看護歴8年 30歳男性Hさん
ーーまずはイベントナースを経験された経緯を教えてください。
病棟のドクターに頼まれて、スポーツの全国大会などに派遣されて働きました。一緒になった看護師さんたちは派遣会社に登録して単発でという方が多かったですね。
ーーなるほど、いろんな働き方があるんですね。実際に働いてみてどうでしたか?
基本的には救護室で怪我や病気の方が運ばれてくるのを待機して処置する、という形でした。
たとえばスポーツイベントだったら擦り傷や捻挫が多かったり、フェスだったら熱中症や急性アルコール中毒が多かったりと、色々な応急処置を学び直すいい機会でしたね。
あと、「看護師」という仕事について考えるきっかけにもなりました。
ーーもう少し詳しく教えてもらえますか?
一番印象に残っているのは、全国大会のナースをした時、監督側は無理にでも選手を出場させたいという気持ちがあるので、危険を感じたらナースの観点を説明して強くストップをかけてほしいと言われたことです。
医療行為だけが仕事ではないんだなと勉強になりました。
ーーなるほど。イベントナースならではの注意点はありますか?
イベントは土日が多いので近隣の病院の診療情報を事前にリサーチするようにしていました。AEDの場所や、搬送経路の確認も必要です。とにかく常に頭の中でのシミュレーションをするようにしたんです。
医療行為に関しては、病院に比べると物品も足りないのでキャンプなどで使える応急処置の本が役にたちましたよ。
ーーでは最後に、イベントナースとして働きたいと考えている後輩に一言お願いします!
イベントナースは僕にとってとても貴重な経験でした。単発なので柔軟な働き方ができますし、ぜひイベントナースを経験してみてください!
看護師の働き方の1つであるイベントナースについてお調べですね。
音楽イベントやお祭り会場で活躍するイベントナースは、楽しんでいる人を支えるやりがいのある仕事として人気です。
しかし、病院で働くときとは注意する点が異なるので、事前に知っておかなければ適切な看護ができないかもしれません。
今回は、イベントナースの概要や、働くメリット、知っておきたい注意点などについてご紹介します。
自分がイベントナースに向いているかを判断して、安心して働きましょう。
目次
1.看護師のイベントナースとは?
イベントナースとは、音楽イベントやスポーツイベント、お祭り会場といったイベントの場で働く看護師のことです。
屋内に限らず、屋外での勤務になることもよくあります。
多くの場合、臨時で作られたイベント用の医務室や救護室が仕事場です。
体調不良を訴える人や、ケガをしてしまった人に応急処置や緊急搬送の要請といった看護を行います。
臨機応変な対応をしなければならないので、看護師としての経験が3年程度ある人が採用されやすいです。
1−1.イベントナースが必要とされるのはどういう場所?
イベントナースが必要とされる場所は、イベント会場全般なので非常に幅広い勤務地です。
例えば、以下のような場所でイベントナースは活躍しています。
- コンサート会場
- ライブハウス
- 野球場
- サッカー場
- お祭り会場
- 展示会場
- ショッピングモールのイベントスペース
屋内から屋外まで、イベントナースの活躍の場は非常に多いです。
興味がある場所での募集を見つけたら、積極的に応募してみると良いでしょう。
1−2.イベントナースの勤務時間や給料は?
