「介護職が未経験で、ちょっと不安。」
「介護職って50歳の未経験でも大丈夫なの?」
そこで今回は介護職を検討している50代の方にとって、未経験だからこそ感じる不安なことを4つ紹介します。
その不安について現役介護士の方から回答をいただいたので、見ていきましょう。
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
◆本記事で回答する不安
- 介護って50代未経験でも無資格で働ける?
- 50代からでも就職できる?
- 介護未経験の50代では身体介護が難しい?
- 介護以前に人と話すのが苦手
ここでは介護職を検討している50代の未経験者が感じやすい不安について解説していますが、資格や給料体制の細かい情報はこちらで紹介しています。
あわせてチェックしてみてください。
目次
介護職を検討している50代未経験にとって不安な理由とは?
介護職に限らず、50代から始めて未経験だと不安に感じるでしょう。
そのなかでも特に介護職に不安を感じやすいのは、以下の2点が原因だからです。
- 実際に利用者と触れ合う仕事
- 介護業界では覚えることが多い
1つずつ、解説します。
実際に利用者と触れ合う仕事
介護職とは、利用者のサポートをする仕事です。
実際に利用者の身体に触れるため、責任の重い仕事といえるでしょう。
たとえば入浴介助中に、浴槽のなかで事故が起こるなんてことも可能性としてはあります。
しかし当たり前ですが、介護士は絶対にそういった事故を起こしてはいけません。
そんな責任感や緊張感を想像し、介護職を不安に感じるのも仕方のないこと。
この点に関しては毎回の介助で緊張感を持つ必要があるものの、業務としては慣れるので安心してください。
介護業界では覚えることが多い
介護では、人を相手にした仕事です。
たとえば介護施設の利用者にケガをさせてしまえば、それは重大な過失につながることも。
そのため介護業界は、一般的な職種と比較して覚えることが多くあるといわれています。
介護職が未経験であれば、覚えることが多いことに不安を感じるのは仕方ありません。
しかし長く介護職を経験すると慣れるものなので、まずは勉強と実践を繰り返していきましょう。
ではここからは、介護職未経験者が不安に感じる4つのことについて回答します。
介護って50代未経験でも無資格で働ける?
介護職が未経験だと不安な理由、1つ目は「無資格で働けるのか」ということ。
結論からいうと、介護職は無資格者・未経験者でも働けます。
介護職は人手の圧倒的足りなさから、技術職では珍しく無資格者・未経験者でも大歓迎。
50代でも介護資格を取得できるので、それだけで仕事の幅が広がったり給料が上がったりします。
そのまま働き続ける人は少ないのですが、他業種からの転職だと無資格で介護業界に入ってくる人がほとんどです。
50代からでも就職できる?
介護職が未経験だと不安な理由、2つ目は「50代からでも就職できるのか」ということ。
結論からいうと、介護職は50代の未経験者でも就職できます。
年齢を重ねていても介護業界に就職できる理由は、以下の6つ。
- 介護職員で1番多いのが30~40代
- これから高齢者はさらに増加する
- 観察力や礼儀は「年齢を重ねたほうが有利」
- 介護業界は人手が足りない
- 介護職が未経験なら研修がある
- Web上での介護職求人はほとんどが正社員募集
なぜ年齢を重ねていても介護業界に就職できるのか、1つずつ解説します。
介護職員で1番多いのが30~40代
厚生労働省が発表している「介護労働の現状」では30代が24%と1番多く、つぎに多いのが40代。
