介護師

初任者研修と実務者研修は働きながら取得可能!?それぞれ徹底解説!

「結局、資格を先に取った方がいいの?」

「時間もお金もかかるのでは?」

「働きながらの取得は現実的?」

介護職に興味はあっても、疑問がたくさんありすぎて、結局何から始めたらいいかわからない…

そんな人は多いのではないでしょうか。

それに加えて、求人でよく見かける、「初任者研修」と「実務者研修」とは一体どんな資格なんでしょうか?

実は、「初任者研修」と「実務者研修」はこれから介護職に就こうと思っている人が、絶対に押さえておくべき資格です。

この2つの資格、持っていると就職や転職に有利、さらに給料アップまで期待できるって知っていましたか?

今回は、今あなたが抱えている疑問にすべて答えられるように、記事をかきました。

「初任者研修」と「実務者研修」についても徹底解説しています。

これを読み終わった時には、あなたの迷いが晴れ、一歩踏み出せるでしょう。

目次

1.初任者研修と実務者研修は働きながら取得できる

結論から先に言うと、初任者研修も実務者研修も、仕事や家庭を持ちながらでも資格を取得できます

通信学習と通学を組み合わせて、ライフスタイルにあった学び方を選べるからです。

例えば、初任者研修は、実技・座学合わせて130時間のカリキュラムで構成されています。

その内、最大40.5時間を通信学習にでき、残りの89.5時間は通学が義務付けられている形です。

そこで、週1回の土曜日に1日6時間の通学コースを選んだとしましょう。

通学に必要なのは約15日間(90÷6)、月数にして3~4ヶ月です。

つまり、週1回の通学でも、3~4ヶ月後には、あなたは初任者研修を取得できることになります。

これなら、働きながらでも取得できそうですよね。

では、実務者研修はどうでしょうか。

実務者研修は450時間、6ヶ月の研修実施が義務づけられており、初任者研修の倍以上の研修時間です。

「今度こそ、働きながらの取得なんて無理な気がする…。」

いえいえ、こちらも十分に可能です。

実務者研修は、研修時間の全体数は増えますよね。

ですが、通学しなければならない時間数は初任者研修より少ない60時間程となります。

つまり、60時間分だけ頑張って通学すれば、残りは通信学習で、好きな時間に自宅で学べるわけです。

このように、初任者研修も実務者研修も、土日開講の通学コースと自宅学習をうまく組み合わせることで、働きながら無理なく取得できるでしょう。

ハローワークの教育訓練給付金対象

初任者研修、実務者研修の取得費用は、どちらも国からの給付金の対象です。

「教育給付金制度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

教育給付金制度とは、厚生労働大臣が指定する民間講座を対象に、国が資格やスキル取得に必要な金額の一部を補助してくれる制度です。

この教育訓練給付金は、大きく分けて以下の2つがあります。

  1. 一般教育給付金制度
  2. 専門実践教育訓練給付金制度

専門実践教育訓練給付金制度のほうが、より高度で専門的な知識を学ぶための給付金です。

初任者研修は、一般教育給付金の対象となります。

一般教育給付金が適用されれば、学費の20%、最大で10万円が支給されるのです。

実務者研修は、同じく一般教育給付金か、スクールによっては、専門実践教育訓練給付金の対象になることも。

専門実践教育訓練給付金適用の場合は、受講料の50%、その後の条件によっては最大で70%まで支給されます。

働きながらでも取得できることがわかったところで、次からは早速、初任者研修と実務者研修の中身について、詳しく見ていきます。

2.まずは初任者研修・実務者研修について知ろう

ここまで、働きながら取得できることも含めて資格を紹介してきました。

それでは、それぞれの資格についてよりイメージを深めてみましょう。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護福祉士実務者研修

