デイサービスの看護師は、高齢者の健康管理のために勤務します。
しかし、詳しい仕事内容や働いたときの待遇がわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、デイサービスで働く看護師の求人や仕事内容をご紹介します。
また併せて、具体的な1日の流れや待遇も見ていきましょう。
この記事を読めば、デイサービスの看護師の求人や仕事内容について深く知ることができます。
また自分がデイサービスに向いているのか、判断できるでしょう。
看護師としてデイサービスで働こうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.デイサービスとは
デイサービスとは、通所介護のことです。
通常の介護施設と大きく異なるのは、日帰りである点です。
ここでは、このようなデイサービスの概要を、特徴と役割の2点に分けて紹介します。
- デイサービスの特徴
- デイサービスの役割
それでは、見ていきましょう。
(1)デイサービスの特徴
特徴が分かると、働くイメージが明確になります。
デイサービスの特徴を見ていきましょう。
デイサービスの特徴は、利用者が日帰りで入浴や食事などのサービスを受けられることです。
1日型や半日型があり、自力で通えない人も施設の送迎を利用できます。
デイサービスの利用は、介護をしている家族の休息につながるでしょう。
以上のことから、介護者の負担も減らせるサービスとしても注目されています。
(2)デイサービスの役割
デイサービスの役割は、高齢者が自宅で生活を続けられるようにすることです。
その役割を果たすために、デイサービスでは以下のような取り組みを行います。
- 機能訓練
- 身体機能の維持
- 認知症の予防
- 孤独感の軽減
具体的には、レクリエーションや運動がイメージしやすいのではないでしょうか。
高齢者の人間らしい豊かな生活の維持にも、重要な役割を担っているといえるでしょう。
概要を理解したことで、求人内容も理解しやすくなったはずです。
次は、デイサービス看護師の求人の特徴を見ていきましょう。
2.デイサービスの看護師の求人の特徴
デイサービスの看護師求人の特徴として、未経験やブランクありでも応募しやすいことが挙げられます。
デイサービスには看護師の配置基準があります。
しかし看護師の人手不足から、2015年の介護報酬改定を機に配置基準が緩和されました。
このような背景もあり、看護師が自ら専従となってくれるなら、施設側も喜ばしいでしょう。
また間口が広いデイサービスでは、未経験の看護師でもチャレンジ可能です。
求人探しの際には、年齢を問われない求人も多く見られるでしょう。
ブランクがある看護師でも、働きやすい職場といえるのではないでしょうか。
さらに詳しく、デイサービス看護師の待遇を確認してみましょう。
3.デイサービスの看護師の待遇
給与や手当が気になる人も多いのではないでしょうか。
デイサービスで働く看護師の待遇を、以下の2点でご紹介します。
- デイサービス看護師の給与
- デイサービス看護師の休日
自分の理想の働き方ができるか、確認していきましょう。
(1)デイサービス看護師の給与
デイサービスの看護師の給与は、病院や入所施設と比べると少なくなります。
何故なら日中業務が中心で、残業や夜勤がほぼないからです。
病院に勤めた経験があれば、夜勤や残業の割合の大きさは想像がつくでしょう。
ちなみに2016年の厚生労働省の調査によると、デイサービス看護師の平均給与は約34万円です。
病院勤務時の基本給と差がない場合でも、夜勤手当が無い分だけ給与が下がります。
デイサービスの給与が生活水準に合うか、見極めることは重要といえるでしょう。
(2)デイサービス看護師の休日
デイサービスでは、土日休みの施設が多く、規則正しく休みが取れます。
理由は、デイサービスが入居施設ではないからです。
デイサービスは、利用者の家庭での生活に重きを置いています。
実際デイサービス利用者の家族は、休日である土日に介護をすることもあるようです。
土日休みであれば、業界外の友人ともスケジュールを合わせやすくなりますね。
求人を見る際の注意点として、近年は需要が生まれたため、施設によっては土日勤務もあるようです。
応募の際は、しっかりと確認しましょう。
次は仕事内容について見ていきます。
4.デイサービスの看護師の仕事内容
デイサービスでの看護師の主な仕事は、利用者の健康を管理することです。
より具体的な仕事内容を、こちらにまとめました。
- バイタルチェック
- 服薬管理
- 利用者の日々の状態の記録
- 傷の処置
- トイレ介助
基本的にデイサービスでは、医師が常在しません。
そのため、看護師が利用者の健康管理を行います。
例えば、運動や入浴の際の判断も看護師が行うでしょう。
大切なことは、看護師が利用者の小さな変化を見逃さないことです。
またデイサービスでの看護師の仕事内容は、病棟と似ているものもあります。
そのため、病棟経験を活かせる環境ともいえるでしょう。
看護以外の業務
看護業務の他に、介護士の仕事を手伝うこともあります。
例えば、利用者の自宅送迎。
送迎の際に人員が足りなければ、看護師も一緒に車に乗ることがあるでしょう。
送迎先によっては、時間がかかることもあります。
そのため、残業が気になる人は、送迎の有無も事前にチェックしておくのがおすすめです。
5.デイサービス看護師の1日の流れ
ここまで見てきた内容を基に、デイサービスで実際に働いた場合のスケジュールを確認してみましょう。
あくまで一例となりますが、以下の表をご覧ください。
時間 |
業務 |
業務内容 |
8:00~ |
出勤・お迎え |
利用者を気持ちのいい笑顔で迎えます |
8:30~ |
健康チェック |
入浴や運動ができるのか判断しましょう |
10:00~ |
入浴介助 |
施設によっては看護師が介助を行います |
12:00~ |
食事 |
食事介助と服薬管理が主な仕事です |
13:30~ |
休憩 |
