「介護職で年収400万円は無理なの?」とお悩みですね。
結論から言うと、介護職で年収400万円で働いている人はいます。
ただし、条件を押さえていなければ年収は低いままなので、転職しても給料アップは叶いません。
今回は、実際に掲載されている年収400万円の介護職の求人をご紹介!
年収400万円を目指すために必要な条件や求人票を見るべきポイントも解説します。
年収400万円を稼ぎ、余裕のある生活を目指しましょう。
目次
1.年収400万円を稼げる介護の仕事は少ない
残念ながら、年収400万円を稼いでいる介護職は少ないです。
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、介護職に就いている人の平均年収は約340万円となっています。
ちなみに全世帯の所得平均は約552万円なので、介護業界の給料は決して高いとは言えません。(厚生労働省│『2019年 国民生活基礎調査の概況』)
しかし、介護職員だからと言って年収400万円の仕事がないわけではありません。
簡単には見つけられないかもしれませんが、確実に年収400万円以上の仕事は存在します。
次の章で、年収400万円の介護職員の求人を確認しましょう。
2.年収400万円の介護職の求人を見てみよう
「本当に年収400万円の介護職ってあるの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。
そこで、実際に求人サイト・転職サイトを見てみました!
いくつか年収400万円の介護職の求人を見つけましたが、中でもおすすめできる求人を3つ確認しましょう。
求人1.定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所 ハートテラス中野弥生町
コメディカルドットコムに掲載されている『定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所 ハートテラス中野弥生町』の求人は、400万円〜450万円の年収を見込めます。
月給にすると、27.9万円〜35.9万円と記載されていました。
2020年4月にオープンしたての綺麗な施設です。
訪問介護事業所なので、以下のような仕事を行います。
- 訪問先での生活支援や入退院支援
- 医療機関や訪問看護ステーションとの連携
訪問介護の経験や初任者・実務者研修以上の資格が必須です。
就職後に介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取得すれば、6万円〜15万円の補助金が受け取れます。
求人2.社会福祉法人さわらび会 石神井台特別養護老人ホーム秋月
カイゴWORKERに掲載されている『社会福祉法人さわらび会 石神井台特別養護老人ホーム秋月』の求人は、年収400万円以上・賞与4ヶ月以上と高水準の給料が見込めます。
基本給や月給例の記載はありませんでしたが、賞与実績2回があるので年収400万円は実際に支払われると予測できるでしょう。
経営元である社会福祉法人さわらび会は多くの福祉施設・介護施設を運営する大手法人です。
そのため、福利厚生や賞与が充実していることも納得できます。
ただし、介護福祉士の資格を持っている人限定の募集となっているため、注意しましょう。
求人3.グッドタイムナーシングホーム・国分寺
e介護転職に掲載されている『グッドタイムナーシングホーム・国分寺』の求人は、年収例420万円〜540万円と高い収入が見込めます。
月給にすると、35万円〜45万円と記載されていました。
マネージャー候補として募集がかかっており、担当支部長と連携しながら施設の運営を任されます。
たとえば、利用者にとっても過ごしやすい環境を作ることはもちろん、働きやすい職場作りも責任の範疇です。
応募資格には介護福祉士、実務者研修などが記載されていますが、複数の応募があった場合、介護福祉士を持っている人が有利でしょう。
なぜなら、介護福祉士だと任せられる仕事の幅が広いからです。
大手グループ会社の運営する施設なので、福利厚生も充実しています。
3.介護職で年収400万円を目指すために必要な条件
ここまで年収400万超の介護職の求人を見てきました。
年収400万円を介護職で狙うのであれば、以下3つの条件を押さえましょう。
- 介護福祉士の資格は必須
- 大きな経営元の施設で働く
- 管理職につく
3つの条件について見ていきましょう。
条件1.介護福祉士の資格は必須
介護福祉士の資格を取ることで、年収400万円に大きく近づくことができます。
なぜなら、介護福祉士の資格があるだけで月8,000円〜1.5万円程度の資格手当が付くからです。
求人を見ていても、年収の高い仕事の募集要項は「介護福祉士」と書かれているケースがほとんどと言っても過言ではありません。
そのため、介護業界でキャリアを重ねていくのであれば、介護福祉士の資格を目指すべきです。
