看護師の給料ランキング！具体的な金額差と違いが出るポイントを解説

看護師として同じ年月働いても、勤務先や住む場所が違えば給料に差が付きます。

「あれ？もしかしたら給料が思ったより低いかも…」

ということってありませんか？

そんなときに確認できるよう、この記事では看護師の勤務先別、勤務先の所在地による給料ランキングがどのようなものか検証しました。

さらに看護師の給料に差をつける要素についても具体的にも解説していきます。

前向きに給料をアップさせたいと考える看護師さんは必見です。

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１．看護師の給料ランキング

まずは看護師の給料ランキングを調べたものをご紹介します。

1. 勤務先別
2. 都道府県別

看護師の給料に差をつけるポイントはたくさんありました。

しかしまずは大前提となる部分として、この2つについて検証してみましょう。

考慮したいほかの看護師の給料に差をつける項目については次章で確認します。

①勤務先別

看護師の勤務先は大きく分けて十数種類あります。

明確に数字として書かないのは、勤務先を属性別にわけたときにさまざまな分類方法があるからです。

今回は開設者によるゾーニングを基に、給料ランキングの額面差にフォーカスするためにも、勤務先を独自に割り振りました。

さらに、勤続年数が経過すると病院の待遇や個人の能力差などで給料にばらつきが出るものです。

そこでこのランキングは、高卒で3年過程の専門学校を卒業した学生の初任給を平均税込給与総額で比較しました。

平均税込給与総額には夜勤や住宅などの手当てが含まれており、看護師がもらう給料のトータル額面となります。

		平均基本給与額（円）	平均税込給与総額（円）
1位	私立学校法人	206,794	279,594
2位	社会保険関係団体	216,499	279,530
3位	日本赤十字社	216,377	273,518
4位	社会福祉法人	200,241	269,458
5位	公立	206,380	264,586
6位	公益法人	199,147	264,161
7位	済生会	205,170	264,049
8位	医療法人	198,786	263,611
9位	国立	200,050	262,608

データは2020年日本看護協会調査研究報告　2019年病院看護実態調査より参照。

ちなみに各勤務先に含まれる勤務先は以下の通りになります。

• 国立…国が建てた病院で、国立の大学病院、厚生労働省などの省庁系の病院です。

ほかにも独立行政法人国立病院機構や独立行政法人労働者健康安全機構、独立行政法人地域医療機能推進機構といった厚生労働省が管轄している法人はここに該当します。

• 公立…都道府県や市町村が立てた病院です。

本来なら日本赤十字、済生会、厚生連もここに分類されますが、勤務先をたくさん明示したいという観点からランキングには別項目で設定しました。

そのほかにも地方独立行政法人や一部の事務組合などが含まれます。

さらにそれ以外の項目については、下記に明示しておきましょう。

• 日本赤十字社 …世界にまたがり負傷者救護を行ってきた会社です。
• 済生会 …日本の慈善事業を行う社会福祉法人になります。
• 厚生連…僻地での医療活動に従事する連合組合です。 　　　　　
• 社会保険関係団体…健康保険、共済組合、国民健康保険組合とその連合会です。 
• 公益法人…公益財団法人や一般社団法人が建てた病院です。
• 私立学校法人…読んで字のごとく私立学校が建てた病院を意味します。
• 医療法人 …いわゆる診療所やクリニックなどです。
• 社会福祉法人…特別養護老人ホームなどが該当します。
• 医療生協 …消費生活協同組合法という法律によって立ち上げられた医療法人です。
• 会社…企業が雇い入れる看護師を意味しています。

②都道府県別

次に都道府県別です。

ここでは諸手当を含む平均税込給与総額は参考程度にとどめました。

家賃相場などが多少なりとも金額に差をつけてしまうからです。

基本給のみに目を向けるべく平均基本給与額でランキングを作成します。

まずは主要都市と呼べる東京、大阪、愛知、そして福岡と北海道を比較しましょう。

		平均基本給与額（円）	平均税込給与総額（円）
1位	東京都	257,940	352,728
2位	愛知	262,202	342,184
3位	大阪	252,835	341,796
4位	北海道	240,899	312,722
5位	福岡	231,840	300,154

