「介護職は未経験だし、30代だけど転職できる?」
「30代で介護職にチャレンジしたときの、メリットやデメリットを知りたい…!」
一般的な職業だと、すでに管理職になっている人もいるような30代。
ここから新しい介護の道へ進むのには、さすがに遅すぎるかなと不安になりますよね。
しかし結論からいうと、30代からでも全然遅くありません。
そこで今回は介護職が未経験でもスムーズに転職できるのか、また30代から挑戦するメリットとデメリットについて解説します。
この記事が、あなたの介護士ライフを後押しするきっかけになれば幸いです。
◆本記事の要約
- 介護職が未経験でも30代からでも就職できる?
- 介護未経験でも30代から挑戦するメリット
- 介護未経験で30代から挑戦すると生じるデメリット
ここでは介護職が未経験でもスムーズに転職できるのか、また30代から挑戦するメリットとデメリットについて解説していますが、資格や給料体制の細かい情報はこちらで紹介しています。
あわせてチェックしてみてください。
目次
介護職が未経験でも30代からでも就職できる?

一般的に、未経験で30代となると「就職・転職が難しい」といわれますよね。
では同じように、介護職も未経験で30代からの挑戦では困難になるのでしょうか?
結論、介護職は未経験でも30代でも就職や転職がしやすいといえます。
未経験かつ年齢を重ねていても介護業界に就職できる理由は、以下の3つ。
- 介護職員で1番多いのが30~40代
- これから高齢者はさらに増加する
- 10年後の主力メンバーとして幅広く介護を経験できる
なぜ年齢を重ねていても介護業界に就職できるのか、1つずつ解説します。
介護職員で1番多いのが30~40代
厚生労働省が発表している「介護労働の現状」をみると、30代が全体の24%を占めています。
ちなみに、そのうち84.7%が中途採用者。
このデータをみて分かるとおり、30~40代が介護業界を支えています。
そのため無資格・未経験ということは関係なく、30代からでも介護業界に挑戦する人は多いです。
30代だと、少なくとも10年は介護施設で働ける計算になるため主戦力として歓迎されやすいのも特徴といえるでしょう。
◆介護職で働く30代の割合
もう少し資料を細かく見ていくと、以下のようになります。
- 30〜39歳:24.1%
- 40〜49歳:22.9%
- 50〜59歳:19.9%
このうち派遣で介護施設の仕事を始める人は、未経験や無資格で働いている方がほとんどです。
資格があれば即戦力として扱われますが、どの仕事でも同じように始めは研修期間。
ここを乗り越えられる人が、30代~60代まで介護職を続けているのでしょう。
◆介護職に就く30代の男女比
ちなみに介護職に就く30代の男女比についても、調べてみました。
すると、数値は以下。
- 男性:20.4%
- 女性:7.9%
この結果から、30代においては男性が多く活躍しているといえるでしょう。
介護の世界には「同性介護」がまだまだ浸透しているため、男性の割合が多くなっていると考えられます。
男性の利用者を介護するのは男性、同じように女性の利用者を介護するのは女性というのが基本になる考え方のこと。長く運営している介護施設ほど、この考え方が染みついている。
また介護労働安定センターの「平成29年度介護労働実態調査」によると、2017年における介護職員の採用率は20.1%でした。
これは同年の全産業における採用率が12.1%であることと比べれば、かなり就職しやすい状況といえます。
正社員を抱えることが企業の課題になりつつあるいま、有効求人倍率は平均4.09倍と高いため中途採用でも受かる可能は大きいです。
これから高齢者はさらに増加する
実は日本では2020年時点ですでに人口の約30%が高齢者となっており、このままの状況が変わらなければ「2065年には約40%が65歳以上になる」そう。
もともと介護業界は約30万人もの人手不足といわれており、高齢者の増加とともに介護士の負担はさらに大きくなっていきます。
しかし高齢者が増加する一方で、介護職離れも比例しているのが現在の課題です。
介護職が未経験だとはいえ、30代でキャリアチェンジを考えているの人は業界にとって嬉しい存在といえるでしょう。
将来における介護施設の担い手として、主力と考えられるのが30代です。
10年後の主力メンバーとして幅広く介護を経験できる
体力がある30代は40~60代の介護士と比べ、身体介護を多く任される可能性があります。
