「介護の仕事は未経験でも正社員になれる?」
「正社員の他にどんな働き方がある?」
「介護職の正社員で働くメリット・デメリットが知りたい」
介護の仕事、できれば正社員で働きたいと考えている方は少なくないはず。
結論、未経験でも正社員になることは十分可能な業界です。
介護業界の正社員について、採用や待遇、仕事内容について詳しく知りたくありませんか?
正社員になったとしても、仕事を続けられるのか不安もあるはず。
そこでこの記事では、
- 介護業界の雇用形態
- 介護業界の正社員の割合
- 介護業界で未経験でも正社員になる方法
- 正社員の仕事内容
- 正社員で働くメリット・デメリット
についてご紹介します。
介護業界で自分らしい働き方を見つけるための参考にしてください。
目次
知っておきたい介護業界の「正社員」
介護の仕事、できれば正社員で働きたいと考えている方は少なくないはずです。
どのような働き方をするのか明確にするためにも、まずは介護業界の働き方について知っておくとよいでしょう。
ここでは、
- 介護業界のいろいろな働き方
- 介護業界の正社員の割合
について紹介します。
介護業界のいろいろな働き方
働き方 | 労働時間 | 雇用保険 | 給与 | 賞与 | 雇用期間 |
---|---|---|---|---|---|
正社員 | 長い | あり | 高い | あり | 期間なし |
契約社員 | 長い | 契約による | 高め | 契約による | 期間あり |
派遣社員 | 選べる | 派遣会社の 雇用保険 |
派遣会社との 契約による |
派遣会社との 契約による |
期間あり |
パート・アルバイト | 選べる | 契約による | 低い | なし | 契約による |
介護業界の働き方を上の表にまとめました。
それぞれを詳しくみていきましょう。
正社員
勤務がフルタイムであることに加え、事業所を管理する側として責任のある仕事を任されることが増えます。しかしその分、給料や賞与、福利厚生が手厚いなど待遇が充実している場合が多いです。
契約社員
契約社員は採用の時点で仕事内容が定められているため、正社員のように部署移動や職務内容が変わるということはほとんどなく、介護職員として採用された場合は介護の仕事に専念しやすい環境で働くことが可能です。
賞与は支給されない場合が多く、福利厚生面でも正社員よりは劣りますが、正社員への登用を目指して働くことも可能です。
派遣社員
派遣会社から派遣されて介護の現場で働きます。勤務時間や有給休暇、福利厚生などは派遣会社のものが適用されます。あくまで雇用主は派遣会社なので、派遣先での問題は派遣会社の担当者と相談することができる安心感があります。
パート・アルバイト
勤務時間は選びやすいといえます。働ける時間が限られている場合はパート・アルバイトでの勤務を選択する場合が多いです。勤務時間数によって雇用保険などを受けることできますが、賞与は出ない場合が多いです。
未経験でも採用されやすいメリットがあります。働きながら資格取得を目指すことも可能です。
介護業界の正社員の割合
このようにいろいろな働き方がありますが、実際に介護の現場での働き方の割合はどうなっているのでしょうか。
令和元年度「介護労働実態調査」の結果(公益財団法人 介護労働安定センター)によると、介護労働者の雇用形態の割合は、正規職員は66.1%、 非正規職員は31.0% でした。
「正規職員」とは雇用期間の定めのない者ですので無期限契約社員(契約期間の定めのない契約社員)も含みますが、ほとんどが正社員と考えてよさそうです。
つまり、介護業界の66%が正規職員つまり正社員として働いていることがわかります。
理由としては、下記2点が考えられます。
- 2025年問題での深刻な人手不足を補うために今から積極的な採用活動がなされているため
- 介護業界の賃金や労働環境などの待遇改善がなされてきたため
団塊の世代が全て75歳以上を迎える2025年に介護業界では約38万人の人手不足が予想されています。人手不足を補うために、積極的な採用活動が行われています。
また介護の仕事に就く介護職員の給与は全産業平均賃金よりも低いことが問題視され、国は「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇加算」など様々は対策を実施してきました。その結果、介護職員の待遇が改善されてきていることも要因の1つといえます。
このように、介護業界は正社員の割合が比較的高く、正社員になりやすい環境であると考えられます。
介護業界で未経験でも正社員になる方法
介護業界では、未経験から正社員になりやすいと言えます。
ここではその理由と未経験から正社員になる方法をご紹介します。
介護業界で未経験でも正社員になりやすい理由
介護業界で未経験から正社員になりやすい理由は2つあります。
- これからさらに介護職員が必要になるから
- 研修制度や資格取得支援制度が充実している事業所が多いから
詳しくみていきましょう。
これからさらに介護職員が必要になるから
前述した通り2025年に団塊の世代が全て75歳以上を迎えると、介護の現場では約38万人の人手不足が予想されています。
加えて現在でも人手は不足しているため、未経験者も積極的に採用する動きがあります。
実際に求人を探してみると、
「無資格歓迎。」
「無資格未経験、異業種から転職したスタッフなど、みんな活躍中です!」
といった、未経験者を積極的に採用する姿勢がうかがえます。
研修制度や資格取得支援制度が充実している事業所が多いから
