「看護師資格を活かして公務員として働きたい」
「夜勤なしで安定した働き方をしたい」
そんな看護師に注目されているのが、厚生労働省で看護師として働く方法です。
厚生労働省では看護師が活躍できる仕事が複数あるため、募集条件に適していれば公務員として働くのも夢ではありません。
そこでこの記事では、看護師から厚生労働省に勤める方法や仕事内容について解説していきます。
厚生労働省の仕事を知り、自分のキャリアの可能性を広げましょう。
目次
1.看護師から厚生労働省に勤める流れを知ろう!
採用枠は多くありませんが、看護師から厚生労働省に勤めることは可能です。
厚生労働省ではほとんど毎年看護師の募集をしているため、公務員としてより多くの人のために働きたいという看護師の人は目指すと良いでしょう。
以下では、参考として看護系技官が採用されるまでの流れを紹介します。
- 応募情報を確認
- 受験申し込み
- 一次試験(小論文)
- 二次試験(個別面接)
- 合格発表
看護師資格を活かして厚生労働省で働く場合、筆記試験はほとんどなく面接と小論文で採用が決まるケースが多いです。
時間があれば公務員試験対策などを受講し、事前準備をしておきましょう。
また、厚生労働省が行っている説明会に参加するのも効果的です。
採用のポイントや仕事内容について、看護師として厚生労働省で働く先輩の声を聞いてみましょう。
看護系技官の採用説明会・座談会は、2020年7月現在オンラインで開催されています。
次は、看護師が厚生労働省で活躍できる仕事を具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
2.看護師が厚生労働省で活躍できる仕事とは
看護師が厚生労働省で働ける職種は以下の通りです。
- 検疫官(看護師)
- 看護系技官
- 研究機関等の施設職員
厚生労働省で看護師として働くイメージがついていない人は、まだ少なくないはずです。
ここから紹介するそれぞれの仕事内容をチェックし、自分の理想の働き方と合っているか考えてみましょう。
仕事1.検疫官(看護師)
空港や港湾などで検疫を行う検疫官は、看護師の採用を行っています。
検疫官の主な仕事は、伝染病や感染症が広がるのを防ぐため国内に出入りする人やものを検査することです。
他に、検疫官としての仕事には以下のようなものがあります。
- 衛生調査
- 船の衛生調査
- 健康相談
- 予防接種
検疫官になれば、全国各地の空港や港に転勤しながらシフト制で1日7時間45分働きます。
場合によっては夜間の勤務もありますが、シフト制なので残業などは少ないでしょう。
給与は経験により変動しますが、令和2年度の募集では初任給が192,400円~と明記されています。
今の看護師の月収よりは落ちてしまう可能性もありますが、公益性の高い仕事なのでやりがいは大きいでしょう。
仕事2.看護系技官
看護系技官とは、看護師資格や保健師資格、助産師資格を活かし技術系技官として厚生労働省で働く職員です。
看護系技官の主な仕事は、看護師としての知識を活かして公衆衛生問題に取り組んだり、現代医療の向上に向け看護サービスに関する施策を作ったりすることになります。
しかし看護系技官として配属される部署は多岐に渡り、それぞれで仕事内容は異なるのでまずは公式サイトをチェックしてみましょう。
看護系技官が配属される部署を以下では参考としてピックアップしていきます。
- 国際課 国際保健・協力室
- 厚生科学課総務課
- 医療安全推進室地域医療計画課 在宅医療推進室健康課
- 保健指導室安全衛生部労働衛生課 産業保健支援室
- 家庭福祉課 虐待防止対策推進室
それぞれの仕事内容をチェックして、自分に合う仕事を探しましょう。
仕事3.研究機関等の施設
厚生労働省が運営する研究所などでは、不定期で看護系研究者の募集があります。
しかし、看護系研究者になるには少なくとも大学院や博士課程を出ている必要があるため、すぐに研究職を目指すのは難しいでしょう。
看護師から研究者になる方法や難易度については、以下の記事で解説しています。
「看護師から研究者になるには」の記事へリンク
研究者を目指す人は参考として、読んでみてください。
以上が、厚生労働省で働く看護師の仕事でした。
次は仕事別に、応募できる看護師の条件を解説するのでぜひチェックしてください。
3.厚生労働省が募集する看護師の条件
厚生労働省では、実務経験・資格など募集する看護師に明確な要件を付けています。
ここからは検疫官(看護師)、看護系技官の募集要件について解説するので、厚生労働省で働きたい人はぜひ参考にしてください。
条件1.検疫官(看護師)の場合
港や空港で働く検疫官の仕事に看護師が就くには、以下の資格・経験が必須です。
- 看護師資格を持っていること
- 応募時点で臨床経験が3年以上あること
- 普通自動車免許を持っていること
臨床経験3年以上が必須となっているので、看護師になりたての人は転職ができません。
求人情報を毎年チェックしつつ、臨床経験を積むところから始めましょう。
条件2.看護系技官の場合
看護系技官に求められる資格・経験は以下の通りです。
- 看護師免許を持っていること
- 看護系大学または看護系大学院を卒業していること(卒業見込みも可)
- 看護に関する業務経験が7年以上あること(修了課程の期間を含める)
こちらは看護に関する経験が7年以上必須なので、ある程度経験を積んだ人しか応募ができません。
臨床経験だけでなく、現場の課題や今後厚生労働省が改善できることについて働きながら考えた上で応募を検討しましょう。
次は、看護師として厚生労働省で働く上で知っておきたい女性の働き方について解説します。
女性の方で、厚生労働省を目指す人はぜひ読んでみてください。
4.厚労省はどう?データから見る女性の活躍
厚生労働省で働くにあたって、女性が活躍できる場所なのか不安に感じる人は少なくありません。