またレクリエーションなどを行う介護施設の場合、アイデア力が必要となる企画・実行、PC作業が必須な事務作業も任されやすく、さまざまな仕事を経験できるでしょう。
若いころにたくさん経験することで、自分がどのような介護施設で働きたいのかを検討する材料にもなります。
また介護に未経験、かつ30代で興味を持つということはこの先ずっと業界にいると考えるのが普通です。
同じ施設で働いている場合、10年後にはリーダーのような主力になる可能性もありますよね。
10年後に主力メンバーとして活躍してもらうには、若いころにたくさん経験させて学ばせることが大切です。
すぐにやめてしまう人よりも、丁寧に時間をかけて教育してもらえることがほとんどですよ。
介護未経験でも30代から挑戦するメリット

ここからは、介護未経験でも30代から挑戦するメリットについて3つ紹介します。
- 働き方が選べる
- 資格を取得しながら働ける
- 将来ケアマネージャーとして長く働ける
30代だからこその視野でもあるので、参考にしてみてください。
働き方が選べる
介護未経験でも30代から挑戦するメリット、1つ目は「働き方が選べる」ということ。
結論からいうと、介護職は家庭の都合にあわせた働き方を選択できます。
ちなみに働き方が選べる理由は、以下の2つ。
- 介護業界は人手が足りない
- Web上での介護職求人はほとんどが正社員募集
詳しく見ていきましょう。
介護業界は人手が足りない
まずは「介護業界は人手が足りない」という点が挙げられます。
一般的に転職をする際には、該当する業界の資格などを保持していないと面接で落とされることも多いですよね。
正社員登用を視野に入れた契約社員などでは、パートやアルバイトと比べてさらに転職の難易度が上がります。
しかし先述したとおり、介護業界は慢性的な人材不足。
つまり本人の態度が悪かったり適正がなかったりしなければ、未経験や無資格者でも介護職の正社員として中途入社することは簡単です。
というのも採用側からすれば、介護業界の正社員雇用は高い壁ではなく「安定的な人材の確保」となります。
特に「未経験・無資格者歓迎」と記載してある介護施設へ連絡してみると、形ばかりの面談という事業所も。
このような状況なので、年齢関係なく自分に合った働き方をすることができるのです。
Web上での介護職求人はほとんどが正社員募集
つぎに「Web上に掲載されている介護職求人を見るとほとんどが正社員募集」だということ。
採用側は「安定的な出勤が見込める存在」が欲しいので、規定の日数・時間が決められている正社員を雇用しようと考えるのです。
これだけ介護職人口が減少しているなか、たしかにパートやアルバイトとして雇用した人材がすぐやめてしまうことは悔しいはず。
こういった理由から、介護未経験者の30代でも働き方を自由に選べるようになっています。
資格を取得しながら働ける
介護未経験でも30代から挑戦するメリット、2つ目は「資格を取得しながら働ける」ということ。
介護施設によりますが、勤務時間はしっかりとシフトで決められているので勉強しやすいのです。
たとえば入所型施設の場合は、以下のような4交替制のシフトが多いでしょう。
- 早番:7~16時(実働8時間・休憩1時間)
- 日勤:9~18時(実働8時間・休憩1時間)
- 遅番:11~20時(実働8時間・休憩1時間)
- 夜勤:16~10時(実働16時間・休憩2時間)
夜勤はあるものの、日勤専門として働くこともできるため「早番」勤務後に3時間ほど勉強時間を確保することは可能ですよね。
あまりおすすめしませんが夜勤専門として働き、翌日の休みを勉強時間に充てることも可能です。
夜勤は実働16時間で2日分のシフト計算となるため、翌日はかならず休日。身体をしっかりと休められるため、昼夜逆転生活を防ぐことができる。
また通所型施設の場合は、介護職員に夜勤はありません。
主に以下のようなシフトとなります。
- 9~17時(実働6時間・休憩1時間)
- 9~13時(実働4時間・休憩なし)
- 11~14時(実働3時間・休憩なし)
まずは短時間勤務で出勤し、資格取得のために時間をつくるのも良いでしょう。
ちなみに介護資格として代表的なものは、以下の5つです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- サービス提供責任者
- 国家資格:介護福祉士
- 認定介護福祉士
介護福祉士の資格手当は、東京の平均で約10,000~15,000円です。
介護福祉士に関しては通学して受験資格を得る必要があるものの、その他は勉強と演習で取得できるものなので挑戦してみてはいかがでしょうか?
