介護師

シングルマザーでもできる!介護の仕事の概要と得られる資格を解説

この記事を読んでいる人は、シングルマザーとして介護の仕事に就きたいとお考えですね。

また、手に職をつけ長く働きたい、子供のためにも頑張りたいと考えている人もいるでしょう。

この記事では、シングルマザーの方が介護の仕事で働くことについて詳しく解説しています。

読み終えたときには、シングルマザーが介護の分野で働く際のポイントが理解できているはずです。

具体的な仕事内容や際のメリットやデメリット、仕事を通して取得できる資格、さらには介護施設の種類まで解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

1.シングルマザーで介護職の人は多い?

神戸市の「ひとり親家庭等実態調査報告書」では、シングルマザーが就業している職種のうち最も高かったのが「専門的・技術的職業」でした。

また、厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」でも「専門的・技術的職業」は「事務」についで多い数値を示しています。

「専門的・技術的職業」とは、研究職や農林水産技術者、保健師、助産師、看護師など各分野の専門的な知識を活かしておこなう仕事のことです。

この中には「社会福祉の専門的職業」も含まれており、各種介護サービスを行う人もこの中に含まれています。

専門的・技術的職業の人が全員介護の仕事をしているわけではありません。

しかし、介護関連の仕事をしているシングルマザーは多いことが調査からうかがえます。

2.シングルマザーが介護の仕事をするメリット

シングルマザーが介護で働くメリット

ここでは、シングルマザーが介護の仕事をするメリットとして以下の点について解説します。

  1. 学歴や経験は問われない
  2. 夜勤を免除してもらえるケースもある
  3. 働きながら資格取得ができる
  4. 就職先として選びやすい

それぞれについて確認していきましょう。

メリット1.学歴や経験は問われない

介護の仕事に就く場合、特別な学歴や経験、資格などは問われません。

シングルマザーになるまで仕事をずっとしていなかったという人でも採用してもらえる可能性は十分にあります。

例えば、中卒や高卒で仕事の経験がない人、結婚している間は働いていなかった人でも就職が期待できるでしょう。

そのため「子供のためにもとにかく就職先を見つけないといけない」という人にとって介護の仕事に就くことはメリットとなります。

メリット2.夜勤を免除してもらえるケースもある

シングルマザーが介護施設で働く場合、夜勤を免除してもらえるケースがあります。

これは、「育児・介護休業法」によって未就学の子供がいる場合は夜勤を免除してもらえるためです。

例えば、未就学の3歳の子供がいる場合、会社に申し出ることで夜勤を免除してもらえるでしょう。

そのため「夜勤ができないから介護の仕事はできない」と考えている人も安心して働くことができます

メリット3.働きながら資格取得ができる

介護の仕事は、未経験からでもキャリアップを狙うことができます。

未経験かつ無資格の状態で入ってきた人でも、実務経験を積んでいくことで資格取得を目指すことが可能です。

例えば、介護職員初任者研修は講習を受ける必要はありますが、受験資格は特にありません。

またそこから介護福祉士実務者研修、さらには国家資格である介護福祉士とさらに上の資格を取得することも可能です。

働きながら資格を取得することで、キャリアアップを目指すことができるでしょう。

メリット4.就職先として選びやすい

介護の仕事は、シングルマザーにとって選びやすい就職先だと言えます。

「公益財団法人介護労働安定センター」が行った平成30年度「介護労働実態調査」によると、介護の分野では65歳以上の高齢者が働く割合が高くなっているそうです。

介護労働者のうち65歳以上の割合は1割以上、60歳以上となると2割以上になります。

シングルマザーの中には同じ職場で長く働きたい、という人も少なくないでしょう。

高齢者になっても働ける介護の仕事は、シングルマザーにとっても選びやすい仕事だと言えます。

3.シングルマザーが介護の仕事をするデメリット

シングルマザーが介護で働くデメリット

メリットの一方で、シングルマザーが介護の仕事をする際には、以下のようなデメリットも存在します。

  1. 夜勤や土日の出勤がない職場を探す必要がある
  2. 身体的な負荷が大きい
  3. 資格がないと給料が低い

介護の仕事は、シングルマザーにとっていい面ばかりではありません

どういったものなのか確認していきましょう。

デメリット1.夜勤や土日の出勤がない職場を探す必要がある

シングルマザーが介護の仕事を探す場合、夜勤のある職場や土日の出勤がある職場は選択肢から外した方がいいでしょう。

深夜に子供を家に一人にする、土日に子供とゆっくり過ごす時間がないというのは、避けたいためですよね。

しかし、夜勤なし、土日勤務なしの職場となると、働ける介護施設も限られてくるはずです。

シングルマザーとして働くなら、職の選択肢が狭まることがあるというのも念頭に置いておきましょう。

デメリット2.身体的な負荷が大きい

