介護師

令和時代のワークスタイル!介護シェアの働き方を解説します!

介護の資格は持っているが、結婚や出産を機に現場から離れてしまっている人へ。

その資格を活かせる働き方として、介護シェアリング(以下:介護シェア)があります。

介護業界と言えば、人手不足で働き方に融通がききづらいというイメージがあるかもしれません。

しかし、最近は介護業務に対して仕事を細かく分業するシェアリングサービスの考え方が浸透してきました。

長時間労働やシフトの融通がきかない。

そんなネックに対して柔軟な働き方を実現できるのが、この介護シェアという働き方です。

今回は介護シェアの紹介からメリット・デメリットなど解説していきます。

1.介護シェアってなに?

介護シェアとは

始めに介護シェアについて概要です。

介護シェアに関する基本的な解説や制度の背景、正社員やアルバイト・パートの働き方と比較してどのような違いがあるか比較していきます。

具体的には次の3つです。

  • 介護シェアとは
  • ひと目で分かる違い
  • 介護シェアの背景

それぞれ確認していきましょう。

(1)介護シェアとは

介護シェアとは数ある介護業務を複数人で分担させる働き方です。

例えば身近な例としてコンビニで考えてみましょう。

コンビニ店員の仕事はレジ打ち・品出し・清掃など多岐にわたります。

通常はこれらを一連の業務として勤務時間で担当しますが、シェアリングではそれぞれの業務として分担するのです。

つまりレジ打ち担当はレジ打ちのみ、品出し担当は品出しのみを行います。

介護業務で考えると主な仕事は下記です。

  • 見守り
  • 食事介助
  • 入浴介助

これらの業務はそれぞれの事業所スタッフが流動的に担当するのが基本です。

一方介護シェアとはそれぞれの業務専任のスタッフを設け、分業して業務をすることを指します。

例えば見守りであれば、見守り業務だけをする。

そんな分業した働き方が介護シェアです。

(2)ひと目でわかる違い

ここでは「介護シェア」「アルバイト・パート」「正社員」それぞれの働き方から違いを解説していきます。

わかりやすくするために、以下の表にまとめてみました。

介護シェアがアルバイト・パート・正社員よりも働きやすいことがわかるはずです。

  介護シェア アルバイト・パート 正社員
仕事内容 業務の一部分
(食事介助・入浴介助など)
介助業務全般を担当 業務全体や運営
給与 時給制or案件ごと 時給制 月給制
勤務日数 自由に選びやすい 週2日〜など制限あり 常勤勤務
難易度 優しい 案件による 資格が必要
資格なしもあり