それぞれ確認してみてください。

資格1.介護職員初任者研修

初任者研修は、介護職の入口とも言える資格です。

初任者研修を取ることで「身体介護」を行えるようになります。

身体介護とは、利用者の身体に触れる介護行為のことです。

これだけではわかりにくいので、例を見てみましょう。

いずれも、身体に触れる介助であることがわかりますね。

  • 日常生活の動作補助
  • 食事、入浴、排泄介助
  • 体位変換

原則、身体介護は資格を持っている人しかできません。

無資格者は、身体介護以外の仕事、例えば掃除や洗濯、身体介護をする職員の補助などを行うことになります。

介護の道を進もうと思っている人にとっては、初任者研修を取得することで、プロとしてのスタートラインに立つ、と言えるでしょう。

資格2.介護福祉士実務者研修

実務者研修は、初任者研修の次のステップに位置づけられている資格です。

初任者研修が介護の基礎を学ぶ資格だとすると、実務者研修はその発展、応用にあたります。

実務者研修の特筆すべき点は、介護職の唯一の国家資格である「介護福祉士」の受験資格に指定されているということ。

つまり、介護福祉士を目指す人は必ず取得しておかなければならない資格なのです。

また、訪問介護サービスにおける「サービス提供責任者」もまた、実務者研修を取得している人でないとできません。

まとめると、実務者研修は初任者研修のステップアップにあたり、さらにその上の資格の受験資格にもあたる位置づけ、と言えます。

では、もっとわかりやすくするためにも、違いについて詳しく見ていきましょう。    

3.初任者研修と実務者研修はどこが違う?

初任者研修と実務者研修の違い

ここまで、初任者研修と実務者研修がどのような資格なのかをお話しました。

しかし、まだ良く違いがわからないという人も多いはずです。

初任者研修と実務者研修は、比較することでそれぞれの特性がわかりやすくなります。

では、2つの違いである以下4つの部分を見ていきましょう。

  1. 科目数と研修時間数
  2. 合格資格の有無
  3. 国家試験の受験資格になるかどうか
  4. 医療行為ができるかどうか

ぜひ確認してみてください。

違い1.科目数と研修時間数

初任者研修と実務者研修では、履修する科目数と時間数が全く違います

例えば、初任者研修で必要とされるのは9科目、130時間です。

時間だけで見ると、長く感じてしまうかもしれませんが、最短で1ヶ月、長くても4ヶ月あれば取得できてしまいます。

一方、実務者研修は20科目450時間、初任者研修の倍以上です。

学ぶ内容も深く専門的になり、研修終了までに3~6ヶ月はかかります。

もし、就職のためにまずは1つ資格を取りたい、ということなら初任者研修から先に取ってしまうのがいいでしょう。

取得までの期間が短いので、就職活動もその分早く始められるからです。

実際、介護の求人では、初任者研修を取得するだけで、応募できる求人数はかなり増えます

どちらから取得したら良いか悩んだときには「初任者研修」からスタートしましょう!

違い2.合格試験の有無

合格試験は初任者研修にのみ、義務付けられています

実務者研修には合格試験実施の義務はありません。

試験と聞くと、ちゃんと合格できるか、急に不安になりますよね。

これについては、あとで詳しく書きますが、実はそれほど心配する必要はありません。

難易度は低く、研修内容をしっかり理解していれば難なく合格できるレベルです。

1時間で、30問程度、主に選択式の問題に回答します。

時間数に対して問題数も多くないので、時間が足りなくなって焦るような、厳しい試験でもありません。

安心して、まずは研修内容をしっかり理解することに集中していきましょう。

違い3.国家試験の受験資格になるかどうか

介護福祉士の国家試験を受けるにはいくつか受験資格が必要ですが、そのうちの1つが実務者研修の資格です。

初任者研修は介護福祉士の受験資格にはなっていません。

では、初任者研修取得は無意味なのかというと、そうではありません。

介護の資格は、全て段階的に繋がっているからです。

無資格・未経験者が介護業界に入ろうと思ったとき、その入口となるのが初任者研修。

その次に目指すのが実務者研修で、さらにその先に介護福祉士がある、というイメージです。

将来的に介護福祉士を目指す人であっても、そうでなくても、まずは初任者研修から取得していくことでスムーズに理解を深めていけます。

階段を1つずつ上がるように、段階的にスキルアップを目指しましょう。

違い4.医療行為ができるかどうか

実務者研修を取得すると、初任者研修だけでは対応できない医療行為ができるようになります。

その医療行為が以下の2つです。

  1. 喀痰吸引(吸引器を用いて痰を排出する)
  2. 経管栄養(チューブやカテーテルなどを使い胃や腸に栄養を直接注入する)

