「患者さんや同僚にどうしてもイライラしてしまう」
「つい怒りっぽくなって後輩に当たってしまう」
責任の重い仕事だからこそ、気が張ってどうしてもイライラしてしまう看護師は少なくないでしょう。
しかし、看護師のイライラは患者さんや同僚に悪影響を及ぼすので、早めの対処が必要です。
この記事では、仕事中のイライラを早く収める方法を解説していきます。
ストレスを溜めないために普段からできることも解説するので、明るく前向きに働ける自分になりましょう。
目次
1.看護師のイライラは人間関係に悪影響!
看護師は命を預かる仕事なので、つい気持ちがピリピリして怒りにつながることも多いです。
しかし、我慢できないからって看護師がイライラしていると、周りの同僚や患者さんは嫌な気持ちになってしまうでしょう。
上手く我慢できていると思っていても、敏感な患者さんは看護師の不調にいち早く気づきます。
優しい患者さんであれば看護師の心配をして心を痛めたり、自分が何か悪いことをしたのではと不安になったりすることもあるでしょう。
同僚はまだしも、患者さんに余計な心配をかけてしまうのは避けるべきです。
また、イライラが原因で周りの人に当たってしまうと、そこから人間関係のトラブルに発展することも少なくありません。
仕事が大変だったり、嫌なことがあっても、看護師としてイライラは最大限抑えるべきです。
そこで次は、看護師がイライラする原因について解説していきます。
自分がどんなことでイライラしがちなのか知り、適切なタイミングで怒りをコントロールしましょう。
2.看護師がイライラしてしまう原因

看護師が仕事中にイライラしてしまう原因は状況により様々です。
しかし、イライラを解決するには、自分がどんなことで怒りやすいか把握しておくことが大切でしょう。
そこでここからは、看護師がイライラしやすい状況を紹介していきます。
- 患者さんや同僚に嫌なことを言われた
- 睡眠時間や休息が足りない
- 仕事に余裕がない
仕事中の気持ちを分析して、イライラの原因を探りましょう。
原因1.患者さんや同僚に嫌なことを言われた
頑張って働いているのに、患者さんや同僚に嫌なことを言われると、どうしてもムカムカした気持ちになってしまいます。
看護師の就職・転職を支援する女性メディア「看護roo!」のアンケートによると、看護師のストレス原因1位が人間関係です。
先輩から理不尽に怒られた、患者さんに怒鳴られた、仕事ができない後輩のカバーをしなければいけない、などイライラする瞬間は多々あります。
人間関係は転職や異動をしない限り簡単に変わらないので、嫌な人がいると職場に行くのもストレスになるでしょう。
原因2.睡眠時間や休息が足りない
仕事が忙しく、十分に休みが取れない状況だと、疲れや寝不足でイライラしてしまうことが多いです。
看護師は非常にハードな環境で働いており、診療科によっては緊急対応で毎日時間外勤務をすることもあります。
また、夜勤を含む勤務では生活が不規則になり寝不足に悩む看護師も増えるでしょう。
休憩が取れず、毎日長い時間働き寝不足の状態が続くと、心の余裕がなくなり些細なことで不機嫌になってしまいます。
さらに、他の看護師も休息が取れず疲れている職場では、言い争いや喧嘩も起こりストレスを感じやすいでしょう。
原因3.仕事に余裕がない
仕事がとにかく忙しく、バタバタしている状況では周りに配慮する余力がありません。
そのため、同僚や後輩についつい冷たい態度をとってしまい、トラブルに発展することもあるでしょう。
定時が近いのに仕事が全く終わっていない、休憩時間に事務作業をしないと帰れない、という日々は、心を焦らせ、イライラさせます。
自分の仕事で手一杯だと、後輩から仕事について聞かれても無視してしまったり、今忙しいから、と怒鳴ってしまいかねません。
そして怒鳴ってしまう自分が嫌になり、さらにストレスを溜めてしまうという看護師は少なくないでしょう。
以上が、看護師がイライラする原因でした。
自分の気持ちに余裕を持てない時、人はどうしてもイライラして不機嫌になってしまいます。
看護師が自分の気持を上手くコントロールし、周りの人と仲良く過ごすにはどうすれば良いのでしょうか。
次で怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」について解説するので、イライラに悩む看護師はぜひ参考にしてください。
3.看護師が怒りをコントロールする方法はある?
