介護師

知っておきたい!仕事のスキルがさらにアップする介護食士の資格とは?

介護食士の資格は、介護食に興味を持っている人にとって、より深い知識が得られ実践に役立ちます。

それは、介護食士の資格を取得することにより、仕事の幅が広がりクオリティが上がるからです。

この記事を読んでいる人の中には、介護食士がどのような資格なのかよく分からないという人もいるのではないかと思います。

介護食士の資格は、必ずしも直接的に就職や転職で有利になる資格ではありません

しかし、履歴書に書くことで終わらない、深い学びがある資格です。

ここでは、そんな介護食士の資格について詳しくご紹介していきます。

介護食士について正しく理解することで、ぜひ今後の仕事にお役立てください。

目次

1.介護食士の資格取得で得られる3つのメリット

介護食士のメリット

介護食士の資格は、介護食に携わる仕事をしている人や介護食に関わる仕事をしたいと考えている人なら様々なメリットが得られる資格です。

そして、取得するまでの過程でも大きな成長が期待できる資格でもあります。

ここでご紹介する介護食士の資格取得のメリットは、以下の3つです。

  1. 専門知識を活かした最適な介護食を提供できる
  2. 家族の在宅介護や自分の老後に役立つ
  3. 介護職以外の現場でも活かすことができる

さっそく見ていきましょう。

メリット1.専門知識を活かした最適な介護食を提供できる

介護食士の資格を取得することで、要介護者の方一人ひとりに寄り添った介護食を食べてもらえるようになります。

なぜなら、介護食士1~3級の取得のために、栄養学から医学、心理学など、介護食に関する多角的な専門知識が習得できるからです。

介護士やホームヘルパー、栄養士・管理栄養士、調理師など、要介護者の方に食事を提供する役割を担っている職業はいろいろあります。

例えば、介護士は食事の介助の際にきめ細かなサポートができるようになるでしょう。

また、ホームヘルパーは、要介護者の方の状態に合わせた栄養バランスの良い献立を作成したり、家族へのアドバイスができるようになります。

つまり、介護食に関わる仕事をしている方にとって必要な知識をまとめて習得できるのが、介護食士の資格なのです。

メリット2.家族の在宅介護や自分の老後に役立つ

介護食士の資格は、在宅介護をするご家族が感じる介護食の負担を軽減するためにも役に立つ資格といえます。

精神的な負担は、豊富な知識の裏付けから自信をもって介護食を提供できるようになることで払拭されるからです。

介護食に負担を感じる人の多くが、以下のようなことを話しています。

「メニューがワンパターンになるからバリエーションを考えるのが大変」

栄養のある食事が提供できているのか不安に感じる」

こうした悩みは介護食に関する専門知識で解消できるようになるでしょう。

ご家族が突然要介護者になる、または資格取得者自身が要介護者になるといったことは、誰にでも起こり得ることです。

そして、実際に介護が必要になったとき、介護食についての深い知識が介護の負担を大きく減らしてくれるでしょう。

メリット3.介護職以外の現場でも活かすことができる

介護食士の資格は、飲食業界のメニュー開発担当や食品業界の商品担当にとっても、大変有効といえます。

それは、超高齢化社会にある現代社会において、介護食市場が年々拡大してきているからです。

介護食へのニーズは、一人暮らしの要介護者の栄養補助、仕事と介護を両立する家族の負担軽減などのために、ますます増えてくるでしょう。

こうした中で、介護食のスペシャリストになるための介護食士の資格を取得することは非常に大きな武器になり得ます。

食品大手の各メーカーや飲食チェーン店では、多くの介護食関連の開発事業が進んでおり、こうした仕事に関わるチャンスにも恵まれるでしょう。

今後も、様々な業種で介護の知識が役立つようになると考えられます。

ですから、介護食の専門的な知識を身につけておくことは、決して無駄になることはありません。

2.介護食士について知るところから始めよう

介護食士のメリットについては伝わったかと思いますが、では介護食士の資格とはどのようなものなのでしょうか?

