透析室の看護師に転職するかお悩みですね。
患者と長く付き合い、長期的に専門性の高い看護をすることに関心のある人は少なくありません。
しかし、透析室で働く看護師は専門的な知識や技術が求められるので、転職前に自分に向いているか確認が必要です。
今回は、透析室で働く看護師の仕事内容や透析室で働くメリットなどを解説します。
透析室で働く看護師の仕事内容やメリットを知って、転職を成功させましょう。
目次
1.透析室で働く看護師の仕事内容

透析とは、人工的に血液をろ過して腎臓の働きを補う治療法です。
透析には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。
血液透析は、病院で一般的に行われている透析です。
そして、腹膜透析は患者が自宅で行える透析となっています。
透析室で働く看護師は、主に血液透析に従事することになるでしょう。
看護師の仕事内容は以下のようなものがあります。
透析の一連の流れを担当したり、透析の患者に日常生活で気を付けることについて説明したりすることが役割です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1−1.透析の準備や穿刺
透析するためには、専用の機械が必要になります。
そのため、透析する前に機械の準備をして、患者が来院したら血圧や体重などの状態を確認します。
そして、透析を開始するときに患者に透析用の針を刺す穿刺も業務の一つです。
透析するための血液回路ができたら、血液の浄化を開始します。
完了したら針を抜いて止血するまでの流れが、看護師が行う業務です。
ただし病院によっては、医師や臨床工学技士が行うこともあるので事前に確認しておきましょう。
1−2.透析中の患者の看護
透析を行っている患者の病状は、急変する可能性があるので注意が必要です。
常に透析中の患者の状態に変化がないのか、細かな部分まで観察しておかなければなりません。
血圧が低下していないか、気分は悪くないかなど、注意深く見守ることも透析室の看護師の仕事です。
1−3.患者の健康管理
透析を受ける患者は、食事制限や体重管理のように生活する上での制限が多くあります。
そのため、患者の健康管理や生活指導をすることも看護師の役割です。
患者の状態に応じて適切な管理をするために、正しい知識を伝えることが大切です。
2.看護師が透析室で働く4つのメリット

看護師が透析室で働くことには、以下のようなメリットがあります。
透析室で働く看護師は、専門的な知識や技術を身に付けなくてはいけないので大変かもしれません。
しかし、その分やりがいを感じやすいはずです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1.透析に特化した知識と技術が身に付く
透析室で看護師として働く場合は、透析に特化した業務を行うことになります。
そのため、透析に関する専門的な知識や技術が身に付くでしょう。
透析に興味がある人はもちろん、透析分野でキャリアを積みたいと思っている人にはぴったりの職場です。
透析室で働いて透析に興味を持ち、以下のような資格取得を狙う人もいます。
- 透析療法指導看護師
- 透析看護認定看護師
- 透析技術認定士
専門性の高い看護師になりたいなら、うってつけの職場です。
メリット2.ルーティンワークのことが多い
透析室の業務は、基本的にルーティンワークのことが多いです。
透析の流れを覚えてしまえば、業務をスムーズに進められるでしょう。
また、透析を受ける患者は基本予約制なので、急患に対応することも少ないです。
仕事のスケジュールがわかりやすいので、プライベートの予定も立てやすいことがメリットだと言えます。
メリット3.日勤のみの働き方が多い
透析は平日の日中に行われることが多いです。
そのため、透析室で働く看護師は日勤のみの働き方が多く、残業が少ないでしょう。
ただし、透析中の患者の状態が急変した場合などは残業になる可能性があります。