続いて、上記5つの都市を抜いた都道府県のランキングはこちらです。

ほかの地域との区切りとして25万円を境目に18位までのランキングとしています。

		平均基本給与額（円）	平均税込給与総額（円）
1位	三重県	256,798	325,863
2位	埼玉県	256,134	332,390
3位	長野県	255,372	321,732
4位	滋賀県	255,173	335,867
5位	静岡県	254,716	339,797
6位	神奈川県	254,584	343,197
7位	新潟県	254,433	318,606
8位	山形県	253,051	305,074
9位	京都府	252,597	322,986
10位	和歌山県	251,487	319,091
11位	岐阜県	251,387	328,979
12位	香川県	251,384	312,639
13位	富山県	251,351	314,789
14位	山梨県	251,083	325,504
15位	奈良県	251,080	327,761
16位	千葉県	250,813	342,167
17位	島根県	250,366	316,866
18位	岩手県	250,191	317,867

中部地方や東北地方に高い給与水準を誇る地域が目立つ結果となりました。

ちなみに中国地方や九州地方では平均基本給与額が22万円前後という結果です。

２．看護師の給料に差をつける3つの要素とは

看護師の給料ランキングを勤務先別、そして都道府県別に見てきました。

この章ではさらに看護師の給料に差をつける3つの外的要因とも言える要素を考えます。

1. 勤務先
2. 勤務先が位置する所在地
3. 勤続年数

この3つは同一の職場にいた場合、個人の能力や努力とは関係なしに給料の額面に影響を及ぼすのです。

要因の1つずつがどのようなものかを見ていきましょう。

要素１．勤務先

まず前章の勤務先別ランキングから解説をはじめましょう。

看護師の給料は勤務先によって基本給から違うのは明らかな事実です。

勤務先の財源は看護師の給料に直結します。

特に賞与は額面から回数まで、露骨にその影響を受けていました。

「同じスペックを持った看護師でも勤務先を変えることで給料が変わる。」

という点は押さえておきましょう。

要素２．勤務先が位置する都道府県

看護師の勤務先の所在地も、看護師の給料に影響を与えます。

理由は、同じ日本でも都市によって生活する上での物価に違いが出るからです。

さらに大都市ほど規模の大きな病院はもちろん、病院自体の数も集中します。

規模の大きい病院ほどサービスが充実、つまり患者が病院にかかる費用もそれだけ高くなりやすいのです。

患者数が多く、物価も高い地域こそ病院の売り上げも上がりやすい傾向にあると言えます。

周り回って、看護師の給料も上がりやすいのです。

要素３．勤続年数

やる気があって能力が高かったとしても、現場で培われる経験にかなうものはありません。

看護師の業界でも、勤続年数は多少なりとも給料に影響を及ぼすようです。

看護師として働いてきた勤続年数は実績として残ります。

さらに同じ職場で長く働き続けたという実績も、キャリアに箔を付けてくれるでしょう。

ご自身の頑張り以外に、これらの要素が給料に影響を及ぼすということは覚えておいてください。

３．看護師の給料に影響を及ぼす要素2つ

さらに看護師の給料に影響を及ぼす要素2つを見ていきます。

1. 看護師の性別
2. 各種手当

これらも看護師本人が努力では変えられない部分です。

そこまで大きな影響でもありませんが、事実をお伝えします。

要素１．看護師の性別

調査では、女性看護師より男性看護師のほうがより高い給料を貰っているという結果が出ています。

これは単純に性別による違いではありません。

男性看護師に付与されている手当が多いからです。

たとえば世帯主として働いている、夜勤に入れる回数も多いと言われているのは男性看護師になります。

これにより給料にプラスして家族手当や夜勤手当などの諸手当が多く付いているのです。

性別というより看護師の暮らし方そのもので給料の金額は変わるということになります。

看護師における男女別の給料差はその最たる例とも言えるでしょう。

要素２．各種手当

家賃や家族手当などが給料にプラスされることで、看護師の給料はさらに差がつきます。

夜勤手当や通勤交通費などは金額が決まっているものなので変動することはありませんが、ほかの手当は別です。

