「入ったばっかりだけど仕事に不満がある」
「想像していた働き方と違って毎日つらい」
このような悩みを抱え、仕事を辞めたいと考えている新人看護師は少なくありません。
しかし、悩みを分析せず転職してしまうと、仕事に何を求めているか分からずまた同じことで悩みを抱えてしまいがちです。
そこでこの記事では、新人看護師が仕事をやめたくなる原因と解決法を解説していきます。
新人で転職する際のポイントも解説するので、この記事を読んで辞めたい気持ちをすっきりさせましょう。
目次
1.仕事を辞めたい新人看護師は少なくない!
今の仕事を辞めたい、と感じている新人看護師は少なくありません。
2017年日本看護協会が発表したデータによると、新人看護師の離職率は7.8%となっています。
10人に1人弱が辞めている計算なので、新人看護師の離職はそう珍しいことではありません。
せっかく看護師として働き始めたのにもったいない、と言われることも多いですが、新人看護師は想像以上に仕事に悩みを抱えやすい立場です。
先輩との関係性に悩んだり、想像と違った仕事内容に苦しんだりと、退職を決める理由はたくさんあるでしょう。
また、看護師の仕事が予想よりもハードすぎるという理由で、もっと環境の良い職場を探す人もいます。
仕事を辞めたいと感じている新人看護師は、想像よりも多いはずです。
今の自分をネガティブに捉えず、そのまま受け入れて解決方法を考えていきましょう。
次は、新人看護師が仕事を辞めたいと感じる理由を紹介します。
自分がどうして悩んでいるのか知った上で、転職が必要かどうか判断してください。
2.新人看護師が仕事を辞めたくなる理由5つ
新人看護師が仕事を辞めたいと感じる主な理由は、以下の5つです。
- 業務内容が想像と違った
- 業務がハードすぎる
- 十分な教育をしてもらえない
- 残業代や手当がつかない
- 職場の人間関係が悪い
職場の環境が自分に合わない状況だと、前向きに働くのが難しくなります。
まずは自分が何に悩んでいるのか知り、対処法を考えていきましょう。
理由1.業務内容が想像と違った
理想の仕事と実際の業務が大きく違っていると、目標とのギャップから大きなストレスを感じます。
新人看護師のうちは自分で看護の方針を決めることができず、不本意ながら先輩看護師に従わなければいけないことも多いでしょう。
例えば、退院まで患者のケアをしたいと考えているのに、途中で担当を変えさせられるといった事例です。
理想とする働き方が明確に決まっている新人看護師ほど、理想と現実とのギャップに苦しみやすいです。
自分のやりたい看護と病院の方針が全く異なる場合、不満がなかなか解消されず仕事を辞めたいという気持ちにつながってしまいます。
理由2.業務がハードすぎる
看護師としての仕事がハードすぎるという理由で、退職を検討する人は少なくありません。
看護師は、命を扱うという責任の重さを感じながら日夜問わず働いています。
特に緊急の患者を受け入れる病院などでは常に緊張を強いられるので、仕事でのストレスは大きくなってしまいます。
また、いつ急変が起こるか分からないという不安が常にあるので、慣れている清拭やバイタル測定でも常にストレスは感じているでしょう。
看護師が厳しい仕事だと覚悟はしていても、やはり実際にハードな環境で働いてみると心身ともに疲弊してしまうことは多いです。
これからも毎日ハードな仕事を続けなければいけないのか、と思い、ネガティブな気持ちから退職を考える人もいるでしょう。
理由3.十分な教育をしてもらえない
職場で十分な教育をしてもらえない環境だと、今後のキャリアや仕事に不安を感じ転職したいと考えてしまいがちです。
入った職場が忙しすぎると、新人看護師であるにも関わらず満足に教育を受けさせてもらえないことがあります。
いずれ仕事を教えてもらえれば良いですが、そのまま時間だけが過ぎ、どんどん仕事について行けなくなる人も多いです。
教えてもらっていないにも関わらず、「どうしてこんなこともできないの」と怒られる理不尽な日々が続けば、不満を感じるのも自然なことでしょう。
教育が不十分な環境ではいくら努力をしても成果が出にくいため、仕事を辞めたいという気持ちに繋がります。
理由4.残業代や手当がつかない
