「突然異動になったけど拒否できる?」
「そもそも何故異動しなければいけないの?」
大きな病院に勤める看護師には、定期的な異動が存在します。
これまで経験を積んできた職場が変わることで、不安や不満を感じる看護師は少なくありません。
しかし、看護師の異動は大きな成長のチャンスにもなります。
この記事では、看護師が異動する理由とメリット、異動先の人と仲良くする方法を解説します。
異動で得られる経験に目を向けて、前向きに仕事を続けましょう。
目次
1.看護師にも異動はある!その理由とは?
複数の診療科がある病院では、看護師にも診療科の異動があります。
異動を喜ぶ看護師もいますが、希望していないのに異動を命じられる人も少なくありません。
看護師が本意ではない異動を命じられる理由は、どんなものでしょうか。
ここからは、以下の通り看護師が異動しなければいけない理由を解説します。
- 人員の能力を調節するため
- 人員が不足したため
- 経験を積んでもらうため
異動に疑問を持っている看護師は、ぜひ読んでみてください。
理由1.人員の能力を調節するため
看護師の異動は、各職場の能力を調整する目的で行われます。
他の診療科に比べ、対応レベルが低い診療科が出てしまうとクレームにもつながりかねません。
優秀な人が特定の診療科に固まっている、という状況では適切な診療を行うのが難しいです。
どの診療科もだいたい同じような対応レベルにするため、能力を見て別の科に異動を命じられることは多いでしょう。
理由2.人員が不足したため
他の科の人員不足を解消するため、異動を命じられる看護師もいます。
看護師の人材不足は深刻で、1人でも看護師が抜ければ職場が回らなくなるケースもあるでしょう。
もともとギリギリの人数で仕事をしていた職場で退職者が出れば、すぐに人員の補充が必要になります。
人材を新しく採用することもできますが、余裕のある科から看護師を異動させるところも多いです。
理由3.経験を積んでもらうため
看護師としてさらに成長してもらいたいという思いから、異動を決める上司も少なくありません。
複数の診療科で経験を積めば、幅広い患者さんを診ることができるようになり看護師として成長することが可能です。
また、たくさんの職場を見て早く看護師の仕事に慣れてほしいという気持ちで、勤めて数年の看護師を異動させることもあります。
先輩や上司に信頼されている看護師なら、期待を込めて異動を命じられることもあるでしょう。
以上が、看護師が異動となる理由でした。
看護師の異動は、職場全体と看護師個人の成長のために行われることが多いです。
しかし、突然の異動に戸惑い「今の職場じゃないと嫌」「異動先で仕事ができるか不安」と感じている人もいるでしょう。
そこで次は、看護師の異動が拒否できるかどうか解説します。
異動を命じられ、これからどうしようか悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
2.看護師の異動はほとんど拒否できない!
異動は業務命令であり、看護師は基本的には拒否できません。
辞令が出れば異動を断れないので、同じ職場に勤め続けたいなら一方的な異動命令でも従わなければいけません。
いきなり異動を言い渡された場合など、異動に納得行かないケースもあるでしょう。
しかし、異動を命令するのは、異動先にあなたが必要とされている人材だからです。
異動がなぜ嫌なのか説明すれば、異動を取り消してもらえる可能性もあります。
ですが一度決まった異動を無くすのは非常に難しいので、前向きに異動を受け入れるのがおすすめです。
次は、看護師が異動するメリットを解説していきます。
異動に不安を感じている人は、これからの職場で明るく活躍するため読んでみてください。
3.異動をすることで得られるメリットとは?