この2つとも、原則、医師や看護師など医療従事者しかできない行為です。

介護の現場では、喀痰吸引や経管栄養に対するニーズが高いものの、できる人が少ないのが現状としてあります。

なので、喀痰吸引や経管栄養ができる介護士は介護現場では貴重な存在です。

現場でも重宝されるため、就職や転職でも役立つでしょう。

始めたばかりの頃は、まだまだ先のことのように感じるかもしれません。

しかし、将来のスキルアップのために、この違いは覚えておくと便利です。

4.初任者研修・実務者研修はどっちを受けた方がいい?

介護職の未経験者なら、まずは初任者研修を先に受講しましょう。

初任者研修を先に受講した方がいい理由は2つあります。

1つ目は、基本的に初任者研修は未経験者・ビギナー対象、実務者研修は経験者向け、の研修だからです。

初任者研修では基礎的なことを学ぶのに対し、実務者研修では、より専門性の高い内容を学ぶようになります。

学習内容の難易度から言って、初任者研修から入った方がスムーズです。

2つ目は、初任者研修で学んだ130時間は、実務者研修の450時間から免除されるからです。

内容が重複している分は、2回勉強する必要はありません。

初任者研修修了者は、実務者研修にもある同じ内容の研修時間の130時間が免除されます。

ですから、取得までの期間を、320時間まで短縮できるわけですね。

初任者研修の130時間が無駄になることはなく、実務者研修においても生きてくる、ということになります。

この2つの理由から、初任者研修を先に受講するのがおすすめです。

一緒に取得することもできる

初任者研修と実務者研修をセットで受けることで、割引を適用するスクールもあります。

例えば、三幸福祉カレッジのセット講座は別々で受けるより20%もお得です。

セットにすることで、約¥36,000を節約できてしまうのも大きな利点となります。

三幸福祉カレッジ・セット講座:¥143,600-

(別々に受けると…)
初任者研修:¥79,800-
実務者研修(初任者研修終了):¥99,700-
—————————————————–
合計:¥179,500- ※¥35,900-お得