介護食士の基本的なことについて3つご紹介します。

  1. 給与はどのくらい?
  2. 試験は難しい?
  3. 介護食士のやりがいとは?

では、どのようなものか確認してみましょう。

(1)給与はどのくらい?

現在のところ、介護食士として募集をしている求人は少なく、資格取得者は介護食に関わる様々な職種の中で活躍をしています。

介護食士は職業ではなく、あくまで介護食についての専門的な知識を身につけていることを証明する資格だからです。

ですから、職種によって給与は異なります

福祉施設介護員 233万円
ケアマネージャー 274万円
ホームヘルパー 244万円
栄養士 237万円
調理士 254万円

これらの職業のうち、栄養士や管理栄養士は介護食士の資格取得によって手当が上乗せされる可能性があるので、相談をしてみましょう。

介護食士の資格が直接的に給与に反映されることは少ないですが、取得の際は事前に職場で確認しておくのがおすすめです。

(2)試験は難しい?

介護食士の試験は、比較的難易度が低い資格と言えます。

なぜなら、試験は筆記試験、実技試験のいずれも60点以上で合格になるからです。

基本的に、学んだことがしっかりと頭に入っているなら不合格にはならないラインと言えるでしょう。

ただし、合格率は公式サイトでも明記されていません

90%以上と言われているところもありますが、不安があるなら直接聞いてみると良いでしょう。

ただし、介護食士の試験を受けるためには、講習会への80%以上の出席が認められることが必要となります。

ですから、受験資格が得られれば、たいていの場合は合格できる資格と考えても良でしょう。

(3)介護食士のやりがいとは?

介護食士のやりがいは、要介護者の方の変化から感じ取ることができます。

提供した介護食によって快方に向かう要介護者の様子を実感できることは、介護の従事者にとって何より嬉しいことだからです。

例えば、こんなことからも大きなやりがいを感じられます。

「介護食の献立に関するアドバイスのおかげで、少しずつ食べられる量が増えてきたと、ご家族から感謝の言葉をいただけた」

「専門知識を活かして作った介護食のおかげで笑顔が増えた要介護者の方を見かけた」

このように、要介護者の方の食事に関わる仕事は、責任が重い仕事であると同時に大きなやりがいを感じられる仕事でもあるのです。

3.介護食士・介護食アドバイザー・介護食コーディネーターの違い

介護食に関わる資格は、介護食士以外にも「介護食アドバイザー」や「介護食コーディネーター」などがあることをご存じですか?

それぞれの資格の違いを3つご紹介します。

  1. 資格の認知内容が違う
  2. 受講にかかる費用と期間が違う
  3. 資格取得の条件の有無が違う

どのような違いがあるか、一つずつ見てみましょう。

違い1.資格の認定内容が違う

介護食士の資格は、介護食について様々な角度から学び、深い専門知識を身につけたことを認める資格であるところが、1つ目の違いになります。

介護食アドバイザー及び介護食コーディネーターは、介護食士よりややライトな資格で、介護食のレシピや調理法の習得を認定する資格だからです。

また、介護食士は内閣総理大臣認定の公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定する資格になります。

