看護師

介護老人保健施設の看護師の役割・仕事内容とは?老人ホームとの違いまで

介護老人保健施設で働く人の声:
勤務歴3年 39歳女性Wさん

ーー事前アンケートによると、元は一般病棟で長く働いてらっしゃったとか。

はい。総合病院で10年間勤め、急性期も慢性期も経験しました。結婚を機に老健に転職して、今に至ります。

ーー転職して良かった点はありますか?

腰痛持ちなんですが、病棟で働いていた頃よりかなり身体が楽なことでしょうか。

施設にもよると思いますが、私の施設は医療ケアメインなので肉体労働はほぼ介護士さんたちがやってくれて、看護師はバイタル測定、褥瘡処置、その他医療処置などを行っています。

周りの看護師も私より年上ばかりで、30代後半くらいに転職してきて10年以上働いている方が多いですね。

ーー反対に、大変だった点はなんでしょうか?

さっき「身体は楽」と言いましたが、だからといって暇というわけではなく、病院と求められる役割が違うことですかね。

老健の看護師は退居後の生活支援も行いますし、医師が不在の時は看護師の判断力にかかっています。介護職員への研修やマニュアル作りも重要な仕事です。

あとは、看護師や医師よりも介護職員さんの方が多い現場なので、慣れるまでは大変でした。

ーーなるほど、介護職の方との連携が鍵になるわけですね。

その通りです。老健は病院とは違って生活の場なので、介護職員と協力していかに利用者に快適な生活の場を提供するかというのが重要です。

介護士さんが忙しそうな時には積極的にヘルプに入ったり、医療知識の面からサポート
することで、徐々に信頼してもらえるようになりました。

ーーそれでは最後に、これから介護老人保健施設に就職したい後輩に一言お願いします!

「自宅に戻る」という目標を利用者さんや他業種の方と共有して一緒に頑張ることができるのは、介護老人保健施設で働く上での大きなやりがいです。

一般病棟とはまた違った大変さもありますが、ぜひ老健へ!

「介護老人保健施設の看護師として転職したいな」とお考えですね。

介護老人保健施設とは、要介護高齢者が自宅復帰をするための施設です。

医師も常駐しており、医療・看護を提供することを目的としています。

看護師の役割は医師の指示の元、健康管理や生活介助をすることです。

今回は介護老人保健施設における看護師の仕事内容や給料事情、必要なスキルなどをご紹介!

転職に向いている人・向いていない人まで解説しているので、ご自身の転職活動に役立ててください。

介護老人保健施設が転職先としてふさわしいか判断し、看護師としてのキャリアアップをしましょう。

1.介護老人保健施設とは

介護老人保健施設とは、医療ケアやリハビリを行うために高齢者が生活をする施設です。

要介護状態の65歳以上の高齢が入居の対象となっています。

入居の目的は、在宅復帰できるよう医療ケアやリハビリを受けることです。

もちろん、入居者は施設内で生活を送るため、食事や排泄、入浴などの介護サービスも受けられます。

特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、「老人ホームと何が違うの?」と思うかもしれません。

老人ホームとの違いを見ていきましょう。

老人ホームとの違い

老人ホームと介護老人保健施設の大きな違いは、入居の目的です。

介護老人保険施設の入居の目的は、治療やリハビリを行うこと。

そのため、3〜6ヶ月程度を目安に在宅復帰することを目指します。

一方、老人ホームは快適に日常生活を送れるよう介護支援をしてもらうことです。

老人ホームと介護老人保健施設の違いを以下のようにまとめました。

  介護老人保健施設 老人ホーム
入居の目的 治療やリハビリ 日常生活の支援
入居期間 短期間 長期間
医師の常駐 あり なし
運営会社 医療法人が多い 社会福祉法人が多い