将来ケアマネージャーとして長く働ける
介護未経験でも30代から挑戦するメリット、3つ目は「将来ケアマネージャーとして長く働ける」ということ。
ケアマネージャーは、以下の手順を踏むことで資格を取得できます。
- 現場で3年の経験を積む
- ここで介護福祉士の資格を取得する
- その後さらに現場で5年の経験を積む
ここまででも8年のキャリアが必要なので、30代でケアマネージャーを目指すと最短40歳前後で資格が取れると考えておきましょう。
また居宅介護事業所の責任者になることもできる「主任ケアマネージャー」の資格を取得するなら、ケアマネージャーとして5年の経験が必要です。
将来どのように介護業界に関わるのかを考えることで、体力がなくなっても働き続けることができるでしょう。
介護未経験で30代から挑戦すると生じるデメリット

ここからは、介護未経験で30代から挑戦するデメリットについて2つ紹介します。
- 身体介護がつらい
- 前職と比べて給料が安くなる可能性も
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
身体介護がつらい
介護未経験で30代から挑戦するデメリット、1つ目は「身体介護がつらい」こと。
介護施設にもよりますが、基本的な業務内容は以下です。
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 体位変換
- シーツ交換
- 口腔ケア
- 服薬介助
- 機能訓練の補助
- レクリエーションの企画・実行
- 送迎やお見送り
このなかでもつらいと感じる「身体介護」は、体位変換。
この体位変換では、ときには小柄な女性スタッフが男性を担当することもあります。
もし腰痛などを持っていると、この体位変換は症状を悪化させる原因にも。
介護業界では30代を超若手と捉えるため、腰痛持ちの場合は申告しておきましょう。
他にも寝たきりの人を担当して行う入浴介助も、かなりつらいかもしれません。
前職と比べて給料が安くなる可能性も
介護未経験で30代から挑戦するデメリット、2つ目は「前職と比べて給料が安くなる可能性がある」こと。
介護業界は全体的に、給料が安い傾向があります。
そのため前職に比べて、一時的に給料が下がることも。
介護職の給料については、以下の2点を把握しておきましょう。
- 介護業界は人手が足りない
- 介護職が未経験なら研修がある
解説していきます。
手取りは額面の8割程度
まず介護職では、手取りをベースに考えるようにしましょう。
「額面給料」と「手取り給料」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
実際に手元に残る給料は額面の8割程度であり、所得税や社会保険料などが引かれた状態です。
これを理解しておくことで、無駄な金銭トラブルや不安がなくなるので参考にしてみてください。
介護職の平均的な給料金額は?
入門として「介護職員初任者研修」というものが存在するのですが、この資格を保有している介護士の平均的な年収は約252~336万円といわれています。
これは計算しなおすと月収18~24万円で、手取りにすると16~18万円程度です。
この結果をみると、やはり介護職の給料は低いといえるでしょう。
まとめ|介護未経験でも30代は主戦力になります

今回は介護職が未経験でも転職できるのか、また30代から挑戦するメリットとデメリットについて解説しました。
なにも分からない介護未経験者でも、体力がある30代なら施設の主戦力として活躍できます。
勉強をしながら、1歩ずつ先輩のように介護が上手くなるように練習しましょう。
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