コラム

看護師パートの働き方を求人の特徴で解説!年収は扶養内に押さえるべき?

看護師でパートの求人を探すとき、こんな不安がありませんか?

「仕事が見つかるか心配」

「ブランクがあるけど大丈夫…?」

「給料で損していない?」

この記事は、そんな悩みを抱えつつも、パート看護師として働きたい人のためのものです。

具体的には、看護師のパート求人の特徴や扶養についての悩みを解決していきます。

それでは見ていきましょう。

1.看護師のパート求人の特徴

看護師のパート求人の特徴を知ることは、重要です。

なぜなら、特徴を知れば、自分に合った条件の求人が見つけやすくなるから。

さらに、不利な条件で働くブラック求人を避けられるメリットもあります!

看護師のパート求人の特徴を、以下の2つにまとめました。

  1. 求人が常にある
  2. 時間調整が可能

それぞれ見ていきましょう。

特徴1.求人が常にある

看護師のパート求人は常にあり、無くなることがありません。

その理由は、厚生労働省の指針から分かるように、看護業界は常に人手不足の状態が続いているから。

この特徴は求人探しの際にも活用可能です。

例えば、パートを始めたのに、家族の転勤ですぐに辞めなければいけない状況があるかもしれません。

そんなときでも、次の職場が見つけやすくなるでしょう。

多くの条件から比較して選べるメリットもありますね。

看護師のパート求人は常にあるという意識を持つと、有効活用できるでしょう!

特徴2.時間調整が可能

時間調整ができることは、パート看護師の特権ともいえます。

看護師経験があれば、時間ぴったりで帰るパートの人が羨ましいこともあったのでは?

時間調整は、長くするということもできます。

例えば、以下のような働き方の例も。

  • フルタイムだけど非正規雇用
  • 夜勤専従のアルバイト

上記の例は、子育てがひと段落して、本格的に社会復帰したいときに活かせそうです。

正社員で看護師として働くより、フレキシブルな勤務が可能であると覚えておきましょう。

看護師のパート求人の特徴を掴んだところで、次は仕事内容を見ていきます。

2.看護師のパートの仕事内容

パートでも看護師の仕事は変わらない

もしあなたがブランクがあると感じる場合、仕事内容は気にかかる点かもしれません。

結論からいうと、看護師パートの基本の役割は正社員と変わらないです。

理由は、資格を持っている人を募集しているから。

資格が無くてもできる業務は、看護師以外で募集をかけます。

久しぶりの業務が不安な場合、ブランクOKの求人を探してもいいかもしれません

昔どんな仕事をやっていたか、思い出してみることも効果的ですよ。

仕事内容は求人によっても変わる

 仕事内容は、求人によっても変わります

一概に看護師といっても、色んな業務がありますよね?

求人の書き方も様々。

看護師業務全般と大雑把に書いてあり、詳しい内容が分からないこともあります。

詳しい内容が知りたい場合の解決策は、応募・問い合わせしてみることです。

求人からは読み取れないことは、沢山あります。

電話や面接で詳しく聞くことで、安心して働くことができるでしょう。

また、仕事内容は、勤務施設によっても変わります。

次はパート看護師の職場を確認してみましょう。

3.看護師がパートで働ける職場

看護師がパートで働ける場所

看護師パートで働く場合、どのような職場があるのでしょうか。

基本的には、看護師が正社員として働く職場をイメージしましょう。

例えば、以下のような職場です。

  • 病院
  • クリニック
  • 保育施設
  • 福祉施設
  • 健診センター

病院やクリニックは始めに思い浮かぶかと思います。

保育・福祉施設や健診センターは、日給の仕事があることも。

職場ごとに変わる仕事内容も想像してみましょう。

職場ごとの仕事内容

職場ごとの仕事内容も、正社員の看護師と大差はないと考えましょう。

病院やクリニックでは、外来対応や診察補助などが思い浮かぶはずです。

保育施設や福祉施設では、簡単な健康管理を含め、その施設の職員として働くことになるでしょう。

健診センターでは、採血を中心として、問診や案内をする仕事内容も考えられますね。

どんな職場が働きやすいかは、人によって変わります。

何となく雰囲気が好きで働きやすいということもあるでしょう。

深く悩まず、働いてみたい職場に応募してみるのも、一つの手段

仕事探しの際は、時給も大事なポイントです。

次は、看護師パートの時給相場を見てみましょう!

