看護師として大学病院に転職したいとお考えですね。
大学病院で看護師として働くのは、待遇の良さや成長のしやすさから人気です。
しかし、大学病院と民間病院では働き方に違いがあるので、事前に知っておかないと後悔するかもしれません。
そこで、本記事では大学病院と民間病院の違いや大学病院で働くメリットなどについて紹介します。
大学病院の特徴を知って、看護師として納得できる職場に転職しましょう。
目次
1.大学病院と民間病院で看護師の働き方は何が違う?
大学病院と民間病院では、看護師の仕事内容や職場環境などに違いがあります。
今まで民間病院で働いていた人は、大学病院に転職するとギャップを感じて悩むことがあるかもしれません。
この項目で紹介する大学病院と民間病院の違いは以下の5つです。
大学病院と民間病院の違いを知っておくことで、転職した後も後悔しないでしょう。
1−1.仕事内容の幅広さ
大学病院の看護師は勤務する科に特化した働き方をすることが特徴です。
大学病院は診療科ごとに専門的な診療を行っているので、仕事が細分化されています。
同じ大学病院でも科が変わると、看護師の仕事内容は大きく変わるでしょう。
また、大学病院は点滴の管理やバイタルの測定などが主な仕事となります。
注射や採血などの処置は医師や研修医が行うので、看護師は行わないことが多いです。
一方で、民間病院は仕事が細分化されていないことがよくあります。
ですので、看護師は注射や採血から点滴の管理、バイタルの測定まで幅広い仕事を行います。
1−2.職場環境や設備の新しさ
大学病院では、最先端の医療や専門的な分野の研究も行う役割があります。
そのため、民間病院と比べると最先端の設備が揃っていて高度な知識や技術を学ぶことができるのです。
看護師としてもスキルアップがしやすい環境でしょう。
民間病院は地域に根差した医療を行っていることが特徴で、大学病院と比べると最新の設備はあまり揃っていません。
すでにあるものを使いこなしていく看護が求められます。
1−3.勉強会や研修の有無
大学病院は医師や看護師を教育する機関としての役割もあるので、勉強会や研修がよく行われています。
大学病院で働くことで、看護師としてのスキルを高めやすいでしょう。
民間病院でも勉強会は行われていますが、大学病院と比べると数が少なく充実していないことが多いです。
また、研修に参加する場合は参加費がかかってしまうこともあります。
大学病院の看護師は無料で学ぶ機会がたくさん用意されているので、スキルアップしたい人にはぴったりでしょう。
1−4.患者の病状の重さや珍しさ
大学病院には、民間病院などで治療ができないような珍しい病気の患者や症状が重い患者が多いです。
例えば、ステージが高く民間病院では治療が難しいがん患者の看護をすることもよくあります。
また、大学病院には最先端の設備が揃っているので、精密な検査や診断をするために訪れる患者も少なくありません。
1−5.福利厚生の手厚さ
大学病院では福利厚生が手厚いところが多いです。
例えば、寮や社宅があったり、家賃補助や資格取得援助が受けられたりします。
民間病院でも福利厚生はありますが、充実しているところでも大学病院と同じレベルの福利厚生があるところは少ないでしょう。
民間病院の場合は、経営の良し悪しで充実度に違いがあるので、福利厚生には大きな差があります。
2.看護師が大学病院で働くメリット
民間病院と比べると大学病院で働く看護師には、以下の4つのメリットがあります。
大学病院は勉強会や研修が行われたり、充実した設備の中で働けたりするという特徴があります。
看護師として必要な知識や技術を身に付けたり、キャリアアップしたりしやすいでしょう。
メリット1.給与が高い
大学病院は、一般的な民間病院よりも給与の水準が高いです。
日本看護協会の2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書によると、学校法人に勤める看護師の月収は、目安として38万円程度です。
一方で、医療法人の場合は、月収29万円程度となっています。
職場の規模や地域によって給与に違いがあるので、高収入を狙う看護師には都市部の大学病院が人気です。
メリット2.勉強会や研修が行われる
大学病院では頻繁に勉強会や研修が行われています。
勉強会や研修は、任意のものから強制参加のものまであります。
例えば、最新の設備や薬の使い方を学ぶ機会や、珍しい症例について話し合う機会が多いです。
積極的に勉強をしてスキルアップしたいと考えている人には、大きなメリットでしょう。
しかし、勉強会や研修は業務が終わった後に行われることが多いです。
そのため、プライベートも充実させたいと思っている人は転職前に頻度を聞いておきましょう。
メリット3.充実した設備の中で働ける
大学病院では充実した設備の中で働けます。
最先端の設備が揃っているので、新しいスキルや技術を身に付けながら仕事ができるでしょう。
例えば、精密な検査ができる装置や難しい術式にも対応している手術室などがあります。