イベントナースの勤務時間は、6時間〜8時間が多いです。
イベントの状況によっては、1時間〜2時間程度の残業が発生するケースもよくあります。
給料は1日あたり12,000円〜15,000円が目安です。
もしも募集されていた勤務時間を超える残業が発生したら、残業代が支給されます。
イベントナースはイベントごとに求人が出されることが一般的です。
つまり、1日だけのイベントなら当日のみの勤務、3日間のイベントなら3日間働きます。
自分の好きなときだけ働くことができるので、多くの看護師が関心を持っている働き方です。
2.看護師から人気なイベントナースの仕事内容
イベントナースの主な仕事内容は、応急処置や病院への受診を勧めること、救急搬送の手続きです。
例えば応急処置の場合、何が原因で体調不良を訴えているのか状況を見極めて適切な看護をしなければなりません。
また、事前にケガや体調不良を予防するための方法を主催者にアドバイスすることもあります。
イベントの規模にもよりますが、小さなイベントならイベントナースは1人だけのことも珍しくありません。
少人数での勤務が主流なので不安に思うかもしれませんが、緊急時には医療機関と連携を取るため実際に行う看護は軽症者へのものがほとんどです。
患者をよく見て臨機応変に看護をしたい人にはピッタリな仕事内容だと言えます。
3.イベントナースとして働く3つのメリット
イベントナースとして働く場合、以下の3つのメリットがあります。
- 単発の仕事だから自分の都合に合わせて働ける
- いつでも新鮮な気持ちで働きやすい
- 看護業界の人以外とも知り合える
自分の好きなタイミングで働きたい人や、人脈を広げたい人には嬉しいメリットです。
それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。
3−1.単発の仕事だから自分の都合に合わせて働ける
自分の働きたいときに行われるイベントの求人を選べば、好きなときにだけ働けます。
イベントナースは、1日限りの単発の募集も多いです。
長くても1週間程度の募集が主なので、自分の都合に合わせて働くことができます。
空いている時間に単発や短期の仕事に取り組みたいという人には、イベントナースはピッタリです。
特にイベント事が多い夏や冬なら、自分の都合にピッタリな求人も見つかりやすいでしょう。
3−2.いつでも新鮮な気持ちで働きやすい
イベントナースは、いつでも新鮮な気持ちで働きやすいこともメリットとして挙げられます。
なぜなら、求人に応募するたびに新しい職場に行き、関わる人も異なるためです。
参加者の年代や体調不良の種類が違うので、常連の患者に対していつもと同じ対応をするようなことはありません。
どんなときでもフレッシュな気持ちで目の前の人に向き合うことになるので、新鮮さを感じたい人にはピッタリです。
普段の業務にマンネリ化を感じている人も、イベントナースを体験することで看護という仕事の新たな楽しみが見つかることは珍しくありません。
3−3.看護業界の人以外とも知り合える
イベントナースは、看護業界の人以外とも知り合えるのも嬉しいメリットです。
例えば、音楽イベントなら音楽業界や芸能業界、警備業界の人と知り合えます。
いつも病院で働いている人は、医療業界や看護業界以外の人と知り合う機会が少ないです。
そのため、たくさんの人と出会って人脈を広げたい場合にもイベントナースは役に立ちます。
幅広い職業の人と関わることで、自分の考え方の幅も広がっていくでしょう。
4.イベントナースになる前に知っておきたい注意点
イベントナースとして働く前には、以下の2つの注意点を知っておくと良いです。
- 積極性や臨機応変さが求められる
- 時期によって求人数が少ない
これら2つの注意点を押さえておかなければ、適切な看護ができないことやそもそも働けないことになりかねません。
それぞれの注意点について、順番に確認しておきましょう。
注意点1.積極性や臨機応変さが求められる
イベントナースの仕事には、積極性や臨機応変さが求められます。
なぜなら、少人数での看護となる上に、体調不良の人が来るまで次のどのような看護をするのか予想できないためです。
そのため、自分で判断をして適切な看護をする自信がない人には、ハードな働き方だと言えます。
例えば、夏の屋外イベントなら熱中症になる人が続出するので、身体の冷却や水分補給などについての正しい知識が必要です。
病院勤務のときに次から次に鳴るナースコールに迅速に対応し続けるように、イベントナースにも臨機応変で迅速な対応が求められます。
体調不良の程度は軽い人がほとんどで、重症な人が来た場合には医療機関に緊急搬送の要請が可能です。
しかし、まだあまり看護師経験がなくて自分で判断することに慣れていない人は、イベントナースの働き方について理解しておく必要があります。
注意点2.時期によって求人数が少ない
イベントナースは時期によって求人数が少ない点にも注意しなければなりません。
イベントがあまり開催されていない時期は、イベントナースの募集が非常に少ないです。
例えば、梅雨のある6月は屋外のイベントは少なく、募集もほとんどありません。
特に6月の平日はまったくイベントナースの募集がないことも珍しくないです。
逆にイベントナースが多いのは、春休みとなる3月末や夏休みとなる8月前後の時期だとされています。
また、イベントナースの募集が多い時期でも、人気なイベントの場合には応募者が多く倍率が高いのが一般的となっています。
ですので、イベントナースとして働きたいなら、できるだけ頻繁に求人情報をチェックしておきましょう。
5.イベントナースに向いている人の特徴は?
