履歴書を書くのは、なかなか難しいものです。
特に自己PR艶色は、自分のことを客観的に見て書く必要があるため、悩む人が多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師が転職する際に自己PRに書くべき内容や、準備として必要なこと、構成、注意点などを詳しく解説します。
本記事を読めば、自分自身をしっかりアピールして、好印象を持たれる自己PRの書き方が分かるでしょう。
例文も挙げているので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.看護師の自己PRに書く内容とは
まずは、看護師の自己PRに書くべき内容についてお話します。
自己PRには、下記2点について書きましょう。
- 性格の長所や強み
- 経験やスキル
なぜ、上記のような内容を書くのでしょうか?
それは、志望先が知りたいのはあなたの長所や経験だからです。
長所や経験とは、例えば協調性のある性格や、慢性期病棟で看護してきた経験といった内容になります。
さらに、その長所や経験を入職後にどんな風に活かしたいのかを、アピールしましょう。
以上が看護師の事故PRに書くべき内容についてでした。
さて次は、看護師の自己PRを作成するために、必要な準備についてお話します。
2.看護師の自己PR作成の準備4つ
前項では、自己PRに書く内容を簡単に説明しました。
次に、自己PRを作成する前の準備について見ていきましょう。
準備に必要なのは下の4つです。
- 志望先の理念や求める人材を調べる
- 長所や強みを書き出す
- 経験を書き出す
- エピソードを書き出す
では、1つひとつ見ていきましょう。
準備1.志望先の理念や求める人材を調べる
志望先の理念や、どんな人材を求めているのか調べましょう。
自己PRの内容が、志望先の求める人材からずれないようにするためです。
例えば、急性期病棟の看護師を求めているのに、「ゆっくりと患者さんに向き合うのが得意です」とアピールするのは、ずれていると言えます。
志望先がどんな人材を求めているかを調べて、ずれのない自己PRを作成することが大切です。
準備2.長所や強みを書き出す
次に、自分の長所や強みを紙に書き出してみましょう。
ふだん意識していない、自分自身の長所に気づくためです。
自分の長所を考えることは少ないため、意外と思いつかない人も多いのではないでしょうか。
例えば以下のようなことを長所として書きます。
- 協調性
- コミュニケーション力
- 責任感
- 根気
- 慎重さ
- スピード
- 体力
わからなかったら、家族や友達に聞いてみるのも良いですね。
自分では気づかなかった長所が見えてくるかも知れません。
準備3.経験を書き出す
次に、これまでの看護師としての経験を書き出しましょう。
改めて書き出すことで、自分自身の経験が整理できるからです。
- 急性期看護
- 慢性期看護
- クリニック
- 内科
- 整形外科
- 産婦人科
- 有料老人ホーム
- デイサービス
など、どんな施設や病院で勤務してきたでしょうか。
また、勤務した病院や施設では、どのような経験を積んできましたか。
例えば「循環器外科に2年在籍→急性期の患者さんのアセスメント」という風に、自分だけにわかる形で構いません。
どの経験が今の自分にとって重要なものとなっているのか、考えながら書いてみましょう。
準備4.エピソードを書き出す
これまでの看護師としての勤務経験の中では、様々なエピソードがあったはずです。
あなたの心に残っているエピソードを、紙に書き出してみてください。
エピソードを思い返すことで、個々のエピソードがどのように、あなたのスキルを高めていったのかが見えてくるでしょう。
例えば「慢性期病棟では、患者さんの話を丁寧に聞き取ることで、コミュニケーション力がついた」のように書きます。
文章が多少おかしくても自分にだけ分かれば良いので、気にせず書いてみてくださいね。
以上が、看護師の自己PRを作成する前に必要な準備になります。
では、看護師の自己PRはどのような構成で書けば良いのでしょうか?