このように、高齢者が過ごす施設であっても目的に違いがあります。

そのため、看護師の仕事内容にも若干の違いがあるのです。

次の章で介護老人保健施設における看護師の仕事内容を確認しましょう。

2.介護老人保健施設における看護師の仕事内容

介護老人保健施設における看護師の仕事内容は、大きく3つに分けられます。

  1. 入居者の健康管理
  2. 入居者の生活介助
  3. 介護士への指導

順番に確認しましょう。

仕事1.入居者の健康管理

介護老人保健施設における看護師の1番の仕事は、入居者の健康管理をすることです。

日々のバイタルチェック、内服管理、リハビリの付き添いなどを行います。

人工呼吸器をつけている人やドレーンの入っている人も少なくありません。

ですので、一般病棟や療養型病棟に近い医療ケアを行う必要があります。

仕事2.入居者の生活介助

入居者の生活介助も、介護士と一緒に行うケースがあります。

食事・排泄・入浴などの介助を行う中で、入居者の健康の変化に気を配らなければなりません

また、退去後の生活の支援も行います。

入居者の家族に対して、在宅復帰ができるよう自宅で受け入れ体制の整え方や、利用できる公的サービスの案内を行うのです。

入居者だけでなく、家族ともコミュニケーションを取る必要があります。

仕事3.介護士への指導

看護師が介護士への指導を行う施設もあります。

なぜなら、介護福祉士の資格を持たずに介護士として働いている人もいるからです。

安全な介護方法や、体調の変化を読み取るコツ、医療機器の扱い方などを指導します。

医療ケアを行う施設に介護士がいる状況なので、看護師が主導権を持って入居者の健康を守りましょう。

ここまで仕事内容を見てきましたが、他の高齢者施設と比べると医療ケアがメインであることが分かりました。

看護師の役割が重い施設なので、「介護老人保健施設で働く看護師の給料はどれくらいだろう?」と気になる人もいるかもしれません。

次の章で、介護老人保健施設で働く看護師の給料事情を見ていきましょう。

3.介護老人保健施設で働く看護師の給料事情

介護老人保健施設で働く看護師の平均年収は、420万〜500万円程度です。

病院と基本給は同じくらいですが、ボーナスや手当が少なめとなっています。

介護士と看護師で入居者のお世話ができるので、病院と比べると負担は少ないです。

救急搬送や急な入院対応がほとんどないので、手当が少ないことが多いと言えます。

4.介護老人保健施設の看護師に役立つスキル

介護老人保健施設に転職を考えているのであれば、事前に役立つスキルを知っておくべきです。

介護老人保健施設の看護師に必要なスキルは、3つあります。

  1. コミュニケーションスキル
  2. マネジメントスキル
  3. 応急措置・緊急時の判断

順番に確認しましょう。

スキル1.コミュニケーションスキル

介護老人保険施設の看護師には、高いコミュニケーションスキルが求められます。

なぜなら、介護老人保険施設は短期間の入居者がほとんどだからです。

そのため、入居後すぐに入居者の健康状態や特性を見抜かなければなりません

働き始めは戸惑うかもしれませんが、入居者と時間をかけて会話をしたり、他の看護師や介護士から性格を聞いておくと理解を早めることが狩野です。

また、施設内で医師や介護士、栄養士などと常に連携を取る必要もあります。

介護老人保険施設の入居者の健康を守るために、コミュニケーションスキルは欠かせないのです。

スキル2.マネジメントスキル

介護老人保健施設で働く看護師には、マネジメントスキルも求められます。

なぜなら、看護師が先頭に立って施設内の安全や健康を守らなければならないからです。

医療ケアやリハビリが目的の介護老人保健施設ですが、介護士が圧倒的に多く配置されています。

介護老人保健施設の人員配置は、以下の通りです。

職種 100人あたりの配置人数
医師 常勤1人
看護師 9人
介護職員 25人

ほかにも、ケアマネージャーや栄養士、薬剤師といったスタッフがいます。

介護士をはじめとした様々な専門家に医療的知識を伝えたり、入居者に気をつけるべきことを指導し取り仕切らなければなりません

そのため、介護老人保健施設で働く看護師にはマネジメント力が求められるのです。