シングルマザーが介護の現場で働くとなると、身体的な負荷はかなり大きくなるでしょう。

入浴介助や排泄介助、生活の各種援助など体を使って行う仕事が多くあります。

また、家族と同居していない場合、家では家事をサポートしてくれる人はいないため、帰宅後に家事をしなければいけません。

家でも職場でも常に働き続けなければいけないため、慣れるまでは負担に感じることもあるはずです。

デメリット3.資格がないと給料が低い

資格なしでも採用してもらえる可能性のある介護の仕事ですが、資格がない場合給料も低くなるかもしれません。

なぜなら、保有する資格に合わせた資格手当をもらうことができないからです。

例えば、無資格よりも初任者研修を修了した人であれば5,000~10,000円ほど資格手当で給料が高くなります。

介護福祉士であれば、もっと手当を出してくれる会社もあるでしょう。

このように、有資格者であれば、手当によって給料は高くなるわけです。

未経験・資格なしのシングルマザーの場合、最初のうちは給料が低い可能性があることを理解しておかなければいけません。

4.介護の仕事の給料事情

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の結果によると、2019年の「介護支援専門員(ケアマネージャー)」の給料は約27万円、「福祉施設介護員」は約24万円でした。

シングルマザーの場合は記載されていませんが、未経験、無資格なら福祉施設介護員と同じか少し少ない金額になるはずです。

子供と生活できないレベルではないかもしれませんが、余裕を持てるほどではないと言えます。

もし、高い給料をもらいたいと考えているなら「介護の資格を取得する」か「別の業種」を選ぶと良いでしょう。

ちなみに介護の資格は、働きながら取得することができるものが多いです。

例えば、介護職員初任者研修であれば助成金を受けながら取得し、就職するということもできます。

もっと上の資格を目指すなら、実務経験が必要となるので必然的に働きながらということが多いです。

将来を見据えたうえで、シングルマザーとして働いていけるのかも考えていきましょう。

では、次はより働くイメージをするためにも仕事内容について紹介していきます。

5.介護で実際にする仕事内容は?

ここでは、実際に介護の現場で行う仕事内容として、以下の内容を紹介します。

  1. 身体介護
  2. 生活援助
  3. 各種支援

それぞれについて確認していきましょう。

(1)身体介護

介護の仕事では、「身体介護」と呼ばれる施設利用者の身の回りのお世話を頻繁に行います。

利用者は、介護度によっては自分で自由に身の回りのことをすることができません。

例えば、トイレや食事、入浴などのサポートが必要な人もいます。

そういった人のサポートを行うのも、介護の現場における仕事の1つです。

(2)生活援助

身体面の他にも、「生活援助」と呼ばれる生活面でのサポートを行うことも珍しくありません。

これは、身体介護とは異なり、利用者の体に直接触れないで行うものです。

例えば、部屋の掃除や衣類の洗濯、さらには食事の提供などが当てはまります。

生活援助を行い、施設を利用する人により快適な生活を送ってもらうのも重要な仕事の1つです。

(3)各種支援

介護の現場では、身体介護、生活援助のほかにも様々な支援を行います。

これは、利用者の方に楽しい時間を過ごしてもらったり、メンタル面のケアを行ったりするものです。

例えば、余暇活動としてレクリエーションの企画・運営を行うこともあります。

利用者の方がサポートを得ることで、いきいきと生活できるようにすることも重要な役割だと言えるでしょう。

6.介護の仕事が向いている人は?

介護の仕事が向いている人の特徴

ここでは、介護の仕事が向いている人はどのような人なのか、以下の要素を取り上げながら解説します。

  1. 家事ができる人
  2. 人と関わるのが好きな人
  3. 体を動かしながら仕事がしたい人

それぞれについて確認していきましょう。

(1)家事ができる人

介護の仕事をする際に役立つのが、家事ができることです。

介護の仕事では、普段の業務から家事をする機会がよくあります。

例えば、利用者の部屋の掃除や洗濯などです。

そのため、家事を普段からやっている人、家事をするのが好きな人は、介護の仕事にも向いていると言えるでしょう。

(2)人と関わるのが好きな人

介護の仕事は、人と関わるのが好き、という人の方が向いています。

介護の現場では、人と関わる機会が少なくありません。

例えば、施設の利用者やそのご家族、同僚や関連業者の人などです。

そのため、人と関わるのが好き、誰かに喜んでもらいたい、といった人の方が向いているでしょう。

(3)体を動かしながら仕事がしたい人

じっと座って仕事をするのが苦手な人、体を動かしたい人にも介護は向いています。

介護の仕事は、デスクワークもありますが、それ以上に体を動かす機会の多い仕事です。

例えば、身体介護や生活援助など実際に自分の手足を動かして行う仕事が少なくありません。

そのため、体を使ってアクティブに働きたい人にはぴったりだと言えるでしょう。

7.シングルマザーが介護の仕事に就くには?

