「主任にならないかと言われたけどどうすれば良い?」
「主任看護師になるメリットってあるの?」
主任への昇進チャンスは嬉しいものですが、本当に主任になるべきか悩む人は少なくありません。
主任は管理職であるため残業代も出なくなりますし、責任も大きくなります。
しかし、その分仕事の裁量は増えさらなる出世のチャンスも得ることが可能です。
この記事では、主任看護師の仕事内容とメリット、デメリットを解説します。
主任の実態を知り、これからのキャリアについて納得のいく決断をしましょう。
目次
1.主任看護師として果たすべき役割とは?
主任への昇進を提案されたものの、主任看護師が具体的にどんな仕事をしているか分からない、という人も多いでしょう。
主任看護師は、看護師の中間管理職的な存在として一般スタッフをまとめるのが主な仕事です。
具体的には、以下のような業務を行います。
- 一般スタッフの育成
- 職場環境の改善
- 業務の見直し・企画
- 一般スタッフのシフト作成
- 一般スタッフの業務管理
- 看護師長との調整
主任看護師は一般スタッフの管理・指導を行うため、ある程度の経験が必要になります。
そのため、主任に任命されるのは少なくともキャリア10年以上の看護師です。
主任看護師の責任を負担に感じる人も多いですが、その分裁量も増えやりがいは大きくなります。
主任になるか悩んでいる人は、記事内で解説する主任看護師の給料やメリット・デメリットを見て納得の行く選択をしましょう。
次は、主任看護師の給料について解説します。
主任になるという選択をする前に、ぜひチェックしてください。
2.気になる主任看護師の給料事情とは?
日本看護協会の2012年度調査によると、看護師主任の基本給は平均32万7,143円(平均年齢 50.1歳)でした。
一見高いようにも見えますよね。
しかし、病院内で基本給が最も高いスタッフ(非管理職)の基本給月額が平均32万3,298 円(平均年齢 53.0 歳)です。
そのため、意外に主任と非管理職には大きな差はありません。
主任になれば、基本給に加え主任手当(月1万円〜5万円ほど)がつく病院もありますが、残業代と夜勤手当は出ないので総合的に見ると給料が減る人は多いです。
さらに看護主任になると夜勤の仕事に入る機会が減るため、夜勤で稼いでいた看護師は収入が減ってしまうでしょう。
主任手当が高めの職場でなければ、主任になる給与面のメリットは大きくありません。
むしろ、給料ダウンの可能性もあるので給与額を最重視する人は、主任昇進についてもう一度考えた方が良いでしょう。
次は、主任になる給与以外の注意点を解説していきます。
主任になる前に、デメリットをしっかり押さえておきましょう。
3.主任看護師として働くデメリット3つ
看護主任になり管理職となるのは出世と言えますが、実際にはデメリットもあります。
「主任看護師になろうかな」と考えている人は、主任として働くデメリットを知ってから判断しましょう。
主任になるデメリットは、以下の通りです。
- 業務量が増える職場が多い
- 周りの人を頼りにくくなる
- 現場と管理職の板挟みになる
これからも自分らしく働くため、しっかり確認しておきましょう。
デメリット1.業務量が増える職場が多い
主任としての仕事は非常に忙しいため、業務量が増える可能性は非常に高いです。
特に主任になったばかりの頃は、スタッフの管理に慣れず毎日残業が必要な日も多いでしょう。
しかし、主任は管理職なのでどれだけ残業をしても、追加で残業代をもらうことはできません。
追加でお給料をもらうために残業を頑張ってきた看護師は、主任の待遇を不満を感じる可能性が高いでしょう。
デメリット2.周りの人を頼りにくくなる
主任は一般スタッフから、「指導をする側」として見られるので周りの人を頼りにくくなってしまいます。
これまでの仕事では、分からない点や困ったことを周りのスタッフに聞くことができたはずです。
しかし、主任になると一般スタッフと気軽にやり取りしにくくなり、分からないことを聞きづらい空気感になってしまいます。
また、仕事でミスをすると、現場スタッフからは「主任なのにこんなこともできないの?」と見下されるケースも少なくありません。
周りをなかなか頼れなくなる分、精神的な負担は増えてしまうでしょう。
デメリット3.現場と管理職の板挟みになる
看護主任は中間管理職であるため、現場と他の管理職の板挟みになることも少なくありません。
主任の仕事の中には、看護師長と一般スタッフとの調整もあります。
現場と管理職側で意見が違う場合には、双方の考えを聞いて調整しなければいけないので、難しい判断を迫られることもあるでしょう。
また、調整役として頑張るうちに、現場からも他の管理職側からも疎まれてしまう主任看護師もいます。
主任になることで、人間関係の悩みが深まる可能性は十分あるでしょう。
以上が、主任看護師になるデメリットでした。
主任は管理職として、独立した立場で仕事をしなければいけません。
一般スタッフと比べ責任は重くなるので、主任になれば仕事をなんとしてでもやり遂げるという意志が必要でしょう。
次は、主任になるか迷っている人に向け、主任看護師のメリットも解説します。
「せっかくの昇進チャンスを活かしたい!」
と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
4.迷っている人必見!主任看護師になるメリットは?
