介護師

サービス介助士はどんな資格?介護士に活かせる仕事内容とメリットを解説

介護職がきつくて転職を考えているけど、どんな仕事ができるかわからず悩んでいませんか?

もしあなたが人と接することが好きであれば、接客業も1つの選択肢になるかもしれませんね。

介護士が高齢者や障がい者と向き合って得た経験は、接客業にも活きてくるからです。

今回はそんな接客のプロでもあり、介護の要素もあわせもつ「サービス介助士」にスポットライトをあてました。

サービス介助士は誰もが知るあの有名企業でも導入されていて、今注目の資格です。

この記事ではサービス介助士の資格の特徴から、活躍の場所、資格の取り方まで全て解説しています。

これを読むだけで、サービス介助士の全てが把握できるようになりますよ。

ぜひ、最後まで読んでみてください。

1.サービス介助士とはそもそもどんな資格?

最初に、そもそもサービス介助士とはどのような資格かをみていきましょう。

サービス介助士とは、高齢者や障がい者の介助の技術もあわせもつ、接客スタッフのことです。

ここではその特徴を6つのポイントから解説しています。

  1. 「介護」ではなく「介助」を提供
  2. 介助と接遇の要素をあわせもつ
  3. 1,000以上の企業で導入されている資格
  4. 国土交通省接遇ガイドラインに準拠
  5. 5つのハートマークが目印
  6. 補足:サービス介助士の核になる考えって?

1つずつみていきましょう。

(1)「介護」ではなく「介助」を提供

サービス介助士は介護を提供する福祉系の資格と思われがちですが、実は少し違います。

なぜなら、サービス介助士が扱うのは「介護」ではなく「介助」だからです。

では、介護と介助はなにが違うのでしょうか?

「介護」は食事・入浴・排泄など、生きていくために必須な生活支援が中心です。

一方、「介助」は障がい者や高齢者が、健常者と同じような生活の質を保てるようにお手伝いすることをいいます。

介助の具体例を見てみましょう。

  • 車いすのお客さんがスーパーで高い棚の商品が取れずに困っていたので手助けする
  • 視覚障がい者の方が銀行のATMの操作で手間取っていたので操作を手伝う
  • 脚が不自由な方が空港内を長距離移動しなければならないので車椅子を貸し出して移動を支援する

これらの行為が「介助」にあたります。

一歩家の外に出ると、障がい者や高齢者にとっては危険も多く、不便を感じる場面が多いのが現状です。

設備のバリアフリー化が進んでも、障がい者・高齢者が家の外で日常生活を営むには、必ず何らかの介助が必要になります。

そのような場面で、プロとして介助を提供するのがサービス介助士です。

サービス介助士は、駅・銀行・スーパー・ホテルなど、交通機関やサービス施設で介助を行います

そのため、福祉系の要素もありながら接客業の色合いも強い資格と言えるのです。

(2)介助と接遇の要素をあわせもつ

サービス介助士は、介護ではなく介助を提供すると書きましたが、では介助技術だけあれば十分なのでしょうか。

いいえ、介助技術だけでは、サービス介助士として十分とは言えません。

なぜなら、サービス介助士には「接遇」の要素も必要だからです。

「接遇」とは、お客様の心理に寄り添った態度・技術でお客様をもてなすことで、単なる接客から一歩踏み込んだ対応を言います。

マニュアル的な接客や対応ではなく、その時のお客さんの心情まで汲んだ対応やマナーです。

そのため、100人のお客様がいれば100通りの対応が存在することになります。

ましてや、身体が不自由な方々や高齢の方々となると、健常者ではわからない苦労や不便があり、それを理解した対応が必要です。

つまり、サービス介助士は、障がい者・高齢者ならではの心情を理解することと、適切な介助技術、両方を持ち合わせていないといけません

接遇ができて、さらに介助もできる、それがサービス介助士に求められることになります。

(3)1,000以上の企業で導入されている資格

サービス介助士は1,000社以上の企業で導入されており、2020年8月の時点で資格取得者は180,000人に届きそうな勢いです。

その普及率には目を見張るものがあり、毎年10,000人を超えるペースで資格取得者が増えています

2015年から2019年の過去5年間の、サービス介助士の資格取得者数を表にまとめたのでご覧ください。

  資格取得者数(人) 対前年 増減数(人)
2015年 125,128
2016年 136,867 11,739人増
2017年 149,604 12,737人増
2018年 160,887 11,283人増
2019年 170,000※ 約10,000増※