4.看護師パートの時給相場

看護師のパート時給

自分の時間を削って働くのですから、時給も気になりますよね。

看護師パートの時給では、相場の金額を知ることで、損やトラブルを避けられます。

2019年に日本看護協会が行った調査は、このような結果です。

  • 各病院の時給設定で最も低い平均額 1,396円
  • 各病院の時給設定で最も高い平均額 1,642円

つまり、パート看護師の時給平均は約1,400~1,600円であることが分かります。

この数値は求人を見る際にも役立つでしょう。

1つ注意すべき点は、この金額はあくまで平均であることです。

実際の求人を見ると、これ以上の時給のふり幅があります。

高いからいい、安いから悪いという基準だけでは、職場の良さを見失いかねません。

時給と仕事内容や働きやすさのバランスを見て、働きたいかどうかを考えましょう。

実は看護師の時給は高い!

もしかしたら、看護師以外のパートを考えたこともあるかもしれません。

選択肢は自由ですが、看護師の時給は他の職種に比べると高いことは覚えておきましょう。

2019年に厚生労働省が行った調査では、看護師以外のパートの時給平均が1,147円と分かります。

この金額は、看護師のパート最低平均時給と比較しても約200円以上の差

働く時間が少なくなるパートでは、この数百円の差が後々響くのではないでしょうか。

ここまで見てきて、看護師のパートが効率よく稼げるということが分かりました。

次は、さらに効率良く稼ぐために必要な控除の知識を見ていきます。

5.看護師パートの年収は扶養内に抑えるべき?