看護師としてスキルアップしやすい環境です。
メリット4.専門性の高い知識や技術が身に付く
民間病院と比べると、大学病院なら専門性の高い知識や技術が身に付きやすいです。
大学病院では、業務が細分化されていて専門的な診療を行っています。
例えば、脳神経内科や腫瘍内科、呼吸器内科、腎臓内科と内科だけでも細かく分けられているのが大学病院です。
したがって、看護師もより専門的な業務を行う機会が増えます。
また、看護以外の業務に時間を取られることがなく、看護の仕事に特化しやすいです。
3.大学病院で働くのに向いている看護師の特徴
大学病院で働くのに向いている看護師の特徴は以下の通りです。
- 新しい知識や技術を身に付けたいと思っている人
- 研究することが好きな人
- 先進医療に携わりたい人
- 難病や重症患者の看護をしたい人
- 看護のスペシャリストを目指している人
看護師としてスキルアップしたい人や専門性の高い看護を学びたい人は、大学病院で働くのがピッタリです。
看護師として大学病院で働くために必要な資格は特にありません。
しかし、認定看護師や専門看護師の資格を取得することで、看護師としてステップアップにもつながるでしょう。
認定看護師と専門看護師は、どちらも看護の分野において深い知識と技術を求められる資格です。
認定看護師の特定分野は21で専門看護師の特定分野は13と、認定看護師の方が幅広い内容となっています。
大学病院でスキルアップやキャリアアップを目指すなら、一度検討してみるのが良いでしょう。
4.看護師が大学病院に転職する手順
看護師が大学病院に転職するとき、民間病院への転職と手順に大きな違いはありません。
大学病院に転職する方法を以下の3つのステップで解説します。
スムーズに転職するために、順番に見ていきましょう。
ステップ1.大学病院の採用情報を確認する
大学病院の採用は年に3〜4回行われることが多いです。
転職サイトで求人を探すことができますが、非公開となっていることもあります。
ですので、転職サイトのスタッフやコンサルタントに相談できるなら、大学病院を希望していることを伝えておきましょう。
そうすれば、非公開求人でも紹介してもらえます。
また、転職サイトによって扱っている求人の数に違いがあるので、いくつかのサイトを利用するのが求人を見つけるコツです。
時間に余裕があれば、大学病院のWebサイトでも看護師の採用情報を確認しておくと良いでしょう。
ステップ2.必要な書類を準備して提出する
大学病院の看護師として転職する際は、例えば以下のものを準備する必要があります。
- 履歴書
- 看護学校の卒業証明書
- 看護師免許証
応募要項に必要な物が書かれているので、必ず確認してください。
卒業証明書や看護師免許証などは、すぐに手に入らないことがあるので、日にちに余裕を持って取り寄せましょう。
ステップ3.面接を受ける
大学病院の転職活動では、書類審査を通過した後に面接を行う流れが多いです。
面接では、大学病院で看護師として働くことの特徴や民間病院との違いを知った上で臨むと良いでしょう。
面接では、以下のようなことが聞かれやすいです。
- 転職理由
- 大学病院を志望した理由
- 看護師を目指したきっかけ
- 勤務したい診療科
また看護師はスーツを着ない仕事ですが、面接の際はスーツ着用が良いです。
「私服可」と求人に書かれていた場合でも、ラフすぎる服装は避けてください。
白いシャツにジャケットなどの落ち着いた服装で臨めば、印象が良くなりやすいです。
5.看護師が大学病院に転職するときのポイント
大学病院に看護師として転職する際は、民間病院との違いや大学病院の特徴を知った上で転職理由を考えることが大切です。
大学病院に転職する際は、以下の4つのポイントを押さえておくと良いでしょう。
転職する大学病院で研修や勉強会がどのくらい行われているのかも確認しておくと、転職した後の生活をイメージしやすいです。
ポイント1.大学病院に向けた転職理由や志望動機を考える
大学病院の看護師として転職したい場合は、大学病院に向けた転職理由や志望動機を考えると良いでしょう。
大学病院だからこそ言える理由を伝えれば、採用される確率は高まります。
大学病院は医療設備が充実していて、勉強会や研修が豊富なのが特徴です。
そのため、大学病院への転職の際には以下のような理由がよく使われます。
- 看護師としてよりスキルアップしたい
- 専門的な知識を深めたい
- 将来的に看護教育に携わりたい
- 最先端の医療設備がある環境で経験を積みたい
志望する大学病院を意識した転職理由や志望動機を考えてみてください。
ポイント2.民間病院より給与が高いとは限らないと知っておく
大学病院の給与は民間病院よりも高いことが多いですが、絶対ではありません。
給与は病院ごとに決まっているため、必ずしも民間病院よりも給与が高くなるとは限らないのです。
転職後に民間病院にいたときと給与が変わらず、後悔する人もいます。
大学病院に転職する際は、自分が希望する最低限の給与額を決めておくと良いでしょう。