シングルマザーが介護の仕事に就きたい場合、特に資格も経験もなくて構いません

また、公益財団法人 介護労働安定センターの「平成30年度 介護労働実態調査」によると、介護業界は人材不足に悩んでいる所が多いです。

ですから、無資格・未経験でも採用してもらえる可能性は十分にあるでしょう。

実際に仕事を探す際は、求人サイトなどで検索するとたくさんの求人が出てきます。

ただ、介護業界でキャリアアップを図っていきたい場合は、資格取得が目指せるところを目指すのがおすすめです。

例えば、施設によっては資格取得費用をサポートしてくれるケースもあります。意欲のある人は、そのような企業を探してみるといいでしょう。

8.介護施設にはどのようなものがある?

介護と一言で言っても、施設の種類は多岐に渡ります。

以下の表は、介護施設の種類と概要をまとめたものです。

ぜひ、仕事を探す際の参考にしてみてください。

施設名 概要
特別養護老人ホーム
  • 主に自治体や社会福祉法人が運営
  • 原則として要介護3以上の人が入所
  • 入浴、排泄の介助といった身体介護が多い
有料老人ホーム
  • 主に民間企業が運営
  • 「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類がある
  • 「住宅型有料老人ホーム」は高齢者向け住宅であり、介護サービスが必要な場合は、訪問介護やデイサービスなどを利用する
介護老人保健施設
  • 病状の安定に伴い病院から退院した人が、リハビリなどを受けながら過ごす
  • 医師も常駐している
  • 職種の人と連携して動くことが多い
認知症型グループホーム
  • 認知症の高齢者が共同生活を送る
  • 入居者と介護職の距離感が近い
  • 入居者と一緒に食事作りや、家事などを行う
サービス付き高齢者向け住宅
  • 高齢者向けの住宅という位置付け
  • 生活相談、食事提供、コンシェルジュサービスなどを利用できるケースも
  • 介護サービスを受ける場合は別途契約を結ぶ
ケアハウス・軽費老人ホーム
  • 自宅での暮らすのが難しい人を対象とした施設
  • 主に地方自治体や社会福祉法人などが運営
  • 比較的利用料金は安め
小規模多機能型居宅介護
  • デイサービスを主に利用しながら状況によって訪問介護、ショートステイも利用する
  • 3つのサービス形態が一体になったもの
ショートステイ
  • 短期間入所して、介護サービスを受ける
  • 特別養護老人ホームなどが行うケースもあれば、ショートステイ専門の施設もある
  • 身体介護、生活援助などを行う
デイサービスセンター
  • 自宅で日常生活を送る高齢者が日中を過ごす施設
  • 食事や入浴、機能訓練などを行う
  • 介護のほかに高齢者の孤立感を解消する役割ももつ
  • 仕事内容としてはレクリエーションの企画・運営を行うこともある
デイケア
  • リハビリが必要な人、医療的なケアが必要な人向けの通所施設
  • 介護職以外にも理学療法士や作業療法士、言語聴覚士・医師などが勤務している

同じ介護施設でも種類によって役割は変わるので、自分にあったもの、興味のあるものを選んでみてください。

9.シングルマザーが仕事を探す時のポイント

ここからは、シングルマザーが介護の仕事を探す際のポイントとして、以下の点について解説します。

  1. 給料は満足できる金額か
  2. 勤務時間は問題なく働けるレベルか
  3. 残業がないとはっきりわかるか

それぞれについて確認していきましょう。

(1)給料は満足できる金額か

シングルマザーの場合、特にチェックするべきなのが給料です。

給料が少ないと子供を十分に養うことができないため、子供に不便な生活を強いることになってしまいます。

そのため、最低でもどのくらいの月収が必要なのか、毎月の生活費はどのくらいかかるのか把握しておくようにしましょう。

それらの金額をもとに仕事探しを行ってみてください。

(2)勤務時間は問題なく働けるレベルか

シングルマザーが仕事を探す際には、勤務時間を確認しておかなければいけません。

育児をする以上、どうしても働けない時間は出てきます。

例えば、「子供を朝○時に保育園に預けるまでは仕事に行けない」といったイメージです。

何時から何時まで勤務可能なのか、こちらも把握した上で仕事を探すようにしましょう。

(3)残業がないとはっきりわかるか

シングルマザーは、残業がないことがはっきりとわかる仕事を選ぶようにしましょう。

シングルマザーの多くは残業ができないはずです。

そのため、例えば仕事探しの際は「残業なし」とはっきりと明記されている職場を探す必要があります。

もし、残業をする場合でも、何時間までなら対応できるのか、自分の中で基準を決めておくといいでしょう。

まとめ

今回は、シングルマザーが介護の仕事で働く際のメリットやデメリット、仕事探しのポイントなどについて解説しました。

介護の仕事は資格も経験もなく始められる仕事です。

また、実務経験を積んでいく中で資格取得もできます。

そのため、自分の意欲次第でキャリアアップを図ることや給料アップを狙うことも十分に可能です。

子供のためにも、すぐに働き始めたい、長く続けられる仕事をしたいと考えている人は、ぜひ介護の仕事を検討してみてください。