主任看護師にはデメリットもありますが、やはり昇進するメリットもあります。
主任の話を受けるべきか迷っている人は、主任看護師になった後のメリットを考え総合的に判断しましょう。
主任看護師として働くメリットは、以下の通りです。
- 発言に影響力がつく
- 幅広い経験が積める
- さらなる出世のチャンスが手に入る
主任昇進のチャンスを前向きに捉えるため、ぜひ読んでみてください。
メリット1.発言に影響力がつく
主任という役職が付けば、一つひとつの発言に影響力が出ます。
そのため、今まで聞き流されていた現場の問題も、主任という役職がつけばさらに上の管理職に訴えやすくなるはずです。
また、主任であれば一般スタッフへのアドバイスも聞き入れてもらいやすくなるでしょう。
今の現場に課題を感じる人、自分の力で現場を理想の環境に近づけたい人は主任として活躍するが向いています。
メリット2.幅広い経験が積める
主任になれば、管理職として新しい経験が積めるので自己成長につながります。
これまで自分と周りの仕事しか見えていなかったという人も、主任という立場では職場全体のことを考えて動かなければいけません。
責任が伴う役職ですが、現場をより広い視野で見れるようになるので、問題点にも気づきやすいでしょう。
また、一般スタッフへの指導を行うことで、自分が今まで行ってきた業務を指導の立場から見直すことができます。
自分の不十分だった点を洗い出し、必要な勉強をすればさらなるスキルアップにもつながるはずです。
メリット3.さらなる出世のチャンスが手に入る
看護主任として実績を上げることで、看護師長、看護部長へと出世する道も見えてきます。
昇進をすれば今よりさらに裁量が増え、自分のやりたい看護を実現できるはずです。
また、後輩の看護師からお手本として尊敬される立場になるので、大きな役職が付くことで仕事のやりがいも大きくなるでしょう。
将来管理職として活躍することを視野に入れているなら、主任への昇進チャンスは逃せません。
主任看護師という立場は大変ですが、出世に必要な苦難と考え乗り越えていく看護師は多いです。
以上が、主任看護師になるメリットでした。
主任への道は、さらなる昇進・活躍へのチャンスです。
迷っているなら、一度主任の待遇や働き方について上司から話を聞いた方が良いでしょう。
次は、主任になるかどうか判断するためのポイントを解説します。
「どうすれば良いか分からない!」
という人はぜひ参考にしてください。
5.主任になるかどうかは自分の気持ちで決めよう
看護主任になるべきどうかは、自分の希望する働き方やキャリアプランによって異なります。
メリットとデメリットを踏まえた上で「主任になってみたい」という気持ちがあれば引き受けるべきですし、どうしても嫌なら断るのもアリでしょう。
現場でずっと働きたいという気持ちから、管理職の話を断り一般スタッフのままで居ることを選ぶ人もいます。
主任になるかどうかは、自分の気持ちを最優先にして決めることが大切です。
しかし、せっかくのチャンスなので、少しでも前向きな気持ちがあるなら主任の話を受けることを考えてみましょう。
主任になれば、また新たしい視点から看護の現場を見ることができます。
「どうしても管理職として働く時間がない」
「夜勤に入れる日が少なくなるのは困る」
といった事情がなければ、主任の仕事に挑戦してみてください。
まとめ
主任看護師になると、管理職として一般スタッフをまとめる立場になります。
そのため、これまでより責任が重くなり辛いと感じる看護師は少なくありません。
しかし、今後看護師としてキャリアアップするなら主任看護師としての経験は必須です。
これからのキャリアや自分の性格を考えて、主任の話を受けるべきか判断しましょう。