看護師

看護師は製薬会社に就職すべき?気になる年収・仕事内容を解説

製薬会社で働く人の声:
勤務歴2年 24歳男性Uさん

ーーまず、製薬会社で働くことになった経緯を教えてください。

看護師を目指して看護学校に通っており、看護師資格も取りました。

また、途中で医療系の企業にも興味を持ち始めたことと、男性として看護師のキャリアイメージが描きづらいという点から、看護師ではなく新卒で製薬会社でMRとして働くことになったんです。

ーー周囲の反応はどうでしたか?

「なんで看護師にならないの?」
とはよく言われましたし、就職活動の面接でも訊かれましたね。でも看護の知識もしっかり活かせますし、後悔はないです。

ーー就職活動はどのようにしていたんでしょうか?

MRは倍率が高くて、大手だと50から100倍くらいあるので、着々と準備を進めていました。実習の合間での就活は大変でしたね。

薬学部出身の子に比べたら薬のことは分からないし、文系大学の子と比べてもビジネスの知識では叶わないと思いましたが、なんとか「看護」を強みに内定をもらうことが出来ました。

もちろん何社か落ちましたが(笑)

ーー実際に働いてみてどうですか?

医薬品や製薬業界に関しては、就職してからも日々勉強です。

大体は医師のスケジュールに合わせて動くので体力が必要な仕事でもあります。話せるとしても大体5分だけなので、簡潔に説明する能力が求められます。

転勤があったり不規則な生活だったりと大変なことも多いですが、やっぱり製薬会社の高い給与は魅力的ですし自分のキャリアがある程度見えているので、これからもしっかり頑張ろうと思っています。

ーー最後に、これから製薬会社で働きたいと思っている方に一言お願いします!

僕は新卒で就職しましたが、看護師として実際に現場経験のある方はとても心強いですし、絶対に重宝されると思います。就職活動は大変だと思いますが、ぜひ一緒に働きましょう!

「看護師から別の仕事に転職したい」

「製薬会社で薬に関する仕事をしてみたい」

看護師としての仕事に不安や不満を感じ、民間の製薬会社で働くことを検討する人は少なくありません

しかし実際看護師から転職して、製薬会社で活躍できるのか悩む人もいるでしょう。

そこでこの記事では、看護師から製薬会社に転職する際の事情や注意点、仕事内容などを解説します。

製薬会社での仕事が気になっている人は、ぜひ読んで自分の理想の働き方を実現してください。

看護師資格を活かすなら
「看護のお仕事」

1.製薬会社では看護師が求められている!

製薬会社において、看護師としてキャリアを積んできた人のニーズは非常に高いです。

その大きな理由は、看護師の多くが医療関係者とのコミュニケーションに慣れており、薬品に関する知識を持っていることにあります。

看護師は基本的な薬の知識について学校で学んでいるだけでなく、医師と連携して必要な薬を他の人に伝える機会も多いです。

看護師から転職するにあたって、本当に製薬会社からの需要はあるのか悩む人も少なくありません。

しかし40代以降など転職が難しい年齢でなければ、看護師としてのキャリアを買われ製薬会社に転職できる可能性は十分あるでしょう。

特にこの後説明する治験コーディネーターの仕事では、臨床現場で培ってきた経験が直に生かされます。

医療現場での経験を持っている転職希望者は多くないので、求人があれば製薬会社で看護師としてのキャリアを活かせるチャンスは大きいでしょう。

次は、看護師からの就職・転職におすすめできる製薬会社の仕事について解説します。

看護師としての経験を活かした仕事をお探しの人は、ぜひチェックしてください。

2.看護師からの就職・転職に適した製薬会社の仕事

看護師としての経験を活かして製薬会社に転職するには、臨床現場での経験や医療知識が活かせる仕事を志望するのがおすすめです。

製薬会社の中で、看護師の能力を活用できるのは以下のような仕事になります。

  1. 治験コーディネーター
  2. DI(ドラッグインフォメーション)
  3. MR

ここからはそれぞれの仕事内容と、看護師の経験を活かせるポイントを解説します。

製薬会社に行きたいけれど、どんな仕事を目指せばよいか分からない、という人はぜひ参考にしてください。

仕事1.治験コーディネーター

治験コーディネーターは、治験を行う医師と患者さんを臨床面でサポートして順調な治験を実現します。

そのため、製薬会社で看護師としての臨床経験を最も活かしやすいのが、治験コーディネーターの仕事と言えるでしょう。

治験コーディネーターは、医師の指示を受けながら治験業務全体のフロー作成、治験内容の説明や患者さんのケアを行います。

医師のサポートを行いながら患者さんとも接する、という点では、治験コーディネーターの仕事は看護師のものと特に似ているでしょう。

そのため、治験コーディネーターとして看護師を求める製薬会社は多いです。

仕事2.DI(ドラッグインフォメーション)