3.看護師の自己PRの構成3つ
ここまで、看護師の自己PRを作成する準備についてお話しました。
次に、自己PRの構成についてお話しましょう。
自己PRは以下3つの構成で書きます。
- 結論
- エピソード
- 締め
では、順に見ていきましょう。
(1)結論
最初に結論として、アピールポイントである長所や強み、これまでの経験を書きます。
志望先が最も知りたいアピールポイントを先に書くことで、注目して読んでもらえるからです。
アピールポイントの書き方としては、単に「責任感があります」と書くのでは具体性に欠けます。
例えば「責任感の強い性格なので、任された仕事や役割は必ず最後までやり遂げてきました」というように、具体的に表現しましょう。
まずはしっかりと長所をアピールすることで、興味を持って読み進めてもらえます。
(2)エピソード
次に、長所や強みにつながったエピソードを簡潔に述べましょう。
ただ長所をアピールするだけでは、説得力に欠けるからです。
例えば、協調性をアピールするなら下のような書き方をします。
「前職では5人のチームリーダーとして、常に周りの状況を見ながら、必要なメンバーに適切なサポートを行ってきました」
「看護師がチームワークを大切にすることで、患者さんへのより良いケアや、働きやすい職場環境につながると考えています」
このように、自分の長所や強みにつながるエピソードを書くことで、説得力のある内容になるでしょう。
(3)締め
最後に、締めになる言葉を入れましょう。
締めが必要なのは、以下2つを伝えるためです。
- 長所や経験を志望先でどのように生かせるのか
- 転職への意欲
この2つを伝えるために、例えば下のように書きましょう。
「私の長所であるコミュニケーション力を御社の業務に活かし『患者様の心に寄り添う』という理念に沿った看護ができるよう、精いっぱい努力してまいります」
「これまでの看護経験でつちかった『患者さんとじっくり向き合う姿勢』を貴院の慢性病棟での看護に役立て、一戦力として邁進したいです」
長所や経験をどのように入職後の仕事に活かしたいか、意欲的で前向きな言葉で締めくくります。
ここまでが看護師の自己PRの構成の仕方でした。
次に、看護師の自己PRを作成する上での注意点を紹介します。
4.看護師の自己PR作成の注意点4つ
看護師の自己PRの構成について、ご理解いただけたでしょうか。
それでは次に、自己PR作成の注意点をお話します。
注意点は以下の4つです。
- 志望先の求める人材からずれない
- 志望動機と混同しない
- ネガティブなことは書かない
- エピソードは簡潔に
それでは、順に解説します。
注意点1.志望先の求める人材からずれない
注意点としてまず挙げられるのは、志望先の求める人材からずれないことです。
求めている人材と異なっていたら、企業としては採用する意味がありません。
例えば、志望先が慢性期の看護を求めているのなら、慢性期看護にふさわしい自己PRにする必要があります。
急性期の患者をスピーディに対応した経験を書くのは、ずれていますね。
志望先の求めている人材をしっかり調べて、ずれのない自己PRを作成しましょう。
注意点2.志望動機と混同しない
次の注意点として、志望動機と自己PRを混同しないということがあります。
自己PRと志望動機は、いずれも企業に採用されるために書くアピール文です。
しかし、内容は以下のように異なります。
- 自己PR:自分の長所や経験
- 志望動機:その病院に転職したい理由
例えば、「これまでの看護の経験を、最先端の医療が充実した貴院で活かしたいと思います」は自己PRですね。
しかし、「最先端の医療が充実した貴院で高度な医療を学びたいと思い、応募しました」は志望動機です。
自己PRと志望動機を混同することなく、適切な内容を書きましょう。
注意点3.ネガティブなことは書かない
3つめの注意点として、ネガティブなことは書かないようにしましょう。
性格が暗い人や、仕事に消極的な人を採用したい担当者はいないからです。
例えば、前職を辞めた理由が人間関係のもめごとであったとしても、それをそのまま書くと「協調性に欠けるのでは?」と思われてしまいます。
また、「まだまだ未熟ですが」や「勉強不足ですが」といった否定的な言い方もNGです。
謙虚な人と言うよりも、自信のなさと判断されてしまいます。