一方、介護食アドバイザーは日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。

そして、介護食コーディネーターは一般社団法人日本味育協会が認定する資格になります。

介護食アドバイザー及び介護食コーディネーターは介護食の調理を中心に学ぶのです。

これに対して、介護食士は仕事で役立つ専門知識の習得を重視した資格と言えるでしょう。

違い2.受講にかかる費用と期間が違う

介護食士の資格取得には、介護食アドバイザー・介護食コーディネーターの約2倍の費用と期間がかかります。

介護食士は学科や実習の講習を協会の認定校に通って受講する必要があるからです。

また、介護食士の受講料は、全国に54校ある協会指定の認定校によって違いはありますが、約7~9万円で受講期間は6ヶ月間になります。

介護食アドバイザーは通信制で受講し、受講料は約4万5千円、受講期間は3ヶ月間です。

介護食コーディネーターも通信制の受講で、受講料は約3万円、受講期間は介護食アドバイザーと同様に3ヶ月間になります。

介護食士は受講料も期間も他の2つの資格と比較してハードルが高めです。

しかし、多くの費用や時間を費やす分、実践的でたくさんの専門知識を習得できる資格と言い換えることもできるでしょう。

違い3.資格取得の条件の有無が違う

介護食士の資格は、2級以降から取得のための条件が設けられています。

介護食士の資格が、3級から順番に取得するように決められた資格だからです。

3級は受講の条件がありませんが、2級を取得できるのは3級を合格した人に限られます。

また、1級は介護食の調理経験が2年以上あることと25歳以上であることという条件が設定されています。

介護食アドバイザーと介護食コーディネーターには、こうした受講の条件はありません。

介護食士を目指すのであれば、事前に条件をきちんと把握しておきましょう。

4.介護士から介護食士になるには

介護士が介護食士になる方法

介護士として働いている人が介護食士になるためには、介護食士の資格が必要になります。

ここでは、介護食士の資格取得までの流れについて、順を追って説明します。

  1. 受講する学校を決める
  2. 学科と実習の講座を受講する
  3. 試験に合格する

では順番に見てみましょう。

ステップ1.受講する学校を決める

介護食士の資格を取得するためには、公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定している学校の講習会を受講することが必要になります。

介護食士の資格は、通信制度が設けられていないからです。

認定校は全国に54校あり、入学をして受講をするか、一般向けの講習会を受講するかを選択します。

受講スケジュールは各認定校によって異なるので、事前に問い合わせておきましょう。

介護食士の資格取得のためには講座の受講が必須なので、通いやすい学校を探して受講の手続きを行います。

ステップ2.学科と実習の講座を受講する

受講の手続きをしたら、指定の日時に講座を受講します。

3級の講座内容は以下の通りです。

学科(全24時間)
  • 介護食士概論
  • 高齢者の心理
  • 医学的基礎知識
  • 栄養学
  • 食品学
  • 食品衛生学
実習(全48時間)
  • 調理理論・実習

2級は学科16時間・実習56時間、1級は学科32時間・実習40時間です。

各級の終了時に行われる試験に合格してからの受講になります。

ステップ3.試験に合格する

介護食士の試験は、よほどのことがない限り合格することができるので安心してください。

試験問題は講習で学んだことから出題されるので、特別な対策をしなくてもきちんと講習を受けていれば合格することができるからです。

ただし、試験は各級の講座を全体の80%受講しなければ受けられないので気をつけてください。

試験は60点以上で合格になります。

受験した人のほとんどが合格できる資格なので、試験より講習をしっかりと受けることを重視しましょう。

5.失敗例から学ぶ!介護食士の資格を取得するなら知っておきたい事例3選

介護食士の資格を取得した人の中には、取得前に想定していたのと現実に違いがあり、思っていたような結果が得られなかったと後悔をする人もいます。

こうしたことにならないよう、失敗例を参考にしてみてください。

  1. 資格取得にかかる時間や費用の負担が思っていたより大きかった
  2. 「介護食士」として募集をしている求人がほとんどなかった
  3. 資格が給料に反映されることがなかった