契約に縛られず、自由に介護の世界に関われるわけです。

保有している資格によっては、より専門的な技術を必要とする案件も受けることができます。

あなたの技術に合わせて、自由なスタイルで働く場所を見つけてみるのも良いでしょう。

(3)介護シェアの背景

ここでは介護シェアの背景を解説します。

介護シェアが考えられた要因として考えられるのは2つ。

1つ目は介護人材の不足です。

日本は少子高齢化社会として介護需要が高まる一方で、介護の担い手としての労働者が不足している課題を抱えています。

労働人口の減少に伴い、介護従事者の人材獲得がより一層困難になることが予想され人材不足は加速するでしょう。

厚生労働省の2025年に向けた介護人材にかかる受給推計(確定値)によると、2025年には介護人材の需要と供給において約37.7万人の供給不足が見込まれています。

これらの状況に対して、より柔軟な働き方を実現しより多くの介護従事者を獲得していきたい。

そんな背景が考えられます。

2つ目は短時間勤務の需要増加です。

介護現場革新会議の基本方針によると、介護従事者の労働条件の悩みとして挙げられるのが労働時間の不規則性や長時間労働だと言われています。

女性の場合は、結婚や出産を機に離職して非正規雇用として働く割合が多いです。

このことから、正規職員よりも短時間で時間の融通がききやすい非正規としての短時間労働の需要が高まっています。

2.こんな人におすすめ!介護シェアに向いている人

ここでは介護シェアの働き方に向いている人に関しての解説です。

介護シェアに向いている人には次の3つのポイントがあります。

  • スポットで働きたい
  • 時間の融通をきかせたい
  • ブランクを慣らしていきたい

それぞれ解説していきます。

おすすめ1.スポットで働きたい

1点目はスポットで働きたい人です。

介護の仕事と言っても、業務内容は幅広いですよね。

食事介助・入浴介助・利用者の見守り・送迎など様々です。

介護シェアの働き方は、これら業務の一部に特化して働くことができます。

食事介助であれば食事の準備から介助、そして後片付けまでです。

1つの業務に特化しているので、あなたの得意を活かしやすい働き方だと言えるでしょう。

また限られた業務しか担当しないため、早く業務に慣れることができます。

おすすめ2.時間の融通をきかせたい

2点目は時間の融通をきかせたい人です。

「介護の資格は持っているけど家庭の都合で長時間は働けない」

そんな悩みを抱えて、時間の融通がきく短時間労働を求めている人にはピッタリな働き方です。

アルバイト・パートでも時間の融通がきく事業所はあるでしょう。

しかし介護シェアの場合、働き方の特性上1つの業務を担うため先の見通しが立てやすい傾向があります。

そしてその結果、短時間労働をしやすい仕組みとなっています。

例えば午前中に家事を済ませて、子どもの保育園のお迎えまでの数時間だけ働きたい。

そんな働き方も介護シェアであれば可能です。

おすすめ3.ブランクを慣らしていきたい

3つ目はブランクを慣らしていきたい人です。

介護従事者として働いていたが、結婚や出産を機に退職した人はこれにあたるかもしれません。

ブランクがあり、いきなりアルバイト・パートや正社員のように長く働くことに不安を感じる人はいるでしょう。

介護シェアのようなスポットで単発の働き方であれば、自分のペースで無理なくブランクを慣らしていくことが可能です。

3.介護シェアの給料や待遇

介護シェアの平均収入・平均時給

続いて介護シェアの給料や待遇について解説します。

基本的にはアルバイト・パートのような時給制が多いようです。

大手アルバイト求人サイト「バイトル」によると、全国の介護系求人の平均時給相場は1,272円でした。(10月7日現在)