ゆくゆくは実務者研修も取得したいと考えている人にとっては、セット講座で一緒に受講してしまうのも1つの選択肢でしょう。

では、最初に学ぶべきとおすすめした初任者研修の取得についてお話していきますね。

5.【まずはココから】初任者研修を取得してみよう

ここからは初任者研修について、詳しく解説します。

わかりやすくするために、以下3つに分けてみました。

  1. 取得までの期間
  2. 受講内容と試験
  3. 費用

それぞれ見ていきましょう。

(1)取得までの期間

初任者研修取得までにかかる期間は最短で1ヶ月、長い人でも4ヶ月程です。

130時間の研修は規定により決まっており、スクールやコースによって変動することはありません。

この130時間をどのようなペース配分でこなすかによって、取得までの期間が変ってきます。

週3回、1日7時間、みっちり研修を詰め込めば、最短1ヶ月程で取得できてしまいますし、週1回のコースであれば、3~4ヶ月かかります。

このように、初任者研修は、最長でも4ヶ月程あれば取得できてしまうため、大人になってから手に職をつけたい人にもおすすめの資格です。

(2)受講内容や試験

初任者研修で学ぶ9科目の学習内容と、130時間の内訳を、以下の表にまとめてみました。

項目は多いですが、介護の基本を学べる内容なので取得しておいて損はないです。

  科目名 学習内容 時間数
職務の理解 オリエンテーション、介護職におけるサービス形態毎の職務内容を理解 6
介護における尊厳の保持・自立支援 利用者の尊厳ある生活を守り、支える意識づけ、事例を用いて禁止事項 9
介護の基本 事故や感染などのリスクとその対応策、介護職としての社会的責任や倫理観について 6
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 「介護保険制度」の設立背景から、動向、仕組みの理解、リハビリテーションについて 9
介護におけるコミュニケーション技術 利用者やその家族とのコミュニケーションスキル、障害に応じたコミュニケーション術 6
老化の理解 老化に伴う心身の変化、日常生活への影響、高齢者に多い疾病と注意点 6
認知症の理解 認知症に伴う心と身体の変化、認知症を患う利用者への対応、家族支援 6
障害の理解 「ICF =国際生活機能分類」についての知識、各障害の特徴や内容、各々に対する支援方法 3
こころとからだのしくみと生活支援技術 車いす⇔ベッド間の安全な移乗方法、入浴・食事・排泄介助など、基礎的な介助技能 75
  振り返り 学習の振り返り、重要ポイントの復習 4
    合計: 130

尚、初任者研修には最後に合格試験があります。

合格試験と聞くと、かなりプレッシャーを感じてしまいますよね。

特に、40代以上の世代は、試験を受ける感覚を忘れている人も多く、合格率や難易度は、気になるところだと思います。

結論から言うと、初任者研修の試験については、難易度や合格率をあまり心配する必要はありません

なぜなら、基本的には全員を合格させるための試験だからです。

試験内容はスクールによって違うため、合格率や難易度について、正式なデータがあるわけではありません。

ですが、「合格率90%以上」とうたっているスクールもあることや、経験者の話から推測するに、合格率はかなり高いと言えます。

また、万が一不合格だった場合、補習や追試を行って、最終的には合格レベルまで引き上げてくれるスクールがほとんどです。

これを聞くと、だいぶホッとできますよね。

その他、試験の特徴は以下の通りです。

  • 基本的な問題が多く、ひっかけ問題などはほとんど無い
  • 試験時間は1時間程で問題数は30問前後
  • 選択式問題が多い(中には記述式問題や実技試験をいれるスクールも)

1時間で30問なので、実際、多くの人が時間内に余裕で終わらせ、余った時間で見直しもできるものです。

時間が足りなくて、マークシートを適当に塗りつぶす…という心配もしなくて良いでしょう。

以上のことから、初任者研修の試験に関して、必要以上に不安になる必要はないことがおわかり頂けたかと思います。

では、費用についても見ていきましょう。

(3)費用はどのくらいかかる?

初任者研修にかかる費用は、安いところで2万円台から、高いところで12万円台まで、地域やスクールによって差があります。

関東地域の代表的なスクールの費用は以下の通りです。

スクール名 受講費用
ベネッセスタイルケア ¥55,200-
未来ケアカレッジ ¥64,500-
ニチイ ¥110,000-
三幸福祉カレッジ ¥79,800-

受講料はスクールを選ぶ際の重要な要素ですが、安いということだけでスクールを選ぶのはおすすめできません

受講料は安いけれど、通いづらい場所にあったり、授業の振替ができない、ではコース終了に支障をきたすからです。

スクールを選ぶ際に、費用以外で確認したい点は以下の通りです。

  • 日程が自分のライフスタイルにあっているか(週何回、何曜日か、など)
  • 授業の振替ができるか
  • 通い安い立地かどうか
  • スクールの強みや特徴が自分に合っているか

上記の要素も合わせて、総合的に判断するようにしましょう。

次は、初任者研修をなぜ取得することがおすすめなのかをお話していきます。

迷っているなら、メリットを明確にしておくことが、決断につながる良い方法です!

