介護師

介護支援専門員の給料相場が知りたい!パートや公務員勤めの平均給料は?

介護支援専門員(=ケアマネジャー)の給料相場っていくらぐらいなのでしょうか?

職場や役職に応じて給料が多少前後することは、なんとなく想像できます。

しかし、介護支援専門員になりたいと本気で考えている人ならもっと具体的な情報が欲しいはずです。

この記事は介護支援専門員が実際にもらう給料額や、活躍している職場、またどのような働き方があるのかをまとめて書いています

正社員以外にも、パートや公務員として働いた場合の給料も調べてあるので、ぜひ参考にしてくださいね!

1.介護支援専門員の平均給料や手当っていくら?

介護支援専門員の給料・平均月収

それではさっそく、介護支援専門員の平均給料や手当について見ていきましょう。

介護支援専門員の平均給料は、常勤(正社員)か、非常勤(パートタイマー)かによって異なるので、それぞれ分けて書いていきます。

  1. 月給ベースで比べる常勤・非常勤の平均給料
  2. 時給ベースで比べる常勤・非常勤の平均給料

この2つを見ていきましょう。

(1)月給ベースで比べる常勤・非常勤の平均給料

介護支援専門員の平均給料ですが、常勤の場合約360,000円、非常勤だと約280,000円になります

厚生労働省の出している令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果という資料があります。

その資料から、介護支援専門員の常勤・非常勤それぞれの平均給料額を抜き出してみたので、ご覧ください。

  常勤 非常勤
平均給与額 357,850円 282,390円

ご覧いただくと分かるとおり、常勤と非常勤とで約75,000円の差が出ています

(2)時給ベースで比べる常勤・非常勤の平均給料

次に時給ベースで働く常勤、非常勤の平均給料を比べてみましょう。

こちらも同じく令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果から、該当部分のみ抜き出してみました。

以下の表をご覧ください。

  常勤 非常勤
平均給与額  262,500円  143,960円

こちらは常勤と非常勤とで、118,000円もの差が開いていました

月給ベースで働く常勤と時給ベースで働く非常勤を比べると、実に月給にして200,000円以上の差がでることになります。

同じ資格でも常勤と非常勤で大きな給料差が出るので、働き方や雇用形態には注意しましょう。

以上が介護支援専門員の平均給与でした。

では次に、介護支援専門員がどのような施設で働いているのか、具体的に解説します。

2.介護支援専門員として働ける場所とは?

介護支援専門員の働く場所

この章では介護支援専門員が働ける勤務先の種類や、働き方について見ていきましょう。

以下の4つのポイントに沿って解説します。

  1. 介護支援専門員が活躍できる職場は9つ
  2. 介護支援専門員の働き方は2つ
  3. さらなる上位資格を有する介護支援専門員もいる
  4. 介護支援専門員として独立する道もある

細かく分類すると、介護支援専門員には様々な活躍の場と働き方がありそうです。

それぞれ詳しくお話します。

(1)介護支援専門員が活躍できる職場は9つ

介護支援専門員の資格を持った人が働ける職場の種類は、大きく分けて9つです。

令和2年介護従事者処遇状況等調査結果をもとに、9種類の勤務先ごとの介護支援専門員の平均給与額をまとめました。

下記の表をご覧ください。

記載のとおり、最も低い通所介護事業所の平均月給は338,380円です。

一方で、最も高い介護老人福祉施設では411,830円と、その差は約70,000円になります。

介護支専門員が働ける職場 平均給与額(円)
介護老人福祉施設 411,830
介護老人保健施設 395,950
介護医療院 373,270
訪問介護事業所 340,800
通所介護事業所 338,380
通所リハビリテーション事業所 359,140
特定施設入居者生活介護事業所 377,170
小規模多機能型居宅介護事業所 355,090
認知症対応型共同生活介護事業所 349,740