DI(ドラッグインフォメーション)とは、医薬品の情報を管理したり、正しく伝えたりする仕事のことです。

薬剤師が就くこともありますが、医薬品の知識を持っている看護師がDI業務を担当することも少なくありません。

DI業務の担当になれば、既存の薬に関する情報だけでなく、新薬開発に繋がりそうな情報を適切に把握し、管理する必要があります。

また、病院などで働く医療関係者から医薬品に関する質問を受け付けたりするのも仕事の一つです。

医薬品に関する正しく深い知識を持っておかなければいけないので、医薬品に関して興味がある人でなければ難しいでしょう。

仕事3.MR

MRは、医薬品の営業係とも言える存在です。

具体的には、製薬会社が取り扱う医薬品の有効性や特徴を説明し、医師や薬剤師など医療関係者に売り込む仕事を行います。

薬の知識だけでなくコミュニケーション能力も必須なので、人と話すことが苦にならない看護師さんにおすすめです。

また、MRは実際に自社の薬を使っている医師などから直接意見を聞き、製品開発部などにフィードバックする役割も担います。

製薬会社の売上の要とも言えるMRとして求められているのは、医薬品について詳しく医療関係者とのやり取りに慣れている人材です。

看護師として医師や薬剤師とコミュニケーションを取っていた看護師は、MRに最適な人材だと言えるでしょう。

以上が、看護師からの転職・就職でおすすめな製薬会社の仕事でした。

次は、製薬会社で働く人の年収について解説していきます。

やはり収入面が気になる、という人はぜひチェックしてください。

3.製薬会社で働く人の年収はいくら?