6.初任者研修を取得することのメリット

初任者研修を取得するメリット

ここでは、初任者研修を取得することで得られるメリットを見ていきましょう。

初任者研修を取得すると、少なくても以下3つのメリットが得られます。

  1. 求人の幅が広がる
  2. 資格手当で給料がアップの可能性がある
  3. 正しい知識をもとに安全に自信をもって働ける

それぞれ、確認してみてください。

メリット1.求人の幅が広がる

初任者研修を取得することによって、応募できる求人の幅が広がります

無資格ではできなかった身体介助もできるようになり、その分、応募できる求人が増えるからです。

さらに、「未経験者OK」の求人に対しても、資格を持っていることで優先的に選んでもらいやすくなります。

技術・知識を持っていることは、大きな武器となるはずです。

何も知らない状態から教えていくのは、どの施設の人であっても大変なことですよね。

職種に関係なく、時間がかかってしまうことはデメリットに捉えられることが多いです。

そこで、初任者研修を取得することにより、知識と技術があることを伝えられます。

そうすることで、応募できる求人数が増えるだけでなく、採用もされやすくなると言えるでしょう。

メリット2.資格手当で給料がアップの可能性がある

初任者研修の資格を取ることにより、給料アップの可能性があります

有資格者に資格手当を出す事業者がほとんどだからです。

事業所によりますが、中には月々¥5,000の資格手当を支給してくれるなどの待遇面がよくなります。

月々¥5,000のアップは、年間換算すると¥60,000、大きなプラスになりますよね。

初任者研修に限らず、資格は取得するほど給与アップにつながるものですから、前向きに検討していくと良いでしょう。

メリット3.正しい知識をもとに安全に自信をもって働ける

初任者研修を取得することで、正しい知識のもと、自信をもって働けるようになります。

なぜなら、初任者研修のカリキュラムは、厚生労働省の指針にそって作られているからです。

初任者研修の研修内容は、各スクールが決めますが、そのベースには厚生労働省の定めた指針があります。

その意味で、民間資格ではありますが、信頼度の高い研修と言えるのです。

初任者研修を終了することは、介護士として国が定めた基準を満たした、ということ。

これは大きな自信になりますよね。

すでに介護の仕事を始めている人も、これからの人も、自信をもって働くために取得してもらいたい資格です。

ここまで、初任者研修についてお話してきました。

介護の仕事をするなら、初任者研修の取得は大きな力となるはずです。

では、次の項目からは実務者研修についても見ていきましょう。

7.実務者研修も視野に入れているなら知っておこう

ここまで、初任者研修を最初に取得したい資格としてお話しました。

では、次は実務者研修についても知っておきましょう。

わかりやすくするために、以下3つに分けてお話していきますね。

  1. 取得までの期間
  2. 受講内容・試験
  3. 費用

1つずつチェックしてみてください。

(1)取得までの期間

実務者研修取得には、20科目、450時間、6ヶ月の研修が必要です。

ただしこれは、無資格の人がゼロから取得する場合となります。

既に初任者研修課程を修了しているなら、期間を短縮できるでしょう。

例えば、初任者研修を持っている人が実務者研修を受ける場合、初任者研修で学んだ130時間分が免除され、実務者研修に必要な時間は320時間になります。

320時間を終了するまでにかかる期間は平均で4ヶ月程です。

つまり、450時間 /6ヶ月だったものが、320時間 /4ヶ月に短縮されますね。

しかし、実務者研修の取得までは意外に期間を必要とします

あなたのスケジュールに合わせて、無理のない計画を立てることが失敗しないためにもおすすめです。

(2)受講内容や試験

実務者研修の科目内容を、わかりやすく表にまとめました。

共通の科目内容は、初任者研修と同じものですから、もし資格を持っているなら免除してもらうことができるでしょう。

共通の科目内容

  • 人間の尊厳と自立:5h
  • 社会の理解Ⅰ:5h
  • 介護の基本Ⅰ:10h
  • 生活支援技術Ⅰ:20h
  • 生活支援技術Ⅱ:30h
  • 介護過程Ⅰ:20h
  • 認知症の理解Ⅰ:10h
  • 障害の理解Ⅰ:10h
  • こころとからだのしくみⅠ:20h

