことができ、それを証明できるからです。
NCLEX-RNに合格してから大学に通うと、授業免除があり早い段階で卒業することもできます。
また、現地の大学に通うことでキャリアサポートを受けられるといったことも期待できるでしょう。
ビザサポートしてもらえる医療機関を見つけられる可能性が高まり、就職も近づきます。
看護師留学で必要な費用
留学となると、気になるのは費用の問題ですよね。
結論から言うと、留学費用としては一年あたり350万〜400万年程度かかってしまいます。
まず、看護学校の学費には一年あたり120万円程度です。
また、ハワイは物価が高いので生活費にお金がかかってしまいます。
どれほど節約しても一年あたり200万程度はかかるでしょう。
さらに、海外保険・航空券・ビザ取得などにも費用がかかります。
合計で一年あたり350万〜400万円程度必要であることを理解した上で留学を決めましょう。
6.ハワイに永住したいなら知っておくべき2つの方法
せっかくNCLEX-RNを取得したにもかかわらず、ビザの関係でハワイで就職できないという悩みを抱える人は多いです。
というのも、ビザサポートしてくれる病院はほとんどありません。
看護師の卵の多いハワイでは、ビザサポートをしてまで外国人看護師を採用する必要がないからです。
ビザサポートを受けられないとなると、看護師の資格取得に必要なソーシャルセキュリティーナンバーを取得できません。
そこで、ソーシャルセキュリティーナンバーのために永住権を取得したいと考える人もいます。
アメリカで永住権を取得をするには、以下の2つの方法があります。
- アメリカ国籍の人と結婚する
- 抽選で永住権を獲得する
順番に見ていきましょう。
方法1.アメリカ国籍の人と結婚する
アメリカ国籍の人と結婚をすることで、アメリカの永住権を取得することができます。
結婚後二年が経過していれば無条件で永住権、二年未満であれば条件付きの永住権が与えられるのです。
ただし、取得までに一年半程度の期間がかかってしまいます。
また、「ハワイで看護師になるために、アメリカ人と結婚する」というのは、とてもハードルが高いです。
もちろん看護師留学中にアメリカ人と知り合って結婚に至るケースも可能性としてはあり得ます。
結婚は人生に大きく関わるイベントなので、就労のために安易に結婚することはやめておきましょう。
方法2.抽選で永住権を獲得する
年に一度行われるDV抽選でアメリカ永住権(グリーンカード)を取得することができます。
DV抽選永住権とは、アメリカ国務省が指定する期間中に提出した応募者の中から無作為に永住権を与えるというシステムです。
アフリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニア・北米・南米の地域に分け、移民ビザ発給が少ない国に対して発給されています。
当選すると永住権申請を進める権利を獲得でき、永住権を取得することが可能です。
DV抽選の受付は毎年秋から1ヶ月程度と短期間なので、見逃さないように注意しましょう。
まとめ
ハワイで看護師として働くことは、努力すれば叶えることができます。
しかし、病院が少なく競争率の高いハワイで看護師になることは簡単なことではありません。
まずは語学力を高め、NCLEXに合格することを目指すことから始めるべきです。
さらに、働くための準備を着実に行い、夢のハワイで看護師として働きましょう。