異動に不満を持つ看護師もいますが、異動にはメリットもあります。
異動にポジティブな気持ちを持てず、「拒否するか、転職したほうが良いかな」と悩んでいる人はぜひメリットにも目を向けてください。
看護師が異動をするメリットは、以下の通りです。
- 新しい環境で経験を積める
- 様々な人に出会い視野が広がる
それぞれのメリットを確認していきましょう。
メリット1.新しい環境で経験を積める
異動をして新しい環境に行くことで、これまでになかった経験を積むことができます。
複数の診療科で経験を積めば、様々な患者に対応できるようになり看護師としてのスキルも上がるはずです。
また、他の診療科で患者を診れば、教科書やノートだけでは得られないリアルな知識が身につきます。
複数の診療科で得た経験やスキルは、今後転職を選択する場合でも役立つものです。
今後、1人でも多くの患者と関わりたいなら、異動を経験して新しい知識を手に入れましょう。
メリット2.様々な人に出会い視野が広がる
異動を経験して新しく看護師や医師、患者と知り合うことで、視野が広がります。
同じ職場にずっといるだけでは特定の看護師としか関わりがなくなり、幅広い考え方ができなくなってしまいます。
視野が固まってしまうと他の考え方を持った人を受け入れることができなくなり、看護の方法でトラブルになる可能性もあるでしょう。
しかし、異動をして様々な人と接すれば、他の人の考え方に触れ自分の看護を見直すことができるはずです。
また、異動先で気の合う看護師と出会い、プライベートでも遊べる仲になるかもしれません。
看護師として、柔軟にたくさんの人と関わっていくなら異動は非常に良い経験になるでしょう。
以上が、看護師が異動を行うメリットでした。
異動と聞いてネガティブな気持ちになる人は多いですが、異動には成長のチャンスがあります。
異動を命じられたら、看護師として一歩先に進むチャンスだと考えて前向きに捉えましょう。
しかし、やはり異動先での仕事に不安を感じる人もいるはずです。
仕事を覚えるまでに時間がかかる、異動先ならではのやり方を覚えなければいけない、など異動にはデメリットもあります。
しかしこうした不安は、異動先の人とコミュニケーションを取ることである程度解消することが可能です。
次は、異動先の人と仲良くするためのポイントを解説します。
異動先で活躍するためにも、ぜひ参考にしてください。
4.異動先の人と仲良くするポイント3つ
異動をするにあたって、異動先の人との人間関係に不安を感じる人は少なくありません。
しかし、仲良くなれる心構えを知っておけば、不安も解消されるでしょう。
異動先の人と仲良くするポイントは、以下の通りです。
- 異動先の診療科について勉強する
- 異動先のやり方に合わせる
- 異動先の人となるべく話す
人間関係のトラブルを回避するため、できることはあらかじめやっておきましょう。
ポイント1.異動先の診療科について勉強する
仕事を早く覚えるため、異動先の診療科についてはあらかじめ勉強しておきましょう。
事前に勉強をしていれば、異動先の人に業務で迷惑をかけることは少なくなります。
業務を早く覚え、異動先の人に受け入れてもらいましょう。
主な疾患や、診療科別の特徴については学生時代の教科書などで復習しておくのがおすすめです。
また、事前に異動先の人と話せる機会があれば、何を勉強すれば良いか聞いておくと良いでしょう。
ポイント2.異動先のやり方に合わせる
異動をしたあとは、異動先のやり方に自分を合わせるように心がけてください。
異動先ならではの考え方や、仕事の進め方を尊重することで仕事にも早く馴染めるでしょう。
同じ病院やクリニックであっても、診療科が違えば診察の方法や文化は全く異なります。
我を通しすぎるとトラブルになりかねないので、慣れないうちは異動先のやり方に合わせましょう。
ポイント3.異動先の人となるべく話す
異動をしたあとは、自分から意識して異動先の人に話しかけてみましょう。
積極的に話しかければ、新しい職場の人と仲良くしたいという気持ちが伝わります。
異動した直後は、違う診療科から来た人と言うことで心理的に距離ができやすい状況です。
そのため異動先の看護師からは、なかなか話しかけてもらえない可能性もあるでしょう。
新しい職場の人と仲良くなれなければ、仕事に関する質問もしにくくなってしまいます。
なるべく自分から周りの人に話しかけ、友好的な態度を示しましょう。
自分から喋るのが苦手、という人は、うなずくだけでも良いので会話の輪の中に入るよう意識することが大切です。
以上が、異動先の人と仲良くする方法でした。
新しい職場に馴染むまでは大変ですが、半年も経てば仕事にも人間関係にも慣れていきます。
勇気を出して、異動先の人と積極的に関わりを持つことから始めましょう。
次は、「やっぱり異動は嫌」「診療科を変えたくない」という人に向けた対処法を解説します。
どうしても異動に前向きな気持ちを持てないときは、参考にしてください。
5.どうしても異動したくない場合の対処法
どうしても今の診療科にこだわりがあり異動が嫌なら、転職して異動のない職場で働くのがベストでしょう。
決まってしまった異動を拒否するのは、非常に難しいです。
好きな診療科があるクリニックや病院に転職し、自分の専門分野を極めてください。
規模の小さな病院や、1つの診療科しかないクリニックなら異動の不安なく働けるでしょう。
しかし、今の病院が好きであれば転職せず、異動を受け入れたほうが良いです。
異動してみると案外、良い経験になったと思えるかもしれないので、まずは挑戦してみましょう。
ただし、異動先でトラブルがあった場合は上司にすぐ相談をしてください。
異動先の人とどうしても合わない場合、また元の職場に戻してもらうこともできます。
まずは前向きに、異動先の職場で頑張ってみましょう。
まとめ
総合病院で働く以上、看護師の異動はありえることです。
異動の辞令は原則、断ることができないので異動を言い渡されどうしようか悩む人は多いでしょう。
しかし、異動は幅広い経験を積めるきっかけでもあるため、前向きに異動を受け入れるのがおすすめです。
様々な職場でたくさんの患者さんと接し、看護師として成長していきましょう。