※2019年9月9日現在の数字

この結果からもわかるように、サービス介助士は急速に普及しつつある資格で、世間の注目度も大変高い、といえます。

(4)国道交通省接遇ガイドラインに準拠

サービス介助士は民間資格ですが、その学習内容は国の考えにもそっており、信頼のできる内容だといえます。

なぜなら、国土交通省の出している接遇ガイドラインに準拠して作成されたカリキュラムだからです。

国土交通省は、交通事業者に向けて「接遇ガイドライン」というものを作成しています。

これは各分野の有識者によって監修された、障がい者・高齢者に対する交通事業者のための接遇マニュアルのようなものです。

視覚障害・車いす利用者など、障害別の接遇方法に合わせて、鉄道・タクシー・航空など交通モード別でも接遇方法をまとめています。

サービス介助士で学習することは、このガイドラインをベースにしており、細かく研究された、実践的な内容と言えるのです。

(5)5つのハートマークが目印

駅や空港、ホテルで従業員さんと接する機会があったら、胸元に5つの青いハートでできたマークがあるかどうか、確認してみてください。

5つの青いハートでできたマークは、サービス介助士のシンボルマークだからです。

5つのハートは、人の一生と、社会の様々な場所で活躍するサービス介助士のハートの繋がりを表しています。

今後は駅員さんと話すたびに、胸元に注目してしまうかもしれませんね!

補足:サービス介助士の核にある考えって?

ジェロントロジー」という言葉を聞いたことがありますか?

ジェロントロジーとは、人間の老化現象を生理学・社会学・医学、法学など、多面的に研究する学問のことです。

ジェロントロジーは加齢を前向きに捉えますが、サービス介助士の核にはこのジェロントロジーの考え方があります

そのため、サービス介助士には、高齢者が前向きに楽しく生活できるための支援を提供することが求められるのです。

以上、6つの観点からサービス介助士について解説してきました。

ここまででサービス介助士について、だいぶ詳しくなりましたね!

次からは、サービス介助士の資格を取得するメリットについて解説していきます。

次の章で詳しくみていきましょう。

2.サービス介助士を取得するメリットは?