省庁と聞くと男性中心のイメージが強く、なかなか女性が自分の力を発揮できないのではと考える人もいるでしょう。
しかし、厚生労働省は女性の活躍に特に力を入れている省庁です。
ここからは厚生労働省の男女比率、女性が働く上で気になるワークライフバランスについて解説します。
厚生労働省で働くことに不安を感じている人は、ぜひ読んでみてください。
4−1.厚生労働省の男女比率
厚生労働省の男女比率は新規採用者のうち総合職で男性が約68%、そして女性が約32%となっています。
そして一般職では、男性が64%、女性が36%となっており全省庁ではトップクラスの女性比率です。
そして厚生労働省全体で見る女性の割合は22.9%となっており、他の省庁を含む平均17.5%を上回っているのが分かります。
また女性管理職の割合は約9%とまだ少ない数字ではありますが、全省庁平均の5%よりは高い数値です。
以上のデータから、まだ十分とは言えない状況ではありますが、厚生労働省は女性活躍に積極的な職場であることが分かります。
男性中心と言われがちな国家公務員ですが、厚生労働省なら女性活躍の幅も広いでしょう。
4−2.厚生労働省のワークライフバランス
厚生労働省は、全省庁の中で比較的ワークライフバランスが整った職場だと言えるでしょう。
厚生労働省では有給休暇など基本的な制度が整っている他、育児と仕事を両立するため以下のような制度があります。
- 深夜・時間外残業の制限
- 業務軽減
- 通勤緩和
- 配偶者出産休暇
- 子の看護休暇
- 育児参加のための休暇(夫)
他に介護休暇など、厚生労働省には育児をしない人にとっても利用しやすい制度があります。
また、育児休暇取得率は約93%となっているため、妊娠・出産後も働く女性がたくさんいると言えるでしょう。
さらに、男性の有給休暇取得率も約11%と非常に高く、全省庁平均の2%を大きく上回っている状況です。
そのため男性・女性問わず家庭を大切にしながら働けると言えます。
以上が、厚生労働省における女性の活躍でした。
厚生労働省は労働に関する問題を扱っていることもあり、女性の活躍には積極的です。
そのため家庭のある女性看護師の人も安心して働くことができるでしょう。
しかし、厚生労働省で看護師として働く上では注意すべき点もあります。
次は、厚生労働省で働く上での注意点を解説するのでぜひチェックしてください。
5.厚生労働省の看護師が意識すべき2つの注意点!
やりがいのある仕事や安定した職場環境を目指し、看護師から厚生労働省を目指す人は少なくありません。
しかし、転職活動中にトラブルが起こったり、転職後にミスマッチが起こることも考えられるでしょう。
そこでここからは、想像と違った!という事態を防ぐため厚生労働省で働く上で注意すべき以下2つのポイントを解説します。
- 募集のない年度もある
- 全国転勤の可能性がある
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点1.募集のない年度もある
厚生労働省では複数の職種で看護師を募集していますが、年度によっては募集が全くないこともあります。
そのため、転職活動を始めようとしても目標とする仕事にちょうどよいタイミングで就けない可能性も少なくありません。
転職をしようと考えているなら、まずはその年度の募集要項を確認するところから始めましょう。
注意点2.全国転勤の可能性がある
看護師として厚生労働省で働く場合、多くの職場で全国転勤の可能性があります。
職場についてはある程度希望を出すこともできますが、厚生労働省の関連施設は全国各地にあるので希望が叶わないことも少なくありません。
家族がいて、なかなか単身赴任も難しい状態だという人は、転職についてもう一度考えてみたほうが良いでしょう。
以上が、厚生労働省で働く上での注意点でした。
他にも働く上で不安を感じる場合は、厚生労働省の説明会や先輩座談会などに参加して直接質問をしてみると良いでしょう。
次は、厚生労働省を目指す看護師に向け、採用のコツを解説していきます。
前向きに転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
6.厚生労働省で看護師として採用されるコツ
倍率の高い厚生労働省で看護師として採用されるには、これまでの経験から出来ることを分かりやすくアピールすることが大切です。
厚生労働省での仕事を説明会などを通して勉強し、自分の経験がどのように仕事に活きるのかを具体的に説明してみましょう。
自分が活躍できるシーンを伝えることで、採用側も入省後のイメージを持ちやすくなります。
そして、一次試験、二次試験で課される小論文は公務員試験対策講座などを受講したり、対策本を購入したりして準備しましょう。
昨今はオンラインで受けられる講座もあるので、不安を感じる人は半年より前を目安に対策を始めてください。
また採用の確率を上げるため、余力があれば保健師資格、助産師資格を取っておくとなお良いでしょう。
保健師資格、助産師資格については以下の記事をチェックしてください。
看護師から保健師になるにはどうすれば?資格取得の方法と保健師の働き方を知ろう
看護師から助産師になるには?資格取得のルートとその後のキャリアを解説
一方、厚生労働省で働くのが難しいけれど公務員のように安定して働きたいという場合、国立・市立病院に転職するというのも有効です。
国立・市立病院では特別な採用試験が無く、面接と履歴書で採用が決定します。
小論文などの対策は不要になるので、なかなか勉強して対策する時間が取れないという人は国立・市立病院の求人を探してみましょう。
まとめ
看護師は資格を活かし厚生労働省で働くことができます。
しかし採用枠が少ないので、これまでの実績をどれだけアピールできるかがポイントです。
厚生労働省での仕事が気になる人は、少しでも早く対策をスタートさせてください。