「看護師になるには大卒と専門卒どちらが良い?」
「何かできる仕事に違いはあるの?」
とお悩みの看護師志望者は少なくありません。
大卒も専門卒も取れる看護師資格は同じですが、勉強する年数や内容は異なります。
実際、看護師として働いてからも、大卒と専門卒は違うと感じる人は多いようです。
この記事では、大卒看護師と専門卒看護師の違いを解説していきます。
大学と専門学校、どちらが自分に合っているか考えて納得の行く進路を選びましょう。
目次
1.実は大卒看護師も専門卒看護師も変わらない?
大卒看護師も、専門卒看護師もできる仕事や資格の内容は変わりません。
学校に行く年数は大学が4年、専門学校が3年と違いますが、卒業後は同じ新人看護師として活躍します。
学校で学習する基本的な内容も同じなので、看護の現場で大卒と専門卒の差を感じることは少ないでしょう。
しかし、介護専門転職エージェント「看護roo!」のアンケートによると、「現場では感じないけど待遇の違いを感じる(専門卒)」と回答した人は59%にも上ります。
仕事や能力の面で目立った差はありませんが、職場によっては大卒と専門卒で待遇が違うこともあり不満を感じる人もいるようです。
大卒と専門卒でどう待遇が違っているのか、次で詳しく確認していきましょう。
2.大卒の看護師と専門卒の看護師の違い5つ!
大卒の看護師と専門卒の看護師ができる仕事に違いはありません。
しかし、待遇面で違う点もあるので、大学に行くか専門学校に行くか迷っている人は事前にチェックしておきましょう。
大卒看護師と専門卒看護師の主な違いは、以下の通りです。
- 初任給の額が異なる
- 昇進スピードが異なる
- 評価のされ方が異なる
- 資格の取りやすさが異なる
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
違い1.初任給の額が異なる
大学卒と専門卒では勉強した期間が異なるので、初任給の額が違います。
日本看護協会のデータによると、3年課程卒(専門学校卒)の平均税込給与月額は264,307 円で、大卒は272,018 円です。
大きな違いではありませんが、毎月1万円ほど給与が違うことに不満を感じる専門卒の人もいます。
ただし、専門学校の方が1年早く看護師として働き始めることができるので、初任給の差が気にならないという人が多いようです。
違い2.昇進スピードが異なる
大卒と専門卒では、昇進スピードが異なる可能性は高いです。
職場によっては、大卒と専門卒に待遇の差はないものの管理職はほとんど大卒、というケースもあります。
出世に学歴を重視するかどうかは職場によって異なるので、管理職が専門卒という職場も多いです。
しかし、うっすら昇進スピードに差があるように感じたり、専門卒が管理職になりにくかったりする雰囲気はあるかもしれません。
違い3.評価のされ方が異なる
大卒と専門卒で、評価のされかたが異なるケースは少なくないでしょう。
例えば、専門卒は実習を多く経験しているから優秀と考える職場もあれば、大卒の方が勉強した期間が長いから優秀、と見ることもあります。
どう評価するかは職場によって異なりますが、上司が学歴を理由にして評価を変える場合、昇給に影響が出るかもしれません。
評価基準が不満なら、転職や異動を検討するなど柔軟な対応が必要なこともあるでしょう。
違い4.資格の取りやすさが異なる
大学院の卒業が必要な資格については、すでに学士を持っている大卒の方が強いです。
保健師、助産師、専門看護師の資格取得には、大学卒業が必須となります。
専門学校からでも大学院などに入ることはできますが、対応できる学校の数は少なくエリアによっては通うのが難しいかもしれません。
そのため、大学を出て看護師になった方が、上位資格の資格を目指しやすいでしょう。
以上が、大卒看護師と専門卒看護師の違いでした。
仕事の内容や資格に違いはありませんが、待遇や出世が異なる職場もあるようです。
大卒看護師の増加により、大卒と専門卒を区別しない職場は増えると言われますが、どちらを選ぶべきか悩む人は多いでしょう。
そこで次は、大卒と専門卒、看護師になるにはどちらが良いのか解説します。
学費についても紹介するので、悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
3.看護師になるなら大卒or専門卒どちらが良い?