自己PRにはネガティブな内容を避け、自分の長所やつちかってきた経験を遠慮なく堂々と語りましょう。
注意点4.エピソードは簡潔に
最後に、自分の長所や強み、経験につながるエピソードは簡潔に書きましょう。
看護師として一生懸命がんばってきたエピソードは、つい力が入って長くなりがちです。
しかし、長くてまとまりのない文章は読みづらく、決して良い印象にはつながりません。
例えば、クリニックと総合病院での2つのエピソードを書くと、どちらが重要なのかポイントがぼやけてしまいますね。
しかし、より印象的な1つのエピソードに絞ることで、内容は濃くわかりやすくなるでしょう。
伝えたいポイントがどこにあるのかを考え、できるだけ簡潔に、要点を絞って書くことが大切です。
以上が看護師の自己PR作成における4つの注意点でした。
ここまでのお話を踏まえて、次は看護師の自己PRの例文を4つ紹介します。
5.看護師の自己PR例文を種類別に紹介
ここまで、看護師の自己PR作成の仕方や注意点をお話しました。
ここからは、看護師の自己PRの例文をアピールポイント別に、2例ずつ紹介します。
- 長所をアピールする自己PR
- 経験をアピールする自己PR
それでは、見ていきましょう。
(1)長所をアピールする自己PR
まずは、自分の長所をアピールする例文を、協調性と責任感に分けて1つずつ紹介します。
例文1.協調性
医療現場で最も大切なものは、チームワークだと思っています。
特に看護師は、医師や薬剤師など様々なスタッフのパイプ役として重要な役割です。
前職では、慢性期病棟のチームリーダーとして、メンバーのまとめ役を担っていました。
受け持ち患者さんの割り振りや新人のサポートを行う中で、看護師として何より大切な協調性を学べたと実感しております。
貴院においてもチームワークを大切に、常に他者のことを考えながら経験を重ねていきたいです。
例文2.責任感
私の長所は責任感が強いところです。
任された仕事は、必ず最後までやり遂げてきました。
前職の整形外科外来では、できるだけ多くの患者さんの状態を把握できるよう、ノートに病状の経過をメモして毎日確認しました。
常に笑顔で患者さんに接するうちに患者さんから信頼され、親しく名前で呼んでいただけるようになったことは、とても良い経験です。
貴院においても任務を積極的にこなし、患者さんから信頼される看護師を目指したいと思っています。
(2)経験をアピールする自己PR
次に、経験をアピールする自己PRの例文を急性期看護とクリニックに分けて、1つずつ紹介します。
例文1.急性期看護
私は循環器外科に、5年の勤務経験があります。
急性期にある患者さんの病状を注意深く観察し、異変があれば素早く医師や看護スタッフに伝達するという任務から、多くのことを学びました。
緊張感の高い環境でしたが、患者さんの全身管理や点滴、人工呼吸など様々なノウハウを身につけたことは貴重な経験です。
貴院においてもこれまでの経験を活かし、スピーディなアセスメントと行動力で貢献していきたいと思います。
例文2.クリニック
私は地元のクリニックに、6年間の勤務経験があります。
患者様にはご高齢の方が多いため、根気強くお話をうかがうコミュニケーション力が身につきました。
また、地元なので日常生活の中でも患者様と会う機会が多く、患者様に寄り添う心を育めたと思います。
貴院は療養型病院だとうかがいました。
これまでにつちかった患者様とのふれあいの経験を活かし、患者様に寄り添える看護師を目指したいと考えています。
以上が自己PRの例文でした。
例文を参考に、ぜひご自身の経験に照らし合わせて、自己PRを書いてみてください。
では次に、看護師の自己PRの書き方に関する、よくある質問を紹介します。
6.【Q&A】看護師の自己PRの書き方に関するよくある質問
ここでは、看護師の自己PRの書き方に関する、よくある質問に答えていきます。
質問は以下の6つです。
- 自己PR文は何文字くらい書けばいいの?
- 文章を書くのは苦手だけどどうすればいい?
- 面接と同じような内容になってもいい?
- 短所は書かなくていいの?
- 看護師の仕事に関係ないことも書いていいの?
- 自慢するみたいで書きにくいけど謙遜した方がいいの?
それでは、順番に見ていきましょう。
Q1 .自己PR文は何文字くらい書けばいいの?