イベントナースに向いている人の特徴として挙げられるのは、以下に当てはまる人です。
- 体力に自信がある
- コミュニケーション能力に自信がある
- 人脈を広げたい
- 自分で判断して積極的に看護がしたい
- 普段と違う環境でリフレッシュしたい
- 好きなときに単発や短期で働きたい
- 副業として看護師の仕事をしたい
当てはまる特徴が多ければ多いほど、イベントナースに向いています。
もしもイベントナースに挑戦するか悩んでいるなら、1日だけのイベントから試してみるのも良いです。
まずは1日イベントナースとして働いてみて、自分に合っていると感じたら他の求人にも応募してみましょう。
6.イベントナースになるのに使いやすいサイト3選
イベントナースになるのに使いやすい求人サイトとして、以下の3つが挙げられます。
- 日本イベントナースセンター
- MC-ナースネット
- アテンダントナース
求人サイトによって特徴が違い、掲載されている求人も異なります。
それぞれについて、順番に確認していきましょう。
6−1.日本イベントナースセンター
イベントナースとして働きたい人にピッタリなのが、日本イベントナースセンターです。
日本イベントナースセンターは、11年間にわたってイベント救護に特化した看護師派遣を行っています。
看護師が行うべき応対例や派遣までの流れも詳しく掲載されているので、イベントナース初心者でも働きやすいです。
ただし、看護師の特性に合わせて最適なイベントに派遣するために、センター事務局と対面やテレビ電話での面談が必要となります。
面談を受けて採用が決まってから求人に応募できるようになるので、気になる人は早めに面談を受けておきましょう。
サイト名 | 日本イベントナースセンター |
URL | https://nurse-supporter.com/ |
特徴 | ・イベントナース専門の派遣を行っている ・応対例が記載されているなど初心者でも働きやすい |
6−2.MC-ナースネット
MC-ナースネットも全国のイベント求人の検索ができます。
2020年8月現在、イベントナースの求人数は6件です。
また、イベント以外の単発の求人も検索できるのがポイントです。
イベントナース以外の単発の求人は、2020年8月現在、153件あります。
イベント以外でも単発や短期の求人を探している人は、一度チェックしてみるのが良いでしょう。
サイト名 | MC-ナースネット |
URL | https://mc-nurse.net/ |
特徴 | ・全国のイベント求人の検索ができる ・イベント以外の単発の求人も調べられる |
6−3.アテンダントナース
アテンダントナースは、搭乗看護師業務を中心とした求人を扱っているサイトです。
旅行だけではなくイベント救護に関する求人もあり、現在4,500人以上の看護師が在籍しています。
アテンダントナースで仕事を探すには、看護師や准看護師の資格以外に、3年以上の臨床経験も求められることには注意が必要です。
また、イベント救護よりは、修学旅行や研修旅行といった団体旅行への付き添いが主となっています。
面談の上でピッタリな仕事を案内してもらえるので、搭乗看護初心者でも安心して仕事に取り掛かれるでしょう。
イベント以外に旅行への付き添い看護にも興味があるなら、アテンダントナースも利用してみてください。
サイト名 | アテンダントナース |
URL | http://www.attendant-nurse.co.jp/ |
特徴 | ・イベントや旅行を専門に看護師派遣を行っている ・搭乗看護師業務の募集が多い |
まとめ
イベントナースとは、屋内から屋外まで様々なイベントの現場で働く看護師のことです。
イベントナースは看護師資格があれば働くことができる求人が多いですが、医師がいない現場も少なくないので積極的に行動できる人が求められます。
責任感のある業務ですが、看護業界以外の人脈も得やすく、看護師としての価値観も広がるので人気な働き方です。
イベントナースに興味があるなら、まずは求人サイトで詳しい募集内容を確認してみましょう。