「介護士として働く毎日が辛くて辞めたい」
「介護士以外の仕事に興味が出てきた」
介護士の仕事は体力的にも精神的にもハードなので、辞めて別の仕事に就きたいと考える人もいるでしょう。
しかし、安易に介護士を辞めてしまうと、「やっぱり介護の仕事が良かった」と後悔するかもしれません。
この記事では、介護士を辞めたい人へ、仕事をやめたくなる理由や、介護士を続けるメリットを解説します。
本当に自分が介護士を辞めたいのか、しっかり考えてから納得のいくキャリアを選びましょう。
目次
1.介護士から異業種へ転職できるけど後悔することも
介護士の仕事が嫌になり、異業種に転職する人は少なからずいます。
介護士は給料が低く、体力的にもハードなので、どうしても介護の仕事に不満なら別の業種に転職するのもアリでしょう。
しかし、なんとなく今の仕事が嫌という理由だけで介護士を辞めると、後悔する可能性が高いです。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターの調べによると、介護士を辞めた人のなんと半数近くが、復職を希望しています。
介護職は、体力的にも精神的にもハードな仕事ではありますが、やりがいを感じている人は多いです。
もし「まだもう少し介護の仕事をしたい」という気持ちがあるなら、異業種への転職で後悔するかもしれません。
介護士を辞めたい、という気持ちが異業種への転職以外で解決できないものなのか、しっかり考えてから進路を決めましょう。
次は、介護士の仕事を辞めたいと感じる理由を具体的に解説します。
今の仕事に不満が溜まっている人は、ぜひ読んでみてください。
2.介護士の仕事を辞めたいと感じる理由
介護士を辞めるべきか判断する前に、今の仕事を辞めたいと感じている理由を分析しましょう。
仕事の何が嫌なのかはっきりすれば、解決策が見えて来ることも少なくありません。
理由によっては、介護士の仕事を辞めずに解決できる可能性もあるでしょう。
介護の仕事を辞めたいと感じる主な理由は、以下の通りです。
- 職員との相性が悪い
- 利用者やその家族とトラブルになってしまった
- 給料が安すぎる
- 身体介助が多く肉体的につらい
- 夜勤で生活リズムが崩れてしまった
自分に当てはまる理由を探し、対策を考えていきましょう。
理由1.職員との相性が悪い
同じ施設に勤める職員との相性が悪く、人間関係がギスギスした状態だと毎日ストレスが溜まってしまいます。
介護施設の中には、忙しさから人間関係が悪くなったり、いじめやセクハラが起こったりすることも少なくありません。
さらに、新人に仕事を教えない、質問を無視するなど、仕事にすぐ悪影響が出てしまうようなハラスメントもあります。
同僚との相性が悪いと仕事が思うように進まないため、「自分には介護の仕事が向いていないかも」と感じる人もいるでしょう。
理由2.利用者やその家族とトラブルになってしまった
介護士にとって大変なのが、利用者やその家族との関係維持です。
親切な利用者や家族とだけやり取りできれば良いのですが、中には施設のサービスにクレームをつけたり、高圧的に怒ったりする人もいます。
また、利用者からのセクハラ・暴言をその家族に相談したにも関わらず何もしてもらえない、と悩む介護士も少なくありません。
利用者やその家族と折り合いが悪いと、担当業務をするたびに落ち込んでしまいやりがいを感じられなくなってしまうでしょう。
理由3.給料が安すぎる
介護士の仕事は利用者の命を扱う重い仕事であるにも関わらず、給料は高くありません。
介護関連の資格を取っていれば手当ももらえますが、特に新人のうちはハードな仕事に見合わない給与に不満を持ちがちです。
満足できない給料で働いていると「自分は何のために頑張っているのだろう」と、やりがいも見失ってしまいます。
さらに良い待遇で仕事を探すため、介護士を辞めたいと考える人は多いでしょう。
理由4.身体介助が多く肉体的につらい
介護の仕事が体力的にハードすぎるため、辞めたいと感じる人は少なくありません。
介護士は排泄・食事のサポートなど、利用者の身体介助を行うのが主な仕事です。
若いうちは体力があるのでこなせていた仕事も、歳を重ねるうちどんどん辛くなってしまうこともあるでしょう。
介護士の中には、慢性的な腰痛や肩こりに悩む人も多く、体力的に退職を検討せざるを得ない人もいるでしょ。
理由5.夜勤で生活リズムが崩れてしまった
夜勤で生活リズムが崩れ、睡眠不足に悩む人は少なくありません。