スキル3.応急措置・緊急時の判断

介護老人保健施設では、応急措置や緊急時の判断力がある看護師が重宝されます。

なぜなら、高齢者ばかりの施設には体調を急変させる入居者もいるからです。

特に、夜勤時には医師がいない施設もあります。

短期間で在宅復帰できる人ばかりではあるものの、何かあった時には看護師が応急措置や判断をしなければなりません

ですので、応急措置や緊急時の判断ができるほどの看護師経験を持っておく必要があります。

ここまでは介護老人保健施設で働く看護師の仕事内容や給料事情、役立つスキルを見てきました。

表面的なことばかりを見てきましたが、実際に働くとどのようなメリット・デメリットを感じられるのか気になりますよね。

次の章から、介護老人保健施設で働く看護師のメリット・デメリットを確認していきましょう。

5.介護老人保健施設の看護師のメリット

介護老人保健施設の看護師のメリットは、以下の3つです。

  1. 命に関わる緊迫感を感じにくい
  2. 大きな判断は医者に任せられる
  3. 利用者に寄り添った看護ができる

転職前にメリットを知っておくことで、どのような価値観を持つ人が良い職場と感じれるのかが分かります。

3つのメリットを見ていきましょう。

メリット1.命に関わる緊迫感を感じにくい

介護老人保健施設で働いていると。命に関わる緊迫感を感じにくいです。

なぜなら、3ヶ月〜6ヶ月程度で在宅復帰できるような入居者ばかりだからです。

病院であれば、救急搬送があったり命に関わる重症患者もいます。

そのため、精神的に追い詰められてしまう看護師も少なくありません。

しかし、介護老人保健施設であれば命に関わる緊迫感が少なく、心に余裕を持って働けます

メリット2.大きな判断は医者に任せられる

大きな判断は医師に任せることができるため、大きな責任感を背負う必要はありません。

なぜなら、介護老人保健施設には1人以上の医師が常駐しているからです。

一方、特別養護老人ホームや有料老人ホームには医師がいません。

介護老人保健施設なら、病院と同じように医師の判断に従って働くことができます。

メリット3.入居者に寄り添った看護ができる

介護老人保健施設なら入居者に寄り添った看護ができます。

なぜなら、入居者本人や家族を含めて在宅復帰のサポートを行うからです。

確かに、入居期間は3ヶ月〜6ヶ月と短期間となっています。

しかし、入居期間は医療ケアだけでなく、日常生活の介助も必要です。

そのため、病院の患者よりも1人ひとりと密に接することができます

6.介護老人保健施設の看護師のデメリット

一方、介護老人保健施設で働く看護師にもデメリットがあります

転職前にデメリットを把握しておくことは大切です。

就職した後に「こんなはずじゃなかった!」と後悔することを防げます

デメリットは、以下の3つです。

  1. 夜勤中は医者がいない施設もある
  2. 介護士とのコミュニケーションが必要
  3. 医療機器や設備が病院に劣る

3つのデメリットについて確認していきましょう。

デメリット1.夜勤中は医者がいない施設もある

夜間に医師を配置していない施設も少なくありません。

この場合、夜間に起きた緊急事態は看護師が責任を持って対応します

なぜなら、医師以外の医療の専門家は看護師しかいないからです。

医師がいない間に医療的判断をすることに責任を感じてしまうかもしれません。

しかし、緊急事態であっても常駐の医師にオンコールしたり、医療機関と連携できます。

落ち着いていれば対応できることが多いです。

デメリット2.介護士とのコミュニケーションが必要

介護老人保健施設の看護師は、介護士とのコミュニケーションが欠かせません。

人員配置でも説明したように、看護師よりも介護士の方が多く配置されています。

しかし、介護老人保健施設の入居者の目的は治療やリハビリです。

介護士にも医療目線での最適な入居者との接し方を伝えなければなりません。

介護士と協力して入居者の健康を守りましょう。

デメリット3.医療機器や設備が病院に劣る

介護老人保健施設の医療機器や設備は、病院と比べて劣ります。

病院では当たり前な最新機器や最新設備は、ほとんどありません