また、病院によっては土日も透析を行っていたり、シフト制の場合があったりするので事前にチェックしておくことが大切です。
メリット4.同じ患者と長く付き合える
透析が必要な患者は一生行わなくてはいけません。
透析は週に3回ほど、1回4〜5時間程度必要です。
そのため、透析室で働く看護師は同じ患者と長く付き合っていくことになるでしょう。
一人ひとりとの関わりが深くなるので、患者とじっくりを向き合っていきたいと思っている人にとってメリットになります。
3.看護師が透析室で働くときの注意点

看護師が透析室で働くときは、事前に以下のような注意点を知っておくと良いでしょう。
注意点を知らずに透析室で働くと、思ったような働き方ができずに後悔してしまうかもしれません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
注意点1.病棟勤務のスキルは向上しにくい
透析室で働く看護師は、他の科で働いている看護師のような医療行為を行うことが少ないです。
透析室は、他の診療科の看護師が身に付ける知識や技術とは少し離れて特殊な部分があります。
そのため、以下のような一般的で幅広い看護スキルが向上しにくいです。
- 巡回(ラウンド)
- 患者の移送
- 入院患者の食事や入浴の補助
- 入院患者の体位交換
- 他職種とのカンファレンス
- ナースコール対応
- 手術の準備
- 執刀医への器具の手渡し
一方で透析に関する専門的な知識や技術は向上するので、透析のスペシャリストになれるでしょう。
注意点2.機械の操作に慣れる必要がある
透析室で働く看護師は、透析や患者の状態を観察する機械を扱うことになります。
看護師は、専門の機械の使い方を覚えて操作する必要があるので、機械の操作が苦手な人にとっては苦になるかもしれません。
ただし、一度覚えたらスムーズに業務ができるようになるので、心配しすぎる必要はないでしょう。
注意点3.長期の休みが取りにくい
透析室で働く看護師は、長期の休みが取りにくい傾向が強いです。
透析を受ける患者は、週に3回ほどの通院が必要になります。
お盆や年末年始など関係なく患者は必ず通院しなくてはいけないので、長期の休みはなかなか取りにくいです。
もちろん交代で休みが取れる場合もありますが、長期の休みがほしい場合は事前に確認しておく必要があるでしょう。
一方で、透析室は土日が休みのところが多いので、土日はしっかり休めるという点はメリットです。
4.透析室で働くのに向いている看護師とは?
以下の項目に当てはまる人は、透析室で看護師として働くことに向いているでしょう。
透析室は日勤のみで夜勤が少なく、同じ患者と長く関わっていくことが特徴です。
そのため、プライベートの時間も大切にしたい人や、患者と深く関わりたい人にぴったりでしょう。
それぞれ詳しく見ていきます。
特徴1.プライベートの時間も大切にしたい人
透析室は、プライベートの時間も大切にしたいと思っている人にぴったりです。
透析室で働く看護師は、夜勤や残業が少ない傾向にあります。
そのため、家族や友人との約束も立てやすくプライベートも充実させられるでしょう。
ただし、土日も開院する施設や夜勤がある施設も存在するので、事前の確認は重要です。
特徴2.患者と深く関わりたい人
透析の患者は長期間に渡って通院する必要があります。
そして、患者の入れ替わりも少ないです。
そのため、一人ひとりの患者と深く関わりながら、密接なコミュニケーションを取りたいと思っている人にぴったりだと言えます。
患者とコミュニケーションを取りながら、丁寧な看護をしたいと思っている人には理想的な職場でしょう。
特徴3.透析に興味ややりがいを感じる人
透析室で働く看護師には、透析に関する専門的な知識と技術が求められます。
そのため、透析に興味のある人ややりがいを感じる人にもぴったりです。
透析室で働くことで、透析に特化して携われるでしょう。
透析分野は、透析技術認定士のような資格もいくつかあるので、さらなるスキルアップも狙えます。
5.未経験の看護師が透析室に転職できる?必要なスキルは?