パートで働く場合、扶養内という大事なキーワードを聞いたことがあるはずです。

「扶養内だと得!」

「働きすぎて扶養から外れた!」

このようにざっくりと、損得に関わる言葉であることは既に知っているでしょう。

パートで働くときの扶養内とは、配偶者控除と配偶者特別控除の条件に当てはまるか否かということ。

もっと簡単にすると、夫の年収の税金上で、有利な計算ができる状態です。

この控除の条件から外れる場合、俗に夫・妻の扶養から外れるといいます。

言葉の意味を理解したところで、扶養内に入るべきか否かの結論を見てみましょう。

扶養内に抑えるべきか否かの結論

パートの年収を扶養内に抑えるべきか。

これに対する結論は、2つあります。

  1. 手取り額で得するなら扶養内に抑えるべき
  2. 扶養を外れて厚生年金を払う選択肢もある

理由は、どちらも世帯収入で考えたときにお得だからです。

簡単に理解するためには、この認識で十分でしょう。

より具体的に知るためには、年収の壁について理解する必要があります。

続けてみていきましょう。

6.パート看護師の控除の壁

パート看護師の年収の壁

年収の壁という言葉も、既にご存知かもしれません。

年収の壁とは、税負担や保険料の支払いが生まれる収入金額の一定のラインのこと。

なぜこれが大事かというと、働いたのに手取り額で損をすることがあるからです。

パート看護師で注意すべき点は、年収をどの壁で抑えるか。

ここでは、夫の年収が900万 円以下だと仮定し、大きな変化がある3つの年収の壁を解説していきます。

  1. 年収103万の壁
  2. 年収130万の壁
  3. 年収150万の壁

1つずつ見ていきましょう。

(1)年収103万の壁

年収103万円を超えると、世帯収入の手取り額から、以下の2つのマイナスが生まれます。

  1. 所得税
  2. 配偶者・家族手当

重要なポイントなので、それぞれ解説しますね。

1.所得税

1つ目は、所得税のマイナスです。

所得税は、年収が大きくなればなるほど税率も大きくなる累進課税制度。

計算は、年収から103万円の所得を控除した後の金額で行います。

国税庁によると、課税所得額195万円までは税率5%。

例えば、年収104万円の場合、103万円を控除した1万円に税率5%を掛けて計算します。

つまり、この段階での年間の所得税は、10,000×0.05=500円と、微々たるもの。

特に家計には響かないといえます。

この年収の壁で世帯収入に響くのは、次に紹介する配偶者・家族手当です。

2.配偶者・家族手当

年収103万の壁で気にかけるべきは、夫の会社で配偶者手当が受けられなくなる可能性があることです。

厚生労働省の検討事項では、103万円が指標となって配偶者手当が支給されていることが分かります。

例えば、夫の会社から支給されている毎月の配偶者手当が15,000円の場合。

もし、手当が受け取れなくなると単純計算で年間18万円の損です。

手当に関しては、会社によって基準が違うため、詳しく知りたい場合は確認が必要になります。

所得税よりも大きな金額で損をすることになるので、注意しましょう。

次の年収区分を見ていきます。

(2)年収106万・130万円の壁

年収106万・130万円は、社会保険の壁と表すことがあります。

この金額帯で、夫の社会保険上の扶養から抜ける場合があるからです。

年収106万円以上では条件によって、130万円以上では基本的に、夫の社会保険上の扶養から外れます。

扶養から外れると、社会保険料はあなたの年収から天引きの形に。

つまり、手取り額の減少に直結します。

しかし、これ自体は、悪いことばかりではありません。

なぜなら、パート先の社会保険に加入できれば、厚生年金として将来の年金に上乗せできるから。

将来のために今のうちに働いておくといく選択肢もありますね。

念のため、年収106万円で扶養を外れる条件を確認しておきましょう。

年収106万円の壁の条件

扶養を外れる条件です。

以下の条件すべてに当てはまった場合のみ、夫の扶養を抜けて社会保険料を支払う必要があります。

  • パート先の企業の従業員数が500人以上
  • 週のパート勤務時間が20時間以上
  • 月のパート給料が8.8万円以上
  • 学生でない

繰り返しになりますが、年収106万の段階では、上記の条件すべてに当てはまった場合のみ外れると覚えましょう。

従業員数の部分は、パート勤務先に確認する必要があります。

確認するときは、夫の扶養内に抑えたいと伝えれば理解してもらえるはずです。

(3)年収150万円の壁

年収150万円を超えると、これまで夫の所得税と住民税の計算で適用されていた配偶者控除が無くなります

この年収までは、配偶者控除により夫の年収の税金上の計算時に38万円を差し引くことができました。

これが適用されなくなります。

その代わりに適用されるのが、配偶者特別控除です。

配偶者特別控除は、パート年収150万円以上の時点で36万円の控除。

その後も段階的に減っていき、年収が約202万円を超えたとき控除額が無くなります

税金上の仕組みであるため、この計算はなかなか面倒です。

感覚的に理解しやすいように、次の項目で世帯収入の具体例を紹介します。

【表で解説】各年収の壁ごとの世帯収入の具体例

年収の壁ごとの世帯収入の手取り額がどのように変わるのか見てみましょう。

変化がある年収の区分を3点、表にまとめました。

  1. パート年収103万円の場合の世帯年収
  2. パート年収130万円の場合の世帯年収
  3. パート年収202万円の場合の世帯年収

また、今回は世帯例として、このような条件で見ていきます。

  • 東京在住
  • 夫婦ともに40歳以上
  • 夫の年収500万(内ボーナス100万)
  • 16歳以上の子ども1人

それでは、表を見ていきましょう。

(1)パート年収103万円の場合の世帯年収

103万円までは、パートで働いた金額に所得税が発生しません。

稼げば稼いだ分だけ、家計にプラスすることができます。

会社によっては、配偶者手当のボーダーラインの場合も。

手当については、確認するなどの対策が必要です。

内容

夫 年収500万(円)

パート年収103万(円)

所得税

77,200

 

住民税

174,400

9,600

厚生年金

464,820

 

健康保険

296,164

 

雇用保険

15,000

3,090

最終手取り

3,972,416

1,017,310

最終手取り合計額

4,989,726

(2)パート年収130万円の場合の世帯年収

年収130万円から、以下の支払い項目が新たに追加されます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 厚生年金
  • 雇用保険

さらに、年収が増えたことによって住民税も増額。

結果、パートで103万円を稼いだ場合の最終手取り額との差は約6万です。

稼いだ額では27万も違うのに、手取り額で6万円しか変わらないと損をした気もしますね。

しかし、差額の27万円は厚生年金に割り当てられています

夫婦で厚生年金に入っていることから、将来の年金受取額が増えることはメリットといえるでしょう。

内容

夫 年収500万(円)

パート年収130万(円)

所得税

77,200

3,400

住民税

174,400

16,800

厚生年金

464,820

120,780

健康保険

296,164

76,956

雇用保険

15,000

3,900

最終手取り

3,972,416

1078,164

最終手取り合計額

5,050,580

(3)パート年収202万円の場合の世帯年収

配偶者の年収が202万円を超えたところで、夫に適用されていた税金上の控除が無くなります

控除が無いことによって、夫の最終手取りは、約5万円減りました。

ちなみに、配偶者控除は年収が上がるほど効果を発揮します。

例えば、夫の年収が700万円のときに配偶者控除がないと、最終手取りが約10万円の減少です。

最終手取り合計額で見ると、年収130万円時と比べ、約50万円アップ

しかし、年収202万をパートで目指すのは現実的ではありません。

これ以上の金額を稼ぎたい場合は、素直に正社員を目指しましょう

内容

夫 年収500万(円)

パート年収202万(円)

所得税

96,200

27,100

住民税

207,400

64,200

厚生年金

464,820

186,660

健康保険

296,164

118,932

雇用保険

15,000

6,060

最終手取り

3,920,416

1,617,048

最終手取り合計額

5,537,464

まとめ

パート看護師の働き方と収入を詳しくみてきました。

冒頭で述べたように、看護師は不足しています。

そのため社会復帰として、パート看護師は収入とやりがいの両方でメリットがあるといえるでしょう。

収入を目的で働く場合は、扶養の制度にも気を配る必要があります。

年収の壁に該当するか気になったときは、この記事を参考にしていただければ幸いです。

看護師としてパートで働く際には、仕事とプライベート、そして年収のバランスを気にかけてみてくださいね。