「看護師にとって大変な科はどこか知りたい」
こんな悩みをお持ちでしょうか?
この記事では、看護師が大変と感じる科はどこなのかについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、看護師が大変と感じる科が明確に分かるようになるはずです。
また、大変な科で楽に仕事をするコツや大変な科を避けて転職をするポイントなども話していきます。
今の仕事が大変で、「なんとかしたいな」という悩みを持っている看護師さんも必見です。
目次
1.そもそも看護師にとって大変な科とは?
看護師として働いていて、大変と感じる時ってたくさんありますよね。
例えば、自己学習が多い時や人間関係の面倒臭さを感じる時などいろいろな瞬間があると思います。
そんな看護師の仕事における様々な大変さも大きく分けると、下記の3つに分類できるでしょう。
今の職場の状態や仕事をしている時の気持ちを思い浮かべながら見てみてください。
- 精神的に大変
- 時間的に大変
- 体力的に大変
それぞれの大変さについてもう少し詳しくみていきましょう。
(1)精神的に大変
精神的に大変とは人間関係の問題が多い、業務中の緊張度が高いなどです。
人間関係は科によって違うというより、職場自体の当たりハズレが大きいでしょう。
私は過去に精神科で2つの病院を経験しました。
最初の病院では人間関係の苦労はありませんでしたが、次の病院ではいじめを目撃した経験もあります。
科は同じでも、人間関係の雰囲気はかなり異なります。
しかし、業務中の緊張度は所属する科によるところが大きいのではないでしょうか。
例えば、救命や循環器など患者さんの命の瀬戸際に近い職場は、緊張度が高いと言えます。
逆に、介護施設や療養型の病院などは、それほど緊張度の高い業務は多くありません。
もちろん、人が相手の仕事なのでどこに居ても、急変はあり得るでしょう。
しかし、救命や循環器で手術を受けたばかりの状態と穏やかにADLが低下していく高齢者とでは急変のリスクを考えると明らかに後者の方が確率は低いです。
急変のリスクが高いと、それだけ観察項目も増え緊張感が増します。
精神的に大変とは、言い替えれば緊張の糸が張り詰めている時間が長いということです。
あなたが仕事をしているときの状態はいかがですか?
長い時間、緊急の糸がピンと張り詰めた状態で仕事をしているなと感じるのであれば、
あなたは精神的に大変な場所で仕事をしているといえます。
しかし、仕事の大変さを決めるのは精神的な大変さだけではありません。
次は時間的な大変さについて解説します。
(2)時間的に大変
時間的に大変とは、業務に追われて病棟中を忙しく動いている状態のことです。
1日の担当業務がとても多く、残業は当たり前になっていませんか?
科によっては、緊急の対応があったり、ドクターからの急指示変更もあるでしょう。
しかし、そうした突発的な対応ではなく、通常業務だけで毎日時間が足りないと感じているかどうかです。
あなたの日々の仕事を思い返してみてください。
特に急変があったわけでもなく、いつもと変わらない業務しかないはずなのにいつも残業…という日々を送っていませんか?
もし当てはまるなら、それは時間的に大変な場所に居ると言えます。
おそらく、時間的に大変な職場は科によらずとても多いはずです。
私は今までに2箇所の職場を経験しています。
それぞれ別の科でしたが、やはり両方とも時間的な大変さはありました。
看護師の仕事の大変さの度合いを左右する要因は精神的なものと時間、そしてもう一つ存在します。
それが体力です。
次の見出しでは、体力的な大変さについて少し掘り下げていきます。
(3)体力的に大変
体力的に大変とは、夜勤が多すぎる・大柄な患者さんの移乗が多いなどです。
1日の業務で必要な体力はシフトや関わる患者さんによって大きく変わってきます。
私は特養で働いた際にショート夜勤を経験しました。
21時に出勤して翌朝7時に帰り、その日の夜21時にまた出勤というリズムだったので、体力と身体のリズム的にかなり辛いものでした。
このように夜勤だけで比べても、所属する科や職場によって大変さが増してしまう働き方があります。
そして、それによって消費する体力は異なるものです。
仕事して、疲れて帰って何もできずに寝るだけという生活リズムに陥っていませんか?
これに当てはまるなら、体力的にとても辛い状態といえるでしょう。
ここまで仕事の大変さを左右する3つの要素について、解説しました。
どれか1つもしくは複数の項目について、当てはまるものはありましたか?