できる仕事は変わりませんが、大卒看護師の方が出世のチャンスが大きいので可能であれば大学に行くのがおすすめです。
看護師といえば専門学校、というイメージを持つ人は多いですが、看護学部の増加により、大卒看護師の数は増えています。
2019年旺文社教育情報センターの調査によると、看護師国家試験合格者のうち、大卒者は36.9%です。
今後も大卒看護師の数は増えていくとみられ、大学卒業が看護師のスタンダードになる可能性もあります。
キャリアのことを考えるなら、大学で看護を学ぶのが良いでしょう。
ただし、実務に繋がる学びを学生のうちからしたいという人は、実習の多い専門学校も検討すべきです。
また、専門学校の教育課程は3年ほどとなっており、大学卒と比べ1年早く早く看護師になれます。
少しでも早く現場で活躍できる看護師になりたい人は、専門学校を選ぶのが良いでしょう。
大学と専門学校でかかる費用の差
大学と専門学校では、かかる費用の違いもあります。
大学によって異なりますが、大学卒業までにかかる費用は国公立大学なら200〜300万円、私立大学なら400万円〜です。
一方、専門学校なら国公立で100万円程度、私立で200〜300万円とかなり費用を抑えることができます。
なるべく少ない費用で看護師資格を取るなら、国公立の専門学校を狙った方が良いでしょう。
以上が大卒と専門卒との差でした。
費用面の不安が解消されるなら、大学を出て看護師になるのがおすすめです。
しかし、実習の多い専門学校ではより現場に合った知識が身につくこともあり、どちらに行くべきか迷う人は少なくありません。
そこで次は、大卒で看護師を目指すべき人の特徴を解説します。
「やっぱり大学に行くか専門学校に行くか迷う…」
という人は、ぜひ読んでみてください。
4.大卒で看護師を目指すべき人の特徴
大学を卒業して看護師になりたい、と考える人は増えています。
大卒で看護師になるべきなのは、どんな人なのでしょうか。
ここからは、大学に行こうかなと考えている人へ、大卒を目指すべき人の特徴について解説していきます。
- 自分で自由に学ぶ授業を選びたい人
- 実務より看護学を優先して学びたい人
- 将来資格取得を考えている
自分の進路を決めるため、ぜひ参考にしてください。
特徴1.自分で自由に学ぶ授業を選びたい人
大学ではある程度授業を自由に選べるので、興味のある分野を積極的に学びたい人には向いています。
専門学校はほとんど必修授業であり、他の科目を自由に学べるケースは少ないです。
しかし、大学であれば教養課程もあり、看護とは直接関係ない授業も取ることができます。
勉強できる環境を活かし、看護学以外も学びたいという人は、大学が向いているでしょう。
特徴2.実務より看護学を優先して学びたい人
看護師としての実務より、看護学を学問的に学びたい人は大学で資格を取った方が良いでしょう。
大学も専門学校も、基本的な勉強の内容は同じですが、大学の方が理論的な授業が多く、専門の方が実習が多いです。
そのため現場では「大卒は現場で使えない」と言われることもあるが、学問的に看護を学べるのは大学だけとも言えます。
看護師になるため、看護学の基本的な部分をじっくり学びたい人は、大学に行くのがおすすめです。
特徴3.将来資格取得を考えている
将来、保健師、助産師、専門看護師の資格取得を検討しているなら、大学に行くべきです。
保健師、助産師などの資格取得には、大学卒業に加え専門学校や大学院での勉強が必須になります。
専門学校卒業からこういった資格を目指す場合、大学に改めて通う必要があるのでかなり時間がかかるでしょう。
昨今は専門学校から大学院に行けるルートもありますが、スムーズに上位資格を取得するなら大学を出ておくのがおすすめです。
以上が、大学に行って看護師資格を取得すべき人でした。
大学と専門学校では学べる環境が違うので、今後のキャリアだけでなく学びの内容についてもチェックしましょう。
次は、看護師になれる学校を選ぶ際のポイントを解説します。
「行きたい学校がたくさんあって迷う」「自分に合う学校が分からない」という人は、ぜひ読んでください。
5.まずは気になる学校について調べよう!
大学が合うか、専門学校が合うかどうかは個人の考え方によって違います。
そのため、まずは気になる学校のオープンキャンパスに参加して雰囲気を見てみましょう。
勉強の内容は進め方は、学校によって変わります。
どの学校なら勉強を途中で諦めず、看護師資格を取ることができるかを一番に考えた方が良いでしょう。
オープンキャンパスや先輩との座談会に参加すれば、学校の先生や先輩に大卒と専門卒の違いや、実態について聞いてみることもできます。
卒業後のキャリアについて1人で悩む前に、気になる学校について情報収集をしてみましょう。
まとめ
大卒と専門学校卒でできる仕事は変わりませんが、待遇に違いがある職場も少なくありません。
また、大学は看護理論的な勉強が多く、専門学校は実習が多いという違いもあります。
勉強の内容や将来のことを考えて、自分に合った学校を選びましょう。