「看護師として働いているものの栄養士の仕事に興味がある」
「栄養学についてもっと学びたい」
看護師からキャリアを変え栄養士を目指したい、と感じている人もいるでしょう。
しかし、看護師から栄養士を目指すには専門の資格が必要になるので、すぐに転職できる訳ではありません。
この記事では、看護師から栄養士を目指す流れや必要な資格を解説していきます。
また、栄養士になった後の仕事内容も紹介するので、栄養士として新たなキャリアを歩きたい人はぜひ役立ててください。
目次
1.看護師から栄養士になるために資格を取ろう!
看護師から栄養士になるには、新しく栄養士の養成施設に通い、栄養士としての資格を取得をしなければいけません。
栄養士は栄養に関する専門的な指導を行う仕事であり、看護師資格を取得するだけでは学べない知識も持っている必要があります。
そのため、看護師からそのまま栄養士になることはできないので、注意しましょう。
また、看護師と栄養士の資格を同時に取れる学校も、現状はありません。
必ず栄養士養成施設で2年以上の勉強をしなければいけないので、栄養士を目指す場合は必ず養成施設を探すところから始めましょう。
また、栄養士の上位資格である管理栄養士を目指す場合、管理栄養士の養成施設に通うか実務経験が必要です。
管理栄養士の資格を取る方法について詳しくは後述するので、目指している人はぜひ読んでみてください。
次は、看護師から通常の栄養士を目指す方法について解説します。
2.看護師から栄養士を目指すにはどうすれば良い?
看護師から栄養士を目指すには、栄養士養成学校に通い、卒業する必要があります。
栄養士養成学校には、以下のような種類があります。
- 4年制大学
- 3年制短期大学、3年制専門学校
- 2年制短期大学、2年制専門学校
勉強する期間は異なりますが、取得できる資格はどこを卒業しても同じです。
栄養士資格の場合、特別な試験は無く、養成施設を卒業することで栄養士としての資格が得られます。
栄養士養成学校の学費は、私立学校の場合年間100〜130万円ほどとなり、4年通う場合は500万円近いです。
公立学校の場合、私立学校の3分の2ほどが相場ですがやはり卒業までに100万円以上はかかるでしょう。
学校は基本的に昼間授業や実習などがあるので、看護師のパートなどと並行してお金を貯めなければいけません。
また、夜間過程のある学校はありますが、全国で2〜3件ほどなので基本的には看護師のフルタイム勤務との並行は難しいでしょう。
管理栄養士になる方法については、次で詳しく紹介していきます。
3.看護師から管理栄養士になるには別の資格が必要!
管理栄養士になれば、栄養士と比べて出来る仕事の範囲が更に広がります。
しかし、管理栄養士を目指す場合、栄養士とは資格の取得方法が少し異なるので注意が必要です。
ここからは栄養士と管理栄養士の違い、管理栄養士になるまでの流れを解説します。
栄養士として活躍の幅をさらに広げたい人はぜひ読んでみてください。
3−1.看護師から管理栄養士になる流れ
看護師が管理栄養士になるには、大きく分けて2つの方法があります。
- 管理栄養士の養成施設に通う
- 栄養士の資格取得後、実務経験を経て試験に合格する
管理栄養士になるには、管理栄養士の資格が取れる学校を選択する必要があります。
また、管理栄養士の学校に通った後も自動的に資格が取れるわけではなく、試験合格が必要なので注意してください。
また、すでに栄養士の資格を持っているなら、1〜3年の実務経験を経て試験に合格することで管理栄養士として働くことが可能です。
必要な実務経験の年数は、栄養士養成学校に通った期間で以下のように異なっています。
- 修業年限4年の場合・・・実務経験1年
- 修業年限3年の場合・・・実務経験2年
- 修業年限2年の場合・・・実務経験3年
栄養士資格を取る段階では、学校で学ぶ年数による違いはありません。
しかし管理栄養士の資格を今後取る予定があるなら、試験の受験に必要な実務経験の年数も考慮した上で通う学校を決めましょう。
3−2.栄養士と管理栄養士の違い
管理栄養士は栄養士の上位資格であり、できる仕事の範囲も広がります。
例えば栄養士が栄養指導できるのは主に健康な人のみですが、管理栄養士になれば病気の人や高齢で自力での食事が困難な人にも指導が可能です。
管理栄養士になれば乳幼児から高齢者まで、幅広い年代の人と関わることができるのは大きなメリットでしょう。
しかし、先程も説明したとおり管理栄養士になるには、国家試験を受けて合格する必要があります。
また、管理栄養士の養成学校に通うか、実務経験を積むことが必須ですので、管理栄養士に興味がある人は管理栄養士になれるルートについてあらかじめ知っておくべきです。
以上が、管理栄養士の仕事内容や管理栄養士になる方法でした。
次は、今後の栄養士になるうえで知っておきたい仕事内容について、勤務場所別に解説します。
ぜひ、これから働く自分をイメージしながら読んでみてください。
4.栄養士として働ける場所はここ!