介護福祉士になるためには、国家試験に合格する必要があります。
国家試験の概要は、以下の通りです。
試験名 | 介護福祉士国家試験 |
---|---|
試験日程 |
|
受験要件 |
以下のいずれかの条件を満たしていること
|
もし福祉系高校や養成施設を卒業していないのであれば、最低3年の実務経験が必要です。
条件2.大きな経営元の施設で働く
大きな経営元の施設で働くことで、比較的高い水準の年収が得られます。
というのも、大きな法人であれば賞与・ボーナスが付く可能性が高いからです。
施設運営者の中には小規模な事業所もあります。
残念ながら、小規模事業所だと経営が安定せず、賞与・ボーナスまで支払えないケースも多いです。
しかし、大きな法人であれば経営が安定しており利益もあるので、スタッフへの還元は大きくなります。
また、労働組合があって、賞与・ボーナスや残業・夜勤手当の額を高くするよう交渉もしてくれるのです。
このように、大きな法人が経営している施設であれば、年収400万円の給料も珍しくありません。
条件3.管理職につく
管理職につくことで、年収400万円以上になる可能性があります。
というのも、管理職手当や役職手当が支給されるからです。
額は施設によって異なりますが、月額3万円〜6万円程度は付くでしょう。
ただし、「管理職につきたい!」と思っても、自分の意思だけで叶えることはできません。
普段から自分以外の仕事にも目を向け、同僚や後輩の育成や施設の運営に携わるようにしましょう。
マネジメント力やリーダーシップ力が認められると、管理職への道が開かれます。
4.今の職場で給料アップが見込めないなら転職も考えよう
もし、今の職場で年収400万円が現実的でないのであれば、転職も選択肢として考えましょう。
しかし、せっかく転職したのに給料アップできなかったら悲しいですよね。
そこで、求人票を見る時に気をつけたいチェックポイントを押さえておきましょう。
給料アップのために見逃せないポイントは4つあります。
- 基本給と月給の違い
- ボーナス・賞与
- 手当の記載の有無
- 経営会社
転職は労力のいることなので、「思っていた職場と違った」と後悔してもすぐに転職活動をすることは難しいです。
しっかり確認しましょう。
ポイント1.基本給と月給の違い
基本給と月給の違いを確認しておきましょう。
なぜなら、求人サイトには月給で書かれていることが多いからです。
基本給と月給は、以下のような違いがあります。
基本給 | 残業手当や夜勤手当を含まない基本的な賃金 |
---|---|
月給 | 役職手当や夜勤手当など毎月固定で支給される手当を足した月ごとに支払われる賃金 |
月給を基本給と思い込んで計算すると、とても高い給料がもらえるように勘違いを起こしてしまいます。
たとえば、夜勤手当や役職手当込みで月給28万円と書かれていたとしましょう。
しかし、基本給と勘違いをして「夜勤手当1万円×5回」「役職手当2万円」を足して、月に35万円もらえると思って応募すると採用されたときに大変です。
思っていた以上に給料が低くて落ち込むことになってしまいます。
求人票に書かれている月給は月にもらえる賃金の一例であり、基本給から手当が加算されていくことを覚えておきましょう。
ポイント2.ボーナス・賞与
ボーナス・賞与を見るときは、賞与実績が書かれているかを確認しましょう。
なぜなら、実績の記載がなければボーナスの額に信用がおけないからです。
「ボーナス年2回」や「ボーナス4ヶ月」と書かれていても、「実際にもらえなかった」という声は実際にあります。
しかし、「賞与:4ヶ月(前年度実績)」と書かれていれば、前年度に基本給4ヶ月分のボーナスが支払われていることが分かります。
そのため、ボーナスの多さを鵜呑みにするのではなく、賞与実績のある施設を選びましょう。
ポイント3.手当の記載の有無
残業手当や夜勤手当などの記載の有無をしっかり確認しましょう。
なぜなら、基本給と同じように、定額的に支払われる手当や通勤手当について求人票に記載しなければならないという国の指針があるからです。
それにもかかわらず、月給や月給モデルしか書かれていないと、実際就職したときにいくら貰えるか判断ができません。
転職先で貰える月給は、基本給+手当となるため、正確に手当が計算できる求人を選ぶべきです。
ポイント4.経営会社
経営会社がどれくらいの規模の会社なのかをチェックしましょう。
なぜなら、経営会社が大きければ待遇が良い場合が多いからです。
ボーナスといった社員への還元が大きかったり、昇給制度がしっかりと規定されていたり、働きやすい環境が整っています。
また、小規模事業所=ブラック施設と言い切ることはできませんが、従業員が多いことが経営者への牽制につながるのも事実です。
せめて100人以上の従業員がいるかどうかをチェックしましょう。