同じ資格を持っていても、働く施設により給料差が出る点は注意しましょう。

(2)介護支援専門員の働き方は2つ

さらに介護支援専門員を働き方で大別すると、設介護支援専門員居宅介護支援専門員の2つに分かれます

施設介護支援専門員とは、利用者が入所する施設で働く介護支援専門員のことで、入所者に必要なケアプランの作成を行います。

対して、居宅介護支援専門員は利用者が通所する施設が職場です。

施設介護支援専門員の場合、通所介護や訪問介護を担うヘルパーとの連携が求められます。

(3)さらなる上位資格を有する介護支援専門員もいる

介護支援専門員には、経験や専門知識を必要とするさらに上の職種が存在します。

それが主任介護支援専門員や社会福祉士です。

主任介護支援専門員は、介護支援専門員のまとめ役のようなポジションといえます。

新人介護支援専門員の相談にのったり、フォローしたりするのが主な業務だからです。

例えるなら、会社でいうところの係長や課長といった管理職にあたるイメージですね。

主任介護支援専門員の需要は、確実にあります。

地域包括支援センターや居宅介護支援事業所など、主任介護支援専門員の在籍が必須とされている施設があるからです。

介護支援員として5年以上の実務経験があれば、資格取得に挑戦できます。

ただし、各都道府県によって異なる部分があるため、取得を検討する場合は事前に調べておきましょう。

次に社会福祉士ですが、こちらは介護の枠を超えて、日常生活を送ることに困難がある人を支援します。

高齢者・障がい者はもちろん、ひとり親家庭や児童虐待なども管轄し、広い範囲の社会福祉を支援する立場です。

介護・医療・保険など福祉サービス全般の知見が必要とされるため、国家資格として認定されています。

4年生の福祉系大学を卒業するか、福祉系短大を卒業後に数年間の実務経験を積むなど、受験資格を得るまでの道のりは長いです。

ただ、高齢者施設や学校、児童相談所、福祉事務所など社会福祉士の活躍の場は広く、資格の価値はとても高いといえます。

介護支援専門員からキャリアアップを考えているのであれば、1つの選択肢になるでしょう。

(4)介護支援専門員として独立する道もある

最後に、介護支援専門員として独立し、自分で開業する道もあることをお話します。

独立は責任が重くなる分、時間や働き方の自由度は高くなるのが魅力でしょう。

介護支援専門員は高齢者の多い日本では、需要の多い仕事です。

そうした世の中の動向を踏まえても、独立して成功する可能性は十分にあると言えるでしょう。

ここまでが介護支援専門員の働ける場所についてのお話でした。

介護支援専門員には働ける場所が豊富にあり、さらに独立する道もあるということをご理解いただけたかと思います。

それでは次の章で、介護支援専門員が公務員として就職できるのかを見ていきましょう。

3.介護支援専門員は公務員として就職することができる?