ポイント3.事前に休日を確認する
大学病院の看護師の求人情報には、休日が記載されていることが多いですが、実際に働いてみると休日通りに休めないことがあります。
休日に勉強会や研修が行われることがあるので、休日でも病院に行かなくてはいけないことがあるためです。
事情があって休日は必ず休みたい場合は、事前に休日について確認しておくと良いでしょう。
ポイント4.研修や勉強会はどのくらいあるのかを確認する
大学病院では、勉強会や研修が頻繁に行われていますが頻度は病院によって違いがあります。
また、勉強会や研修は業務が終わった後に行われることが多いです。
積極的に勉強会や研修に参加してスキルアップしたいと思っていたけれど、思ったより勉強会や研修が少ないということもあるでしょう。
逆に、思ったよりも勉強会や研修が多くて後悔することもあるかもしれません。
そのため、事前に勉強会や研修がどのくらい行われるのかを確認しておくのが良いです。
6.看護師が大学病院で働く際の注意点
看護師として大学病院で働くときは、以下の2つの注意点を押さえておくことが大切です。
事前に注意点を知って、転職してから後悔しないか考えてみてください。
それぞれについて、順番に見ていきましょう。
注意点1.残業が多く忙しい
大学病院は、救急の患者が訪れたり入院患者の入れ替わりが早かったりするので、仕事が忙しく残業も多いです。
また、新しい技術や治療法を取り入れているので看護師に高いレベルを求められます。
そのため、民間病院から大学病院に転職すると「きつい」と感じることもあるかもしれません。
ただし、忙しい分自分のスキルアップにつながったり、新しい知識を身に付けられるのでデメリットばかりではないです。
成長意欲のある人は、きつさに慣れてしまえば悩むことも少ないでしょう。
注意点2.処置の業務が少ない
大学病院で働く看護師は、点滴や採血を行うことはありません。
点滴や採血は医師や研修医が行います。
そのため、大学病院で勤務すると点滴や採血など能力が衰えてしまうかもしれません。
しかし、大学病院では看護そのものに集中できるので、人によっては民間病院よりストレスなく働けるでしょう。
7.大学病院に転職したい看護師向けのサイト3選
大学病院に看護師として転職したいと思っている人には、以下の3つのサイトが人気です。
これらの3つのサイトは求人数が多く、ユーザーからの評価も高いです。
それぞれについて、順番に見ていきましょう。
サイト1.看護roo!
看護roo!は、看護師向けの転職サイトです。
2020年11月現在の、大学病院の求人数は29件です。
掲載されている求人の質が良いとユーザーから評価されています。
条件の良い求人をチェックしたいなら、ぜひ使ってみてください。
希望すればコンサルタントが面接に同席してくれるので、面接に不安がある人にもピッタリです。
サイト名 | 看護roo! |
URL | https://www.kango-roo.com/career/ |
特徴 |
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サイト2.看護のお仕事
看護のお仕事は看護師向けの転職サービスで、履歴書の添削や面接対策など手厚いサポートが特徴です。
2020年11月現在の、大学病院の求人数は34,548件です。
非常に多い求人の中から、あなたにピッタリなものを探せます。
また、求人に書かれていない職場の雰囲気や人間関係など内部の情報も教えてもらえるので、自分が転職した後をイメージしやすいでしょう。
サイト名 | 看護のお仕事 |
URL | https://kango-oshigoto.jp |
特徴 |
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サイト3.医療ワーカー
医療ワーカーは、エージェント型の転職サイトです。
2020年11月現在の、大学病院の求人数は298件です。
丁寧なサポートが特徴で、例えば以下のようなことを行ってくれます。
- 履歴書の添削
- 面接対策
- 交渉代行
- 入職後のアフターフォロー
全国の求人を扱っていて、年齢不問の求人も多いです。
サイト名 | 医療ワーカー |
URL | https://iryouworker.com |
特徴 |
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まとめ
大学病院に転職したいと思っている看護師の人は、大学病院と民間病院の働き方の違いを知っておくことが良いです。
「最新の技術や医療機器などに触れながら仕事がしたい」「高度な技術や知識を学びたい」と思っている人は大学病院が理想的な職場でしょう。
大学病院で働くことのメリットとデメリットを知り、自分はどんな看護師としてキャリアを築いていきたいかを考えると転職活動がスムーズに進みます。
転職の際は、大学病院の求人が見つけやすいサイトを利用してみてください。