栄養士は、主に以下のような場所で活躍しています。
- 給食施設
- 介護施設
- 学校
- 病院や診療所
- スポーツ関連の施設
- 食品メーカー
栄養士は食や栄養について詳しく知っている専門家です。
看護師は基本的に病院での勤務になりますが、栄養と食に関する知識は様々な分野と繋がるため、栄養士が働ける場所は非常に多様になります。
それぞれの場所で働き方は異なるので、栄養士になった後を明確にイメージするため、ぜひ以下で仕事内容や特徴を詳しく確認してください。
場所1.給食施設
栄養士の代表的な就職先が、給食施設です。
給食施設では主に日勤で給食作りのサポートやメニュー決めなどを行います。
具体的に、給食施設で働く栄養士が担当するのは以下のような業務です。
- 提供者に合わせた栄養の計算
- 給食で提供する献立の作成
- 食材の発注・管理・調理
- 調理場の管理
栄養士は給食全般に携わる、栄養の責任者のような存在です。
単に栄養を計算し献立を考えるだけでなく、食材や調理場の衛生管理にもしっかり責任を持って取り組む必要があります。
場所2.介護施設
介護施設でも、入所者さんに出す食事の提供などを栄養士が行います。
栄養の計算に加え、食材の発注・管理も担当することがあるので食に関する仕事には全てかかわると考えておきましょう。
介護施設では、通常の食事をするのが困難な人に向けてきざみ食やとろみ食、栄養バランスを考えた減塩食などを提供します。
また、短期入所の人、長期入所の人など入所者さんの状況に合わせた食事の提供も必要です。
場所3.学校
現在、小中学校では栄養教育を目的として「栄養教諭制度」が実施されています。
そのため学校で教員として、栄養学の基本的なことを教える栄養士も少なくありません。
また、昨今は保育園・幼稚園で給食を考えたり、栄養について教えたりする栄養士も増加しています。
小中学校、幼稚園・保育園は子供と密接に関わることができる職場なので、子供好きな人に向いていると言えるでしょう。
場所4.病院や診療所
病院や診療所などの医療機関では、栄養の専門家として栄養士の力が求められています。
医療機関では、病院で出す食事の栄養計算や献立作りだけでなく、手術後の食事など特殊なケースにも対応しなければいけません。
特に高度な知識が必要とされる現場であるため、基本的に医療機関で働くのは管理栄養士が好ましいとされています。
場所5.スポーツ関連の現場
現在、スポーツの現場では栄養管理に注目が集まっています。
そのためプロスポーツの現場だけでなく、スポーツジムやフィットネスジムなどアマチュアのスポーツ愛好家の間でも栄養士のニーズは高いです。
プロ選手が相手の場合、選手の健康管理の他、トレーニングメニューを考慮した食事のアドバイスを行います。
一般のスポーツジム・フィットネスジムなどに通う人が相手の場合は、ダイエットなど目的に合わせた栄養指導を行うことが多いです。
スポーツに関連する仕事がしたいと考えている人は、栄養士として働くのも良いでしょう。
場所6.食品メーカー
実際に就職する人は多くありませんが、一部の栄養士は食品メーカーの研究機関等で働くケースもあります。
栄養バランスを計算したり、実際にできた製品の検証を行ったりと、研究所において栄養に関する仕事は案外多いです。
また、研究職としてだけでなく、栄養士の知識を活かし営業やマーケティングの仕事に就くこともあります。
その場合は、栄養の知識だけでなくコミュニケーション力やマーケティング力も必要になるでしょう。
以上が、栄養士が働く場所でした。
栄養士が活躍できる場所は多数あり、自分に合った職場を選ぶことができます。
しかし、看護師から栄養士の資格を取得するには時間がかかるため、本当に目指すべきか迷っている人もいるでしょう。