そのうち84.7%が中途採用者です。
このデータをみて分かるとおり、30~40代が介護業界を支えています。
しかしその次に多いのが、50代。
50代は子育ても終了し、体力もまだまだあるから働きたいという層。
子育てや親の介護などを経験している世代ともいえるため、経験がそのまま給料に反映されると考えてください。
そのため無資格・未経験ということは関係なく、50代からでも働くことが可能です。
これから高齢者はさらに増加する
日本では2020年時点ですでに人口の約30%が高齢者となっており、このままの状況が変わらなければ「2065年には約40%が65歳以上になる」といわれています。
もともと介護業界は約37万人もの人手不足であり、高齢者の増加とともに介護士の負担はさらに大きくなっていくでしょう。
介護業界には80代で働いている方もいるので、正直、50歳ではまだまだ現役です。
これから高齢者はさらに増加するので、人生経験をある程度積んできた50代の介護士を多く必要としています。
観察力や礼儀は「年齢を重ねたほうが有利」
介護業界は、現場主義です。
レベルの高い学校を卒業した新卒よりも、長年介護業界で働いているベテランを採用することも大いにあり得ます。
特に利用者のことを注意深く見る力や年上に対する礼儀などは、むしろ年齢を重ねている人のほうが有利ですよね。
また利用者のなかでも、20代などの若い介護士よりも主婦層のほうが「安心できる」「話が合う」などの理由で好む人がいます。
介護業界では年齢が武器にもなるため、未経験者でも50代からの就職にチャレンジしてみてください。
介護業界は人手が足りない
一般的に転職をする際には、該当する業界の資格などを保持していないと面接で落とされることも多いですよね。
正社員登用を視野に入れた契約社員など、パートやアルバイトとは転職の難易度が異なります。
しかし先述したとおり、介護業界は慢性的な人材不足。
厚生労働省の「職業別一般職業紹介状況」によると、2017年10月における一般企業の有効求人倍率は約1.13%であるのに対して、介護業界は約2.28%と非常に高くなっています。
つまり本人の態度が悪かったり適正がなさすぎたりしなければ、未経験や無資格者でも介護職の正社員として中途入社可能ということ。
採用側からすれば、介護業界の正社員雇用は高い壁ではなく「安定的な人材の確保」といえるでしょう。
正社員として働くなら、中途入社で「未経験・無資格者歓迎」と記載してある事業所へ連絡をしてみてください。
介護職が未経験なら研修がある
介護職では覚えることが多いため、一般企業と比較して「手厚い研修制度がある事業所がほとんど」です。
未経験・無資格者でいきなり現場に放り投げられることはなく、しっかりとベテラン介護士が教えてくれます。
正社員として採用されたからには、1日もはやく有効な戦力になれるよう努力しましょう。
Web上での介護職求人はほとんどが正社員募集
Web上に掲載されている介護職求人を見てみると、ほとんどが正社員募集だということにお気づきでしょうか?
正社員では規定の日数・時間が決められており、かならず出勤する必要があります。
つまり採用側からすると、アルバイト・パートと比較して「安定的な出勤が見込める存在」が正社員です。
これだけ介護職人口が減少しているなか、パートやアルバイトとして雇用した人材がすぐやめてしまうことは悔しいはず。
こういった理由から「正社員として採用されなそう」という不安は、介護職の未経験者がしてしまう勘違いだと理解いただけるでしょう。
介護未経験の50代では身体介護が難しい?