これは地域によって前後はありますが、介護系の時給相場と言えるでしょう。

取得した資格によっては給与が上がることも珍しくありません。

案件によっては、1日のみ数時間勤務で即日払いの案件もあります。

基本的に介護シェアは働き方が異なるのみで、給料や待遇が大きく変わるわけではありません。

しかし案件によっては1日のみの勤務が可能であったり、即日払いが可能など特別な待遇があるようです。

4.介護シェアを利用するメリット3つ

介護シェアを利用するメリット

続いて介護シェアのメリットを紹介します。

介護シェアのメリットは次の3つです。

  • 自分の都合で働きやすい
  • 自分の得意を活かせる
  • そのまま正規採用になることも

それぞれのメリットを確認しておきましょう。

メリット1.自分の都合で働きやすい

1つ目は自分の都合で働きやすい点です。

介護シェアの最大の特徴は、業務を細分化している点でしょう。

業務を細分化することで、見通しを立てて集中的に業務に専念しやすいのが特徴です。

業務の細分化は長時間労働が起こりづらい環境を作ります。

したがって、構造的にシフトの融通がききやすく短時間で柔軟な働き方が可能です。

メリット2.自分の得意を活かせる

2つ目は自分の得意を活かせることです。

例えば入浴介助のような体力を使う介助は苦手だけど、利用者に寄り添って食事介助するのは得意。

そんな場合、業務を細分化している介護シェアにおいて自身の強みを活かしやすい環境だと言えます。

また他の業務を掛け持ちすることも基本的にないため、自分の業務に専念して取り組むことができるでしょう。

これは大きなメリットだと言えます。

メリット3.そのまま正規採用になることも

3つ目はそのまま正規採用になることがある点です。

特にブランクを抱えている人で将来的に介護業界に戻って頑張りたい人には大きなメリットです。

雇用側としては新しい人材を採用するよりも、既に働きぶりや人となりがわかる既存のスタッフを正規雇用として迎えたいという傾向が強くあります。

その理由は既に人柄を知っているからです。

働きぶりや、仕事を通して感じるその人の人柄を既に知っている人を採用するほうが心理的な安心感があります。

したがって正規採用を検討している場合は、打診を受けやすいことがポイントです。

反対に、勤務態度が悪かった場合はこの限りではないため短時間勤務という働き方であっても真摯に業務に取り組むようにしましょう。

5.介護シェアを利用するデメリット3つ

介護シェアで働くデメリット

次に介護シェアのデメリットについて解説します。

デメリットは次の3つです。

  • 休む暇がないほど忙しい可能性
  • 職場の人とのコミュニケーション
  • キャリアにつながりづらい

それぞれのデメリットをしっかり確認しておきましょう。

デメリット1.休む暇がないほど忙しい可能性

1つ目は休む暇がないほど忙しい可能性があることです。

短時間のスポット勤務の介護シェアにおいて担当する業務が明確なので、その時間は忙しくなりやすい傾向があります。

例えば食事介助であれば、利用者の食事前後がピークタイムです。

その時間に集中的に働くスタイルのため、構造的に忙しくなりやすい特徴があります。

メリハリをつけて働きたい人にとっては、メリットにもなり得る特徴です。

デメリット2.職場の人とのコミュニケーション

2つ目は職場の人とのコミュニケーションです。

短時間勤務で、その勤務時間中は忙しくなりやすい介護シェアでは職場の人とのコミュニケーションが希薄になりやすい傾向があります。

また案件によっては1回限りの単発案件もあるでしょう。

その場合は、常に初めての環境とスタッフの中で勤務する必要があります。

コミュニケーションが疎かになり、わからないことを質問しづらい。

そんな状況も考えられるため、積極的にコミュニケーションを取るように意識しましょう。

デメリット3.キャリアにつながりづらい

3つ目はキャリアにつながりづらい点です。

介護シェアという働き方は、限られた業務しかこなしません。

したがって、業務で得られる経験が限られてしまうというデメリットがあります。

もちろん担当業務のプロフェッショナルとして経験を積んでいくことは可能です。

しかし、事業所を運営するためには様々な業務に携われるようなスタッフが重宝されやすいことも現実でしょう。

そう考えると、様々な業務に携わることを前提としていない介護シェアの働き方はスキルを積むという点ではキャリアの構築につながりづらいと考えられます。

6.介護シェアのお仕事の流れ

続いて介護シェアで働くための流れを紹介します。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 登録
  2. 案件選択
  3. 出勤

一連の流れを確認しておきましょう。

流れ1.登録

始めに介護シェアの働き方ができるサイトに登録または、サイトを閲覧してみましょう。

登録制の場合は名前や連絡先、また取得している介護資格を記入します。

登録自体はスマホ1つで簡単にできるサイトが多いです。

流れ2.案件選択

次に行うのが案件の選択です。

案件は仕事内容ごとに掲載されているため、自分の希望する仕事内容から選択していきます。

1つの事業所でも仕事内容によってそれぞれ分けて掲載している場合があるため、注意して確認するようにしましょう。

また介護シェアの働き方を求める人の多くが重視しているポイントは、シフトや勤務時間の融通がきくかどうかです。

自分の希望する勤務地や条件と照らし合わせて案件を選択しましょう。

事業所ごとの募集であれば、通常のアルバイト・パートのように面接を行って採用するのが一般的です。

一方で登録制のような形は、サイト運営会社からスタッフを派遣するような形になるため面接不要でそのまま出勤となる場合があります。

流れ3.出勤

案件が決まったら出勤です。

担当する業務の説明を受けて、勤務がスタートします。

実際に働いてみて、シフトや勤務時間を今後どうしていくのか相談するのも1つでしょう。

単発案件も、場合によっては継続的に勤務をお願いされることも珍しくありません。

自分の状況に合わせて無理なく検討するようにしましょう。

【参考】介護シェアサービスを受けられるサイト一覧

最後に介護シェアサービスを受けられるサイトを紹介します。

ここで紹介するのは次の2つのサイトです。

  • カイテク
  • リジョブ介護

それぞれのサイトの特徴を解説します。

1. カイテク

会社名 カイテク株式会社
住所 東京都港区赤坂2−8−15
TEL 03-4400-1273
公式サイト https://caitech.co.jp/caisuke-lp/#

介護ワークシェアリングに特化したサイト「カイスケ」を運営しています。

面接なし・最短即日入金という特徴があり、関東圏と愛知県でサービスを展開中です。

登録ができるのは有資格者のみですが、スキマ時間に単発の仕事をしたいと希望している人にはピッタリなサイトでしょう。

2. リジョブ介護

会社名 株式会社リジョブ
住所 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 47F
TEL 03-5848-7705
公式サイト

https://relax-job.com/kaigo

求人数2万件を超える介護専門の求人サイトです。

リジョブ介護には求人検索の際に絞り込み機能があります。

「勤務体制・休日」という項目の中にワークシェアリングという項目があり、絞り込みが可能です。

絞り込むと介護シェアの働き方ができる案件が掲載されており、そこから応募することができます。

まとめ

今回は介護シェアリングについて紹介しました。

まだまだ新しい考え方で、介護シェアの認知は普及段階です。

しかし、今後の介護需要を考えると必要なサービスとして注目されています。

メリットもたくさんあるため、まずは自分に合う働き方かどうか検討するところから始めてみましょう。