看護師の仕事は様々な場所で必要とされるので、大変な科や職場ばかりではありません。
次の見出しでは、大変な科(職場)とそうでない科をそれぞれランキング形式で紹介します。
少しでも、科や職場を変えようかなと考えている場合は参考にしてみてください。
2.大変な科・職場ははどこ?
前の見出しでは看護師の仕事における3つの大変さについて、それぞれ解説しました。
次は精神的、時間的、体力的に大変な科や職場を紹介します。
自分の職場が入っているかを確認したり、次の職場を選ぶときの参考にしてみて下さい。
- 精神的に大変な科
- 時間的に大変な科
- 体力的に大変な科
順番に解説します。
(1)精神的に大変な科
精神的に大変な科は救急外来です。
救急外来はスピードが求められることが多いため、手技のレベルが上がりやすいと言えます。
また的確かつ迅速な判断力も養えるでしょう。
しかし、その一方で患者さんの重症度が高いこともあり、基本的に精神的なストレスは大きいです。
このストレスが原因で科を移りたいという看護師さんも多いのではないでしょうか。
(2)時間的に大変な科
時間的に大変な科は産婦人科や小児科です。
産婦人科は夜間〜明け方にかけて分娩が多いです。
また、小児科は小さい子どもを相手にします。
子どもは自分の体調を言葉で伝えることが難しい場合などがあり、観察項目が多くなりがちです。
夜間の急変や観察項目が多い科は時間的に大変といえる科の代表格でしょう。
夜勤で急変が起きれば明けでの残業はほぼ確定です。
時間的に余裕を持って働きたいと思う人には不向きと言えます。
(3)体力的に大変な科
体力的に大変な科は救急外来です。
精神的に大変な科でも選びましたが、救急はスピード勝負な側面もあります。
そのため、体力的な大変さも同時に感じるでしょう。
また、救急は一旦忙しくなると座っている時間が取りづらいことも多いです。
複数の側面において、体力的に大変といえます。
様々な科の中でも救急は走り回ることが多いです。
そのため、ナースシューズやサンダルを履かず、しっかりしたスニーカーを履いて勤務している人が多いです。
このように診療科によって大変さは大きく異なるといえます。
しかし、大変だからといってすぐに科を異動するなどの対策が取れない場合もあるでしょう。
そこで次は、その大変な状況の中でどのように動いていけば良いのかを解説します。
大変な科の中でも働き方の意識を変えることで、少しでも大変さを和らげられるように工夫していきましょう。
3.大変な科での対処法
現在大変な科に属している場合、どのように過ごせば良いのでしょうか。
少しでも日々の業務での大変さを和らげるために、行うべきことを2つ紹介します。
それは次の2つです。
- 周りを味方につける
- 楽な科に移る
それぞれについて詳しく解説します。
(1)周りを味方につける
その方法とは、周りを味方につけることです。
看護師の業務は、一人では完結しませんよね。
どの職場、どの科においても複数の人が関わる仕事です。
そのため、業務中の負担を減らすには周囲のサポートが必要不可欠といえるでしょう。
例えば、書類や伝達のミスを減らすには複数の人の確認が必要です。
ダブルチェックを行っていても、お互い協力し合おうという雰囲気がなければミスは起こりやすくなってしまいます。
業務の中や休憩中など、できるだけコミュニケーションをとるように心がけてみてください。
それによって、雰囲気が良くなれば連携しやすくなるはずです。
職場の全員とは無理でも、話しやすい人やよく勤務のかぶる人とはこうした関係性を築けるとより業務が円滑になるので、是非トライしてみて下さい。
(2)楽な科に移る
もうひとつの対処法は、楽な科に移ることです。
しかしこれには大きな壁があります。
それは、人間関係の問題です。
周りを味方につけようにも、些細なコミュニケーションすらも取れない職場ではそれも難しいでしょう。
その場合は、思い切って楽な科に転職するのもおすすめです。
前述のように、周りを味方につけようとしてもうまくいかないこともあるはずです。
それならばいっそのこと、職場を変えるという選択肢もあります。
楽な科に移れば業務の負担は軽減されますし、人間関係によるストレスも改善されるでしょう。
とはいえ、「楽な科ってどこなんだろう?」と疑問に思われますよね。
次の見出しでは、楽な科について解説します。
異動・転職を考える際の指標として、ぜひ見てみて下さい。
4.楽な科はどこ?