介護職が未経験だと不安な理由、3つ目は「50代では身体介護や夜勤が辛そう」ということ。
結論からいうと、大変ではありますが辛くてやめたいというほどではないでしょう。
身体介護や夜勤がさほど辛くないことを、以下の2つから解説します。
- 介護士の仕事内容
- 介護士の勤務時間
なぜそこまで大変と感じないのか、1つずつ見ていきましょう。
介護士の仕事内容
50代が不安に感じる、介護士の仕事内容とはどれでしょうか。
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 体位変換
- シーツ交換
- 口腔ケア
- 服薬介助
- 機能訓練の補助
- レクリエーションの企画・実行
- 送迎やお見送り
このなかでは「身体介護」の体位変換が、50代にとっては辛いかもしれません。
寝たきりや長時間の車椅子移動をされている方に床ずれができないよう、一定時間が経過したら姿勢を変えてあげる介護業務。
しかしこの体位変換ですが、実は男性の利用者を小柄な介護職員が担当できるほど簡単です。
利用者を移動させるコツがあり、そこは職場の先輩や資格勉強で学ぶので安心してください。
介護士の勤務時間
つぎは、介護士の勤務時間についてです。
介護施設は大きく分けて以下の2つとなり、それぞれ勤務時間が異なります。
- 入所型施設の場合
- 通所型施設の場合
1つずつ勤務時間を見ていきましょう。
入所型施設の場合
正社員の場合、基本的には固定シフトです。
- 早番:7~16時(実働8時間・休憩1時間)
- 日勤:9~18時(実働8時間・休憩1時間)
- 遅番:11~20時(実働8時間・休憩1時間)
- 夜勤:16~10時(実働16時間・休憩2時間)
入居施設は24時間で稼働しているため、介護士には夜勤が必須。
しかし夜勤は実働16時間で2日分のシフト計算となるため、翌日はかならず休日です。
まとまった時間休めるので、50代でも安心できるでしょう。
通所型施設の場合
通所型施設の場合は、介護職員に夜勤はありません。
- 9~17時(実働6時間・休憩1時間)
- 9~13時(実働4時間・休憩なし)
- 11~14時(実働3時間・休憩なし)
上記のように朝から夕方にかけての勤務のため、夜勤をしたくないという方は通所型施設に入社するのがおすすめです。
介護以前に人と話すのが苦手
介護職が未経験だと不安な理由、4つ目は「介護以前に人と話すのが苦手」ということ。
結論からいうと、人と話すのが苦手でも働けます。
荒治療的な部分も存在しますが、主に以下の2つが理由です。
- 利用者から話しかけられるので慣れる
- 業務に関わることの説明だけで良い
- 話すことのパターンが分かってくる
1つずつ見ていきましょう。
利用者から話しかけられるので慣れる
まず介護の世界では、働く職員が人見知りでも高齢者の方々はお構いなしに話しかけてきます。
ただ世間話が好きな方もいれば、何かに困っていて助けてほしい方もいるでしょう。
人と話すことが苦手である場合、始めこそ上手く会話ができないかもしれません。
しかしだからといって、何かを言われるわけでも責められるわけでもありません。
人生の先輩である高齢者が、面白い話ができないからといって嫌うことはないのです。
なかには気難しい高齢者の方もいるかもしれませんが、話すことが苦手ならそういった方の担当にしてもらうのも手。
さまざまな利用者と接するうちに、表情も明るくなり話せるようになるでしょう。
利用者から話しかけられるので、そのうち慣れますよ。
業務に関わることの説明だけで良い
人と接することが苦手と感じているのであれば、過去になにか人間関係でトラウマを抱えているのかもしれません。
しかしもう少し、気楽に考えてみましょう。
まずは聞かれたことに精いっぱい答えるだけでも、相手からの印象は変わります。
高齢者の方から聞かれたことは、業務に関することの説明をすることだと考えてみてください。
分からないことは「確認してみます」といえば怒り出す人はいないので、ゆっくり慣れていきましょう。
話すことのパターンが分かってくる
介護職に就くと、そのうち1日の流れを理解できるようになります。
すると話すことも、パターン化していることに気付くはず。
- 何か困りごとがあれば相談してくる→サポートする
- 日常会話をしてくる→話しを合わせる、感想をいう
- 過去の話を聞いてほしい→話しのなかから褒めてほしい部分に触れてあげる
このように「質問と答えの正解」が分かるようになるので、注意して相手の話を聞いてみてください。
荒治療的な感覚になりますが人と接することで話すことも慣れてくるので、始めだけ少しがんばってみましょう!
まとめ|介護職は50代未経験でも大丈夫
今回は介護職を検討している50代の方にとって、未経験だからこそ感じる不安なことを4つ紹介しました。
介護職は50代未経験でも、しっかりと勤め上げられる仕事です。
また難しいことは多少ありますが、覚えてしまえば一生携われます。
他の職業では50代未経験だと入社するのも一苦労ですが、介護業界はあなたを待っています。
ぜひ50代だからと諦めず、果敢に挑戦していきましょう!
当サイトでは介護職に特化したサイトで、他にもたくさん記事を更新しています。
もし気になることがあれば、該当記事を読んで参考にしてみてくださいね!