24時間体制の介護施設では、日常的に夜勤があるため生活リズムが崩れてしまいがちです。
夜勤のみで働いている人であれば身体が夜勤に慣れますが、不定期な夜勤が入る職場では大量管理が難しくなります。
寝不足になったり、昼夜逆転の生活になってしまったりと、夜勤が原因で健康に悪影響が出てしまう人もいるでしょう。
夜勤がストレスなら、転職で夜勤なしの施設に行くという方法もあります。
「毎日忙しすぎて転職先を探す暇がない…」
という人は職場を変えられず、夜勤の辛さが解消されないのです。
以上が、介護士を辞めたいと感じる理由でした。
介護士はハードな環境で毎日働いているため、「もっと楽な仕事に就けば良かった!」と後悔している人もいるかもしれません。
しかし、介護の仕事を続けることには大きなメリットもあります。
次は、介護士のメリットや将来性を解説するので、「介護士を辞めたいけれどどうしよう」と迷っている人はぜひ読んでみてください。
3.介護の仕事を続けるメリットも知っておこう
介護の仕事は将来性が高く、継続するメリットは大きいです。
異業種に転職した場合、介護職ならではの転職しやすさ、将来性、やりがいを感じられず後悔することもあるでしょう。
介護の仕事を今後も続けるメリットは、以下の通りです。
- 他の職場を見つけやすい
- 全国どこでも働けて将来性がある
- 人の役に立つ実感が得られる
介護の仕事を続けたほうが良いのか、迷っている人はぜひ読んでみてください。
メリット1.他の職場を見つけやすい
人材不足の施設が多いため、介護士は年齢を問わず転職しやすい状況です。
他の業界だと、経験がある程度あっても30代以降は転職が難しくなるケースも多くあります。
一方、介護業界は今後もニーズが高いので、今の職場に不満があってもスムーズに次の職場を見つけられるでしょう。
特に介護関連の資格を取得している人は即戦力として様々な施設で重宝されるので、活躍の場は広いです。
資格を取得することを視野に入れているなら、介護士としてさらに経験を積み、スキルを身に着けていくのが良いでしょう。
メリット2.全国どこでも働けて将来性がある
介護人材は全国どこでも求人があるため、希望する場所で働けます。
高齢化社会の進行に伴い、全国各地で介護職のニーズはますます高まっています。
「パートナーの転勤についていかなければいけない」
「親の面倒を見るため田舎に戻って働く必要がある」
という人も、介護職なら転職先を見つけやすいです。
介護士としてキャリアをスタートさせたなら、将来性を考えて継続することを考えてみましょう。
メリット3.人の役に立つ実感が得られる
介護士は直接人に感謝される仕事なので、日々やりがいを感じることができます。
例えば会社の事務などの場合、直接感謝されることは少ないので人によってはやりがいを感じられないケースも少なくありません。
一方、介護士なら直接利用者とのやり取りがあり、感謝もしてもらえるので人の役に立っているという実感を得やすいです。
人と話すのが好き、誰かの役に立てるのが幸せ、という人は、介護の仕事に向いています。
やりがいを感じながら働けるのは、介護士最大のメリットだと言えるでしょう。
以上が、介護士の仕事を続けるメリットでした。
介護士の仕事にはやりがいも将来性もあるので、安易に辞める決断をするのは危険です。
自分が本当に介護士を辞めたいのか、改めて考えてみましょう。
次は、介護士を辞めたくなったときの対処法を解説していきます。
「仕事が辛くてとにかく辞めたい!」とストレスを溜めている人は、ぜひ試してみてください。
4.後悔したくない!介護士を辞めたいときの対処法
「異業種に行って後悔したくないけれど今の仕事が辛い!」
という人は、今の自分にできる対処法を考えましょう。
介護職には高いニーズがあり、頑張って仕事を続けるメリットは大きいです。
しかし「今の仕事が辛い」「早く仕事を辞めたい」と感じたまま、無理をして働き続けるのはおすすめできません。
介護士を辞めたい、という気持ちに対処する主な方法は、以下の通りです。
- キャリアアップした自分を想像する
- ワークライフバランスを重視し仕事を見直す
- 先輩に悩みを話してみる
それぞれの対処法を確認し、今できることを試してみましょう。
対処法1.キャリアアップした自分を想像する
今は仕事が辛くても、ステップアップして立場が変わればまた前向きに働けるはずです。
「資格を取れば仕事の自由度がもっと上がるかも」
「キャリアアップすれば収入も増えてやりがいも高まるかも」