運営会社の社名や施設名を検索することで、どのような会社が運営しているのかを確認できます。
5.年収アップを目指して転職するときの2つの注意点
年収アップを目指して転職する場合、2つの注意点を知っておくべきです。
- 年収例は1年目から適用されないときがある
- 年収以外の条件もしっかりチェックする
注意点を知っておかなければ、転職を後悔するかもしれません。
転職後、長く働き続けるためにも、しっかり確認しておきましょう。
注意点1.年収例は1年目から適用されないときがある
求人票に書かれている年収例は、転職後1年目から適用されないことがあります。
年収例には、残業代や夜勤手当などの手当が含まれているからです。
もし、参考にしている職員が勤務3年目であれば、勤続手当が年収に含まれているかもしれません。
求人票に書かれている年収例を鵜呑みにせず、自分で基本給+各手当を合算して月給を出してみましょう。
また、賞与は基本給をベースに2ヶ月分・3ヶ月分など計算しましょう。
正確な年収が求人票から読み取れないなら、面接でしっかり把握できるよう質問することをおすすめします。
注意点2.年収以外の条件もしっかりチェックする
年収以外の条件も、しっかりチェックしましょう。
なぜなら、仕事のモチベーションは給料だけではないからです。
年収以外で見るべき条件は、以下のようにたくさんあります。
- 施設の理念・価値観
- 施設の形態
- 任される仕事内容
- 年休
- 有給消化
「転職して年収400万円は達成できたけど、直接介護サービスをする仕事じゃなくてやる気が起きない」なんてこともあり得ます。
やりがいを感じられない職場であれば、長く働き続けることはできないでしょう。
年収以外にも、どのようなことにやりがいを感じて働いているのかを考え、やりがいを感じられそうな職場を探しましょう。
6.高給求人が人気の転職サイト3選
最後に、高給求人があることで人気のある転職サイトを確認しましょう。
高給求人があることで人気の介護系転職サイトは、3つあります。
- e介護転職
- カイゴWORKER
- コメディカルドットコム
順番に確認し、転職するときの参考にしましょう。
転職サイト1.e介護転職
e介護転職は、自宅にいながらWeb面接のできる介護従事者のための転職サイトです。
積極的に説明会や見学会を開き、職場の雰囲気を転職活動をしている人に知ってもらおうと働きかけています。
「板橋やすらぎの園2号館」の求人内容を見ると、年収例380万円〜500万円と記載されていました。
夜勤手当5回分を含んだ月給が30万円〜40万円と記載されているので、経歴次第では年収400万円を目指せそうです。
このように、e介護転職には高収入の求人を見つけやすい検索システムがあります。
登録なしでも職種・エリア・路線など細かく条件を絞って検索できるので、一度試してみましょう。
転職サイト2.カイゴWORKER
カイゴWORKERとは、コンサルティングによるカウンセリングや求人紹介を受けながら転職活動を進められる転職サイトです。
初めての転職でどのように活動すべきか不安な人にとって、使いやすいサイトと言えます。
「トータルライフケア烏山」の求人内容を見ると、年収380万円以上と書かれていました。
固定給が書かれていませんでしたが、相談数によって歩合給をもらうことができます。
月に34件対応したときの想定年収は384万円となっており、頑張れば頑張るほど年収に反映されるのです。
カイゴWORKERでは、「年収400万円以上」「月給30万円以上」など、具体的な給料の額を入れて検索することができます。
登録しなくても詳しい検索ができるので、一度どのような求人があるか確認してみましょう。
転職サイト3.コメディカルドットコム
コメディカルドットコムは、自分のペースで転職活動のできる介護・医療従事者向けの転職サイトです。
自分で求人検索をし、マイページから直接施設と連絡を取り合えます。
「介護老人保健施設 フォレスト西早稲田」の求人内容を見ると、基本給は19万円、経験5年目の人の月給モデルが29万円と書かれていました。
また、賞与の前年度実績は3.0ヶ月となっており、年収405万円が見込めます。
このように、年収400万円以上の求人を探すことができるので、おすすめの転職サイトです。
登録しなくても「月給30万円以上」といった条件で検索することができるので、活用してみましょう。
まとめ
介護職で400万円の年収を目指すことは、簡単ではありません。
しかし、実際に年収400万円以上で働いている介護職員がいることも事実です。
介護福祉士の資格を取り、経営元が大きい施設に勤めることをおすすめします。
もし、転職をするのであれば、以下のような点をチェックするようにしましょう。
- 基本給と月給の違い
- ボーナス・賞与
- 手当の記載の有無
- 経営会社
「高年収」という言葉だけで判断せず、自分らしく働ける職場を選びましょう。