実務者研修だけの科目内容

  • 社会の理解Ⅱ:30h
  • 介護の基本Ⅱ:20h
  • コミュニケーション技術:20h
  • 介護過程Ⅱ:25h
  • 介護過程Ⅲ:45h
  • 発達と老化の理解Ⅰ:10h
  • 発達と老化の理解Ⅱ:20h
  • 認知症の理解Ⅱ:20h
  • 障害の理解Ⅱ:20h
  • こころとからだのしくみⅡ:60h
  • 医療的ケア:50h
    ーーーーーーーーー
    合計:20科目、450時間

実務者研修取得には試験実施の義務はありません

ただし、スクールによっては理解度を確認するための試験を実施するところもあります。

ですが、基本的に実務者研修の取得は期間をうまく取れるかが重要なポイントとなるでしょう。

(3)費用はどのくらいかかる?

実務者研修の受講費用は、持っている資格によって変わります

持っている資格と重複する科目は免除され、その分、受講料も安くなるからです。

例えば、無資格の人が受講する場合、全国展開しているスクールで¥100,000~¥220,000が相場。

これが、初任者研修をすでに取得している人だと、¥60,000~¥150,000まで下がります。

また、地域によっても受講料の差が出ます。

意外にも、家賃相場が受講料に影響しているからです。

一般的に、家賃の高い首都圏のスクールは、それ以外の地域(関西・東海・九州など)と比べて受講料が高い傾向にあります。

通常価格の20~30%割引になる、期間限定のキャンペーンも頻繁に行われているので、費用を抑えたい人は、キャンペーンを活用するものおすすめです。

では、長い期間を経て実務者研修を取る必要性ってあるのでしょうか?

メリットを確認して、本当に必要か判断していきましょう!