看護師の自己PR文の適切な文字数は、200文字前後になります。
理由は、多くの人が負担なく読み切れる文章の長さが、200文字程度だからです。
また、履歴書の自己PR覧の80%以上は、埋まるように書くことも大切になります。
一見して空白が目立つようでは熱意が無いと判断されてしまいますし、逆に文字がいっぱいに詰め込まれていては読みにくいですよね。
自己PR文は200文字前後の量で、履歴書の自己PR欄が80%以上は埋まるように書きましょう。
Q2 .文章を書くのは苦手だけどどうすればいい?
すでにお話したように、自己PRに書く文章は構成が決まっています。
- 結論
- エピソード
- 締め
以上の順序を守って書けば、それほど苦労なく書けるのではないでしょうか。
もしどうしても難しい場合は、この記事で紹介した例文をもとに、アピールポイントやエピソードを書き換えて調整してみてください。
文章の苦手な人でも、書き上げられるでしょう。
Q3 .面接と同じような内容になってもいい?
履歴書に書く自己PRと面接の内容は、同じになってもかまいません。
むしろ、自己PRの内容と面接時の応答が異なる方が不自然だと言えます。
例えば、自己PRではコミュニケーション力を強みとして書いているのに、面接では責任感を持って職務を全うすることをアピールするのは、一貫性がありません。
自己PRに書く内容は、面接と似た内容になって当然なのです。
ただし、面接時には、自己PRに書いた内容をより深く問われる可能性があります。
例えば、コミュニケーション力を強みとしている人なら「患者さんとのコミュニケーションでは何を一番大切にしていますか?」といった質問がくるかもしれません。
面接に向けては、自己PR文よりも一歩深い内容を想定して、シミュレーションする必要があると言えるでしょう。
Q4 .短所は書かなくていいの?
履歴書の自己PRでは、基本的に短所は書きません。
短所を書くことはアピールにならないからです。
では、自分の長所が思い浮かばず、短所ばかり思いつく場合はどうすれば良いでしょうか?
短所しか思いつかない人は、短所を長所と捉えて書くのがおすすめです。
例えば、自己主張が強い人なら積極的、流されやすい性格なら協調性があるなど、見る角度を変えることで短所は長所になりえます。
履歴書の自己PRには短所は書かず、短所も長所と捉えてアピールしましょう。
Q5 .看護師の仕事に関係ないことも書いていいの?
自己PRでは、看護師の仕事に関係ないことは書かない方が良いでしょう。
なぜなら、志望先の担当者が知りたいのは、あなたの看護師としての力や経験だからです。
例えば「高校・大学では体操の選手としてがんばりました」と書かれていても、それを看護師の仕事にどう活かすのか、いまいちイメージできません。
やはり実際の看護師としての経験を書いた方が、イメージしやすいでしょう。
しかし、初めて看護師を目指す人には、看護師としての経験がありません。
そんな場合は、以下のように過去の経験を看護師に結びつけて書いてみましょう。
「部活で学んだチームワークの大切さを、看護師の仕事に活かしたい」
「子供の頃の入院経験で、看護師さんに優しくしてもらってから、看護師に憧れていた」
過去の経験から、どんな看護師になりたいかという目標につなげて書くと良いですね。
Q6 .自慢するみたいで書きにくいけど謙遜した方がいいの?
自己PRでは、謙遜や遠慮は全く無用だと言えます。
なぜなら、履歴書の自己PRは、あなたがどのように企業内で役に立つのかをアピールするために書くものだからです。
志望先の担当者は、あなたの長所や経験を知りたがっています。
例えば、チームリーダーとして人をまとめることに自信を持っているのに、「非力ながらリーダーとしてやってきました」と書いては、自信なさげに見えるでしょう。
謙遜すると、あなたの長所が伝わりにくくなるのです。
自分の良さをしっかりアピールして、志望先に認めてもらいましょう。
まとめ
この記事では、看護師の自己PRの書き方についてお話しました。
自分の長所を自分で書くのは難しいものです。
特に日本人は謙虚さを美徳としているので、自己アピールは苦手な人が多いと言えます。
しかし、どんな人にも長所はあります。
ましてや、これまで看護師としてがんばってきた人、看護師を目指して努力してきた人には、人に自慢できるほどの十分な経験が身についていることでしょう。
履歴書の自己PRでは、あなたの長所や経験をしっかりとアピールしてください。
そして、新たな職場ではさらなるスキルアップを目指して、がんばってくださいね!