製薬業界全体でみると、正確な平均年収は不明です。

しかし各企業が出している有価証券報告書を見ると、会社全体の平均年収が1,000万円を超える企業は10社近くあります

そのため、大手製薬会社や、成長中のベンチャー企業ならかなりの収入が期待できると考えられるでしょう。

一方、看護師の平均年収は約481万円(厚生労働省調べ・平成28年度)となっており、製薬業界のトップ企業と比べ低めです。

もちろん良い条件で転職することが前提ですが、看護師から製薬会社にキャリアチャンジすれば収入アップのチャンスは大きいでしょう。

また、製薬会社には夜勤がほとんどないため、年収はほぼ変わらないが生活が楽になったという意見も多いです。

夜勤なしの安定した環境でより良い収入を得たい人なら、製薬会社への転職が適していると言えます。

しかし、給与面で魅力的だからといってすぐに製薬会社への転職を考えるのは危険です。

次は、看護師から製薬会社に転職する際、注意すべきポイントを解説するのでぜひ読んでみてください。

4.看護師から製薬会社に転職するときの注意点

病院や診療所と民間の企業では、働く環境も転職の方法も異なります。

そのため、製薬会社への転職後に「想像していた環境と違った」と悩む人も少なくありません。

看護師から製薬会社に転職する際、頭に入れておきたい注意点は以下の通りです。

  1. 転職は時期を意識する必要がある
  2. 薬に関する勉強は続けなければいけない
  3. 英語力が必要なケースもある

それぞれの注意点をしっかり見ていきましょう。

注意点1.転職は時期を意識する必要がある

転職の場合、求人の多い時期と少ない時期がありタイミングによっては転職活動が難しくなるので注意が必要です。

具体的には、製薬会社を始め転職市場で求人が多いのは3〜4月、もしくは9〜10月とされています。

その理由は、多くの会社で年度の切り替わりや人事異動が行われる時期だからです。

また、ボーナスを貰って退職しようと考える人が多くなり、欠員が出やすい7月、1月くらいも転職活動の時期としてはおすすめになります。

転職活動にかかる時間は、人にもよりますが3ヶ月〜半年程度です。

ちょうど求人が多くなる時期に活動ができるよう、今の現場の状況なども見ながら判断する必要があるでしょう。

注意点2.薬に関する勉強は続けなければいけない

製薬会社に転職した後も、薬に関する勉強は続けなければならないので楽に働けるわけではありません。

MRの場合は特に勉強が必要で、会社の薬を把握するほか、学会などに出席し学びを深めなければいけないケースもあります

薬に興味がない場合はこの勉強をかなりの苦痛に感じることも少なくありません。

製薬会社ならのんびり働ける、という理由で目指すのは避けた方が良いでしょう。

注意点3.英語力が必要なケースもある

薬の中には、海外で生産され説明書が英語で書かれているものも多いため、製薬会社で働くには英語力もある程度必要になります。

また、製薬会社の中には海外進出している企業も多くあるため、英会話の力が求められるシーンも少なくありません

英語力は全ての企業で必要、というものではありませんが平均収入の高い会社を目指すなら持っておくべきでしょう。

以上が、製薬会社への就職・転職の注意点でした。

製薬会社に入ったからと言って、今より楽に高い収入が得られるとは限りません。

楽観視せず、会社が行う説明会などに参加して製薬会社が本当に自分に合っているのか考える必要があるでしょう。

次は、看護師から製薬会社に就職するのが向いている人について解説します。

本当に製薬会社にキャリアチェンジしても良いのか、悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

5.看護師から製薬会社に就職するのが向いている人

看護師から製薬会社を目指す人は少なくありませんが、入社後のギャップに苦しむ人もいます。

そのため、自分が製薬会社に就職するのに向いているのか事前にしっかり考えておく必要があるでしょう。

看護師から製薬会社への転職が向いているのは、以下のような人です。

  1. 不規則な生活に慣れない人
  2. 薬に関する勉強が好きな人

それぞれの特徴について見ていきましょう。

5−1.不規則な生活に慣れない人

看護師の不規則な勤務体系が合わないと感じる人は、製薬会社への転職を検討すべきでしょう。

夜勤や突然の出勤がある看護師とは異なり、製薬会社の勤務体系は安定しています。

もちろん残業もありますが、夜中に働くケースは非常に少ないので、看護師の不規則な勤務体系がどうしても慣れない人にとっては良いでしょう。

製薬会社は朝出勤して昼間〜夕方にかけて仕事を行い、必要なら適宜残業をする勤務体系です。

そのため、生活がある程度規則的になり精神的な疲労も軽くなるでしょう。

どれだけ使命感があっても、毎日不規則な生活をして心身ともに疲れた状態では働くこと自体が難しくなってしまいます

医療に関わりたいという気持ちはあるけれど看護師の働き方を続けるのは難しい、という人は製薬会社など民間企業への転職を検討してみてください。

5−2.薬に関する勉強が好きな人

数ある就職先の中でも製薬会社では薬について学べる機会が多いため、薬に関して興味を持っている人に向いています。

製薬会社で勤務をしていると、その会社に置いてある薬だけでなく新薬の情報なども積極的に勉強しなければいけません。

薬に興味がなければ勉強が苦痛になることも多いですが、薬学が好きな人であれば勉強も苦にならず興味を仕事に活かせるでしょう。

以上が、製薬会社への転職が向いている人でした。

看護師の仕事を続けるのは難しいけれど医療に関わりたい、薬についてもっと学びたい、という人は製薬会社の求人をチェックしてみてください。

一方で、単に高収入だから、今の職場が嫌だから、という理由で製薬会社に行くのは危険です。

次は製薬会社への転職についてもう一度考えるべき人を解説していくので、ぜひ参考にしてください。

6.製薬会社への就職が向いていない人とは

夜勤なし、高収入の製薬会社に魅力を感じる人は少なくありませんが、単に今の職場に不満がある、という理由だけの人がすぐ転職を決めるのは危険です。

今の職場がハードすぎる、人間関係に不満がある、などの理由だけなら別の病院に転職することでも解決します。

転職後も新しく仕事を覚えたり、薬に関する勉強をしたりするのは相当な負担です。

特にMRを目指す場合、これまで以上に医療関係者とコミュニケーションを取る必要があるため人付き合いが苦手な人にとってかなりハードな仕事になり得ます

そのため、看護師というキャリアを途中で変えてでも製薬会社に行きたい、という気持ちがないと新たなキャリアを積んでいくのは難しいです。

製薬会社への転職を決める前に、自分のやりたいことや仕事に求めることを明確にしておきましょう。

まとめ

看護師の経験や資格を活かし、製薬会社で働く人は少なくありません。

製薬会社は看護師と異なり夜勤も無く、ある程度安定した収入が得られるので今の仕事にストレスを抱えている人におすすめです。

製薬会社を目指すなら、まずは転職サイトを見たり、転職エージェントに相談したりして対策を立てていきましょう。

看護師資格を活かすなら
「看護のお仕事」