大変な科と同じく精神的、時間的、体力的にわけて、それぞれ楽な科を紹介します。
大変な科でどうにも対処できなくなった場合はそこで頑張りすぎず、以下で紹介する科に移ることも考えてみてください。
- 精神的に楽な科
- 時間的に楽な科
- 体力的に楽な科
順番に解説します。
(1)精神的に楽な科
精神的に楽な科は耳鼻科・皮膚科がおすすめです。
緊急性はそれほど高くなく、緊急対応があっても命に直結しづらいという共通点があります。
やはり精神的に疲れる場面の多くは命に直接関わるときです。
その場面を避ければ、自ずと精神的な負担は減らせるでしょう。
また、クリニックとして多く存在する科であるのもポイントです。
入院や手術の設備がきっちり整っていなくとも、問題なく業務が行えることを意味します。
(2)時間的に楽な科
時間的に楽な科は、献血センター・介護施設、眼科がおすすめです。
業務の量は少なく、残業が発生しづらい職場を選びました。
急変なども少なく、極端な激務にはなりにくい職場です。
介護施設では夜勤がある場合もありますが、比較的落ち着いていることが多いでしょう。
そのため、夜勤明けの残業も発生しにくいです。
全体的に残業が少ないため、ライフワークバランスの取りやすい職場といえます。
プライベートとの両立の観点から職場を見直したい人にも向いているでしょう。
(3)体力的に楽な科
体力的に楽な科はデイサービス、献血・検診センター、眼科がおすすめです。
夜勤が発生しない職場を選びました。
デイサービスや献血・検診センターは24時間体制ではないので夜勤もありませんし、変則勤務でもありません。
どの職員も決まった時間に出勤して、決まった時間に退勤できる職場です。
そのため、規則的な生活リズムになり体の負担も減らせるでしょう。
眼科に関しては、クリニックを選ぶのがポイントです。
大学病院など大きな病院では夜勤などが発生してしまうので注意しましょう。
楽な科について解説してきましたが、科を移る際は、注意点があります。
その点を次で解説しますのでぜひ参考にしてください。
5.科を移るときの注意点
今まで経験してこなかった科に移るときは、事前の自己学習が大切です。
新たに必要な知識・復習すべき科目について、よくリサーチしておきましょう。
どれだけ経験年数が長くても、科が変わると必要な知識も変わってきます。
また、科によって雰囲気も違うでしょう。
科を移ると決めたら、その科にいる知人を頼るのがベストです。
もしいなければ転職の際の面接で、働き始めるまでに学習すべきポイントについて確認しておきましょう。
転職を考える際は科だけでなく働き方・働く場所自体を見直すのもアリです。
病棟だけが看護師の活躍の場ではありません。
次の見出しは、病棟以外の看護師が働ける職場を解説します。
転職に動き出す前に、一度目を通してみてください。
6.科だけではなく場所を見直す
大変な科を避けたい・働く環境を見直したいと考えるとき、科を異動することだけが選択肢ではありません。
看護師の仕事ができる場は病院以外にもあります。
例えば、介護施設や訪問看護ステーション、コールセンターなどです。
もし、「病棟勤務自体が大変かも…」と考えているのであれば、このあたりの選択肢も考えてみる価値はあるのではないでしょうか。
以下に病院以外の看護師の職場と簡単な業務内容をまとめました。
また、今回はその中でも介護施設を例に1日の業務の流れを詳しく紹介します。
より良い転職の材料の一つになれば幸いです。
病院以外の看護師の職場7選
病院以外の職場の代表的なものを7つ紹介します。
日勤帯のみの仕事や単発での仕事もあり、働き方を見直したい人におすすめです。
職場により、大変さに多少の差はあります。
しかし病棟勤務のときの緊張感からは解放される働き方である場合が多いです。
各職場の大変さを5段階で示しているのでそちらも参考にしてください。
職場 | 仕事内容 |
介護施設(特養、老健、デイサービス等) | 入居者の健康管理。(配薬、排泄、栄養管理、病院受診の付き添い、往診の補助) 大変さ:★★★☆☆ 職場による差が大きいが、急変等が無ければ、薬や排泄の管理、褥瘡など皮膚トラブルの管理が主。移乗をやる機会が多い場合は体力的な大変さは伴う。 |
訪問看護 | 在宅で過ごす高齢者や障害者の健康管理や処置。ターミナルケアもあり。 大変さ:★★★☆☆ 利用者宅からの直行直帰ができる場合などもあり時間的な大変さは軽減される傾向にある。 |