介護士と連携して休憩を取ります |
14:30~ |
業務記録 |
日々の健康状態の変化に気づく重要な業務 |
15:00~ |
おやつ |
食事介助をしながらゆったりとした時間です |
16:00~ |
お見送り |
看護師が同乗する場合もあります |
~17:30 |
退勤 |
情報共有や片付けを終えたら退勤です |
6.デイサービスの看護師として働くメリット
デイサービス看護師の1日の仕事の流れをご紹介しました。
デイサービスで働く際、具体的なメリットが気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、3つのメリットをご紹介します。
- 夜勤がない
- ブランクがあっても働きやすい
- 負担が大きくない
それぞれ見ていきましょう。
メリット1.夜勤がない
デイサービスでは、その名の通り業務を日中に行います。
そのため、夜勤や早番・遅番のようなシフトがありません。
送迎の時間によって変わりますが、朝9時出勤で夕方5~7時には退勤が可能です。
規則正しい勤務で働けるので、生活リズムを崩しにくいメリットがあります。
看護師として働きたくても、家庭の事情で夜勤は入れないということもあるかもしれません。
そういった人にとって、夜勤がないことはメリットといえるでしょう。
メリット2.ブランクがあっても働きやすい
デイサービスは、看護職にブランクがある人も働きやすいでしょう。
なぜなら、1日に対応する人数が少ないからです。
例えば、病院では1日に何人もの患者さんを対応します。
その間に緊急対応が入れば、大忙しです。
しかし、小規模デイサービスでは、1日の利用定員は最大10名ほど。
そのため子育てや結婚で現場を離れていた人でも、少ない負担で働けるでしょう。
また年齢不問の求人も多いので、転職や復職にも適しています。
メリット3.負担が大きくない
デイサービスでは、看護師の業務負担が大きくありません。
なぜなら、病院とは違い難しい治療をしないからです。
デイサービスを活用するのは、病人ではありません。
設備が行き届いていれば、大けがをすることも基本的には無いでしょう。
場合によっては、急変で看護師が対処できないこともあるかもしれません。
そういったときは、最寄りの連携を取っている病院に搬送します。
このようなシステムにより、精神的負担も軽減されます。
このメリットも、復職のしやすさにつながるのではないでしょうか。
7.デイサービスの看護師として働くデメリット
デイサービスで働くメリットをご紹介しました。
次に人によってはデメリットに感じる点を3つご紹介します。
- スキルアップが難しい
- 看護師としての仕事が少ない
- 給与が低い
それぞれ見ていきましょう。
デメリット1.スキルアップが難しい
デイサービスでは、看護師としてのスキルアップが難しいでしょう。
なぜなら、病院に比べて医療処置をしないからです。
デイサービス利用者の急変時には、病院に搬送します。
難しい処置をしないので、看護師として経験を積むのはなかなか難しいです。
知識や経験を身に付けにくいため、スキルアップしたい人にはデイサービスはおすすめしません。
スキルアップを目指すなら、病院などで働くほうがいいでしょう。
デメリット2.看護師としての仕事が少ない
デイサービスでは、看護師としての仕事が少ない場合があります。
病院などよりも業務が少ないことに加えて、介護士としても業務をする施設が多いためです。
施設によっては、レクリエーションや送迎も行います。
看護師としてバリバリ働く姿をイメージしていると、業務内容は物足りないかもしれません。
多くの人の対応や処置をしたい人は、やりがいを感じられないこともあるでしょう。
デメリット3.給与が低い
看護師がデイサービスで働くと、他の現場より給与が低い場合があります。
なぜなら、夜勤手当が付かないからです。
またサービスの特色から、残業も少ないです。
病院よりも手当が付かないことから、デイサービスの給与は低くなることが考えられます。
大きな給料を得ようと考える際には、デメリットといえるでしょう。
8.デイサービスに向いている看護師の特徴
ここまで見てきて、デイサービスの業務内容やメリット・デメリットをご理解いただけたのではないでしょうか。
どのような人がデイサービスに向いているか、という点を見ていきます。
特に以下の2点に当てはまる人には、デイサービスがおすすめです。
- 人と関わるのが好きな人
- 人の変化を見逃さない人
確認していきましょう。
(1)人と関わるのが好きな人
デイサービスで働くなら、人と関わることが好きな人が向いているでしょう。
または、円滑なコミュニケーションをしようと心がけられる人が向いています。
なぜなら、病院での看護業務より、利用者との会話が多いからです。
小規模なデイサービスであれば、多くて1日10名ほどの利用者しか関わりません。
そのため、より密なコミュニケーションを取ります。
1人ひとりと深く関わることが、楽しいと感じられる人が向いているでしょう。
利用者との交流を維持させるためにも、円滑なコミュニケーションをしようと心がけられる人が向いています。
(2)人の変化を見逃さない人
小さな変化を見逃さない人も、デイサービスに向いているでしょう。
デイサービスには、医師が常駐しているわけではありません。
そのため、最低限の医療の判断は、看護師が行う必要があります。
また、体調の変化から体調不良を未然に防ぐ心構えも大切です。
利用者の健康を身近で支えるためにも、異変を見逃さない人が向いています。
まとめ
今回は、デイサービスで働く看護師の求人についてや具体的な待遇、仕事内容についてご紹介しました。
デイサービスの求人は、未経験やブランクがある人でも応募しやすい求人があります。
そのため、看護師の復職や転職におすすめです。
デイサービスは、利用者とその家族の生活負担を少なくできます。
そのため看護師としても、やりがいが感じられる仕事といえるでしょう。
デイサービスが気になっている看護師の人は、ぜひ検討してみてください。