8.実務者研修を取得することのメリット

実務者研修を取得するメリット

それでは、実務者研修を取得するメリットについて見ていきましょう。

実務者研修を取得することで得られるメリットは、以下の3つです。

  1. 一部の医療行為もできるようになる
  2. さらなるキャリアアップが望める
  3. 就職・昇給に有利となる

順番に見ていきましょう。

メリット1.一部の医療行為もできるようになる

実務者研修を取得することで、喀痰吸引や経管栄養など、一部の医療行為もできるようになります。

つまり、職場での活躍の幅を広げることができるのです。

喀痰吸引や経管栄養は、介護現場でのニーズが高い割に、できる人がそう多くありません。

原則として医師や看護師にしか許されない2つの医療行為を、実務者研修を取得することで介護士でも行えるようになります。

高齢化が進むにつれて、介護現場でも、これらの医療行為ができる人材が求められるようになりました。

そのため、実務者研修を取得している人は、これからますます活躍の場が広がるでしょう。

メリット2.さらなるキャリアアップが望める

実務者研修を取得することで、さらなるキャリアアップが望めます。

介護福祉士やサービス提供責任者など、実務者研修をもっていないと取れない資格や役職があるからです。

介護系の資格で唯一の国家資格なのが、介護福祉士ですよね。

その介護福祉士の受験資格には、実務者研修を修了していることが条件として入っています。

また、訪問介護事業所に必ず配置しなければならない「サービス提供責任者」も同じです。

実務者研修を持っていないと受験できない資格や、役職があるということは、それだけ実務者研修が実用的な内容を学ぶ研修だと言えます。

介護職としてキャリアを積んでいきたい人であれば、必ず取得してほしい資格です。

メリット3.就職・昇給に有利となる

実務者研修を持っていることは、就職において有利となります。

喀痰吸引や経管栄養ができるようになり、これが就職や転職に有利に働くからです。

喀痰吸引も経管栄養も、介護現場でのニーズが高く、できる人が求められています。

よって、この2つができる介護士は、現場でも重宝する人材です。

当然、就職や転職の際にも大変有利に働きます。

また、実務者研修を持っていることで、「将来的に介護福祉士を目指している」という、採用側への意欲のアピールにもなるでしょう。

さらに、事業者によっては、資格手当を支給してくれるところも。

会社によっては月々\7,000程の資格手当を支給してくれるところもあり、収入アップが期待できますね。

実務者研修を取得することは、あなたの価値を高め、大きな武器になるはずです。

では、ここからは資格取得を目指したいと考えた人が知っておきたいスクール選びのポイントを紹介します。

費用にも大きく関わるので、ぜひ確認してみてください。

9.資格取得を目指すならスクール選びのポイントを押さえよう

初任者研修と実務者研修のスクール選びのポイント

ここまで、初任者研修・実務者研修の取得についてお話してきました。

もし、取得を目指したいということならスクールを活用できるようにしておきましょう。

スクールなら、同時に取得することも一緒に考えられるからです。

ただし、スクール選びは以下の3つのポイントは押さえておきましょう。

  1. 授業の時間帯(土日コースはあるか)
  2. 休んだときに振替はできるか
  3. 通学回数と期間は適切か

それぞれ確認してみてください。

ポイント1.授業の時間帯(土日コースあるか)

まずは授業の開催日程を確認しましょう。

短期間での取得を目的としたコースの場合、平日の朝から夕方まで、みっちりと研修が入ります。

平日に通えて、短期で取得したい人にはおすすめですが、働きながら取得を目指す人には現実的ではありません。

働きながら取得を目指す人は、土日コースと通信学習を組み合わせるのがいいでしょう。

夜間講座も確認しておく

数は多くないですが、中には平日の夜間に開講しているスクールもあります。

平日の仕事の後の時間を有効に使いたい人は、こちらもチェックしてみるといいでしょう。

ポイント2.休んだときに振替はできるか

授業の振替ができるかどうかは、スクールを選ぶ際の大事なポイントです。

予定通りに全て参加できればいいですが、体調不良、急な仕事など、予期せぬ事態はだれにでも起こり得ます。

そんな時、もし、振替ができないスクールを選んでいると、コースを終了できないという事態に陥る可能性が高いです。

ですので、授業振替ができるかどうかは必ず確認しましょう

できれば振替は無料、手続きも電話1本で済むような簡単なところがおすすめです。

ポイント3.通学回数と期間は適切か

通学が必須の講座に関して、通学日と通学日の間が空いていると、それだけ終了まで時間がかかります

週1回、毎週火曜日、など定期的に授業が開催されていかも確認しましょう。

あなたのスケジュールに合わせて、通えるところを選ぶとより短縮できるはずです。

通いやすさも考慮して選ぶようにしてみてください。

では、どんなスクールがあるかもチェックしておきましょう。

選ぶときの参考にしてみてくださいね。

10.どんなスクールがあるか見てみよう

ここまで、スクールの選び方についてお話してきました。

でも、どんなスクールがあるのかわからない人も多いですよね。

そこで、代表的なスクールを以下5つ紹介します。

  1. カイゴジョブアカデミー
  2. 未来ケアカレッジ
  3. ベネッセスタイルケア
  4. ニチイ
  5. 三幸福祉カレッジ

それぞれ見ていきましょう!