看護師養成校の教員 | 看護師養成校で教員として働く。教員免許は不要。 大変さ:★★☆☆☆ 病棟勤務とはかなり性質が異なるため、大変さの種類もかなり違う。命の危機と向き合う場面はないため、その点においては精神的な大変さは軽減される。 |
健診・献血センター | 健診の補助や採血。 大変さ:★☆☆☆☆ 夜勤もなく、規則的な勤務のため体力的にはかなり大変さは軽減される。採血や血圧測定等が多いため業務の煩雑さも病棟勤務よりラクになる。 |
コールセンター | 企業によって異なる。健康相談、医薬品などの問い合わせなど。 大変さ:★☆☆☆☆ 体力的な大変さはほぼない。勤務時間も一定な場合が多いため時間的な大変さも軽減される場合が多い。ただ、クレーム対応なども仕事のうちに入る場合は精神的に少し大変さを感じることも。 |
治験コーディネーター | 治験業務の補助を行う。 大変さ:★☆☆☆☆ こちらも規則的な勤務になるので時間的な大変さは軽減される場合が多い。デスクワークもあり、体力面も◎。患者さんと関わる時間も多いため、病院で働きつつ大変さを軽減したい場合はおすすめ。 |
ツアーナース | 修学旅行などに付き添い、急病人が出た際などに対応する。 大変さ:★★☆☆☆ 怪我や病気の人がでなければ大変さはあまりない。怪我人が出た場合などは受診の付き添いなどを行う。ただ、ツアーに同行するので時間的な拘束は強め。 |
筆者は介護施設での勤務経験があるので、次の見出しでもう少し詳しく介護施設の看護業務について説明します。
介護施設での1日の看護業務
それでは、介護施設での1日の看護業務を見ていきましょう。
時間 | 業務内容 |
9:00 | 出勤・申し送り |
9:15~12:00 | 担当フロアを回り、利用者さんの処置をする。(褥瘡の処置、胃ろうのセッティング、内出血など外傷の観察、排便チェック等)内服薬のセッティングとチェック。 病院受診の付き添いや往診の助手もある。 |
12:00~13:00 | お昼休憩 |
13:00~16:00 | 午前中と同様に、利用者さんの処置に回る。 |
16:00~17:00 | 記録 |
17:00~18:00 | 自分の仕事が終わって余力があれば食事介助の手伝い。時間になったら退勤。 |
以上のような流れです。
場所を選べば、とても楽に仕事をできます。
病棟勤務にこだわりがないのであれば、少し視野を広く持ってみてください。
楽に仕事ができる場所は意外とたくさんあります。
様々な職場がある中で、病棟勤務以外を選ぶのも1つの方法です。
しかし、病院・病棟勤務にこだわりのある人もいるでしょう。
そこで、大変な科を避けるコツを次で紹介します。
7.大変な科を避けて転職するコツ
大変な科を避けて転職するコツを紹介します。
現時点で仕事が大変だなと感じる科にいる場合、転職活動を始める前に今の問題点を明確にしなければいけません。
以下の2点について明確な答えを自分でもっておきましょう。
- 今の職場で何が大変で、どこを楽にしたいのか
- 次の職場ではどういう働き方をしたいのか
要するに、労働条件の優先順位を決めることです。
「なんとなく大変だから別の科に移ろう」と、何が大変なのかを明確にしないままではうまくいきません。
転職に何を求めるか、ゴールを自分で決めておきましょう。
そして、どういうところを改善したくて職場を変えるのか明確に答えをだしてみてください。
さらに、できればその科で働いた経験のある人に話を聞くことができればさらに良いです。
経験談は何より参考になります。
転職エージェントなどを利用して話を聞くのもアリです。
しかし、できれば知人や先輩などに頼って実際に働いた人の生の声を聞けるとより確実な情報を得られるのでおすすめです。
まとめ
今回の記事では、看護師の仕事の大変さを細分化して解説しました。
仕事が大変とはいっても、その大変さには種類があります。
自分が大変と感じている箇所はどこなのか明確になりましたか?
今の職場で、その大変さを緩和するよう工夫してみてください。
それでも無理なら、転職も大いにありです。
看護師の資格を活かして働ける場所はたくさんあります。
まずは自分はどんな点を楽にしたいのかを明確にすることからです。
そして、そのためにはどういうところで働くのが自分にとって一番良いのかを考えてみてください。
これを考えて動くことができれば職場環境は変えられます。
必ずあなたにとって良い職場で、働けるはずです。
過重な緊張や疲労を感じているなら、そこで頑張りすぎる必要はありません。
視野を広げて、次に向けて動いていきましょう。