未経験者を積極的に採用するとなると、問題となるのはサービスの質の低下です。
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、令和2年度に「働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修等の受講支援を行なった」と回答した事業所は82%ありました。
つまり未経験で働き始めても資格取得を目指せる環境が整ってきているといえます。
未経験から正社員になる2つの方法
未経験からでも正社員になりやすいことをお伝えしました。
ここでは具体的な方法を2つご紹介します。
- 未経験でも正社員登用される求人に応募する
- パートから始めてキャリアアップする
ご紹介する方法を参考に、自分に合った方法を見つけましょう。
未経験でも正社員登用される求人に応募する
未経験でも正社員として採用される求人は多いです。
実際に検索してみると、
「介護未経験でも正社員として勤務できます」
「無資格・未経験の方大歓迎」
などと書かれている求人がすぐに見つかります。
未経験でも正社員の求人ができるということは、研修や資格取得への支援がある職場の可能性が高いですが、
具体的にどのような研修や資格取得の支援があるのかを確認し、できるだけ手厚いサポートが望める職場を選ぶことをおすすめします。
パートから始めてキャリアアップする
「未経験からなので仕事が続くかどうか」
「いきなり正社員からは自信がない」
などの不安があるならパートから始める方法もあります。
最初からフルタイムではなく短時間勤務からはじめていき、自分のペースで成長し正社員を目指します。
その場合は、パート・アルバイトでも積極的な資格取得支援のある職場を探すことをおすすめします。
介護業界で正社員の仕事内容
未経験で正社員に採用されたら、どんな仕事が待っているのでしょうか。
ここでは正社員の仕事内容について紹介します。
正社員の仕事内容は大きく3つに分けることができます。
- 介護業務
- マネジメント業務
- 育成業務
それぞれみていきましょう。
介護業務
介護全般の業務です。
具体的な仕事は、食事介助、排泄介助、入浴介助、着替えの介助、レクリエーションなどです。
マネジメント業務
介護業務を円滑に進めるために必要な介護以外の運営・管理業務です。
ケアマネージャーやリハビリ担当のスタッフとの連携を測ったり、職員の勤務シフトの作成、レクリエーションの企画、各種書類の作成などです。
育成業務
職員の育成にも関わります。
具体的には、新人職員に仕事を教えたり、社内研修を実施するなどです。
正社員とその他の働き方での一番の違いは、マネジメント業務です。
正社員は介護業務だけではなく、サービスを円滑に提供するための裏方的な業務も行います。
正社員のメリット・デメリット
正社員の仕事内容について説明しましたが、ここで正社員として働くメリット・デメリットを紹介します。
もちろんメリットもあれば、デメリットもありますので、参考にしてください。
正社員で働くメリット
給与が高い
他の働き方に比べて給与が高いことは最大のメリットといえます。賞与の支給もあります。
手厚い福利厚生
労働保険、健康保険、厚生年金、介護保険などの各種社会保険に加入します。
その他に社員寮や保養所、社内託児所があったり、特別休暇制度や資格取得支援制度などが設けられている場合があります。
希望の就職先にどのような福利厚生があるのか、あらかじめ確認することをおすすめします。
昇給・昇進しやすい
正社員は昇給や昇進の条件が整備されている場合が多いため、積極的に働き成長することで昇給や昇進を見込めます。
また、未経験から働く場合には、資格を取得すると給与はアップします。
早くスキルアップできる・資格取得も支援あり
福利厚生と重なる部分もありますが、介護業界では資格取得支援制度が設けられている場合が多いです。
正社員であれば確実に利用できます。
正社員で働くデメリット
時間の融通が効きにくい
フルタイムに加え、仕事が終わらない時には残業もあります。
それに他の職員の急な勤務時間変更に対応することもあったりと、時間の融通は利きにくくなります。
介護業務だけでなく、会議やマネジメント業務にも時間を割く事になる
介護の仕事に加え、施設運営のためのマネジメント業務なども担当することになり、責任ある仕事が増えていきます。
書類作成や会議などに時間を割くことが増えていきます。
事業所によっては転勤などの可能性もある
他の職業と同様に正社員の場合、異動や転勤などの可能性があります。
事業所の新設や人員調整などで、転勤になったり、就労先によっては介護業務を行う以外の部署への異動もあるかもしれません。
未経験でも介護職の正社員になれる
介護の仕事はさまざまな働き方がありますが、正社員の割合は比較的高いです。
介護業界では超高齢化社会に向けての人材確保が急務となっており、採用活動と人材育成には国や地域も関わって力を入れています。
そのため未経験からでも介護職の正社員になることは比較的容易にできます。
正社員は給与や待遇面では優位ですが、時間の融通が利きにくかったり責任の重い仕事を任されます。
資格取得支援に力を入れる事業所も増えてきていますので、未経験から働きながら資格取得を目指すことは十分可能です。
本記事では未経験から介護職の正社員になることついて取り上げましたが、当サイトでは主に介護について取り上げています。
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