(1)カイゴジョブアカデミー

関東、関西の主要都市と、名古屋で開講しています。

授業振替についても、同じ都道府県内であれば何度でも無料、受講の順番が前後してもOKなので、良心的です。

『特待生制度』があり、特待生は無料で初任者研修を受講できます。

(2)未来ケアカレッジ

関東、関西、東海の主要都市に加えて九州でも開講、全国で100教室以上の大規模な介護スクールです。

授業振替は電話1本で対応してくれ、予習復習に役立つ動画見放題や、介護現場見学も無料となっています。

(3)ベネッセスタイルケア

「進研ゼミ」や「こどもチャレンジ」などで有名なネッセグループの介護スクールです。

教育に特化した会社ならではの学びやすいカリキュラムが特徴的なスクールですね。

途中で受講が続けられなくなった場合も、最大8か月まで受講延長が可能となります。

20代~60代の幅広い年代が受講しており、幅広い年代から応募が多いです。

(4)ニチイ

全国に8,300 の契約医療機関、また約1,400の介護事業所を運営しており、現場での最新情報をカリキュラムに反映できることが強みのスクールです。

現役の介護職員として活躍する講師も多数いるため、現在進行形の最新介護を学ぶことができます。

(5)三幸福祉カレッジ

限られた時間の中で最大限、介護技術を習得できるように工夫されたカリキュラムが売りです。

講義→グループワーク・実技実習→ポイント解説」を繰り返します。

講義を聞いているだけ、動画を眺めているだけ、ではなく、全員が実技に参加することをモットーとしています。

『短期集中コース(1ヶ月で終了)』、『準短期コース(1.5~2ヶ月で終了)』、『土日コース(3~4ヶ月で終了)』など、豊富なコースを取り揃えているのも魅力となるでしょう。

【Q&A】気になることは確認しておこう

ここまでで、初任者研修、実務者研修に関して、だいぶ知ることができましたよね。

最後に、Q&A形式でさらに気になることにお答えしていきます。

  1. オンラインのみで完結できる?
  2. 試験内容はスクールによって異なる?
  3. 試験の形式は?
  4. 試験の難易度と合格率は?
  5. テスト勉強のコツはある?

それぞれ見ていきましょう。

Q1.オンラインのみで完結できる?

初任者研修・実務者研修ともに、残念ながらオンラインだけでは完結しません

どちらもかならず通学が発生します。

初任者研修の場合、130時間中、通信学習にあてられるのは上限40.5時間と定められており、残りの約90時間は通学が必要です。

実務者研修の場合、「介護課程Ⅲ」と「医療的ケア(演習)」は通学が必須の科目となります。

「医療的ケア(演習)」の通学時間数は、スクールによって時間数は違いますが、12~16時間程です。

つまり、「介護課程Ⅲ(45時間)」+ 「医療的ケア(演習)(12~16時間)」で、合計約60時間は通学の必要があるでしょう。

Q2.試験内容はスクールによって異なる?

初任者研修は、最後に試験を受けて合格する必要があります。

しかし、試験は各スクールによって若干内容が異なることは覚えておきましょう。

ですが、厚生労働省の指針にそって各都道府県の管轄機関が実施要項を決めているため、難易度に違いが出ないようになっています。

形式の違いや、出題の方法が違うだけで内容は大きく変わらないということは覚えておくと良いでしょう。

Q3.試験の形式は?

初任者研修の試験はスクールによって違いますが、一般的に選択式の問題が多いです。

中には記述式の問題を出すスクールもありますが、割合は大きくありません。

また、筆記試験のみならず、実技試験を課すスクールもあります

もし、不安なら事前にスクールの概要を確認してみると良いでしょう。

Q4.試験の難易度と合格率は?

試験内容も合格率もスクールによって違うため、正式な合格率を算出することはできません

ただ、「合格率90%以上」と発表しているスクールもあることから、合格率は高めであると推測できます。

万が一、合格点に達しなかった場合、再試験を実施してくれるスクールも多いです。

内容を理解していれば、失敗は基本的にはないのでチャレンジしてみてください。

Q5.テスト勉強のコツはある?

実技のテスト対策としては、動画で勉強するのがおすすめです。

例えば「ベットから車いすへの移乗」など、一連の動作を文字で説明されても、イメージしにくいですが、動画なら視覚的に理解しやすいでしょう。

スクールによっては無料動画を提供してくれるところもありますし、YouTubeにも上がっているので活用しない手はありません。

まとめ

初任者研修も実務者研修も、通信学習と通学をうまく組み合わせることで、働きながら十分に取得できることがご理解いただけたかと思います。

初任者研修で基礎を身に着けてから就職する道もありますし、働きながら初任者研修を取得するということも可能です。

介護福祉士を視野に入れている人であれば、初任者研修+実務者研修をセットで受講し、6ヶ月みっちり勉強してから職につくのも良いでしょう。

自分の目標やライフスタイルに合わせて、資格の取得を目指してみてください