そこで次は、看護師から栄養士になるのがおすすめな人を解説していきます。
ぜひ今後のキャリア選ぶ際の参考にしてください。
5.看護師から栄養士になるべき人を解説
新しく資格をとって、看護師から栄養士になるのは非常に大変です。
しかし栄養士ならではのやりがいもあるため、栄養士にあこがれがある人は目指すべきでしょう。
看護師から栄養士になるのがおすすめな人は、以下の通りです。
- 食事面でのサポートをしたい人
- 金銭と時間に余裕のある人
自分が栄養士のキャリアを目指すべきなのかしっかりと考え、後悔のない選択をしましょう。
おすすめな人1.食事面でのサポートをしたい人
食事面でのサポートを仕事にしたいと強く感じている人は、栄養士を目指すべきでしょう。
なぜなら、看護師の資格を活かした仕事で食事に関われるものは非常に少ないためです。
看護師の仕事の中で、不摂生な生活が原因で病気になったり、メンタルを崩してしまったりした患者さんを見ることもあるでしょう。
そうした時、健康を維持するために食や栄養はとても大切だ、と感じることもあるはずです。
食や栄養に関して、強い興味や使命感を持っているなら、栄養に関わることができる栄養士の仕事が向いていると言えます。
おすすめな人2.金銭と時間に余裕のある人
栄養士になるには2年以上学校に通う必要があり、その間のWワークは非常に厳しいです。
そのため、金銭と時間に余裕のある人でなければなかなか栄養士を目指すのは難しいでしょう。
もちろん、栄養士の学校と並行して看護師のパートなどをすることは可能です。
しかし、勉強もしっかりしなければ卒業は難しくなるため、働く時間は減らさざるを得ません。
栄養士の学校に通っている間、生活できるだけの基盤と余裕がなければ、資格取得は難しいでしょう。
以上が、看護師から栄養士になるべき人でした。
栄養士の資格取得にはかなりの時間と手間がかかるので、栄養士になりたい、という強い気持ちを持っていなければキャリアを実現できません。
もし栄養士になることに不安があるなら、他の栄養関連の資格に挑戦してみると良いでしょう。
次は、栄養士に近い仕事をする方法について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
6.栄養士に近いのはどんな仕事?
栄養士の資格を取るには最低でも2年間の勉強が必要となるため、「やっぱり栄養士になるのは難しいかも」と感じる人も少なくないでしょう。
そのような人は、栄養士以外で栄養や食に関わる資格を取得するのがおすすめです。
栄養や食に関連する民間資格には、以下のようなものがあります。
- 食生活アドバイザー
- 食育インストラクター
- 食育指導士
- ビューティーフードアドバイザー
- スポーツフードアドバイザー
1年ほど勉強が必要なものもありますが、試験のみで取得できるものあり栄養士の資格と比べ負担も少ないでしょう。
こうした民間資格を活かして、給食施設や介護施設で働くということも不可能ではありません。
また、栄養士として出なくても学校や幼稚園などで働きたい場合、私立学校や大学の保健の先生を目指すのもおすすめです。
国公立学校の保健の先生になるには養護教諭の免許が必要ですが、私立学校や大学の保健の先生は看護師資格でもなれます。
自分が理想とする働き方についてしっかりと考え、自分に合う仕事を選びましょう。
まとめ
栄養士の資格を取得するには2年以上の勉強が必要になります。
さらに、栄養士の上位資格である管理栄養士の資格を取得するなら、追加で国家試験に向けた試験勉強も不可欠です。
しかし食の面から多くの人をサポートできるのは、看護師ではなく、栄養士ならではのやりがいではあります。
栄養士の仕事が気になる人は、食や栄養に関連する他の資格を含め自分のキャリアやスキルを見直してみましょう。