看護師の仕事を続けている中で「看護師にならなきゃよかった」と後悔していませんか。
たしかに、看護師は夜勤・残業が多く責任の重い仕事内容なので、「自分には向いていない」と思う人もいるかもしれません。
今回は、看護師にならなきゃよかったと後悔する理由や、ネガティブな思いを断ち切る方法を解説しています。
精神的に辛くなってしまう前に、自分らしく働ける方法を模索しましょう。
目次
1.看護師にならなきゃよかったと後悔する5つの理由
看護師になって働き出したのに「看護師にならなきゃよかった」と後悔してしまうことは、珍しくありません。
看護roo!という看護師転職サポートサイトの調査「看護師の離職率と離職理由」によると、看護師の離職率は10.9%です。
なんと、10人に一人が辞めている計算になります。
なぜ、「看護師にならなきゃよかった」と後悔してしまうのか気になりますよね。
考えられる理由は、以下の5つです。
- 人間関係の悩みやストレス
- 体力的にしんどい
- 給料が割に合わない
- 夜勤で家族との時間が確保できない
- 責任が重い
後悔の理由が分かれば、自分で対策できるかもしれません。
順番に確認していきましょう。
理由1.人間関係の悩みやストレス
看護師は、職場の人間関係による悩みやストレスを抱えやすいです。
医労連の「2017年看護職員の労働実態調査結果報告」によると、看護師の強いストレスの原因の1つに職場の人間関係が挙げられています。
26.1%もの看護師が、人間関係に悩まされていることが分かっているのです。
というのも、看護師の仕事はミスが許されないため、ミスに厳しい人が多いと言われています。
しかし、効率よく仕事をこなす人やミスなく業務を遂行される人ばかりではありません。
特に、新人であれば先輩に嫌味や陰口を言われる機会も多いでしょう。
厳しい指導を受けるからこそスキルアップできるという側面はあるものの、嫌味や陰口に耐えられず「看護師にならなきゃよかった」と思ってしまう人は一定数います。
理由2.体力的にしんどい
体力的なしんどさを感じるため、看護師になったことを後悔する人は多いです。
というのも、医療・介護の現場は深刻な人手不足が大きな課題となっているからです。
人手不足なので、一人あたりにかかる負担は大きくなります。
どうしても夜勤の回数が多くなったり、残業で長時間労働したりと、劣悪な労働環境となっているのです。
医労連の「2017年看護職員の労働実態調査結果報告」によると、看護師の約7割が健康に不安を感じています。
また、約7割の看護師が慢性的に疲労していると回答しており、常に疲労を感じながら仕事をしている看護師が多いことが伺えます。
理由3.給料が割に合わない
看護師の給料は民間企業と比べても高い水準ですが、「割に合わない」と考える人が多くいます。
というのも、夜勤や残業が多いからです。
また、命を預かる仕事内容であることから、プレッシャーを感じながら仕事をすることになります。
日本看護協会のデータによると、看護師の平均月収は大卒で271,381円、高卒と3年課程卒で263,551円です。
確かに同年代の会社員と比べると高いですが、夜勤の苦労や心的な負担を考えると高額とは言えません。
理由4.夜勤で家族との時間が確保できない
夜勤があると、家族との時間が確保できず「看護師にならなきゃよかった」と感じる人もいます。
特に、新人看護師は大きな病院で経験を積むことを選ぶ傾向にあり、夜勤があって当たり前の職場であるケースが多いです。
夜勤だけでなく、早出・日勤・夜勤といった変則的な働き方をするので、結婚をすると「夫との生活リズムが合わない」と感じてしまいます。
さらに、子どもができると夜勤に入りたくないと強く思うでしょう。
理由5.責任が重い
看護師は人の命を預かるため、仕事の責任が重いと感じてしまいます。
自分の判断ミスや医療器具の操作ミスなど、医療ミスによって患者の回復が遅れたり命を落とすこともあり得るのです。
「いつか医療ミスをしてしまうかもしれない」というプレッシャーから、出勤することが辛いと感じる人もいるでしょう。
また、自分のせいでなくても患者を見送る機会があると、思いを馳せてしまい精神的に辛いです。
「命を救う仕事」という憧れの仕事だったはずなのに、「命を落とす瞬間」に多く立ち会ってしまうため、看護師になったことを後悔してしまうのかもしれません。
2.看護師にならなきゃよかったという思いを断ち切る方法
「看護師にならなきゃよかった」と思いながら、仕事をすることは辛いと思います。
後悔する気持ちを断ち切るために、以下の3つの方法を試してみましょう。
- 看護師になったきっかけを思い出す
- 患者に目を向ける
- 働き方を変えられないか上司に相談する
できるだけ早く心を軽くなければ、看護ケアに集中できません。
医療ミスを引き起こす前に、必ず対処しましょう。
方法1.看護師になったきっかけを思い出す
看護師になったきっかけや憧れの看護師像を思い出してみましょう。
思いが蘇ってもう一度頑張ろうと思えるかもしれません。
たとえば、「子供の時支えてもらった看護師さんのようになりたい」「母親のように、人の命を守りたい」など人によってきっかけはさまざまです。
もしかすると、毎日忙しくて憧れていた看護師像とかけ離れた現実を送っている人もいるかもしれません。
しかし、毎日忙しいのは憧れの看護師に近づくために必要なスキル習得のためと考えれば、目の前の仕事に向き合えるようになります。
看護師を目指して頑張って勉強した日々を思い出し、今の仕事に取り組みましょう。
方法2.患者に目を向ける
患者に目を向けることを忘れないようにしましょう。
なぜなら、患者のために一生懸命になれば「ありがとう」と感謝されるからです。
患者や患者の家族からの感謝の言葉は、自分のやりがいに直結します。
しかし、毎日忙しいと、「業務」として仕事をこなしてしまいがちです。
しかし、本来「患者を救いたい」「丁寧なケアをしたい」と考える看護師はたくさんいます。
患者一人ひとりとしっかり向き合うことで、「もう少し頑張ろう」という思いが込み上がってくるでしょう。
方法3.働き方を変えられないか上司に相談する
働き方を変えられないか上司に相談してみましょう。
というのも、働き方を変えることで、負担の軽減につながるからです。
たとえば、「日勤専任で働きたい」「時短で働きたい」「パートで週3で働きたい」など、具体的な要望を上司に伝えましょう。
家族との時間やプライベートを充実させることで、心に余裕が生まれます。
「土日は子どもと思いっきり遊ぼう!」「次の休みは好きなアーティストのライブだ!」と思うことで、仕事も頑張れるはずです。
まずは、自分にとって適切な働き方がどのような形なのかを考えてみましょう。
3.看護師の仕事が向いているのはどんな人?