サービス介助士を取得するメリット

それでは、ここからはサービス介助士の資格を取得するメリットについて書いていきます。

サービス介助士を取得するメリットは、大きくわけて3つです。

  1. 接客業で働く上での付加価値となる
  2. 自然に人助けができるマインドになる
  3. 自分の家族の介護にも役だつ

1つずつ、解説しますね。

(1)接客業で働く上での付加価値となる

サービス介助士の資格を取得することは、接客業を行う上での付加価値となるでしょう。

なぜなら、接遇と介助の両方を兼ね備え、接客の上級者になれるからです。

事実、1,000社を超える企業で多く社員教育の一環として、サービス介助士を導入しています。

サービス介助士には「高齢者疑似体験」という実技教習があり、それは特に大きく意識を変えるきっかけになり得るでしょう。

高齢者や障がい者の身体の不自由さを疑似的に作り出すことで、彼らが感じる不便や困難を身をもって知るからです。

この実習では、耳栓、手足におもり、白内障体験ゴーグルを身に着けて外出し、視界や身動きが制限される不自由さを体験します。

買い物をするとき、視界が狭まり小銭が上手く出せずついついお札を出してしまうなど、高齢者のリアルな現実を体験できるのです。

その結果、どの場面で気を遣えばいいか、どのような支援をしたら相手が助かるかがわかるようになり、適切な対応が取れるようになります。

サービス介助士はこのような実践的な研修を通じて、質の高い接客と介助を提供できるようになるのです。

サービス介助士を取得することで、接客のプロとしてレベルを上げることができるでしょう。

(2)自然に人助けができるマインドになる

サービス介助士を勉強することで、街で困っている人がいたらためらわず手助けできるようになります。  

正しい介助方法がわかり、自信をもってお手伝いできるようになるからです。

障がい者や高齢者が街で困っていても、どうしていいかわからず何もできなかった経験をお持ちの方も中にはいるのではないでしょうか。

手助けしたい気持ちはあっても、正しい知識がないと自信が持てずためらってしまうものですよね。

サービス介助士を勉強すると、手助けをすることへのハードルが無くなります。

正しい知識や技術を学ぶことで自信がつき、積極的に関われるようになるからです。

(3)自分の家族の介護にも役立つ

サービス介助士の資格をとることで、自分自身の家族に介護・介助が必要になった時にも役立ちます

今や日本は人口の1/3が65歳以上の高齢化社会で、介護や介助は誰にとっても身近な問題になり得るからです。                              

ご両親やそのほかの家族のメンバーに介護・介助が必要になることもあるかもしれません。

若くても、怪我で一時的に松葉杖や車椅子生活になることだってあります。

サービス介助士で学ぶ内容は、ご自身の家族に介護や介助が必要になった時に応用できる知識や技術でもあるのです。

以上3つが、サービス介助士を取得するメリットでした。

メリットは公私にわたることがわかりましたね。

では、サービス介助士に向いている人はどんな人でしょうか?

次の章で見ていきたいと思います。

3.こんな人はサービス介助士に向いている

サービス介助士に向いている人の特徴

この章では、どんな人がサービス介助士に向いているか、についてみていこうと思います。

サービス介助士の適性を3つ挙げました。

  1. 接客が好き
  2. 人をおもてなしするのが好き
  3. 細やかな配慮ができる

それぞれ、解説していきますね。

(1)接客が好き

まず何よりも接客が好き、ということが挙げられます。

サービス介助士は大きなくくりでいうと接客業に属すため、そもそも接客が好きではない人は向いていないからです。

日頃から人とのコミュニケーションを楽しめる人は、サービス介助士の仕事にスムーズに入っていけるでしょう。

単なる接客では物足りなくなり、サービス介助士のプロの接遇と介助にやりがいを感じる人も出てくるかもしれませんね。

(2)人をおもてなしするのが好き

人をもてなし喜ばせることが好きな人は、サービス介助士に向いているでしょう。

なぜなら、サービス介助士の核となる接遇は、まさに「おもてなし」の精神だからです。

おもてなしとは、相手の喜ぶ顔が見たいという純粋な気持ちから発生します。

人の喜ぶ顔が見たくて、プラスαのサービスをできる人は、サービス介助士にとても向いていると言えるでしょう。

(3)細やかな配慮ができる

細やかな配慮ができる人は、サービス介助士に向いていると言えます。

サービス介助士には、かゆいところに手が届く気遣いが大切だからです。

例えば、あなたが働くスーパーに車椅子の方が来店され、お醤油の場所を尋ねられた場面を想像してください。

スタスタと自分のペースで歩いてはお客様をおいてけぼりにしますから、相手のペースに合わせて歩く配慮が必要になります。

また、お醤油の売り場に案内したら、それで終わりではありません。

車椅子では届かないところに欲しい商品がある場合、取ってあげることも必要です。

高齢で視力が弱っている場合、幅広い陳列棚からお目当ての商品を探すことだって一苦労でしょう。

その場合は一緒に探してあげたり、「一人暮らしならこちらの方が小さくて便利ですよ」などアドバイスをしてあげると喜ばれます

サービス介助士にはこのような気遣いが求められますし、それができる人はサービス介助士に向いている、と言えるでしょう。

以上がサービス介助士に向いている人の特徴でした。

何か当てはまるものはありましたか?