と明るく考えれば、辛いことも乗り越えられます。
これからも介護士を続けていくなら、目標に向かって努力していくことが大切です。
5年後、10年後の自分を想像し、具体的なキャリアアッププランを考えましょう。
対処法2.ワークライフバランスを重視し仕事を見直す
介護士を辞めたい!と感じているのは、疲れが溜まってストレスが解消できていないからかもしれません。
「最近自分の時間を取れてない」
「睡眠不足の日が続いている」
という人は、まず休息を取ってください。
しっかり休みを取ることで、ストレスが解消されまた前向きに働けるようになるでしょう。
また、常に残業が多く、休みが取れないことで悩んでいるなら業務量を減らしてもらうよう上司に相談してください。
無理な働き方を続けていると、精神的にも肉体的にも負担になるので休息時間はしっかり確保しましょう。
対処法3.先輩に悩みを話してみる
仕事を辞めたいと感じたら、同じ環境で働く先輩に悩みを話してみてください。
「自分は今のままで良いのかな」
「自分は介護士に向いていないのかも」
と悩む人は少なくありません。
特に、介護の仕事を始めたばかりのころは、仕事にも慣れず様々な迷いが出てくるはずです。
しかし、同じ施設で苦労した先輩なら、今の悩みを分かってくれます。
先輩がまだ新人だったころの話を聞き、今の自分を見つめ直してみれば辛い仕事も前向きにこなせるでしょう。
以上が、介護士を辞めたいときの対処法でした。
辞めたいという気持ちは、一時的なストレスから来ている可能性もあります。
休息をしっかり取り、周りの人に悩みを相談してストレスを解消しましょう。
次は、対処法を試しても毎日の仕事が辛い!という人に向け、転職のポイントを解説しています。
「今の職場じゃ悩みを解決できない」という人は、ぜひ読んでみてください。
5.今の職場が不満でも別の施設なら働けるかも!
介護の仕事自体はこれからも続けたいけど辛い、という人は、別の施設への転職を検討しましょう。
介護士を続けたい気持ちがあるなら、環境を変えることでまた前向きに働ける可能性が高いです。
今の職場を見直し、もっと自分に合った施設に転職しましょう。
もし、「今の職場が良いか悪いか分からない」という場合、以下のポイントをチェックしてください。
- 残業代がきちんと支払われている
- 手当がしっかり支払われている
- 残業は無理のない範囲でできている
- 職場の人間関係は良い
- セクハラ・パワハラ被害を受けたことがない
どれか1つでも「NO」と言えるポイントがあれば、転職してもっと環境の良い職場で働いた方が良いでしょう。
介護士が自分に合った職場を見つける際にぜひ使って欲しい転職サイト・エージェントは以下の通りです。
介護士の仕事自体が嫌になってしまう前に、やりがいを持って働ける良い職場に出会いましょう。
6.それでも不満なら異業種への転職も検討して
もし、「どうしても介護の仕事が嫌で続けられない」という場合は、異業種への転職も検討してください。
介護士を辞めることを考えるべき人の特徴は、以下の通りです。
- 人と話すことに疲れた
- 利用者を最優先の状況が辛い
- 利用者や家族と話すのが嫌
- 体力的にハードな仕事を続けられない
こうした人は、他の介護施設に転職しても不満が解決しない可能性が高いです。
「どの施設に行っても仕事が嫌になる」という場合は、異業種で新しくキャリアを始めても良いでしょう。
ただし、年齢を重ねれば重ねるほど、未経験から異業種に転職するのは非常に難しくなります。
もし介護士を辞める決断ができたら、少しでも若いうちに行動を起こしましょう。
未経験でも転職しやすいおすすめの仕事は、以下の通りです。
- 接客・サービス業
- 飲食業
- 医療職(医療事務・看護助手など)
- 事務職(一般事務・営業事務・経理事務など)
また新たなフィールドで、自分の力を活かしていきましょう。
まとめ
介護士は将来性も高くやりがいを感じられる仕事なので、介護士自体を辞めるかどうかは別の施設に転職してから判断しましょう。
今の職場が辛く「介護士を辞めたい」と感じている人でも、職場が変わればまた楽しく介護の仕事ができる可能性があります。
不満に思っていることを書き出し、転職エージェントや転職サイトを活用しながら自分に合った職場を探してください。
どうしても介護の仕事自体が嫌になってしまったという場合、異業種への転職も可能です。
自分がこれからどうしたいのか、よく考えてから決断しましょう。