毎日頑張って働いているのに、残業代や手当が出ない環境ではモチベーションが保てず辞めたい気持ちが大きくなります。
本来、残業代や手当は働いた分しっかり支払われるのが当然です。
しかし、病院によっては給与や手当の管理体制が不十分で、正当にお金が支払われないこともあります。
職場の先輩や同僚も、ブラックな職場だと分かった上で務め続けている可能性もあるでしょう。
責任の重い仕事を毎日こなしているのに、お給料を満足にもらえない状況では不満を感じる看護師は多いはずです。
ですが上司に改善を求めても、新人だからという理由で聞いてもらえないことも少なくありません。
なかなか労働環境が良くならない状況だと、しっかり給料がもらえる職場に転職すべきかも、と考えるようになるのです。
理由5.職場の人間関係が悪い
職場の人間関係がうまく行かないと、仕事にやりがいを感じていても職場に行くのが辛くなってしまいます。
看護師や医師の中には色々な人がいるので、どうしても気が合わず嫌がらせをされたり、悪口を言われることもあるでしょう。
酷いケースだと、ロッカーに保管していた持ち物や書類を隠されるような陰湿な嫌がらせもあります。
仕事について聞いても無視されたり、仕事の邪魔をされたりすれば、担当の仕事もうまくこなせない日々が続くでしょう。
フォローが必要な新人看護師の立場で、毎日嫌がらせを受けるのは大きなストレスです。
人間関係の悩みから、職場を辞めたいと考える人は少なくありません。
以上が、新人看護師が仕事を辞めたいと感じる理由でした。
職場の環境が自分に合わない状況で、毎日働き続けるのは非常に大変なことです。
職場に行くのが嫌で、今すぐに辞めてしまいたいと感じている人もいるでしょう。
しかし、辞めたい原因の中には自力で解決できるものがあるかもしれません。
次は、辞めたい気持ちに対処する方法を解説していきます。
職場にストレスを感じている人は、ぜひ参考にしてください。
3.看護師を辞めたい!辛い気持ちに対処する方法
看護師を今すぐに辞めたい、と感じていても、周りの人に相談したり、休みを取ったりすることで気持ちが前向きになることもあります。
毎日の仕事が苦しいという状況に対処できるおすすめの方法は、以下の3つです。
- 信頼できる人に相談する
- 先輩や上司に待遇改善を求める
- なるべく休暇を作る
まずは気持ちを落ち着かせる方法を探し、本当に今の職場を辞めたいのか考えてみましょう。
方法1.信頼できる人に相談する
今の仕事に対する不満や辞めたい気持ちを信頼できる人に吐き出すことで、心の中が整理され前向きになれることもあります。
自分一人でもやもやした気持ちを抱えていると、どんどん思考がネガティブになり「もう職場を辞めるしかない!」と考えてしまいがちです。
しかし、他の誰かに相談して冷静になれば、今の仕事の悪くない所も見えてくるでしょう。
転職すべきかどうか一人で判断する前に、家族や友達、信頼できる先輩や同期に自分の気持ちを話してみてください。
方法2.先輩や上司に待遇改善を求める
残業代が出ない、休みが取れないなど職場の環境が悪い場合、先輩や上司に待遇を改善してもらえないか相談しましょう。
どれだけ仕事にやりがいを感じていても、心身ともに疲弊する働き方では仕事を続けるのが難しいです。
仕事が多くこなすのが難しい場合、先輩に相談して仕事の割り振りを見直してもらいましょう。
また、給与や休暇については、看護主任や看護師長、看護部長に相談してください。
それでも改善されない場合は、転職を検討しても良いでしょう。
方法3.なるべく休暇を作る
心身ともに疲労しているときは、なるべく休みを取り気持ちを落ち着けることが大切です。
職場がハードで休む暇もなく働いていると、仕事のやりがいに目を向ける余裕がなくなってしまいます。
他の人のシフトや仕事状況を見ながらなるべく早い段階で休みを申請し、睡眠と食事をしっかり取ってみてください。
身体の疲れが取れれば、精神的にも安定し前向きな気持ちを取り戻せるでしょう。
以上が、職場を辞めたい気持ちへの対処法でした。
今の仕事を辞めたい、という気持ちは体と心の疲労から来ている可能性が高いです。
まずはしっかりと休みを取り、冷静に自分の働く環境を見つめ直してください。
もし、ここまで紹介した改善策を試しても仕事を辞めたい場合、転職を検討してみても良いでしょう。