介護職を経験している人は、このあたりの特徴はすでに兼ね備えているかもしれませんね。

では、次の章からはサービス介助士が実際に活躍している職場をご紹介していきます。

読んで頂くとわかりますが、活躍の場は想像以上に広いです!

次の章で詳しくみていきましょう。

4.サービス介助士の活躍の場所

サービス介助士が活躍する場所

ここからは、サービス介助士が実際に活躍している企業をいていきましょう。

最初に伝えた通り、サービス介助士は現在全国に180,000人近く存在し、1,000社以上の企業が採用している資格です。

採用企業の中には、JR東日本、トヨタ、JALといった、日本を代表する有名企業が多数あり、サービス介助士が注目されていることがわかります。

6つの業界別の導入例をご紹介します。

  1. 鉄道会社
  2. 航空会社
  3. 小売業
  4. アミューズメント業
  5. 観光・レジャー業
  6. 銀行

さっそく、みていきましょう。

(1)鉄道会社

高齢者や障がい者が社会生活を楽しむためには、移動手段の整備が欠かせないと言えます。

公共の移動手段が使いやすくなることで、高齢者・障がい者がもっと気軽に外出を楽しめる世の中になるからです。

中でも駅は、サービス介助士を最も必要としている場所の1つと言えます。

段差、階段、ホームなど、高齢者・障がい者にとっては危険が伴う場所が多く存在するからです。

現在はすでに、東京首都圏の全ての鉄道会社でサービス介助士は導入されています

高齢化が進むことを考えると、今後も鉄道業界でのサービス介助士の需要はますます増えていくでしょう。

(2)航空会社

空の移動手段でも、サービス介助士は活躍しています。

JALは、2006年からサービス介助士の育成をはじめ、2007年の時点ですでに国内42空港にサービス介助士を配置しました。 

最近では、ソラシドエアの羽田空港勤務の49人全員がサービス介助士を取得した、ということが話題になっています。

もともと、接客マナーや接遇を重視する航空業界なので、接遇+介助のできるサービス介助士と相性がいいのも納得です。

業界大手のJALやANA がサービス介助士の導入に取り組みはじめて、10年以上立っています。

航空業界では、サービス介助士はすでにかなり定着してきているようですね。

(3)小売業

サービス介助士は、私たちの暮らしに身近なスーパーでも活躍しています

関東地方にスーパーを展開するマルエツも、20 年近く前からサービス介助士取得に取り組んできた企業の1つです。

マルエツのホームページによると、2008年には社内インストラクターを育成、2016年の時点でサービス介助士の資格取得者が1,000人を超えています。

頻繁に足を運ぶスーパーにサービス介助士がいることで、お年寄りや身体の不自由な方々も安心して買い物ができますね

(4)アミューズメント業界

意外!と思われるところにもサービス介助士は配置されています。

福井県・富山県でパチンコホールを展開している株式会社タイヨーでは、全店舗でのサービス介助士配置を目指しているとのことです。

こういった娯楽施設でも、研修を積んだプロの介助を得られることは、高齢社・障がい者の生活の質を上げることに繋がりますね。

(5)観光・レジャー業界

ホテル業界も、サービス介助士と相性のいい業界の1つです。

ホテルのホスピタリティー精神と、サービス介助士の核となる接遇は共通するところがあるからです。

ホテル館内の職員が取得するだけでなく、中には送迎ドライバーにもサービス介助士を取得させているところもあります。

帝国ホテルは、空港や駅からのタクシーによる送迎サービスをしていますが、タクシーの乗務員は全員、サービス介助士を取得しているそうです。

送迎の段階からプロがいてくれるので、身体が不自由な方やお年寄りも安心してホテルライフを満喫できますね

(6)銀行

金融機関にもサービス介助士は配置されています。

例えば、福岡銀行では福岡県の主要金融機関ですが、早くからサービス介助士の導入に取り組んできました。

銀行は日常生活を営むのになくてはならない機関ですから、サービス介助士の配置は高齢者・障がい者にも頼もしい限りです。

以上が、サービス介助士が活躍している職場の一例でした。

駅や空港までは想像ができましたが、スーパーやパチンコ店、銀行までもサービス介助士を積極的に導入していることに驚きますよね。

サービス介助士が世の中で必要とされているということが、おわかりいただけたかと思います。

では、いよいよ、次の章からはサービス介助士の資格取得方法についてみていきましょう。

次の章を読めば、すぐにでもサービス介助士の取得に向けて動けるよう取得方法を4ステップに分けて書きました。

ぜひ、確認してみてください!