看護師が怒りをコントロールする上で知っておきたいのが、アンガーマネジメントです。
アンガーマネジメントは、怒りやイライラを上手くコントロールして明るい日常を送るための手法になります。
ストレスの多い現代、医療業界だけでなくアンガーマネジメントは様々な業界で注目されてきました。
看護師もアンガーマネジメントの手法を用いて、イライラを上手にコントロールしましょう。
アンガーマネジメントでは、感情を以下の2段階に分けています。
- 第一次感情…寂しい、苦しい、不安、など日常的に感じるネガティブな感情
- 第二次感情…第一次感情が蓄積され溢れてしまったときの感情
怒りは、第二次感情に当たります。
怒りとして感情を外に出すのを防ぐには、怒りの原因である第一次感情を自分で把握することが大切です。
自分が何にイライラしているのか細かく分析するようにして、ストレスの原因は元気なうちに取り除いておきましょう。
次は、アンガーマネジメントの考え方を用いて、怒りを短時間で収める方法を解説します。
今、このイライラを止めたい、という人はぜひ参考にしてください。
4.仕事中のイライラを早く抑える方法

どうしてもイライラした気持ちになり、不機嫌になってしまう看護師は少なくありません。
しかし、ずっと不機嫌そうな顔をしていると、同僚も患者さんも話しかけにくくなってしまいます。
看護師としてしっかり仕事をこなすには、イライラに早く対処して冷静さを取り戻すことが大切でしょう。
看護師が仕事中にすぐできる怒りのコントロール方法は、以下の通りです。
- トイレに行き1人になる
- 深呼吸する
- 数を数えてやり過ごす
- 怒りに点数を付ける
- 目線を上げる
自分に合った方法を試して心の調子を整えましょう。
方法1.トイレに行き1人になる
イライラを周りにぶつけないようにするには、1人で気持ちを落ち着ける時間が大切です。
不機嫌なまな仕事をしていると、周りの同僚や患者さんを緊張させてしまいさらなるトラブルにつながります。
イライラした顔を周りに見せないよう、限界を感じたらトイレやロッカーなど1人になれる場所に行ってください。
静かな場所で自分の好きなことやリラックスできることを考えれば、気持ちを落ち着けることができるでしょう。
方法2.深呼吸する
イライラして周りの人に文句を言ってしまいそうなときは、一度深呼吸をしましょう。
深呼吸には気持ちを落ち着かせリラックスさせる効果があるので、ネガティブな気持ちも落ち着きます。
怒りに任せて周りの人に怒鳴ると、職場の雰囲気が悪くなりかねません。
発言する前に深呼吸をして、冷静に話すように意識しましょう。
方法3.数を数えてやり過ごす
怒りが爆発しそうになったら、心の中で数を数えてやり過ごしてください。
アンガーマネジメントによると、怒りの感情のピークは最大で6秒です。
恨みに変わるような深刻な出来事であればそれ以上怒りが持続することもありますが、仕事中のちょっとしたイライラはなかなか持続しないと考えましょう。
そのため、怒りの6秒を押さえれば感情に任せて怒鳴ったり、ものに当たったりするのを防げます。
6秒間数をカウントするほか、6秒間何も考えないよう心がける、6秒間無理にでも笑顔を作る、などの方法で怒りを遠ざけてください。
方法4.怒りに点数を付ける
アンガーマネジメントでは、怒りに点数を付けて自分のイライラを客観的に見ることも勧められています。
イライラや怒りに点数を付けることでその瞬間だけでも冷静になることができますし、自分の怒りの傾向も見えるはずです。
常に何かイライラしている、という人も、怒りの原因を探して状況に合わせ点数化してみましょう。
怒りに点数を付けるときは怒っていない状態を0点、一番強い怒りを10点として判断してください。
怒りが可視化されれば、「前の6点と比べ今のイライラは大したことないな」「2点の怒りだからすぐ冷静になれるはず」と自分を律することができます。
方法5.目線を上げる
どうしてもイライラして周りが見えなくなったときは、その場で目線を上げてください。
イライラしているときは目線が下を向いてしまい、どんどん視野が狭くなってしまいます。
視野が狭くなると考え方もネガティブになるので、怒りを感じたら目線を上げて気分転換をしましょう。
周りの景色を冷静に観察することで、怒りのピークを超えることもできます。
意識的に視線を移動させ、怒りの感情を切り替えましょう。
以上が、仕事中にもできるイライラ対処法でした。
次は、イライラする瞬間を減らすため普段からできることを解説します。
前向きに働けるよう、ぜひ実践してみてください。
5.イライラしないために普段からできること
看護師が仕事中にイライラしないようにするには、普段からの心がけが大切です。
日常のストレスをあらかじめ減らしておけば、イライラにつながることも少なくなります。
なるべくイライラを感じないよう、普段から怒りに備えて準備をしておきましょう。
イライラを防ぐため、日常的にできることは以下の通りです。
- 自分がイライラしやすい状況を知る
- 職場の環境が悪い場合は上司に相談する
- 少し早く出勤して時間的余裕を防ぐ
- 家電を使い家事の分量を減らす
- 自分の体調には最優先で気を配る
- 休みは自分の好きなことをしてリラックスしておく
- イライラしてしまう自分も受け入れる
過剰な我慢はNGですが、様々な方法を試し、怒りを収めるのを習慣づけておきましょう。
まとめ
看護師も人間なので、どうしても仕事中にイライラしてしまうことはあります。
しかし、イライラを表に出すと、患者さんにも同僚にも悪影響が出かねません。
なるべく自分の中でイライラをコントロールし、スムーズに仕事を進めていきましょう。