職場環境が悪い場合、一人で改善するのは難しいです。
どうしても続けられない、というときは転職に向け情報収集を始めてください。
次は、新人看護師を取り巻く転職事情について解説していきます。
4.新人看護師でも転職は不可能ではない
新人看護師でも転職はできますが、やはり転職先が決まりにくいことも多いです。
看護師としての経験が1年未満の状態では、経験やスキルが評価されることはほとんどありません。
また、前の職場をすぐに辞めてしまったことからネガティブなイメージを持たれることも考えられます。
転職活動を有利に進めるためには、今の職場で3年以上の経験を積んだほうが良いでしょう。
しかし、看護師不足に悩む職場は多いので、求人がまったくない訳ではありません。
まだ若く体力がある新人看護師なら、心機一転新しい職場で再び研修を受け、活躍することもできるでしょう。
ただし、転職先がゼロでないからと言って今の職場をすぐに辞めるのはNGです。
転職活動が長引く可能性もあるため、今の仕事を続つつ新しい職場を探しましょう。
次は、新人看護師が転職活動をなるべくスムーズに進めるためのポイントを解説します。
不利になりがちな新人での転職を成功させるため、ぜひ参考にしてください。
5.新人看護師が転職活動をする際のポイントとは?
今の職場を一刻も早く辞めたいという気持ちから、転職先選びに焦ってしまう新人看護師は少なくありません。
しかし、早く次の職場を決めることだけを目標にすると、準備不足でなかなか転職先が決まらないこともあります。
新人看護師が転職に成功するポイントは、以下の通りです。
- 転職エージェントに相談する
- 求人が多い時期に活動する
- 前向きな言葉で話す
それぞれのポイントを、事前にしっかりチェックして十分な準備をしておきましょう。
ポイント1.転職エージェントに相談する
転職をすると決めたら、まずは転職エージェントに相談して第三者からのアドバイスを聞くことが大切です。
看護師の転職事情に詳しい転職エージェントに相談することで、求人の選び方や面接の対策法などを教えてもらえます。
また、サービスによってはあなたに合った求人を選んでもらえるので、転職先選びで失敗したくないという人におすすめです。
新人看護師の多くはまだ経験が少なく、どんな基準で転職先を選べばよいか分からないことも多いでしょう。
自分一人で判断するのではなく、転職エージェントの力を借り自分に合った職場を見つけてください。
ポイント2.求人が多い時期に活動する
転職で不利になりやすい新人看護師は、求人が少しでも多い時期に活動し採用のチャンスを高めるべきです。
看護師の求人が多く出ているのは、ボーナスを受け取った後退職する人の多い6月や12月、または新年度に向けて求人が増加する11月、1月です。
転職活動は平均で1〜6ヶ月かかるので、ちょうど求人が多い時期に活動できるよう、早めに準備を始めましょう。
求人の多い11月〜1月ごろに転職活動をしたい場合、9月か10月頃から情報収集をしておくのがおすすめです。
ポイント3.前向きな言葉で話す
採用面接に臨む際は、前の職場の悪口は言わず前向きに将来のビジョンを話しましょう。
職場に不満を感じ転職する人は多いですが、採用面接で前の職場の悪いところばかり話しても面接官からの心象が悪くなるだけです。
前の職場を辞めた理由について、
「前の職場は非常に忙しく、患者さんとのコミュニケーションが取りにくかった」
「もともと別の診療科を希望していたが、職場の規模が小さく転属の希望が叶わなかった」
など相手に納得してもらえるよう話しましょう。
また、転職した後どのように活躍したいか、明るく具体的に話すことも大切です。
前向きなイメージを持って転職を決意したと伝われば、短期間で職場を辞めたことにネガティブな印象を持たれにくくなります。
まとめ
新人看護師で仕事を辞めてしまうと、転職時にも不利になりかねません。
そのため、できれば3年間は今の職場で経験を積んでから転職を検討したほうが良いでしょう。
しかし、どうしても耐えられない事情があるなら前向きに転職活動を始めてください。
新人の転職には、看護師の転職事情に詳しい転職エージェントが不可欠です。
転職エージェントにいくつか登録して、信頼できるアドバイザーを見つけましょう。