5.サービス介助士の取得までの流れ

サービス介助士取得までの流れ

それでは、サービス介助士の資格取得までの流れを説明します。

取得までの工程は大きく分けて4つです。

学習途中での課題提出や最後の合否試験などもありますが、流れに沿って手続きすれば難しくありません。

  1. 講座に申し込み・自宅学習
  2. 課題提出
  3. 実技教習
  4. 試験に合格

1つずつ、内容をみていきましょう。

流れ1.講座に申し込み・自宅学習

サービス介助士の資格は「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」の行っている「サービス介助士取得講座」を受講することで取得可能です。

まずは講座に申し込みをしましょう。

申し込みは、日本ケアフィット共育機構のホームページ上からできます。

申し込みが完了したら、指定のテキストを使って勉強開始です!

この時点ではスクールに通学する必要はなく、自分で自宅学習を進めることになります。

マイペースに学習を進めましょう。

取得までの期間と費用は?

講座費用は41,800円(10%税込み、テキスト代込み)となります。

座学終了まで期間の制限はありませんが、日本ケアフィット共育機構では申し込みから6ヵ月以内の修了を推奨しているようです。

「6ヵ月で終わらなかったらどうしよう…」

そう不安になった人もいるかもしれませんが、大丈夫です。

仕事をしながらの受講であっても、平均2ヵ月程で座学を修了しています。

毎日少しずつでもいいので進めるようにしましょう。

流れ2.課題提出

自宅学習の目途がついた時点で、一度課題提出が求められます

課題といってもただ提出すれば良いというものではありません。

基準点を超えないと、再提出が必要になるからです。

マークシート形式の3択問題で、1問1点全部で100問、60点以下の場合は再提出が必要になります。

実際には試験と同じく合否があるものです。

60点が合否の分かれ目なので、再提出にならないようにぬかりなく対策してくださいね。

どんな内容を学ぶの?

自宅学習では、接遇に対する知識、高齢者や障がい者の理解、また関連法規などを学びます

参考までに、テキストの項目だけ抜き出してみました。

  1. 共生社会へ向けて
  2. サービス介助士の接遇
  3. 障害のとらえ方
  4. 高齢社会の理解
  5. 高齢者への理解と接遇
  6. 障がい者への理解と接遇
  7. 障がい者の自立支援
  8. 円滑なコミュニケーション
  9. 関連法規

テキストは、B5版で240ページということなので、結構なボリュームです。

一夜漬けは無理な分量ですから、学習計画を立ててコツコツ進めることが大切になりま す。

流れ3.実技教習

無事、座学を修了したあとは実技教習が待っています。

実技教習は2日間行い、そのうち1日はオンライン講習にすることも可能です。

東京・大阪・名古屋など大都市だけでなく、北は北海道の札幌から、南は沖縄の那覇まで、全国で開催されています。

会場に差はあるものの、一番頻繁に開催されている関東・甲信越地域だとほぼ毎日開催されているので、日程選びにはそれほど困らないでしょう。

土日開催もあるので、お仕事をしていて平日に身動きが取れない人も安心です。

実技教習の内容

サービス介助士の実技教習内容ですが、かなりユニークで充実した内容だと言えます。

おもりやゴーグルをつけて実際に街に出てみる、「高齢者疑似体験」など、貴重な体験学習ができるからです。

高齢者疑似体験では白内障体験ゴーグル、左右の足に重さの違うおもり、関節がまがらないようにするサポーター、さらに耳栓まで装着します。

研修者たちは、この状態で杖をつきながら街に繰り出し、高齢者の立場を疑似体験するのです。

  • 歩きにくくて青信号の横断歩道が短く感じる…
  • 駅の券売機の表示が暗すぎて切符が買えない…
  • 銀行のATMでまごつき後ろに人がならんで焦る…
  • 小銭がうまく扱えずついお札で買い物してしまう…
  • パン屋に入ろうとしたら入口のガラスに気がつかずぶつかりそうになる…