そもそも、どんな人が看護師の仕事に向いているのか気になりますよね。
自分では「看護師にならなきゃよかった」と思っていても、意外と看護師に向いているかもしれません。
看護師の仕事が向いていない人・向いていない人がどんな人なのか、順番に確認していきましょう。
(1)看護師の仕事が向いている人
看護師の仕事が向いているのは、以下のような人です。
- 人の役に立ちたいという思いがある
- 責任感が強い
- 向上心がある
- 体調管理ができる
- 精神的にタフ
- 女性ばかりの職場でもやっていける
当てはまるのであれば、あなたは看護師に向いています。
今はしんどいかもしれませんが、働き方を変えたり心の余裕を持ったりすることで、前向きになれるはずです。
しんどいことや忙しいことだけに目を向けず、看護師としてのやりがいを見出しましょう。
(2)看護師の仕事が向いていない人
一方で、看護師の仕事が向いていないのは、以下のような人です。
- 規則的な生活を送りたい
- 淡々とした仕事をしたい
- 一人でコツコツ頑張りたい
- 患者を看取ることが辛い
- コミュニケーション力に自信がない
当てはまる項目があるのであれば、看護師の仕事より向いている仕事があるかもしれません。
「看護師にならなきゃよかった」という後悔が消えないのであれば、転職を検討してみましょう。
次の章でどのような転職先がおすすめかを解説していきます。
4.「看護師にならなきゃよかった」という思いが消えないなら転職もあり
もし、改善しようと働きかけてみたにもかかわらず「看護師にならなきゃよかった」という思いが消えないのであれば、転職も視野に入れましょう。
看護師からの転職であれば、以下のような選択肢があります。
- 病院以外で看護師として働く
- 異業種で働く
順番に確認していきましょう。
(1)病院以外で看護師として働く
同じ看護師であっても、病院以外で働けば働き方や仕事内容が大きく変わります。
たしかにキャリアを積むためには、病院が最適です。
しかし、看護師の資格を活かせる職場はたくさんあります。
- 老人ホームなど介護施設
- 幼稚園・保育園
- レジャー施設・遊園地
このような職場にでも、看護師の需要はあります。
急性患者の対応がなく、夜勤のない職場を選べば、比較的ゆったりと働くことが可能です。
せっかく取得した看護師の資格や今まで働いた経験を活かせる仕事を選ぶことをおすすめします。
(2)異業種で働く
看護師から異業種で働くことも視野に入れましょう。
たとえば、製薬会社や医療メーカーであれば、看護師の資格や経験をアピールできます。
営業先が医療機関となるため、看護師としての意見を伝えられるからです。
また、接客業や営業職であれば、未経験での求人はたくさんあります。
もし、何かやりたいことや興味のあることがあるなら、転職をきっかけに挑戦するのもおすすめです。
「看護師」という肩書きに拘らず、自分が楽しく働ける職場を探しましょう。
5.後悔していることを家族や友人に相談しよう
もし、「看護師にならなきゃよかった」と強く後悔しているのであれば、身近な人に相談してみましょう。
思いを吐き出すだけで、ネガティブな気持ちが軽減されるからです。
自分ひとりで思い悩んでしまうと、鬱になりかねません。
これ以上思い悩まないためにも、家族や友人に相談してみましょう。
きっと、あなたのことを優しく受け止めてくれます。
また、「どうやって上司に伝えたらいいかな?」「転職したいけど、どんな仕事が向いてるかな?」と前に進むためのアドバイスも求めてみましょう。
暗い気持ちを一人で抱え込まず、気心知れる家族や友人に気持ちを伝えるだけでも心が軽くなりますよ!
まとめ
「看護師にならなきゃよかった」と後悔することは、おかしいことではありません。
看護師は夜勤・残業が多く責任の重い仕事内容なので、「自分には向いていない」と思う人もいるでしょう。
しかし、このような人であれば看護師の仕事は向いています。
- 人の役に立ちたいという思いがある
- 責任感が強い
- 向上心がある
- 体調管理ができる
- 精神的にタフ
- 女性ばかりの職場でもやっていける
このような人は、辛いことがあっても看護師の仕事にやりがいを見つけて頑張っていくことができます。
一方で、頑張っても看護師にならなきゃよかったという後悔が消えないなら、転職も検討してみて下さい。
精神的に辛くなってしまう前に、自分らしく働ける職場を探しましょう。