未経験の看護師が、透析室の看護師として転職することは十分に可能です。
看護師が透析室で働くために、必要な資格は特にありません。
しかし、最初のうちは身に付けるべき透析についての専門的な知識や技術が多いので、大変な思いをする可能性があります。
また、透析室で働く看護師は、働きながら業務に関連する資格を取得する人が多いです。
透析に関する資格は、例えば以下のようなものがあります。
- 透析技術認定士
- 透析療法指導看護師
- 透析看護認定看護師
現在、資格を持っていなくても転職自体はできる可能性が高いので心配いりません。
透析室で働くことで、将来的には透析に特化した資格の取得も目指せるでしょう。
専門的な資格を取得すれば、看護師としてのステップアップにつながります。
6.看護師が透析室への転職を成功させるコツ

看護師が透析室への転職を成功させるには、以下のようなコツを押さえておくと良いでしょう。
透析室は専門性の高い知識と技術が必要とされるので、他の科と比べると特殊な部分があります。
そのため、「なぜ透析室で働きたいのか」を明確にすることが大切です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コツ1.透析室に向けた転職理由を考える
透析室の看護師として転職したい人は、「なぜ透析室を希望するのか」をはっきりさせると良いでしょう。
具体的な理由があれば、転職の成功率が高まります。
透析室で働く看護師は、他の科で働く看護師と比べると特殊な知識や技術が必要です。
そのため、「透析に興味があるので透析の専門家を目指している」「看護師として専門的なスキルを高めたい」など理由を明確にしましょう。
コツ2.透析に関する業務の流れを知っておく
転職活動をする前に透析に関する業務の流れを知っておくと、転職後のイメージがつかみやすいです。
それによって、面接官に響きやすい志望動機が考えられるでしょう。
患者は週に3回ほど、1回4〜5時間ほどの透析を受ける必要があります。
透析室で働く看護師の主な仕事内容は以下の通りです。
- 透析に使う機械の準備をする
- 患者に穿刺をする
- 透析中の患者の状態をチェックする
- 透析が終わったら止血をする
透析室で働く看護師は、他の科で働く看護師と比べると特殊な働き方をします。
機械の準備から透析、そして透析後のケアです。
透析室の仕事の流れを意識して働き方をイメージし、転職活動に臨んでください。
7.看護師が透析室に転職するときに人気なサイト3選
透析室に看護師として転職したいと考えている人は、転職サイトを利用することでスムーズに転職活動を進められます。
看護師が透析室に転職するときは、以下の転職サイトが人気です。
それぞれの転職サイトについて詳しく見ていきましょう。
サイト1.医療ワーカー
医療ワーカーは、業界トップクラスの求人数を誇る転職サイトです。
正社員・派遣・アルバイトなどさまざまな勤務形態の求人があります。
求人には、実際にそこの病院や施設で働いている社員の口コミが掲載されているので、自分が働いたときのイメージもしやすいでしょう。
2020年12月現在、3,398件ほどの透析室の求人が掲載されています。
サイト名 | 医療ワーカー |
URL | https://iryouworker.com |
特徴 |
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サイト2.マイナビ看護師
マイナビ看護師は、全国の求人に対応している転職サイトです。
他の転職サイトにはない非公開の求人も豊富にあります。
自宅から近い拠点に来社して登録もできますが、拠点が遠い人は電話やメールで登録することも可能です。
2020年12月現在、234件ほどの透析室の求人が掲載されています。
サイト名 | マイナビ看護師 |
URL | https://kango.mynavi.jp |
特徴 |
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サイト3.看護のお仕事
看護のお仕事は、転職のサポートが充実している転職サイトです。
登録すると、まずは電話などで希望の条件などを聞くカウンセリングをしてくれます。
カウンセリングをもとにして求人を紹介してくれるので、自分の希望の求人が見つかりやすいでしょう。
2020年12月現在、4,920件ほどの透析室の求人が掲載されています。
サイト名 | 看護のお仕事 |
URL | https://kango-oshigoto.jp |
特徴 |
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まとめ
透析室で働く看護師は、患者と長い付き合いになることが多いので、寄り添いながら深いコミュニケーションをとる能力が必要です。
また、透析室で働く看護師は、一般的な看護師が必要とされる知識や技術とは違った知識を身に付けなくてはいけません。
透析に特化した知識や技術を勉強することは大変ですが、専門的なスキルを身に付ければステップアップにつながります。
透析室の看護師になりたいなら、転職サイトを使うと転職活動がスムーズに進むでしょう。