これらは全て、研修者が疑似体験を通じて身をもって体験したことの例です。

中には、帰り道で車のクラクションに気が付かず、危険な思いをした人までいます。

このようなリアルな体験学習を通じて、研修者たちは高齢者に対する理解を深め、相手の立場を思いやることを学んでいくのです。

ここまでリアルな疑似体験は、したくてもなかなかできるものではありません。

サービス介助士を受講したからこそできる体験であり、貴重な体験と言えるでしょう。

流れ4.試験に合格

サービス介助士取得講座には、最後に検定筆記試験があります

この試験に合格しないと資格取得にはなりませんので、しっかり対策して臨みましょう。

試験の概要は以下の通りです。

試験形式 マークシート3択式
問題数 計50問
点数 1問2点の100点満点
合格ライン 70点以上(50問中35問の正解)
合格率 8割以上
再受験 1年以内であれば可能

再受験は、別途3,300円がかかりますのでその点は覚えておいてください。

オンラインによる模擬試験(2,200円)もあるので、どうしても心配な人はこれを上手く活用して、事前に感触を掴んでおきましょう。

以上が、サービス介助士資格取得までの一連の流れでした。

ここまでで、資格取得方法もわかりましたので最後にサービス介助士を目指す人に知っておいて欲しいことを次の章でまとめます。

大切なことを書いていますので、ぜひ目を通してみてください。

6.サービス介助士になるなら知っておこう

最後に、サービス介助士になる人に知っておいてほしいことを2つ、ご紹介します。

  1. あくまでサービス業の補助的資格
  2. 3年に一度の更新が必要

どちらも大切ですので、読んでみてください。

(1)あくまでサービス業の補助的資格

サービス介助士は需要もあり実用的な資格です。

しかし、この資格だけで就職・転職が有利になるかと言うと、残念ながらそうとは言い切れません

サービス介助士で身につく知識や技術は、接客業の補助的なものでありこの資格だけで食べていけるような専門性はないからです。

ただし、パート・アルバイトレベルでは有利に働くこともあるようです。

駅のホームの混雑時の誘導員や警備会社、福祉施設の運転手などの募集では「サービス介助士優遇」と書かれた募集も見かけます。

中には、サービス介助士取得者には3,000円程の資格手当を出すと謳っている募集もありました。

ですが、転職希望者が転職のための切り札として取得しても、あまり効果は期待できません。

接客業で働く人たちのスキル向上のためや、自己啓発のための資格の色合いが強いことを押さえておきましょう。

(2)3年に一度の更新が必要

資格を一度取得したらこっちのものだ!とあぐらをかかないようにしましょう。

なぜなら、サービス介助士は3年に1度資格の更新が必要だからです。

更新時期が近づくと、日本ケアフィット共育機構から更新を知らせるハガキが届きます。

ですが、登録の住所・氏名などに変更がある場合、ハガキが上手く届かないこともあるので、更新時期は自分で把握しておくのが賢明です。

更新の手続きは、日本ケアフィット共育機構のホームページから行います。

せっかく取得した資格ですので、無効にならないように注意しましょう

まとめ

いかがでしたか?

サービス介助士の全容が掴んでもらえたと思います。

介護職はサービス業ではありませんが、人を相手にする・相手を思いやるなど、サービス業と共通するところがあります

介護士の経験がある人なら、接客業は難なくできると思いますが、もしハードルを感じる人は、サービス介助士を学んでみるのも1つの手です。

サービス介助士の資格は介護職からサービス業への橋渡しになるかもしれません。

ぜひ、新たな一歩を踏み出すきっかけとして検討してみてくださいね。