さあ、どんな失敗だったのか、確認してみましょう。

失敗例1.資格取得にかかる時間や費用の負担が思っていたより大きかった

介護食士の資格は、ちょっと学んでみたいといったような軽い気持ちで取得ができる資格ではありません

仕事をしながら介護食士の資格を習得するのであれば、時間の確保がなかなか難しいからです。

1~3級まで取得するためには、約6ヶ月間の通学が必須になるため、かなり負担になる人も多いでしょう。

認定校の中には、土曜日に講座を開講しているところもあるので、受講の申し込みの際に確認をしてみてください。

また、受講料は認定校によって幅がありますが、だいたい7〜9万円となっており、こちらも負担の大きい金額です。

通える範囲内にいくつか認定校があるようでしたら、比較して安いところを探してみましょう。

介護食士の資格は気軽に取得することができる資格ではありませんが、それだけしっかりと知識を身につけることができる資格ともいえます。

失敗例2.「介護食士」として募集をしている求人がほとんどなかった

残念ながら、現状では直接「介護食士」として募集をしている求人はほとんどありません

介護食士とは、職種ではなくあくまで資格だからです。

介護食に従事する仕事の募集としては、栄養士や管理栄養士、調理師の募集がメインになります。

介護食に関わる仕事にしたいのであれば、まず栄養士や管理栄養士、調理師といった国家資格の免許を取得が近道です。

その上で、さらに知識を広げるために介護食士の資格を取得するといいでしょう。

事前に、介護食に関する募集にはどのような職種があるのか、確認をするようにしておくといいかもしれません。

失敗例3.資格が給料に反映されることがなかった

介護士が介護食士の資格を取得したとしても現状では給料アップに直接つながることは多くありません

介護食士は職業ではなく民間資格です。

国家資格と比べると、影響力が弱く給料アップにつながるような効力があまりありません。

一方、調理士や栄養士、管理栄養士といった国家資格を取得している方は、所得に影響することもあるので、職場に申請してみるといいでしょう。

6.介護食士の資格取得に向いている人の3つのパターン

大切な時間と費用を費やして取得する介護食士の資格取得ですから、学んだ知識はしっかりと役立てましょう。

参考のため、介護食士の資格取得に向いている人のパターンを3つご紹介していきます。

  1. 要介護者の方にもっと食事を楽しんでほしい人
  2. 食の仕事のスキルをさらにアップさせたいと考えている人
  3. 調理師や栄養士を目指している学生

では、それぞれ見てみましょう。

パターン1.要介護者の方にもっと食事を楽しんでほしい人

日頃から、要介護者の方に充実した介護食を提供するために試行錯誤している人は、介護食士の資格取得に向いています。

資格の取得により、要介護者に質の高い介護食を提供できるようになるのが介護食士の資格だからです。

これまで疑問を感じながら提供していた自己流の介護食も、専門知識の裏付けにより自信を持って提供できるようになるでしょう。

介護食の充実を自分の喜びにできる人は、介護食士の資格取得に最適といえます。

パターン2.食の仕事のスキルをさらにアップさせたいと考えている人

食の仕事に携わる中でのスキルアップを望んでいる人も、介護食士の取得に向いています。

これからの時代は、様々な分野で今以上に介護食の知識が必要になるからです。

これまでは主に介護従事者が担っていましたが、今後は広く食関連の仕事に携わる人も介護食に関わる場面が増えてきます

超高齢化社会を意識した、介護食に関する深い知識が求められるようになるのです。

食の仕事に従事している人にとって、これまで培ってきた食の知識に介護食の知識がプラスされることによって、さらに仕事の幅が広がります。

スキルアップをしたいと考えている人は、介護食士の資格取得を検討してみましょう。

パターン3.調理師や栄養士を目指している学生

これから調理師や栄養士の道に進みたい、と考えている学生も向いているといえます。

学校によっては、授業の一環で資格が取得できることもあるからです。

公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定校にしているのは、調理師の専門学校や栄養学を学ぶ大学・短期大学の認定校がほとんどです。

通っている学校で介護食士の資格が取得できるのであれば、取っておくと良いでしょう。

まとめ

介護食士の資格は、様々な仕事で活用できる介護食の専門知識を徹底して学べる資格といえます。

それは、通信で取得できる資格と違って学科と実習を通学で受講する分、実践で役立つ多くの知識を習得できる資格だからです。

昨今では、食品メーカーや飲食店など食関連の様々な業種においても介護食に関する知識が求められるようになりました。

この資格は、直接的に就職や転職で有利になるものではありません。

しかし、介護食の専門知識を習得することによって、これまで培ってきたスキルをさらにアップできるのが、介護食士の資格なのです。