この章では、介護支援専門員の勤務先として公務員があげられていることに着目します。

以下の2つのポイントに沿って解説しますね。

  1. 介護支援専門員は公務員として採用される
  2. 雇用形態には注意しよう

魅力的なキャリアパスの詳細を見ていきましょう。

(1)介護支援専門員は公務員として採用される

介護支援専門員は公務員として働く機会もあります。

地域の役所の福祉課などで、介護支援専門員を募集することがあるからです。

それだけ地域の相談窓口として、介護支援専門員の需要が高まっているのでしょう。

主任介護支援専門員や社会福祉士の資格を持っていると選考に有利と書かれている、募集要項もいくつかありました。

やはり資格の取得は、仕事の幅を広げてくれるようです。

(2)雇用形態には注意しよう

公務員になれるという点は魅力ですが、その雇用形態には注意しましょう。

正社員の募集に混じって、には嘱託社員や臨時職員の募集もあるからです。

これらの雇用形態は、いずれも有期の契約社員に位置づけられます。

有限の雇用期間を敢えて望む人もいるかもしれませんが、一般的に契約社員や嘱託社員は正社員ほと安定して働けません

雇用主側の都合で、突然職を失うリスクもあるからです。

多くの場合、嘱託社員や契約社員は産休や育休、傷病によって空いた人員の補充要員として募集されます。

定年までその人員枠が空いていることはないですよね。

つまり、正社員が復帰すれば嘱託社員や契約社員は役目を終えることになります。

ですので、護支援専門員を公務員で募集していると思って飛びつく前に、しっかりと内容を確認しましょう。

それでは最後に、介護支援専門員として転職する際に注意すべき点について考えていきましょう。

4.介護支援専門員として転職する際に注意したいこと

最後は、介護支援専門員として転職する際の注意点をお伝えします。

抑えるポイントは以下の3つです。

  1. 勤務先による給料の違い
  2. 待遇の良い勤務先と出会うために
  3. 特定処遇改善加算にも注目

これらを頭に入れておくことで、より良い転職活動を実現できるはずです。

それでは各項目を詳しく見ていきましょう。

(1)勤務先による給料の違い

冒頭でもお伝えしたように、介護支援専門員の給料は勤務先により違います。

例えば、介護老人福祉施設・介護老人保健施設の給料は、平均で400,000円前後です。

一方、訪問介護事業所・通所介護事業所・認知症対応型共同生活介護事業所は、平均340,000円ほどでした。

この違いは、入居者の介護度の違いに由来します。

入居者の介護度がより高い施設の方が、給料も高くなるのです。

個々の勤務先によっても違いますが、一般的に入居者の介護度が高ければ、介護職員の負担も大きくなると考えられるからです。

単に給料が高いという理由だけで転職先を選んでしまうと、転職後に思い描いていた仕事とのギャップに苦しむかもしれません。

ですので、転職の際はこれらの情報を頭に入れて、転職先を選ぶことをおすすめします。

(2)待遇の良い勤務先と出会うために

職員の処遇が整っている勤務先は、すなわち給料も良いといえます。

なぜなら、処遇改善加算という国の制度があるからです。

処遇改善加算という制度をご存じでしょうか?

介護業界にいると一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、あらためて説明しますね。

この制度は、職員の処遇を改善したと国が認めた事業所に、国から給料の上乗せ分が支給されるというものです。

処遇改善加算を受けた事業所の職員は、毎月最大37,000円相当が給料に上乗せされます。

年間にすれば400,000円以上のプラスですから、経済的に大きな助けになりますよね!

具体的にどのような点を改善するかというと、キャリアパス制度の整備と職場環境の整備です。

キャリアパス制度の整備とは、昇給や昇格の仕組み化を指します。

勤続年数や資格取得など、昇給の目安を明確にして、職員が今後のキャリアを描きやすいように制度を整えることです。

職場環境整備は、賃金以外の処遇の改善を指します。

この2つのポイントにおいて基準を満たしたと国が判断した場合、処遇改善加算が受けられるというわけです。

この処遇改善加算は、転職の際に良い職場に出会うための1つのヒントにもなります。

処遇改善加算がもらえる職場は、職員が働きやすい環境だと国が認めていることにもなるからです。

より良い転職先と出会うために、処遇改善加算にも注目してみてください。

(3)特定処遇改善加算にも注目

処遇改善加算よりもさらに改善行動がなされた事業所には、特定処遇改善加算というものが追加されます。

特定処遇改善加算は、実施していることを見える化しているかどうかも取得要件です。

厚生労働省が運営している介護事業所・生活関連情報検索というサイトから、地域ごとに事業所が検索できます。

求人サイト以外にもこうしたサイトを併用することで、より良い勤務先と出会うことが可能です。

5.まとめ

介護支援専門員の正社員とパートタイマーの平均給料、職場ごとの平均給料について見てきました。

働き方や勤務先によって給料差は出ると何となく思っていても、リアルな数字で見るとその差に驚きますよね。

一口に介護支援専門員といっても、働く施設や雇用形態によって大きな差が出ることは覚えておきましょう。