そのため、病院から転職すると機器の使い方から学ばないといけないこともあります。

「病院だったらこういう治療もできるのに!」ともどかしい気持ちになることも。

しかし、基本的に介護老人保健施設の入居者には高度な医療機器や設備は必要ありません。

病院での医療が必要な人は、病院へ転院させる対応になります。

病院よりも医療機器や設備が劣っていても、十分医療ケアサービスを提供できるのです。

7.介護老人保健施設の看護師に向いている人・向いていない人

介護老人保健施設の看護師のメリット・デメリットを見てきました。

メリット・デメリットから、介護老人保健施設の看護師に向いている人と向いていない人をまとめたので確認しましょう。

(1)介護老人保健施設の看護師に向いている人

介護老人保健施設の看護師に向いている人は、以下のような人です。

  • 介護の現場で働きたい人
  • 命に関わる緊迫感のない職場で働きたい人
  • 患者・入居者に寄り添った看護をしたい人

このような人は、介護老人保健施設ならやりがいを持って働けます

転職先の候補として考えてみましょう。

(2)介護老人保健施設の看護師に向いていない人

一方で、介護老人保健施設の看護師に向いていない人は以下のような人です。

  • 高齢者とのコミュニケーションに不安がある人
  • 介護士など他の専門家との連携に不安がある人
  • 最新医療を学びながら看護の現場で働きたい人

このような人は、介護老人保健施設で働いても自分らしく働けないかもしれません。

理想の働き方をするには、他の転職先を探しましょう

8.介護老人保健施設の看護師の求人が掲載されているサイト

ここまで読んで、「介護老人保健施設で働きたい」と思ったのであれば、まずは求人情報を見てみましょう。

実際に求人情報を見ることで、自分の希望するエリアの介護老人保健施設の月給や福利厚生等を確認できます。

介護老人保健施設の求人情報が載っている求人サイトを確認していきましょう。

求人サイト1.医療ワーカー

医療ワーカーとは、全国に9万件以上の求人情報を取り扱う看護師専用の求人サイトです。

業界内日本最大級の看護師求人サイトで、実際介護老人保健施設で調べると2020年7月時点で5,300件以上の求人情報が出てきました。

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求人サイト2.ベネッセMCM看護師お仕事サポート

ベネッセMCM看護師お仕事サポートとは、ベネッセが運営する看護師・介護士の転職サポートサービスです。

ベネッセも、全国に300以上の老人施設を経営しています。

そんなベネッセのキャリアコンサルタントが直接面接アドバイスや履歴書の添削をしてくれるのです。

ベネッセMCM看護師お仕事サポートで介護老人保健施設を調べてみると、2020年7月時点で120件の求人情報が出てきました。

一度登録すれば、ベネッセが直接経営する施設の求人情報も得やすくなります。

どのような求人情報が掲載されているのか、確認してみましょう。

求人サイト3.スーパーナース

スーパーナースとは、正社員・パート・単発など様々な働き方を提案してくれる求人サイトです。

スーパーナースでも介護老人保健施設の求人情報をたくさん持っており、2020年7月時点で2,200件程度の求人情報が出てきました。

自分の生活スタイルに合わせた働き方を提案してもらえるので、家庭やプライベートを大切にしたい人におすすめの求人サイトです。

登録しなくても、「単発」「派遣」「高時給」「土日休み」など細かい条件を設定して求人検索できます。

業務内容で「介護老人保健施設」を選択し、検索してみましょう。

まとめ

介護老人保健施設における看護師の役割は、医師の指示の元、健康管理や生活介助をすることです。

以下のような人であれば、介護老人保健施設の看護師に向いています。

  • 介護の現場で働きたい人
  • 命に関わる緊迫感のない職場で働きたい人
  • 患者・入居者に寄り添った看護をしたい人

「介護老人保健施設に転職したい!」と思ったら、まずは求人サイトから求人情報を確認してみて下さい

詳しい勤務条件を確認した上で転職先を決め、看護師としてのキャリアアップをしましょう。