家賃補助や家族に対する手当は職場によって金額が大きく変わることは頭に入れておきましょう。

４．看護師が自助努力で給料をあげる方法とは？

看護師の給料は、さまざまな要因でその金額が変わってくることを解説してきました。

この章では看護師が自分の力でもらえる給料の額を上げる方法について解説します。

1. 勤務先を別の都道府県に変える
2. 勤務先の業種を変える
3. 同じ職場で働き続ける
4. 資格の取得

これら4つの方法について見ていきましょう。

ポイント１．勤務先として近隣の他府県にも目を向ける

もし勤務先を変えようと考えているのであれば、近隣の他府県も視野に入れましょう。

通勤時間を1時間ほど加味できるだけで、勤務先の選択肢は広がります。

先ほどお伝えした都道府県別の給料ランキングなどを参考に通える範囲を広げてみましょう。

30分通勤時間が伸びるだけで基本給や手当の金額が変わるのであれば御の字ではないでしょうか。

転職を考えているのであれば広い視野で勤務先を探すことを強くおすすめします。

ポイント２．勤務先の業種を変えてみる

勤務先の業種によっても給料は変動します。

看護師の給料に差をつける要素の部分でも解説した、勤務先の財務状況は看護師の給料に影響を及ぼすからです。

たとえば老人ホームと、国立病院で働く看護師であれば勤続10年目で平均給与総額に3万円もの差がついていました。

職場での業務内容に大きなこだわりがないのであれば、思い切って業種を変えてみるといいでしょう。

ポイント３．同じ職場でキャリアを積むのも一つの手段

長い目で給料を上げたいと考えるならば、同一の職場に勤務し続けるのも一つの手段です。

長きに渡り活躍することで得られる信頼、そして立場は転職では得られないキャリアになります。

今すぐ給料を上げたい人には不向きです。

それでも携わる業務内容が好き、職場が好きという人は今をこらえて未来につなげるといいでしょう。

ポイント４．資格を取得することで有利に働くことも

国家資格を持つ看護師ですが、さらに別の資格を取得し給料アップを目指すことも可能です。

認定看護師と専門看護師がその2つに該当します。

いずれも5年以上（うち3年は専門としたい分野の実務研修が必須）の実務経験が必要です。

長いスパンを鑑みながらの挑戦とはなりますが、看護師の給料をあげる効果的な手段になります。

５．給料アップを目的とした転職時に注意すべきポイントとは？

それでは最後に給料アップをしたい看護師さんに転職の際の注意点を2つお伝えします。

1. キャリアアップ先のロールモデルの有無の確認
2. 手当の詳細金額の確認

この2つはきちんと確認しておかないとせっかくの転職が台無しです。

目の前の条件だけに気を取られず、先々の条件までも確認しておきましょう。

注意点１．キャリアアップ先のロールモデルがいるかどうか確認しよう

キャリアアップ先のロールモデルとは、目標とする資格を持つ看護師、もしくは役職に就く看護師を意味します。

つまり転職先にお手本となる看護師がいるかどうかを確認しておくのです。

いくら勤務先が資格の取得を促し、役職を設けていても前例がないと意味がありません。

制度が整い、それらの推進がきちんと図れている職場ほど、努力することで給料アップが実現できます。

職場内の環境がどう整備されており、活躍する先輩看護師がいるのかどうかは確認しておきましょう。

注意点２．手当がいくらなのか詳細まで確認しておこう

給料とは別に支給される手当は勤務先によって金額が大きく違うことが多々あります。

たとえば家賃補助も一律3万円支給なのか、家賃の40％を支給してくれるのかでは大きく差がつくものです。

家族手当なども同様ですし、職場によっては時短勤務になっても給料は減額されないといった職場もあります。

こういった福利厚生も手厚ければ手厚いほど生活が豊かになるのは説明の余地はありません。

手当の有無や金額は給料の可処分所得を左右するので、気を配って転職先を選びましょう。

まとめ

看護師の給料ランキングを見てきました。

差が出るポイントを確認し、自分の力で給料額をアップする方法についても整理ができたかと思います。

特に転職によって給料アップを目指すのであれば勤務先の選び方にもいくつかコツがあるということは明白でした。

前向きに転職をして給料を上げたい人はこの記事を参考に、さまざまな視野で職場選びを実践してください。

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